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2019年5月17日 (金)

『ホワイト・クロウ』

まつこです。

ああ、長年この人のファンをやってきて良かった・・・

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[若き日のヌレエフを描いた『ホワイト・クロウ』]

レイフ・ファインズ監督の映画『ホワイト・クロウ』は芸術と精神の自由をテーマとする極めて完成度の高い作品でした。どの場面も緊張感をたたえながら美しく、レイフ・ファインズの才能の豊かさに改めて感銘を受けました。

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[監督のほかロシア人バレエ教師の役で出演もしているファインズ。いつもの抑えた美しい声でロシア語を語ります]

旧ソ連のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフがパリで亡命する経緯を描いていますが、単なる伝記映画ではなく、絵画、音楽、舞踏などの芸術の追求が人の魂をいかに自由にするかを問う映画です。芸術の意味を映画というひとつの芸術ジャンルを通して探求する、メタ・アートとも呼べる映画でした。

地方での幼年期とレニングラードでの青年期とパリでの公演・亡命の時点と、3つの設定を行きつ戻りつする構成も巧みです。脚本はイギリスの劇作家デイヴィット・ヘアーですが、セリフのない幼年期の場面も雄弁に一人の芸術家の幼き日々の心象風景を伝えてくれます。沈黙と音楽の鮮やかな対比や、動かぬ絵画と躍動する舞踏との重なりあう場面も見事です。

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[エルミタージュ美術館にあるレンブラントの『放蕩息子の帰還』とヌレエフの物語が重なり合う瞬間が映画の見所のひとつです]

ああ、何度でも書きましょう。レイフ・ファインズのファンで良かった・・・。この人の才能を信じて良かった・・・。今後、老成してさらに深みを増す演技と成熟する創造性で、これからも舞台やスクリーンで感動させてくれることでしょう。

 

 

 

 

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