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2017年2月

2017年2月28日 (火)

北国の黒いマリア

まつこです。

「大人の休日」の二日目、レトロな村上駅から列車に乗り、日本海沿いを北上しました。

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[駅舎もレトロな村上市]

たどり着いたのは・・・

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[灰色の空に覆われた北国の町]

山形県の鶴岡市です。うめぞうも私も鶴岡に来たのは初めてです。うめぞうは仕事もあったのですが、まずは町を少し歩いてみました。

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[1903年に建てられたカトリック教会]

高い建物がないので、町のいろんなところからこの赤い尖塔が見えます。明治期にフランス人神父が設計したカトリック教会です。

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[和洋折衷]

もともと家老の屋敷だったところに建てられたので、入り口は武家屋敷の門です。

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[天主堂の内部]

天井が高く明るい内部ですが、畳の上に椅子が置かれているのも和洋折衷です。

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[黒いマリア]

この教会で目を引くのは「黒いマリア像」です。この建物が完成したとき、フランスのノルマンディの修道院から送られてきました。『旧約聖書』のソロモン雅歌に、褐色の肌のマリアが登場するのだそうです。

鈍い色の空に映える赤い尖塔、白い教会の中のマリアの黒い肌・・・北国の冬の景色の中でひときわ印象に残る色でした。

2017年2月24日 (金)

大人の休日

まつこです。

ただいま国内を小旅行中です。

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[古い店構えがいい感じです]

この写真だけでどこかわかった人は、かなりな旅行マニア。ずいぶん前のJR東日本「大人の休日倶楽部」のコマーシャルに登場した店です。

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[2009年のポスター]

吉永小百合のポスターを見て、このお店の前で写真を撮る人がたくさんいるそうです。新潟県村上市の鮭加工の老舗「喜っ川」です。

古いのれんをくぐり、障子紙の貼られた引き戸を開けると、そこは驚くべき鮭ワールドでした。

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[かわいらしい店員さんが加工の工程などを詳しく説明してくれます]

「塩引き」や「酒びたし」と呼ばれる鮭製品を販売しているだけではなく、その奥には昔ながらの方法で加工している作業場が広がっています。そこも案内してもらえるのですが、天井からは1000匹もの鮭がぶらさがっていて壮観です。

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[よく見るとかなり強烈な面構えのもいます]

しばらく塩をしたものを洗って1年ほど乾燥熟成させたものを、薄くスライスしたのが「酒びたし」です。生ハムの鮭ヴァージョンみたいなものです。お酒をふって数分間待ってからいただくと美味しいので、「酒びたし」と呼ぶのだそうです。

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[白子もずらりとぶらさがっています]

あまり予習もせずに、村上市のことを何も知らずに来てしまったのですが、古い町家の並ぶ町並みを守れたのは、この喜っ川のご主人たちが中心になった街づくりのプロジェクトの成果なのだそうです。

雪がちらつき、北西の冷たい風が強烈に吹き抜ける街には、あまり人が歩いていません。しかし古い店の戸を引いて中に入ると、熱心に働き続ける人たちがたくさんいました。街や店の歴史を丁寧な言葉で説明してくれる店員さんの笑顔を見ていると、国内旅行も良いものだなあと改めて思います。

うめぞうと二人で「大人の休日」を楽しんでいます。

2017年2月23日 (木)

「大人買い」とは

まつこです。

気の進まない仕事を引き受け、ダラダラと後回しにし、提出期限が目前となってもまだやる気にならない。

妻の機嫌の悪さを察知したうめぞうはさっさと早めに出勤。八つ当たりする相手さえいなくなり、いよいよ諦めて机に向かうこと数時間。それでもはかどらない仕事。ああ、この最悪の状況・・・

そこに、ピンポーンと宅配便!

