« 2017年4月 | トップページ | 2017年6月 »

2017年5月

2017年5月27日 (土)

緑燃ゆ

まつこです。

我ながらうまくなった、と感心するのは新幹線からスマホで撮る富士山の写真。

Dsc_0855effects
[風薫る五月]

大阪の老人ホームに入居した母を訪ねるようになって、7年目。新幹線はできるだけ富士山側の席を取るようにします。富士駅の少し手前、この田んぼの中のまっすぐな道に差しかかったところが、いつもシャッターを切るタイミング。

「今日の富士山よ」「あら、きれいね」というような会話を母とすることができたのは、いつ頃までのことだったか・・・。このところ急激に衰えてきた母は、嚥下が難しくなり、水すらもトロミをつけて口に入れている状態になってしまいました。

新幹線に乗って訪ねたところで私にできることはなく、じっと私を見つめる母を、私もじっと見つめ返すだけ。

骨と皮だけにやせ細った母の体に手を触れると、自分を産み育てた力強い母性が、かつてはこの体の中にあったのだと、ひれ伏したくなるような思いにかられます。「小さく弱いもの」になった母は、生命とは畢竟このようなものなのだと、その厳粛さを教えてくれているような気がします。

帰路、初夏を思わせる青々と広がる風景を車窓に眺めつつ、自分もまた老いて、いつか命を終えるのだなと思いながら、不思議と穏やかな気持ちになりました。

Dsc_0853
[老人ホームの飾り付けは傘と紫陽花。そろそろ梅雨の季節ですね]

2017年5月20日 (土)

食洗機の色問題

まつこです。

システムキッチンに埋め込まれた食洗機の買い替えで悩んでいる人はけっこう多いのではないかと思います。「色」が問題なのです。

我が家のキッチンは赤です。マンションを購入するときに、すでに決まっていた色でした。

Dsc_0765_2
[お気に入りの赤いキッチン。食洗機も赤のままにしたい!]

15年近く使い続けた食洗機はそろそろ買い換えどき。扉をロックするレバーがやたらと重くなったり、水垢が多くなったりしていました。しかしメーカーに問い合わせすると、今の食洗機と同じ色にはできないというのです。黒かシルバーになると言われたのですが、色が不統一なんてぜったいにイヤ!

1年以上前からネットで情報を探し回り、ようやくたどり着いたのは、黒い食洗機に今のパネルをとりあえずはめてしまうという方法。「価格.com」に口コミで得た情報です。

Dsc_0842_2
[入れ替え工事はわずか1時間半ほどで終わりました]

パネルの大きさと食洗機の大きさが合わないので、ちょっと隙間ができてしまうのですが、操作盤のところも黒いので、あまり問題ではありません。

Dsc_0843_2
[上の黒いところが隙間だけど気になりません]

キッチンの色はかなり流行りすたりがあるようで、数年後に補修しようと思っても同じ色のものは手に入らないようです。昨年、ガス台を買い換える時も、黒はもうはやっていないとのことで、ごくわずかしか選択肢はありませんでした。

小さなこだわりですが、生活空間の統一感がなくなると、ごちゃごちゃ片付いていない印象になってしまいます。こだわりって、やっぱり大切です。たかが食洗機、されど食洗機、買い替えが成功してホッとしています。

2017年5月13日 (土)

T2 トレインスポッティング

まつこです。

『T2 トレインスポッティング』(T2 Trainspotting)、観てきました。ドラッグ中毒の若者たちのほとばしるエネルギーを斬新な映像で伝えた第1作から20年。おっさんになったジャンキーを、ダニー・ボイルはやはり鮮やかなキレのいい映像で描き出していました。

Trainspottingewanmcgregor
[石造りのエジンバラの街を疾走するレントン]

1996年の『トレインスポッティング』は、オープニング場面が鮮烈でした。ユアン・マクレガーが演じるレントンがエジンバラの街を疾走する画像とイギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」(Lust for Life)にのせて語られた"Choose life"のモノローグが大きな話題になりました。

