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2018年1月 3日 (水)

ギンレイ・シネマ・パスポート(5): ローマ法王になる日まで

まつこです。

大晦日の夜はうめぞうの友人を誘って3人でギンレイ・ホールに映画を観に行きました。現教皇のフランシスコの若き日々を描く『ローマ法王になる日まで』です。

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[若き日のベルゴリオ(のちのフランシスコ)は常に民衆とともにある行動の人]

軍事独裁政権下のアルゼンチンで政治的弾圧を受けながらも、ベルゴリオは決然とした行動をとり続けます。強烈に青い空、赤い土ぼこり、胸締めつけるタンゴの音楽、そして残虐な暴力と息苦しい言論弾圧。70年代から80年代のアルゼンチンの激動の歴史の一端が学べる映画でした。軍事政権が終焉を迎えたあも、ベルゴリオは開発に取り残される貧民たちに寄り添います。柔和な青年がたくましい指導者へと成長していく物語でもありました。

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[さまざまな苦悩の結び目を解いてくれるマリア]

そのベルゴリオの転機になるのが、ドイツに留学している時のベルゴリオと「結び目を解くマリア」の絵との出会いです。アウグスブクルの教会で、このマリアに向かいスペイン語で祈りを捧げる移民の話を聞くと、残虐な政治情勢の中で殺伐としたものを抱え込んでしまっていたベルゴリオが、魂を洗われたように、ふたたび穏やかな表情を取り戻します。

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[背負った弟の遺体の火葬の順番を待つ少年]

アルゼンチンに戻ったベルゴリオはこのマリアの絵が印刷されたカードを人々に配って苦悩の結び目が解かれることを祈ります。今朝の新聞によると、今年の年末年始にあたり、フランシスコ法王は長崎で被爆した「焼き場に立つ少年」の写真をカードにして配布することにしたそうです。

小さなカードの中に大きな祈りをこめてメッセージを発する。映画の中のベルゴリオと、ニュース報道の中のフランシスコ法王が同じ人なのだと、あらためて思いました。


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