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2017年3月27日 (月)

映画『私はダニエル・ブレイク』

まつこです。

先週見た映画は『私はダニエル・ブレイク』(I, Daniel Blake)。イギリスの貧困問題の深刻さと、福祉政策の欠陥をむき出しにした、力強い作品です。

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[心臓病で失業中のダニエルと無職のシングル・マザーのケイティ]

ジョブ・センター(職安)の職員の機械的な対応、複雑すぎる制度、PCが使えないと申請すらできない手続きなど、この映画を見るとイギリスの生活保障制度の現実がよくわかります。

困窮者に食糧援助をするフードバンクに、無表情で並ぶ老若男女の長い列も描かれます。リーマンショック以降の緊縮財政や食品価格の高騰のせいで、イギリスではフードバンクの利用者が急増しているのだそうです。こうした現実への強い怒りがこめられた映画でした。

この映画を監督したケン・ローチは、英国アカデミー賞の授賞式のスピーチでも政府を鋭く批判しました。

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[Bafta授賞式で政府批判をするKen Loach]

"the most vulnerable and poorest are treated by the Government with a callous brutality that is disgraceful"「もっとも弱い人たち、もっとも貧しい人たちに対する政府の扱いは、冷酷で非人間的だ。恥ずべきことだ。」

イギリスでは強すぎる政治的メッセージゆえに興行的にはそれほど成功しないだろうと思われていたこの映画ですが、大方の予想に反して多くの人々の関心を集めヒット作となりました。老監督のぶれない姿勢と信念が人々の共感を呼んだのは確か。

ちなみにこの映画は「文部科学省特別選定作品」だそうです。反体制の気骨の人、ケン・ローチの映画を選定するなんて、ちょっと意外。ひょっとしてカンヌ映画賞パルム・ドールっていうお墨付きだけで決めたのかも・・・と、私は勘ぐっています。

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