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2017年1月 3日 (火)

閨秀作家のドタバタ喜劇:The Rover

まつこです。

プロスペローの深い苦悩を見た翌日は、思い切りはじけとんだコメディThe Roverを見ました。

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[舞台はナポリのカーニバル]

変装、男装、すれ違い、取り違い、騙し合い・・・てんこ盛りのゴタゴタした喜劇ですが、要はクロムウェルの革命による共和制の時代に亡命していた王党派の連中が、カーニバルの夜にやりたい放題するうち、ちょうど良いしっかり者のお相手を見つけるというもの。

王政復古期に典型的なお色気たっぷりなこの喜劇を書いたのは、英国初の女性作家アフラ・ベーン。チャールズ二世お抱えの女スパイ、囚人、詩人、劇作家・・・と本人の波乱万丈な生涯もドラマティックです。

それにしてもこのコメディを見ると、「革命期の王党派ってヨーロッパで遊んでたのね、同情する必要ないわね」と思ってしまいます。

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[こちらが主人公の懲りない遊び人ウィルモア]

血気というか性欲が過剰なウィルモアは、高級娼婦と修道院に入る予定のお嬢様の両方からモテモテ。それだけでは飽き足らず、女と見れば手当たり次第追いかけ回し、腰をすえる気配なし。

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[こちらはエセックスからやってきた田舎紳士]

いっぽう、ウブな田舎者ブラントはラテン女に目がくらみ、娼婦に騙されて散々な目に。

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[ジプシーに扮装したお嬢さんたち]

お嬢さんたちの方もジプシーに扮したり、男装したり、あの手この手を尽くして、狙った相手を確実に夫にするしたたかさ。毒々しい娼婦のほうが一途で健気に見えてきます。

こういうドタバタ劇が、豪華な衣装、生き生きとした生演奏の音楽とともに、ぴったりと息のあった演技のアンサンブルで、見事に大人のコメディに仕立て上げられます。劇場を埋め尽くした白髪のイギリスの中高年男女が体揺すって大笑いする中で、「イギリスって17世紀からずっと大人の国なのね・・・」と、気圧されそうな気分になった大晦日でした。

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