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2017年1月

2017年1月22日 (日)

壁ではなく橋を

まつこです。

次々ととっかえひっかえブロンド美人ばかり妻にしている人が、ビル・クリントンの古い女性スキャンダル持ち出すってどうなのよ・・・?英語が得意じゃない東欧系のファッション・モデルを3人目の妻にしている人が移民差別するって矛盾してない・・・?

というような素朴な疑問から、民主主義の根幹が崩れているという理念的な危機感を抱く人まで、多種多様な問題意識を持った女性たちが、大統領就任式の翌日に世界の各地でデモ行進しました。

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[ワシントンは50万人。写真はIndependentより]

このWomen's Marchは、トランプ大統領への抗議だけではなく、女性の権利や、もっと幅広く人権問題全般についての問題意識を共有するためのデモです。

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[ワシントンではマドンナもスピーチ。写真はDaily Mailより]

グロリア・スタイネムのようなフェミニズム活動家だけではなく、マドンナやヴィクトリア・ベッカムなどいわゆるセレブリティたちも多数支援して、アメリカだけでなくイギリスでもかなりな盛り上がりを見せました。

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[エマ・ワトソンもワシントンでデモに参加。写真はDaily Mailより]

事前にも事後にもかなり話題になり、報道も大きくなされたようです。

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[こちらはニューヨーク。写真はIndependentより]

イギリスのインデペンデント紙の報道によれば全世界各地600箇所で250万人の人が参加したそうです。

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[ジュリア・ロバーツのかぶっているようなピンクのニット帽が今回のシンボル・アイテム。写真はDaily Mailより]

イギリスでもロンドン、エジンバラ、カーディフ、リバプールなど各地で開催されました。ロンドンではメイフェアのアメリカ大使館前からトラファルガー・スクェアまで、10万人の人が行進したそうです。

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[ロンドンのトラファルガー・スクェア。写真はIndependentより]

Women's Marchとはいうものの、あらゆるジェンダーの人が参加し、人種や性への差別や環境問題など、多様なメッセージを訴えました。

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[こちらはロンドン・ブリッジ。写真はTime Outより]

イギリスでは「壁ではなく橋を作ろう」(Bridges Not Walls)が合言葉になり、ロンドン・ブリッジ、ウォータールー・ブリッジ、ウェストミンスター・ブリッジなど、テムズ川にかかるいくつもの橋に横断幕や巨大プラカードが掲げられました。

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[東京のアメリカ大使館前に集まった人たち。写真はMinichiより]

東京でも日比谷公園から六本木までデモをしたそうです。参加者数は報道機関によって350から500までと幅があります。

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[東京のデモの様子。写真はMainichiより]

参加者のほとんどが外国人。こういうデモが開催予定であることも、あまり広く知られていませんでした。

イギリスのEU離脱やトランプ新政権などについて、日本の報道を見ていると経済的影響のことばかりが話題になっています。しかしポピュリズムのうねりや性差別や排外主義は世界的現象で、日本も例外ではありません。「橋」が必要なのは日本も同じです。

日本でも松田聖子とか安室奈美恵あたりがピンクのニット帽かぶって、「私は韓国でもアイドルでした〜。慰安婦問題乗り越えて新しい時代を築きましょう」とか、「私の故郷の沖縄のこと、みんなももっと真剣に考えてね〜」みたいなスピーチしたら、もうちょっと盛り上がるんじゃなかろうか。

2017年1月15日 (日)

頑張れ、レネー!

まつこです。

年末の旅行の際に使ったのはJALです。行きは機内エンターテインメントにあまり見たい新作映画がありませんでした。やむなく15年前の『ブリジット・ジョーンズの日記』なんか、見ちゃいました。気分は懐メロです。

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[懐かしい3人]

帰国便はプログラムが変わっていて、行きにはなかった『ブリジット・ジョーンズ』の第三作『ダメな私の最後のモテ期』が見れました。(それにしてもこの邦題、なんとかならないのでしょうか?原題はBriget Jones's Baby)

これは、主演のレネー・ゼルウィガーにとってはかなり残酷です。昨夏、イギリスで公開された時も、その容姿の変わりようが大きな話題になっていましたが、確かに15年の月日の流れがレネーのシワにしっかりと刻まれています。第1作から第3作まで立て続けに見ると、そのビフォー&アフターの大きな違いが歴然とするのです。

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[第3作は43歳の誕生日を迎えた、という設定]

レネーの実年齢は現在47歳。恋愛の酸いも甘いも経験したあと、高齢出産をする40代ワーキング・ウーマンの役を体当たりで演じるレネーが、痛々しく見えてきます。「レネー、あなたも苦労したのね・・・」と思わず要らぬ同情をしてしまうほどの老けようでした。

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[今回もマーク・ダーシー(コリン・ファース)とくっついたり離れたり・・・]

しかし、時は誰に対しても平等です!