"Choose life"ー「人生を選べ」と言われて、レントンは1996年の時点での選択肢を並べたてていきます。

「仕事、キャリア、家族、テレビ、洗濯機、車、CDプレーヤ、健康、保険、固定金利の住宅ローン、友人、バカンス、DIY、娯楽番組、ジャンクフード、三揃いのスーツ・・・」

ここには1996年時点での楽天的展望が反映しています。20年間の保守党政権で不況から抜け出し、「クール・ブリタニア」と呼ばれるような若々しい社会へとイギリスも変わりつつあると感じられていた頃。その勢いに乗って、この翌年には労働党の地滑り的勝利。ブレアがさっそうとして首相の座につきました。

しかし、こうした人生の選択肢はいずれも、人々の欲望を満たしながら、その欲望を狭苦しい檻の中へと囲こむ消費財です。そのことを直感的に気付いているレントンはこう宣言します。

「おれは選ばないことにする」(I choose not to choose life)

Trainspotting
[人生を選ばなかった人たち]

そして2017年ー

社会が用意した選択肢を選ばなかった人たちは、20年後もアウトサイダーです。その外部者の目で社会を眺めるレントンに、2017年の人生の選択肢は次のように見えています。

「ランジェリー、ハイヒール、バッグ、iPhone、Facebook, Twitter, Instagram, セレブリティのゴシップ記事、妊娠中絶反対運動、9/11陰謀説、非正規雇用、長距離通勤・・・」

20年たった今も、人々は欲望にとらわれていますが、その欲望はネット社会の中で氾濫する情報にも向けられています。何を食べ、誰と付き合い、どうやって年老いるかまで、ネットで見せないではいられない。だからレントンは悟ったように言います。

「人生なんてただのデータになっちまってる・・・中毒だよ。中毒になるんなら、別の中毒の方がいいぞ」

Img_4946
[選ばなかった彼女は弁護士になっていた]

20年たっても懲りない連中。相変わらず暴力的で、刹那的で、嘘つきです。けれどアウトサイダーだからこそ、突き放して社会を眺め、その欲望のメカニズムのからくりを見抜く直感があるのです。

3500

[20年後の彼ら]

幼少時代の回顧あり、老いた父との再会あり、老いと死への不安もある。そんな中年男たちが、ときおり見せるしぶとい生命力。そのそれぞれの物語の中に、とんがった批判精神を忍ばせる、そのダニー・ボイルの手腕の確かさがはっきりとわかる映画でした。

2017年5月 8日 (月)

ブリジット・マクロンのファッション

まつこです。

フランス大統領選挙決選投票の報道で、「おっ!」と私が目を向けたのは、39歳の若くハンサムなマクロン・・・ではなく、64歳の妻ブリジットのほう。

405
[投票所に向かうマクロン夫妻]

すっきりとしたグレーのジャケットがかっこいい。そのファッション・センスはすでに注目されているようで、イギリスの『ヴォーグ』のオンライン版には、さっそく「ブリジット・マクロンで変わるファースト・レディのファッション」(How Brigitte Macron is redefining First Lady Dressing)という特集記事が掲載されました。

Macronelysee2
[スペインのフェリペ六世がフランス訪問したときの歓迎晩餐会に向かう二人。赤いヒールはジャンヴィト・ロッシだそう]

アメリカのトランプ大統領と妻のメラニアの年齢差も24歳だけれど、こちらは逆で妻の方が24歳年上。しかしブリジットのファションはメラニアにもひけをとってはいない。膝上数インチの超ミニスカートを着こなすブリジットは、それまでのフランス大統領夫人とは一線を画す自己主張のあるファッションが特徴です。

Brigittemacronstyle9
[これはオランダの王族の歓迎会の時のファッション]

フランスの大統領夫人は、これまであまり目立たない存在だったのだそうです。確かに元ファッション・モデルのカーラ・ブルーニもサルコジの奥さんになったら、ブルジョアっぽいおとなしい着こなしになっていました。

Brigittemacronesttoujourslapourepau
[この後ろ姿は60代には見えない!]

