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2018年1月 2日 (火)

更年期小説:How Hard Can It Be?

まつこです。

昨年、最後に読んだ本はアリソン・ピアソン(Allison Pearson)のHow Hard Can It Be? 15年前のイギリスのベスト・セラーI Don't Know How She Does Itの続編です。

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[1作目はメガヒット。サラ・ジェシカ・パーカー主演で映画化もされました。二匹目のドジョウはそこそこの売れゆきの模様]

15年前、幼児二人を抱えながらシティでヘッジ・ファンド・マネージャーをしていたケイトのその後の人生を描いています。今やケイトもあと数ヶ月で50歳。10代になった娘と息子はSNSやオンライン・ゲームに無我夢中、夫との結婚生活は冷え切り、親は老いて介護が必要。夫が仕事を辞めてしまったため、家計のために専業主婦から一念発起し再就職を図るものの、「オバサン」は門前払。やむなく42歳と年齢をごまかして、シティで営業職をゲット。

タイトルどおりどこまでも大変な生活で孤軍奮闘する中年ヒロインを襲うのは、更年期症状のあれこれ。不眠、不安、物忘れ、肌の乾燥、不正出血、情緒不安・・・。結末はロマンスの常套手段のハッピー・エンディングが用意されているのですが、480ページという大部のかなりな部分で、この更年期の諸症状との格闘ぶりが描かれています。

恋愛とショッピングとキャリアを組み合わせて人生を謳歌する若い女性たちを描いた娯楽文学がChick-litであるなら、更年期(menopause)の女性の悪戦苦闘を描いたこちらは"Meno-lit"と呼べるでしょう。更年期障害という色気のない話題を、堂々と娯楽文学の主題にしたのはあっぱれです。

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[入院中の気晴らしに読み始めました。初日なので余裕綽々で読書ざんまいの私]

作者アリソン・ピアソンは現在『テレグラフ』紙に寄稿している右派コラム二ストでもあります。ネット中毒や自立できない若者たち、億万長者に寄生するシティの金融業者たち、医療や介護の人手不足など、現代社会の構造的問題をひとりの中年女性の生活を通して浮かび上がらせているところにも手堅い手腕を見せています。

15年後あたりに、こんどは老齢期を迎えた女性のロマンスを描いてくれることを、大いに期待したいと思います。

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コメント

あけましておめでとうございます。これが噂の特別室ですか。なんかすごくカッコいいんですけどー。Chick-litにMemo-lit、面白い!同世代の友人たちと集まると、話題はそこに集中します。今年もブログ、楽しみにしています。

Pukiさん、あけましておめでとうございます。

病人風に見えないようにパジャマの代わりに用意したのはHanroのヨガウェアにRLのセーター。しかし二日目にはファッション性ゼロの手術着(おまけにT字帯!)に着替えさせられました。点滴に尿道カテーテルつきです。その姿なら特別室でも大部屋でも関係ありません・・・。

今年もどうぞよろしく!

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