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[前から見たら超シンプルなロング・ジャケット]

先週、衝動買いしてそで丈を直してもらっていた洋服が届きました。買ったことさえ、忘れかけていました。

Yoko Chanのコートですが、私はロングジャケットとして着る予定。

若い頃ならお直しが終わるのが待ち遠しく、出来上がりを取りに行ったらついでにまた買い物しちゃって・・・というようなことが当たり前でしたが、年取ったら繰り返しデパートに行く時間も体力もない。

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[後ろが色違いのプリーツになっているのが気に入ってお買い上げ]

たまにデパートに寄ったら、ババーッとあれこれ買って、宅急便で届けてもらいます。この日はブラジャー3枚、ショーツ7枚、キャミソール3枚も購入。まとめ買いしたのは、もう3年以上、新しい下着を買っていなかったため。新しいのが届いた時点で、今までのボロはすべて即座にゴミ袋へ。

「大人買い」とは、体力と時間に余裕のない人間の買い物だと実感します。

届いたジャケットの値札を見て、「さ、仕事仕事。買い物した分だけ働かないと」と自分を叱咤激励。

「大人買い」とは、買い物と仕事の循環にはまり込んだ人間の買い物だとも実感しています。

2017年2月21日 (火)

正解のない問題

まつこです。

92歳の義母(うめママ)は血糖値が高く、そのために急激に視力が落ちてしまいました。昨日、大学病院で診断を受けました。うめぞうの仕事の都合がつかなかったため、久々に「長男の嫁」が登場。私が義母(うめママ)を連れて大学病院に行ってきました。

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[義母が老人ホームに飾っているお祈りのお人形]

関東地方の某国立大学法人医学部付属病院ですが、たいへんな混雑ぶり。受付、いくつかの検査、何人かの医師による診察、いずれも長い待ち時間。午前9時に行って終わったのは午後3時。病院内での移動距離も長く、92歳の老人にはかなり過酷な一日でした。

うーん、私もいろいろ考えさせられた一日でした。

義母は糖尿病以外は特に病気はないのですが、92歳という年齢なりに足腰が弱っており、手押車を押しながらなんとか病院内の移動ができる程度。「もう今更、手術なんか受けたくないわ」と言うのは本音でしょう。医師からも「このご高齢での手術は、不可能ではないが、かなり難しい。視力がどれだけ回復するかもわからない」と言われました。

驚いたのは手術するにしても予約がいっぱいで、2〜3ヶ月待ちとのこと。数年前から手術待ちの日数はどこの病院も延びているようです。理由は医師不足、看護師不足、ベッド不足・・・。友人の医師からは、予算削減で経営合理化を求められ、「どこの病院からつぶれるか我慢比べをさせられている気分だ」と聞いたばかりでした。日本の医療はかなり切羽詰った状態になっていることを実感します。

そんな状況で90歳を超えた老人の手術をしてもらうべきなのか。物忘れが目立つようになっている義母に、2、3週間の入院という環境の変化が与える不安感も懸念されます。しかし一方で、家族にしてみたら「もし失明したらかわいそう」「できるだけの手をうちたい」というのも正直な思いです。

手術するべきか、やめるべきか。こういう問題には正解はないんだよね・・・と複雑な思いを抱えながら、いつになるかわからない手術のための入院手続きをとってきました。

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[この年になったら好物を食べるのがきっと正解]

一日がかりの診察でぐったりとした義母と遅い昼食を取りに、病院内の食堂へ。義母の好物は天ぷらうどん。天ぷらとか小麦粉のうどんとか、いかにも血糖値を上げそうで悪いかなと思いながらも、美味しそうに食べる義母を見て、天ぷらうどんは「正解」だと、これだけは確信しました。

2017年2月18日 (土)

映画『スノーデン』

まつこです。

先週の日曜日、夕飯が終わった後に映画を見に日本橋TOHOへ。食後の血糖値を下げるため日本橋まで4キロほど歩きました。日曜の夜遅い時間の日本橋はガランと静まりかえっています。にぎやかな昼のにぎわいとはまるで別世界のようでした。

で、見た映画はオリヴァー・ストーン監督の『スノーデン』。

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[ジョセフ・ゴードン=レビット演じるスノーデン]

アニメやコンピュータ・ゲームの好きなオタクの若者が、国家安全保証局や中央情報局に勤務するうち、個人情報を収集する国家の不正に幻滅し、自らの人生を犠牲にして国家を告発する。ごく普通のナイーブな青年が、権力の闇の深さを知って、強い信念の人に変貌していきます。恋人との出会いや葛藤もある。そういう点では青春映画のようです。

