社会

2018年7月23日 (月)

友好的離婚

まつこです。

先日、あるセミナーに参加しました。ドイツのEU議会議員を講師として招きEUの現状について意見を聞くという会です。

EUがテーマのセミナーならあれにしよう!と思って選んだのは、Charlotte Olympiaのユニオンジャックをデザインしたバッグ。ついでに服も靴もJosephにして、UKファッションでコーディネートしてみました。ちょっとした「遊び」のつもり。

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[ネイビーのワンピースなら無難]

右傾化が顕著になる国々や、押し寄せる移民の受け入れなど、目下のところ諸課題が重くEUにのしかかっており、かつてのヨーロッパ統一の明るいヴィジョンは見えにくくなっています。日本との貿易協定によって、EUにも日本にも有利になるような関係構築をしたいという趣旨の講演でした。

まあごく一般的な内容だったのですが、イギリスのEU離脱、Brexitが話題になったとたん、ドイツ人EU議員の口調ががぜん熱くなりました。「EUを離れたらイギリスは弱体化するはずだ。出てくなら勝手にどうぞ。さっさと出て行ってくれ。バイバイ」といった調子です。

まあ、確かにBrexitをめぐって、イギリスは迷走を続けています。離脱の交渉条件をめぐっては、メイ首相の離脱方針に反対してEU担当大臣や外務大臣が辞職、さらにはそのEUと協調関係を目指す穏健な方針ですら、EU側は反発していると報道されています。

しかし「さっさと出てけ」と言われると、私が言われたわけでもないのに、なんとなく面白くないのはなぜかしら。Charlotte Olympiaのユニオンジャックのバッグのせいかしら。

いっぽうイギリスでは、「イギリス人よ、自信をもって離脱しよう!」と、辞めた外相のボリス・ジョンソンが檄を飛ばしています。こういうアジテーションも一時的な鬱憤ばらしにしかならないんじゃないかしらねえ。

「友好的な離婚」なんて、言うは易し、行うは難し。夫婦関係と同じように、つい感情的になってしまうのが外交関係です。しかしこういう難しい局面だからこそ、冷静な議論を積み重ねて互いの妥協点をさぐるという「大人の態度」を、ぜひEUとイギリスには見せてもらいたいものです。それができれば、ヨーロッパの価値も世界で再度評価されるでしょうけれど、まあ、難しいんでしょうねえ・・・。

2018年1月21日 (日)

クッキー片手に悲憤慷慨

まつこです。

先週末はセンター試験の監督に動員され休日返上。は〜あ、くたびれた・・・。

と、へこたれていたところにうれしいプレゼントが届きました。

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[ハプスブルク・ファイルヒェンの高級クッキー]

しっかりと香りのする焼き菓子ですが、口に入れるとホロホロと溶けるような軽さです。せっかくのおいしいお菓子でゆっくりしたティータイムでも過ごそうと、お茶をいれました。

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[おひとりさまで優雅なティータイム]

いつもはマグカップでガブガブ飲むので、ソーサー付のカップにするだけでも優雅な気分になります。

しかし・・・

お茶を飲みながら手にした読み物がまずかった。

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[オヤジ雑誌の中央公論]

2020年度からの入試改革についての特集記事が組まれていました。職業柄ついつい読んじゃいます。

今回の入試改革では文科省が「多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価しろ、と言っているのですが、なんだかよくわからない理念です。協調性のある「いい人」を選んで大学に入れろというんでしょうか。こういう中途半端な基準を持ち出すと、ますます学力軽視の教養崩壊が進むだけ。ひいては国力低下を招くだけです(断言)。

しかもこの特集では文科大臣が「大学は社会、産業界との共創関係を意識すべき」などと言っています。文科大臣がこういう発想では、大学が就職予備校化するばかり。今でも高校生とその親が大学を選ぶ時には、「どういう就職口があるか」を気にし、大学も大学で受験生獲得のために就職率を上げるのに汲汲としています(嘆息)。

大学はジョブ・センターじゃありませんっ!