今回の「ブリジョン」第3作ではヒュー・グラント演じるダニエル・クリーヴァーは事故死したことになっています。なので、写真でちらっと登場しただけのヒュー・グラントですが、JALの帰国便では彼の最新作『マダム・フローレンス』も見ることができました。これを見始めたとたんびっくり・・・

ヒュー、あなたも老けたねぇ〜!

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[メリル・ストリープと共演し、アメリカ人妻の幻想を支え続けるイギリス人夫を演じたヒュー・グラント]

映画の中でヒューが演じる夫が妻を寝かしつけるために、シェイクスピアのソネット116番を朗唱する場面があります。時の残忍な破壊力のために、バラ色の唇や頬を色褪せようとも真の愛は変わることはない・・・と永遠の愛を詠うソネットです。

世界中の女性ファンの心を鷲掴みにしていたヒュー・グラントも56歳。4人の子供の父でもあります。(母親は二人。どちらとも結婚せず。)甘いマスクにシワとシミが目立つようになってはいますが、今も時を超えてファンたちはヒュー様に揺るがぬ熱い想いを捧げ続けている・・・かな?

「ブリジョン」第3作の結末では、死んだと思われていたダニエル・クリヴァーが実は生きていた、という知らせが伝えられます。ははーん、これは第4作も作る伏線でしょうね。(ヘレン・フィールディングの原作ではシングル・マザーになったブリジットも描かれていることですし。)

もう、こうなったら整形を重ねてしわくちゃになったレネーに、目も頬も垂れ下がり白髪になったヒューが言いよる第4作も見てみたい。「頑張れ、レネー!頑張れ、ヒュー!」と思わず心の中で叫んでしまいました。

2017年1月12日 (木)

バーバラ・リールとソフィテル

まつこです。

日本では買い物好きですが、海外ではそれほど買い物熱は上がりません。何か良い思い出になりそうなもので、あまり高価ではないものがあれば買いたい、という程度です。

今回はこれ。

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[Barbara Rihlのトート・バッグ]

ポップな絵が楽しいバーバラ・リールのバッグは、前からちょっとだけ気になっていたのですが、あまり派手なのを持つと、「はしゃいでいるおばちゃん」に見える危険があります。でもこれなら色も柄もおとなしめなので気に入りました。これはソフィテル・ホテルのオリジナル製品です。

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[ストラスブールのソフィテル。ソフィテルはソープ類がエルメスなのもうれしい]

年末のストラスブール旅行で泊まったのはソフィテル・ホテル。特によく調べもせず、フランスなのでなんとなくフランス系のホテルを選んだだけなのですが、場所も便利だったし、設備もちゃんとしていて、快適な滞在でした。

滞在中にプリント・アウトしなければならないものがあり、ロビーにあったプリンターを使っていたら紙詰まりを起こしてしまいました。その時、若い女性の従業員が対応してくれたのですが、彼女が手にしていたセカンド・バッグもソフィテルとバーバラ・リールのコラボのデザインで、「お、かわいいな!」と思ったのでした。(プリンターに関しては、すごく手荒にカートリッジを出したり押したりして直してくれました。)

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[ロビーのデコレーションもすっきりしていて素敵でした]

職業柄、本や資料やPCなどでついつい荷物が多くなりがち。でもこんなポップなデザインのバッグなら、気分だけは軽やかになりそうです。

2017年1月 8日 (日)

お買い物談義

まつこです。

木曜日に帰国し、金曜日から仕事。イギリスで見た芝居のことなど話したら、講義後に集めたリアクション・ペーパーに「雑談(のほう)がおもしろい」と書かれていました(しかも複数)。これからはいっそ雑談中心の授業にしようかと思う仕事始めです。

で、週末はご近所で再び、観光気分。

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[ゆうやけだんだんからは谷中ぎんざが見えます]

土曜日の研究会で一緒だったPukiちゃんを誘い、日曜日にうめぞうと三人で谷根千散策に出かけました。

日暮里駅で待ち合わせして、「朝倉彫塑館→夕焼けだんだん→谷中ぎんざ→よみせ通り→千駄木でランチ」の3時間コースです。

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[谷中ぎんざではお餅つきしていました]

