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2018年12月30日 (日)

ハンブルクの『くるみ割り人形』と『魔笛』

まつこです。

うめぞうは40年ちかく前にハンブルクに留学していました。私はハンブルクは初めてなので、まず最初にうめぞうが案内してくれたのが聖ミヒャエル教会です。

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[約40年ぶりに再会したミヒェル]

ひときわ高い塔が街のどこからでも見えるので、ハンブルクの象徴になっています。 街のひとたちは「ミヒェル」という愛称で呼んで親しんでいるそうです。

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[港内をめぐる遊覧船からもミヒェルが見えました]

港湾都市のハンブルクで、船が港に入ってきたときまず見えるのも、このミヒェルです。

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[大きなクリスマス・ツリーが飾られていました]

毎日開かれている正午の祈りの時間に参加してきました。

昼間はこうして教会を訪ねたり、遊覧船に乗ったり、街歩きをしたりし、夜はオペラやバレエを楽しんでいます。

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[少女がバレエの魅力に目覚め成長する物語]

クリスマスらしいと思って『くるみ割り人形』のチケットを買っておいたのですが、このハンブルクのバレエ団の『くるみ割り人形』はジョン・ノイマイヤーの振り付けで、よく知られているクリスマスのお話とはずいぶん異なっていました。

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[バー・レッスンが幻想的な美しい場面に仕立てられていました]

クリスマスではなく12歳の誕生日を迎えた少女の物語です。バレリーナの姉に憧れ、トウシューズをはくことを夢見た少女が、バレエ指導者の影響によって踊りが持つ多彩な幻想を生み出す力に目覚めていくという成長譚でした。バレエを通してバレエの魅力を伝えようとする、いわば「メタ・バレエ」です。

主人公の少女の姉のバレリーナ役のHélène Bouchetという細くて背の高いプリンシパルがとても優美で、思わずうっとりするほどでした。

2日目の夜は『魔笛』です。指揮者はケント・ナガノ。こちらも斬新な演出で、主人公の成長がテーマです。

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[最初は赤ん坊、やがて少年になるタミーノ]

幕開けに客席で観客の一人が倒れ、救護の人たちがかけつけ、場内がざわめきましたが、それは実は演出のうち。その人の死で残された赤ん坊が少年になるところから劇は展開し始めます。

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[試練を経て老境を迎える主人公]

あとは普通の『魔笛』と展開は同じなのですが、ザラストロから与えられる試練を経験するうち、青年は中年へと成熟します。やがてすべての試練を乗り越えて愛する人パミーナと結ばれる時には、老いていたというところが、他の『魔笛』とは大きく違うところです。苦労の果てにようやく結ばれた男女が、互いをいたわりながら舞台奥に消えていく後ろ姿に、モーツァルトの晩年の円熟した音楽が重なる終幕は、見ていて鼻の奥がちょっとツーンとしてきました。

現代に時代設定されていて、舞台装置や衣装がかなり凝りすぎというきらいはありましたが、芸達者なパパゲーノのおどけぶりに笑いながらも、人間の弱さや強さについて考えさせられる舞台でした。

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