ついつい紅茶吹き出しながら叫んじゃいそうになります。AIだ、少子高齢化だ、人口減少だ、財政破綻だ・・・と不透明な時代だからこそ、知識と思考力を鍛えて、時流に流されない倫理観を育む、じっくりとした教育が必要です。

それなのに、こんな右往左往の入試改革で高校も大学もあたふたと対応に追われるようでは、ますます教育そのものに向けるエネルギーが削られるだけ。

あーあ、片手にウィーン菓子、片手に『中央公論』持って、悲憤慷慨してしまいました。

2017年5月 8日 (月)

ブリジット・マクロンのファッション

まつこです。

フランス大統領選挙決選投票の報道で、「おっ!」と私が目を向けたのは、39歳の若くハンサムなマクロン・・・ではなく、64歳の妻ブリジットのほう。

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[投票所に向かうマクロン夫妻]

すっきりとしたグレーのジャケットがかっこいい。そのファッション・センスはすでに注目されているようで、イギリスの『ヴォーグ』のオンライン版には、さっそく「ブリジット・マクロンで変わるファースト・レディのファッション」(How Brigitte Macron is redefining First Lady Dressing)という特集記事が掲載されました。

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[スペインのフェリペ六世がフランス訪問したときの歓迎晩餐会に向かう二人。赤いヒールはジャンヴィト・ロッシだそう]

アメリカのトランプ大統領と妻のメラニアの年齢差も24歳だけれど、こちらは逆で妻の方が24歳年上。しかしブリジットのファションはメラニアにもひけをとってはいない。膝上数インチの超ミニスカートを着こなすブリジットは、それまでのフランス大統領夫人とは一線を画す自己主張のあるファッションが特徴です。

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[これはオランダの王族の歓迎会の時のファッション]

フランスの大統領夫人は、これまであまり目立たない存在だったのだそうです。確かに元ファッション・モデルのカーラ・ブルーニもサルコジの奥さんになったら、ブルジョアっぽいおとなしい着こなしになっていました。

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[この後ろ姿は60代には見えない!]

それに比べるとブリジット・マクロンのファッションはずっとエッジが聞いています。60代でノースリーブ+素足にミニスカート+スーパー・ハイヒールをカッコよく着こなせるのは、あっぱれです。

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[もちろんデニム姿もかっこいい]

有名ブランドのファッション・ショーのフロント・シートに座る姿もしばしば目撃されているようです。エルメス、ルイ・ヴィトン、ディオール、モンクレーなどフランスの代表的ブランドをご愛用とのことですが、ファースト・レーディになればますますその注目度は上がることでしょう。

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[24歳の年の差なんて・・・]

高校時代の国語とラテン語の先生だった女性と14年間の交際を経て結婚。そのエマニュエルは「ブリジットはずっと僕のそばにいてくれた。僕の人生の一部だ。大統領という地位には人間的な次元もある。僕の平静さを支えてくれるのは彼女なんだ」と、言い切っています。

既成概念にとらわれない恋愛と結婚をしたマクロン夫妻が、エリゼ宮から新しい時代を切り開いていってくれることを期待しましょう。

2017年2月 8日 (水)

似ている二人

まつこです。

先日、ロイアル・オペラ・ハウスのシネマ上映でオッフェンバックの『ホフマン物語』を見に行きました。

三つの悲恋の物語を詩人ホフマンが自伝的に語るという、凝った劇中劇構造を持つフレンチ・オペラです。

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[ヴェニスの娼婦に恋して、心打ち砕かれる詩人]

悲恋の相手は「人形」「娼婦」「病人」。いずれ叶わぬ恋の設定に、さらに悪役が登場して恋路に立ちはだかります。音楽とドラマが渾然一体となって盛り上がる4時間半にわたる上映、たっぷり楽しみました。

しかし困ったことが・・・

オペラに登場する悪人を見ているあいだに、ある人物のイメージが重なってきて頭から離れないのです。それは・・・

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[恋の邪魔をする悪党]

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[富と権力を握る男]

アメリカの国務長官ティラーソンです。

以来、テレビやネットでティラーソンの顔を見るたびに、バリトン歌手トーマス・ハンプソンが演じた悪党に見えてしまうようになりました。

ついでにもう一組・・・

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[豊橋の鬼祭り]

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[選挙結果を恨んでみても後の祭り]

やれやれ、困ったものだ、ほんとに。

2017年1月22日 (日)

壁ではなく橋を

まつこです。

次々ととっかえひっかえブロンド美人ばかり妻にしている人が、ビル・クリントンの古い女性スキャンダル持ち出すってどうなのよ・・・?英語が得意じゃない東欧系のファッション・モデルを3人目の妻にしている人が移民差別するって矛盾してない・・・?