東京に出張でやってきても、たいてい都心で仕事です。谷中ぎんざのような生活感あふれる商店街はPukiちゃんにはめずらしい風景だったようです。

ランチ食べながらお互いの近況報告・・・というか、昨年一年のお買い物成果報告などで盛り上がります。私は年間通じてダラダラ買い物する方ですが、Pukiちゃんはパッと買い物したあとはしばらく禁欲するというメリハリ型。その冷静沈着にして、時に大胆なお買い物武勇伝を聞くうちに、私の消費欲のスイッチがオンに。

Pukiちゃんと別れた後は、ご近所のセレクトショップに直行し・・・

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[本日のお買い上げ]

セールになっていたショートブーツ、衝動買いしちゃいました。いつも履いているTimberlandのブーツは「田舎の子供みたいだ」とうめぞうに言われていたので、もうちょっとエレガントなのを買いたいと思っていたのでした。Bruno Premiというイタリアのブランドのヌバックのレースアップのショート・ブーツです。

実は帰国後3日にして、これで靴の購入はこれで3足目です。2017年も、よく働き、よく買う1年になりそうです。

2017年1月 5日 (木)

コンテンポラリー・アート

まつこです。

今回、ロンドンで見た芝居は1本だけ。フランスの劇作家ヤスミナ・レザの『アート』をクリストファー・ハンプトンが英訳したものです。

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[一枚の絵がきっかけで、三人の男の友情のバランスが崩れ出す]

真っ白な背景に白い線が描かれている絵に、とんでもない高い値段がついている。そんな絵を友人が購入した。この現代美術にそんな価値があるのか?本音を語ったら崩れる人間関係を嘘で糊塗すべきか?男同士の友情にはライバル関係が隠れているのか?

マシュー・ウォーカスの演出はすっきりとスマートです。テーマになっているコンテンポラリー・アートの絵と同じように、シンプルな白い空間に問題を浮かび上がらせ、最後は三人の人物がマゼンダ、シアン、イエローの三原色に照らし出されるという演出でした。三原色のように個性の異なる三人が混じり合うことで関係の複雑性が生まれてくることがクリアに伝わります。この演出自体がコンセプチュアルなアートなのだと納得しました。

こんな芝居を見た翌日、知り合いに「ロンドンに行ったらぜひ見てきてほしい」と勧められていたコンテンポラリー・アートを見に行ってみました。アンゼルム・キーファーのエキシビションです。

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[テーマはヴァルハラ]

北欧の伝説と戦争の非人間性を重ね合わせた作品でした。

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[重量感が生々しく感じられる作品ばかり]

どの作品も素材の重みがずっしりと感じられるものばかりです。インパクトの強い、メッセージ性のはっきりした展示でした。

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[会場のホワイト・キューブ。後ろに見えているのはヨーロッパで一番高いビルのシャード]

ホワイト・キューブ・ギャラリーはロンドン・ブリッジの駅の南の方です。暗くて汚い倉庫街みたいなところであまり行きたくない・・・と思っていたのですが、今日、行ってみたらおしゃれなカフェやブティックが並んでいてびっくりしました。ちょっと前までオンボロだったロンドン・ブリッジの駅もきれいになり、シャングリラ・ホテルまでできていて、すっかりスタイリッシュな地域に変貌していました。

この20年、急激に変貌しているロンドン。世界中から大量の資本が流れ込み、シティやこのあたりの景観はものすごい勢いで変わっています。まだまだあちこちに大規模な工事現場も目立ちます。EUからの離脱やテロへの警戒が、この勢いを弱めるのかどうか。一方で、この厳冬の街にホームレスの姿も目立っています。派手な繁栄と根深い社会不安が共存するのは、ヴィクトリア朝も同様だったのだろうか・・・と思いながらテムズの冷たい風が吹き付けるロンドン・ブリッジ駅への道を足早に歩きました。

2017年1月 4日 (水)

歩く、歩く、歩く

まつこです。

元旦は雨でしたが、2日は見事な青空。

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[プリンス・アルバートの黄金の像も朝日を浴びて輝いています]

ケンジントン・ガーデンまで散歩に出かけました。

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[サーペンタインの池]

この時点では気温0度くらい。

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[バンクホリデーでのんびり散歩している人がたくさん]