それに比べるとブリジット・マクロンのファッションはずっとエッジが聞いています。60代でノースリーブ+素足にミニスカート+スーパー・ハイヒールをカッコよく着こなせるのは、あっぱれです。

Macrontrogneux
[もちろんデニム姿もかっこいい]

有名ブランドのファッション・ショーのフロント・シートに座る姿もしばしば目撃されているようです。エルメス、ルイ・ヴィトン、ディオール、モンクレーなどフランスの代表的ブランドをご愛用とのことですが、ファースト・レーディになればますますその注目度は上がることでしょう。

Brigitte
[24歳の年の差なんて・・・]

高校時代の国語とラテン語の先生だった女性と14年間の交際を経て結婚。そのエマニュエルは「ブリジットはずっと僕のそばにいてくれた。僕の人生の一部だ。大統領という地位には人間的な次元もある。僕の平静さを支えてくれるのは彼女なんだ」と、言い切っています。

既成概念にとらわれない恋愛と結婚をしたマクロン夫妻が、エリゼ宮から新しい時代を切り開いていってくれることを期待しましょう。

2017年5月 7日 (日)

鯉のぼり

まつこです。

農家のおじさんが、「近くの川に鯉がのぼってきているよ」と教えてくれました。

Dsc04469
[大きい!]

この時期に鯉は産卵のために川を遡上するのだそうです。端午の節句の鯉のぼりは、季節に合わせたものだったのですね。

Photo
[川面が波立っているところが鯉のいるところ]

さっそく見に行ってみました。次々とひしめき合いながら川をのぼってきます。「あっ、いる!」と声をあげたとたん、さっと泳ぎ去ってしまいます。水の中の鯉に音が聞こえるのでしょうか。

数十年前は農薬の影響のせいで、体が変形した鯉やフナがよく見つかったそうです。今はそんなことはなくなり、釣ってお刺身にして食べる人もいるそうです。

Dsc04468
[上流にむかってすいすい泳ぐ鯉]

田園風景の美しいイギリスも、その価値を見出したのは産業革命後です。いったん損なわれた自然の景観を回復し、保全する運動が19世紀以降続けられてきました。

人口が減少し、大型店舗が撤退し、衰退を嘆く声ばかりが聞こえる日本の農業地域ですが、豊かな自然に積極的な価値を見出す新しい視点が欲しいものです。この地域はかつて「日本列島改造」を訴えた昭和の宰相を選出したお膝元なのですが、あれから半世紀を過ぎた今、もはや鉄道・道路の建設や企業誘致の発想はもはや時代遅れ。

少ない人口が自然の中で安心して暮らせるような「日本列島再生」の新しいプランを提示してくれるリーダーが出てきてほしいものです。

2017年5月 6日 (土)

碁泥

まつこです。

こちらに到着するなり、うめぞうはリュックを覗き込み「ノートパソコン、忘れた・・・」。やれやれ、相変わらずの粗忽ぶりです。

しかし全く問題ありませんでした。なぜなら・・・

1
[水曜日]

囲碁三昧の毎日だから。

Photo
[木曜日]

いつもの碁仇くんと。

Photo_2
[金曜日]

毎日、囲碁、囲碁、囲碁・・・。

Dsc04484
[土曜日の夜、締め切った部屋からパチン、パチンと碁石の音が・・・]

土曜日、今日はこないのかな・・・と思っていたら、夕刻に電話。

碁仇くん:「今から行ってもいいですか?」
まつこ:「うち、今からお夕飯なの」
碁仇くん:「お夕飯何時頃終わりますか?」
まつこ:「今から1時間くらいかしら」
碁仇くん:「じゃあ、その頃行きます」