というような素朴な疑問から、民主主義の根幹が崩れているという理念的な危機感を抱く人まで、多種多様な問題意識を持った女性たちが、大統領就任式の翌日に世界の各地でデモ行進しました。

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[ワシントンは50万人。写真はIndependentより]

このWomen's Marchは、トランプ大統領への抗議だけではなく、女性の権利や、もっと幅広く人権問題全般についての問題意識を共有するためのデモです。

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[ワシントンではマドンナもスピーチ。写真はDaily Mailより]

グロリア・スタイネムのようなフェミニズム活動家だけではなく、マドンナやヴィクトリア・ベッカムなどいわゆるセレブリティたちも多数支援して、アメリカだけでなくイギリスでもかなりな盛り上がりを見せました。

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[エマ・ワトソンもワシントンでデモに参加。写真はDaily Mailより]

事前にも事後にもかなり話題になり、報道も大きくなされたようです。

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[こちらはニューヨーク。写真はIndependentより]

イギリスのインデペンデント紙の報道によれば全世界各地600箇所で250万人の人が参加したそうです。

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[ジュリア・ロバーツのかぶっているようなピンクのニット帽が今回のシンボル・アイテム。写真はDaily Mailより]

イギリスでもロンドン、エジンバラ、カーディフ、リバプールなど各地で開催されました。ロンドンではメイフェアのアメリカ大使館前からトラファルガー・スクェアまで、10万人の人が行進したそうです。

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[ロンドンのトラファルガー・スクェア。写真はIndependentより]

Women's Marchとはいうものの、あらゆるジェンダーの人が参加し、人種や性への差別や環境問題など、多様なメッセージを訴えました。

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[こちらはロンドン・ブリッジ。写真はTime Outより]

イギリスでは「壁ではなく橋を作ろう」(Bridges Not Walls)が合言葉になり、ロンドン・ブリッジ、ウォータールー・ブリッジ、ウェストミンスター・ブリッジなど、テムズ川にかかるいくつもの橋に横断幕や巨大プラカードが掲げられました。

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[東京のアメリカ大使館前に集まった人たち。写真はMinichiより]

東京でも日比谷公園から六本木までデモをしたそうです。参加者数は報道機関によって350から500までと幅があります。

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[東京のデモの様子。写真はMainichiより]

参加者のほとんどが外国人。こういうデモが開催予定であることも、あまり広く知られていませんでした。

イギリスのEU離脱やトランプ新政権などについて、日本の報道を見ていると経済的影響のことばかりが話題になっています。しかしポピュリズムのうねりや性差別や排外主義は世界的現象で、日本も例外ではありません。「橋」が必要なのは日本も同じです。

日本でも松田聖子とか安室奈美恵あたりがピンクのニット帽かぶって、「私は韓国でもアイドルでした〜。慰安婦問題乗り越えて新しい時代を築きましょう」とか、「私の故郷の沖縄のこと、みんなももっと真剣に考えてね〜」みたいなスピーチしたら、もうちょっと盛り上がるんじゃなかろうか。

2016年12月16日 (金)

メイ首相のレザー・パンツ

まつこです。

たかがファッション、されどファッション。今、イギリスのメディアを騒がせているのは首相テリーザ・メイがはいていたレザー・パンツ。

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[新聞『サンデー・タイムズ』のインタビューを受けた際の写真]

このレザー・パンツはイギリスのデザイナー・ブランド、アマンダ・ウェイクリーのもの。オシャレ好きなメイ首相の着るものはいつも注目の的です。イギリスのデザイナー・ブランドを身につけることで、イギリス製品の販売促進をする意図もあっての選択でしょう。(ちなみに黒のスニーカーはバーバリーのものだそう。)