機密を盗み、『ガーディアン』が報道するまでのハラハラ、ドキドキする展開は、サスペンスたっぷり。最後にはエドワード・スノーデン本人が登場し、なぜ自分がすべてを捨ててまで告発をしたかを語ります。そのまっすぐな正義感は、アメリカ映画のヒーローそのもの。

若者の葛藤とロマンス、悪と正義の戦いがそろった、正統アメリカ映画でした。

ところでエドワード・スノーデンの告発によって、市民の個人情報を国家が勝手に収集、利用していると報道された時、私はけっこう白けた反応をしてしまいました。「私の個人情報?そんなの政府に把握される前に、Googleに全部把握されているわよ!」

インターネットを使っていると、やたらとツボにはまった広告が出てきます。ときどきGoogleは私以上に私のことをわかっているんじゃないかと思うほどです。

ちょっとシンプルなワンピースほしいかな・・・と思っていると、TheoryだのJosephだのの広告が写真付きでポンポン飛び込んできます。あーあ、定年まであと何年かな・・・と思っていると、「英語を使う仕事で今の収入を1.5倍に」と転職をうながす広告の文句が画面に表れます。

「イギリス紳士と結婚したくありませんか?」というのが出てきたことも(何回か)あります。

こういう広告を目にすると、国家権力もここまで把握はできていないんじゃなかろうか、と思うわけです。

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[澄んだ目を持つ青年スノーデン。こういう正義感が浮世離れしていると感じられる現実の方が問題]

そんな普通の市民には理解不能な高度に発達した情報処理技術がはびこる社会に暮らしているからこそ、エドワード・スノーデンのまっすぐな正義感がさわやかな清涼剤のように感じられるのでした。

2017年2月 8日 (水)

似ている二人

まつこです。

先日、ロイアル・オペラ・ハウスのシネマ上映でオッフェンバックの『ホフマン物語』を見に行きました。

三つの悲恋の物語を詩人ホフマンが自伝的に語るという、凝った劇中劇構造を持つフレンチ・オペラです。

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[ヴェニスの娼婦に恋して、心打ち砕かれる詩人]

悲恋の相手は「人形」「娼婦」「病人」。いずれ叶わぬ恋の設定に、さらに悪役が登場して恋路に立ちはだかります。音楽とドラマが渾然一体となって盛り上がる4時間半にわたる上映、たっぷり楽しみました。

しかし困ったことが・・・

オペラに登場する悪人を見ているあいだに、ある人物のイメージが重なってきて頭から離れないのです。それは・・・

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[恋の邪魔をする悪党]

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[富と権力を握る男]

アメリカの国務長官ティラーソンです。

以来、テレビやネットでティラーソンの顔を見るたびに、バリトン歌手トーマス・ハンプソンが演じた悪党に見えてしまうようになりました。

ついでにもう一組・・・

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[豊橋の鬼祭り]

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[選挙結果を恨んでみても後の祭り]

やれやれ、困ったものだ、ほんとに。

2017年2月 7日 (火)

マ プール

まつこです。

私たちの住まいは、山手線内で、地下鉄駅から徒歩1分という至便なロケーションにもかかわらず、外食不毛地帯です。なにしろ最寄りの店(?)は東京大学農学部生協食堂です。わずかにあったラーメン屋、おでん屋、パン屋もこの数年で店を閉めました。

そんな外食不毛地帯に突然、鮮やかな黄色い外観のフランス料理屋が出現しました。

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[ひなびた風情の旧中山道に突如おしゃれなお店が出現。上階の美容院、隣の米屋が昭和の風情]

黄色い灯りに吸い込まれるように行ってみました。

おお、おいしい〜!

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[バラの形も美しいサーモンの前菜]

このマ・プール(Ma Poule)はご夫婦二人だけでやっている小さなフランス料理屋さんです。

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[チキンを使ったジュラ地方の郷土料理。ほのかにカレーの風味が混じるキノコのソースがおいしい]

シェフの市岡徹也さんはフランスで長く料理人をしておられたそうです。しっかりと作りこんだおいしいお料理を出してくれます。

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[子羊の肉をたたいたものを網脂で巻いて焼いたお料理]

かなりなワイン好きらしい奥様が、料理に合わせたワインを一皿ごとに選んでくれます。このワインもおいしい。

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[デザートもおいしく、見た目も可愛らしい]

1月半ばに開店したばかり。お二人は自分たちのイメージにあったお店のために、都内の100か所以上の物件を見てから、この場所を選んだそうです。

なぜ、よりによってこの外食不毛の地を選んだのでしょう?たまに新しい店が出来てもカレー屋かラーメン屋。「ねえ、東大生ってカレーかラーメンしか食べないの?」と聞きたくなるような土地柄です。なんでこの地でこんなにおいしいフランス料理屋を?