「碁泥」という落語があります。囲碁好きの二人が碁に夢中になるうち、泥棒が入ったことにも気がつかない。ところがこの泥棒も囲碁好きで、思わず盤面を見て、あれこれ口を出してしまうというお話。

この二人も泥棒に入られても気がつかないだろうなあ。

2017年5月 5日 (金)

農村崩壊

まつこです。

今日も良いお天気なので、うめぞうと散歩に出かけました。水の張られた田んぼに里山の景色が映りこみ、とてもきれいです。連休を利用して田植えをする農家も多いようです。

Dsc_0825
[機械できれいに整列して植えられている苗]

大きな機械が巧みに動きながら、見事に苗を植えていく様子を見ることができました。小さな苗がきれいに整列してどんどん植えられていくのを感心して眺めていたら、そばにいた農家のおじいさんに「どこから来たの?」と声をかけられました。

空き家の管理のため東京から来ている、と伝えるとおじいさんは、「空き家ばっかりどんどん増えて農村崩壊だ。この地区ばかりじゃない。全国どこでもそうなっている」と憤慨していました。

「高度経済成長を支えたのは全国の農家だ。それなのに今では見捨てられ、切り捨てられている。息子が今動かしているあの田植え機はいくらだと思う?田植え機だけじゃない。稲刈り機もあれば、他の機械もある。借金は千万円単位だ。農家はどこも借金まみれなんだよ。」

観光客気分で散歩していた私たちは、このおじいさんの憤りの言葉を聞いて、現実の厳しさを垣間見せられました。少子高齢化、産業の空洞化、貧富の格差、社会保障の財源難・・・これらの問題は、都会よりも地方に重くのしかかっているのは確かです。

Photo
[近所のスーパーで買ったコシヒカリ]

田園風景の美しさに感心し、新鮮な食材のおいしさを堪能し、たまの田舎生活を満喫している私たちですが、地方の抱える問題もちゃんと直視しなければなりません。

Photo_2
[おにぎりを頬張りながら世を憂う]

「あのおじいさんの怒りはまっとうだ!こういう現実の声をちゃんと受け止められないから日本のサヨクはダメなんだ・・・」とひとしきり世を憂いながら、うめぞうはおいしそうにお昼ご飯のおにぎりを頬張っていました。

「帰りなんいざ、田園まさに荒れなんとす」と歌った陶淵明の気分を、少し想像してみた休日でした。

2017年5月 3日 (水)

超コンサバ

まつこです。

昨晩から新潟に来ています。

Dsc_0814
[どこを見ても緑が目に鮮やか]

夜の到着だったので、駅からそのまま居酒屋へ直行。

Photo
[喜色満面]

「麒麟山」と「久比岐」という日本酒をいただきました。どちらも新潟らしい辛口のすっきりしたお酒です。

最近、SAKEは外国の人たちにも人気で、それぞれの酒蔵がいろいろ工夫して新製品を出しています。フルーティな甘めのお酒が増えているような気がしますが、私は断然、淡麗辛口が好き。新潟のお酒は、さらりとした喉越しの辛口の伝統をぜひとも守ってもらいたいです。

Dsc_0808_2
[ヒラメと甘エビ]

地元の居酒屋さんでも「海老マヨ」「スパイシーコロッケ」「ホタテのガーリックバター」など、こってり系のメニューがいろいろ並んでいますが、ここはやはり直球勝負(?)でお刺身と焼き魚で実力を見せてほしい・・・

Dsc_0811
[メバルは新潟ではハチメと呼ばれています]

・・・というわけで、新潟の海で獲れた甘エビ、ヒラメのお刺身、ハチメ(メバル)の塩焼きを注文。う〜ん、とても美味しい!

酒は辛口、それに合わせるのは地魚の刺身と焼き魚、これに限る、と鼻息荒く断言します。酒飲み文化に関しては、私は「超保守派」なのだと自覚した夜でした。

« 2017年4月 | トップページ | 2017年6月 »