ところがこのレザー・パンツがウォーター・ゲートをもじった「トラウザー・ゲイト」(trouser-gate)とまで呼ばれる騒ぎを引き起こしてしまいました。発端はメイ首相と同僚の保守党の女性議員ニッキー・モーガンの発言。このレザー・パンツのお値段に噛み付いたのです。

「995ポンド(14万円)なんてウェディング・ドレスにしか使わない金額だわ。そんな高価なものを身につけるなんて、選挙区の普通の人たちに対し説明のしようがないわ!」

これだけなら辛口コメントというだけのことですが、ニッキー・モーガンはキャメロン政権では教育担当大臣だったのに、メイ首相から解任されたこともあり、二人の間の政治的な対立が背景にあるようです。

保守党のおじさん議員からは「ニッキーの発言は生意気だ」という声も上がりました。タブロイド紙は「ニッキー・モーガンの持っているマルベリーのバッグだって950ポンドもする高級品だ」と囃し立てています。

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[前教育大臣のニッキー・モーガンのバッグも高級ブランド品と指摘され、「これは12年も使っているし、もともとプレゼントでもらったもの」と言い訳しているそうです]

キャメロンが3500ポンドのオーダーメイドのスーツを着ていたり、トランプがブリオーニの高級スーツでもぜんぜん話題にならないのに、女性政治家が着るものだけに注目が集まるのはやはり女性差別だ、という硬派の意見も出ています。

そんなこんなの意見百出で「トラウザー・ゲイト」とまで呼ばれているわけです。

ちなみにこの995ポンドのレザー・パンツは、膝から下がややフレアーになっていてちょっと着こなしが難しそうですが、この騒ぎのせいで全部売り切れちゃったそうです。ブランドの知名度もしっかり上がり、笑いが止まらないのはアマンダ・ウェイクリーでしょうね。

2016年10月23日 (日)

青年よ、大志を抱け

まつこです。

忙しいときほど気分転換が必要。秋になったら書道か水彩画のレッスンを再開したい・・・と思いながら、心にも時間にも余裕がないままで、なかなか実現できず。そんなとき近所でポスターを見て行ってみたのがこれ・・・

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[東大の公開講義]

朝日新聞の寄付で開講されている講座の一部が一般公開されているので聞きに行ってみました。第2回目の経営学と第3回目の再生医療の講義です。

60分の講義のあと、学生たちは与えられた課題について20分ほどグループでディスカッションをし、その意見をグループの代表者がまとめて発表。その学生の意見について講師がコメントをするという形式です。

「大学の講義なんて気分転換になるの・・・?」と疑問に思う向きもあるでしょうが、ぜんぜん違う分野のエキスパートが学部横断型の講義で、専門知識のない学生相手にどんな話し方をするのか知りたかったし、いまどきの東大生がどんな意見を発表するのかにもちょっと興味があって行ってみたわけです。

第2回の経営学の藤本隆宏氏の講義は、「地元密着型の中規模の企業でイノベーションを取り込みながら努力し、うまくいっているケースはけっこう多い。これが日本経済の安定要因になっている」という内容。

学生のディスカッションの課題は「地元の会社や産業はどんな問題を抱えているか。またそれに対する対策はないか」というもの。学生の反応はといえば、「地元の商店街が大規模店舗やショッピング・モールに押されてさびれている。対策としてショッピング・モールの中に地元商店も組み込んだらいいと思います」といったところ。藤本先生に「ステレオタイプの意見だね〜。新聞に出ているみたいな意見だね。現場見てないからだよ」と笑いながら一刀両断にされていました。

第3回、日本における再生医療研究のトップランナーと紹介されていた中内啓光氏の講義は、「豚の胚細胞に人間のiPS細胞を注入して作ったキメラ動物の実験」の紹介でした。

再生医療用の臓器を作る目的のためにこの研究開発を進めることに倫理的問題はあるか、というのが学生への課題です。人間と豚の細胞が混ざった動物を作るわけですから、「人間」や「命」をどのように定義し、科学技術と倫理の接点をさぐるという難しい問題です。

