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2018年7月11日 (水)

ギンレイ・シネマ・パスポート(9):『ベロニカとの記憶』

まつこです。

ギンレイシネマの「ギンレイ」とは、この映画館の入っている銀鈴会館という建物の名前から取られたようです。しかし、最近は観客に占める白髪率の高さから、つい「銀齢シネマ」という漢字を想像してしまいます。

今回もシルバーエイジにふさわしい映画。ジュリアン・バーンズのブッカー賞受賞作The Sense of an Endingを映画化した『ベロニカとの記憶』です。

この手の映画はおば(あ)さんの視点で作られることが多いように思いますが、今回はおじ(い)さん目線で物語は展開します。

The_sense_of_ending_still_2

[40年ぶりに初恋の人と再会した主人公]

離婚して気ままな一人暮らしをしている無愛想な初老男トニーが主人公。そこに一通の手紙が届いたことから呼び起こされる40年前の初恋の記憶・・・

と、この出だしだけで胸がキュンとするおじ(い)さんはたくさんいると思います。しかし感傷にひたって呼び起こされる記憶は、自己保身本能によって美化されているのが常。主人公トニーが初恋の人ベロニカに会って事実を確かめようとすればするほど、その自己欺瞞があらわになります。

Senseofanending_2

[自分の思い出探しの物語を、離婚した妻に聞いてもらうところがまた男の甘さ。別れた妻を演じるハリエット・ウォルターのうんざり顔もこの映画の見所のひとつです]

男の幻想と女の現実の間には、大きなミゾがある。それに気づかぬ初老男を叱りつけるように、シャーロット・ランプリング演じるベロニカは"You cannnot imagine!"(勝手に想像しないで)と冷たく言い放って去っていきます。こういう冷酷な場面がランプリングにぴったり。

見終わったとたん、「ボクも気をつけよう」とうめぞうは素直な感想をもらしていました(笑)。

痛い経験を通して、主人公が少し愛想の良い老人へと変貌するという結末がちょっと甘すぎるような気がするので、ひとつ減らして星三つというところかな。初老男が幻滅を抱えたまま、立ち尽くすという結末でもよかったんじゃなかろうか。

☆☆☆

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コメント

遅ればせながら、うめぞうさん、お誕生日おめでとうございます!私も思い込みが強いので、気をつけないと。この時期はホント疲労度マックスですが、ちょっと気分転換するのにもとても良さそうな映画ですね。

Pukiちゃん、どうもありがとうございます。
誕生日のほうはこの歳になると、めでたくもあり、めでたくもなし、というところですが
あと1年半でついに授業からも教授会からも各種委員会からも文科省の行政指導か
らも解放されるかと思うと、無条件で歳をとるのはいいことだ!と思えます。
地震や洪水の被害は大丈夫だったでしょうか。あと2週間、むなつき八丁、がんばってね。

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