マ・プールのHPを見たら、ちょっとだけその謎が解けました。「まるでフランスの片田舎に居るような大人の店」とのこと。確かに東京の真ん中にしては「片田舎」ふうに寂れ、高齢化した「大人」の住民の多い静かな住宅街です。

でも、こんな人通りの少ない通りで大丈夫なのかしら・・・。せっかく出来たこのおいしいフランス料理屋さん、ぜひともこの街に定着してほしいものです。私たちは同じマンション内に住む人に出会うたび、「あそこ、おいしいですよ」とせっせと宣伝しています。

2017年2月 4日 (土)

おにはそと

まつこです。

昨日は節分。

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[おにロール。中は求肥]

昨日、帰宅途中でデパ地下に寄ったら恵方巻とバレンタインのチョコレートを買う人でごった返していました。「恵方巻」って以前からあった習慣なのかしら?なんだかコンビニが企画した商品みたいな気がするし、太巻きをまるごとかじるなんて、お行儀悪い!

というわけで、我が家は、和菓子屋さんで見つけた可愛い「おにロール」で節分。

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[お豆はこれ。福はうち、と言いながら一粒ずつ口に放り込む]

豆まきは・・・掃除が面倒なのでしませんでした。でもテレビにト○ンプ大統領が出てくるたびに、「鬼は外!」と心の中で叫んでいます。

2017年2月 2日 (木)

朝のあいさつ

まつこです。

やっと本年度の授業がぜんぶ終わりました。週8コマ・・・辛かった〜。「大学の先生ってヒマそう」と思われがちなのですが、授業以外の仕事が意外と多くて、授業の準備もやり始めるとキリがない。一見したところよりは忙しい職業です。

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[朝のいつもの通勤路]

毎日、あわただしく出勤する朝、通勤途中にささやかな楽しみにあります。それは「いってらっしゃい」と3人の男性に声をかけてもらうこと。

1人目はうめぞう。たいてい私の方が先に出かけて、私の方が後に帰るので、うめぞうが「いってらっしゃい」と言う係です。

2人目は管理人さん。うちのマンションの管理人さんは、とにかくきれい好きで働き者。朝7時くらいからせっせと働いています。晩秋には掃いても掃いても降り積もる黄色いイチョウの葉を毎朝きれいに掃いてくれました。この管理人のおじさんがいつも「いってらっしゃいませ」と声をかけてくれます。律儀で勤勉なおじさんが掃除の手をとめてあいさつしてくれると、「私もがんばろ!」という気持ちになります。

3人目はライバルくん。うめぞうと年恰好が似ているので、うめぞうが勝手に「ライバルくん」と名付けました。ライバルくんは毎朝、農学部のキャンパスでたった一人で黙々とトレーニングをしています。柔軟、腹筋、ランニングなど、30分ほどみっちり体を動かしています。雨の日以外は必ず、決まった時間に自主トレ。寒い日も、暑い日も、たゆむことなくきちんと体を動かす。そのストイックなひきしまった姿がかっこいい。この素敵なおじさまが、横を通りかかる私に「いってらっしゃい」と声をかけてくれます。

母親が働く家庭で育つ子供は、「行ってきます」「行っていらっしゃい」という朝のやり取りや、「ただいま〜」「おかえり〜」という帰宅時のやり取りを、なかなか経験できないのです。黙って出かけて、黙って帰る小学生。たまに何かの事情で、母が自宅にいる日に「いってきま〜す」とか「ただいま〜」と言えると、すごくうれしかったものです。そのせいか、今でも誰かに「いってらっしゃい」と声をかけてもらえると、それだけでうれしい気分になれます。

朝7時半の「いってらっしゃい」「いってきます」。それを3回繰り返すと、今日もいい日になりそうだなと思えます。この朝のあいさつに励まされています。




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