しかし・・・

東大生の反応が実にナイーブなんだな、これが。

「私たちのグループでは、もしも病気になったときに再生医療が可能なら自分ではそれを受けたいと全員が考えました。だから実験は進めるべきだと思います。」

「僕たちのグループではキメラ動物で作った臓器を移植した場合に、豚の臓器を移植したといってイジメを受けるのではないかという意見が出されました。」

「私たちの班は、科学的に実現できるという条件が整ったところで、その医療を受けるかどうかは個人の自由にすべきだという意見でまとまりました。」

おいおい、君たち、自分が再生医療を受けるかどうかとか、イジメがあるかどうかとか、個人の自由とか、そういう個々の人間の視点だけじゃなく、もうちょっと巨視的な発想はないのか!社会でコンセンサスが作れるかどうかとか、科学技術を人類が制御できるのかとか、「個人の自由」をどう保証し、どう抑制するのかとか、すぐに結論は出なくても考えるべき難しい問題がいろいろあるでしょうに。

もし自分が・・・という発想も必要ですが、歴史という通時的な物差しに照らし合わせたり、政治や文化という広がりの中に科学的な問題を置いてみるという、背伸びした議論も未来の世界を背負う若者たちにはしてもらいたいものです。「青年よ、大志を抱け」、とおばちゃんは大講義室の一番後ろの席で心の中で怒鳴っていました。

これで気分転換になったか?うーん、どうかなあ・・・?

2016年7月17日 (日)

イートン・メス改名キャンペーン

まつこです。

フランス、トルコ、アメリカ、南スーダン、シリア、中国、日本・・・世界地図のどこを見ても気分が暗くなりそうな毎日。しかし政情が混迷をきわめていてもそれをジョークにして笑うセンスが残っているのがイギリスです。

先日、世界的なインターネット署名サイトChange.orgで、イギリス発のこんなキャンペーンが始まりました。「イートン・メスをブレクシットと改名しよう!」(Officially rename Eaton Mess as 'Brexit')

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[イギリスの伝統的なデザート、イートン・メス(写真はネットから拝借)]

「数名のイートン校出身者がイギリスにおける外国人排斥の気分をクリームのように泡立たせ、メレンゲのようにもろい国際協調をボロボロに崩そうとしています。私たちはデザートのイートン・メスを「ブレクシット」と改名し、この数週間の後味の悪さを解消すべきだと訴えます!」

この趣旨のキャンペーンに現在、1500名を超える署名が集まっています。

「イートン・メス」はイギリスの伝統的なデザートです。イギリス人はデザートのことをプディングと言いますが、名門パブリック・スクールのイートン校とハーロウ校のクリケットの試合のティータイムでは、伝統的にこのプディングが出されるそうです。

器に入れたイチゴに泡立てた生クリームをドバッとのせて、さらに上からメレンゲ(泡立てた卵白に砂糖入れて焼いたもの)を適当に砕いてのせただけの、きわめて無造作なイギリスらしいデザートです。

「メス(mess)」は混乱を意味する言葉です。EU残留を訴えた首相キャメロンも、EU離脱を訴えたボリス・ジョンソンも、イートン校出身。ごく一部のエリートの思惑や私利私欲のために、政治や経済が混乱状態に陥ってしまった。国民全体が、イチゴとクリームとメレンゲが混ぜ合わせられたようなグチャグチャな状態になってしまったのは、イートン校出身の連中のせいだ。どうしてくれるんだ。これからはイートン・メスをブレクシットと呼んでやる、というわけです。

イギリス人はこういう言葉遊びを使ったジョークが得意です。困った時には辛口のジョークをとばし、笑いによって冷静さを取り戻すのがイギリス流。もしかしたら「外務大臣ボリス・ジョンソン」というのも、堅物に見えるテリーザ・メイ新首相が放ったイギリス流の骨太なジョークなのかもしれません。

2016年6月26日 (日)

分裂王国

まつこです。

国民投票でEU離脱が決まったイギリス。地域、世代、貧富などによって、意見がはっきりと分かれ、連合王国(United Kingdom)が分裂王国(Divided Kingdom)になってしまいそう。離脱か残留か、どちらの結果が出ても、ほぼ半数の人は反対の意見なのですから、新しい国のあり方を探って、国民の気分が一つにまとまるのには、しばらく時間がかかることになりそうです。

「人間は見た目じゃないよ」とはいうものの、顔の与える印象は大きいもの。今回の残留派と離脱派の「顔」はこの人たちでした。見た目もはっきり二分してるのよね、これが。

まずは敗れた残留派は・・・

In
[デイヴィッド・キャメロン、ジョージ・オズボーン、トニー・ブレア]

苦労知らずのお金持ちのおぼっちゃまたち。この三人が、「EUを離脱したら経済危機になる!」と脅したところで、「自由主義経済で豊かになるのはあんたたち富裕層だけでしょ」と、ギリギリの生活をする庶民が反発するのもいたしかたなし。

一方離脱派は・・・

Out
[ボリス・ジョンソン、マイケル・ゴーブ、ナイジェル・ファラージ]

やんちゃなまま中年になったわがまま坊主たち。この三人が「ヨーロッパの支配をはねのけろ!」といきんでも、「大英帝国気分をひきずったマッチョなおじさんは時代錯誤」と、若い人たちが白けるのも当然でしょう。

この二つから一つを選択しなくちゃいけなない、という状況がそもそも問題だったんじゃないでしょうか。長い目で見れば欧米中心の政治経済が、もっと多極的なグローバルな時代へと吸収されていくプロセスの中で、一人勝ちできる国があるわけもなし。EUに残留しようが離脱しようが、難しい現実はあまり変わらないのでは・・・。

しばらく動揺がおさまりそうもないイギリスの様子を遠くに眺めながら、さて、日本の参院選はどうしたものかと振り返って見れば、似たような空疎な笑顔が並ぶ候補者ポスター。党の名前さえよくわからないのが(たくさん)あって、こちらはこちらで選択が難しい投票をしなければなりません。やれやれ。

2016年5月29日 (日)

テリーザ・メイのファッション

まつこです。

おしゃれは足元からと言いますが、この足は誰でしょう?

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[ユニオンジャックでわかるようにイギリス人です]

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[イギリスのデパートDebenhamsではこの人のおかげでレパード柄の靴の売り上げが60%も伸びたそうです]

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[こちらのキラキラヒールの靴はRussell and Bromleyで215ポンド]

保守党なのにファッション・センスは非常に革新的と言われるのは、内務大臣テリーザ・メイです。

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[膝上までのブーツだって履きこなす]

世界のパワー・ウーマンの中でもっともファッショナブルと評判が高いのは、IMF専務理事のクリスティーヌ・ラガルドでしょうが、イギリス代表ならこの人!

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[上のキラキラのローヒールと合わせたこちらのタータン・チェックのパンツ・スーツはヴィヴィアン・ウェストウッドのデザインで1,190ポンド(約20万円)だそうです]

自ら「靴フェチ」と認めているようですが、メイは身長168センチで、膝から下がすっきり細くてきれい。その足を生かして、ニーハイのブーツとかレパード柄のピンヒールなどをうまく履きこなしています。

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[手袋やクラッチバッグなど小物の使い方にも工夫がみられます]

メイはもしも無人島に一人で流されるなら、雑誌のVogueも持っていきたいと言っているくらいおしゃれ好きです。

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[どれも参考になりそうなコーディネートです]

ときどきウェストミンスターの議場に、ぎょっとするほど胸の開きが深い服装でやってきて、豊満な谷間を披露して物議をかもすこともあります。

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[今年の予算発表の日。タブロイド紙は予算の中身よりメイの胸の谷間で大騒ぎ]

しかし中年女性政治家にありがちな無難なファッションより、60歳近くなってもエッジの効いたコーディネートに果敢に挑戦する姿は、ぜひ見習いたいものです。中高年の我々には、キャサリン妃のファッションよりもはるかに参考になります。

追記:テリーザ・メイのファッションを見ていたら、ちょっとだけ個性のある靴が欲しくなり、衝動買い。

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[トープっぽい色で、よく見ると迷彩柄]

前から履きやすいバレエシューズが欲しかったのですが、リボンのついた可愛いやつじゃなくて、ちょっと大人っぽいこちらを選んでみました。

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