この寒さでも犬を連れて散歩している人がたくさんいます。

イギリス人って本当に歩くのが好き。

元旦にはトムとジュディからランチパーティに誘われてケンブリッジまで出かけたのですが、「ウォーキングをするから午前中から来るように」と。イギリス人ですら"miserable!"と嘆くような雨にもかかわらず、傘さして歩く、歩く、歩く・・・。

3日も別のケンブリッジの友人からランチに誘われ、やはり「11頃来れない?ランチの前に歩きましょう」と。天気は良いけれど零下2度の空気の中を、歩く、歩く、歩く・・・。

2日はロンドンで過ごしたのだけれど、結局、ひとりでケンジントン公園を歩く、歩く、歩く・・・。

実によく歩いた三が日でした。

2017年1月 3日 (火)

閨秀作家のドタバタ喜劇:The Rover

まつこです。

プロスペローの深い苦悩を見た翌日は、思い切りはじけとんだコメディThe Roverを見ました。

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[舞台はナポリのカーニバル]

変装、男装、すれ違い、取り違い、騙し合い・・・てんこ盛りのゴタゴタした喜劇ですが、要はクロムウェルの革命による共和制の時代に亡命していた王党派の連中が、カーニバルの夜にやりたい放題するうち、ちょうど良いしっかり者のお相手を見つけるというもの。

王政復古期に典型的なお色気たっぷりなこの喜劇を書いたのは、英国初の女性作家アフラ・ベーン。チャールズ二世お抱えの女スパイ、囚人、詩人、劇作家・・・と本人の波乱万丈な生涯もドラマティックです。

それにしてもこのコメディを見ると、「革命期の王党派ってヨーロッパで遊んでたのね、同情する必要ないわね」と思ってしまいます。

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[こちらが主人公の懲りない遊び人ウィルモア]

血気というか性欲が過剰なウィルモアは、高級娼婦と修道院に入る予定のお嬢様の両方からモテモテ。それだけでは飽き足らず、女と見れば手当たり次第追いかけ回し、腰をすえる気配なし。

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[こちらはエセックスからやってきた田舎紳士]

いっぽう、ウブな田舎者ブラントはラテン女に目がくらみ、娼婦に騙されて散々な目に。

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[ジプシーに扮装したお嬢さんたち]

お嬢さんたちの方もジプシーに扮したり、男装したり、あの手この手を尽くして、狙った相手を確実に夫にするしたたかさ。毒々しい娼婦のほうが一途で健気に見えてきます。

こういうドタバタ劇が、豪華な衣装、生き生きとした生演奏の音楽とともに、ぴったりと息のあった演技のアンサンブルで、見事に大人のコメディに仕立て上げられます。劇場を埋め尽くした白髪のイギリスの中高年男女が体揺すって大笑いする中で、「イギリスって17世紀からずっと大人の国なのね・・・」と、気圧されそうな気分になった大晦日でした。

2017年1月 2日 (月)

プロスペローの罪

まつこです。

うめぞうをひとりぼっちで帰国させ、イギリスまでやってきたのはどうしても観たい芝居があったから。RSCの『テンペスト』、サイモン・ラッセル・ビールの演じるプロスペローです。

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[木の幹に閉じ込められたエアリエル]

今回の『テンペスト』(演出グレゴリー・ドーラン)はRSCがインテルと組んで最新のデジタル・テクノロジーを使ってシェイクスピアの魔法の世界を作り上げるという企画でした。凝ったデジタル映像と舞台の組み合わせはもう珍しくはありません。でもストラットフォードの三方から観客が取り囲むステージにどんなふうに映像を組み込むのか、RSCがデジタル・テクノロジーを導入して演劇の新しい可能性を提示できるのかどうか、それを実際に見てみたかったのです。

それよりもどうしてもサイモン・ラッセル・ビールのプロスペローを観てみたかった。2年前にリアを演じ、今年はプロスペロー。シェイクスピア劇の主なる役はこれで終わりです。自分と同い年の名優がシェイクスピア俳優としての仕上げをするところを見てみたかったのです。

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[悔恨、苦悶、喪失感]

苦い絶望を抱え込んだプロスペローでした。地位を奪われた被害者としての嘆きではなく、自らの過ちを意識し、取り返しのつかない13年を悔い、娘も奴隷も支配しきれない無力を感じている、苦悩する一人の老人がビールの演じるプロスペローです。

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[淡々としたエアリエルと、苛立ちに満ちたプロスペロー]

エアリエルが口にする「愛」や「慈悲」という言葉はプロスペローの心を引き裂き、傷ついた動物のような苦渋に満ちたうめき声が漏れだします。

1993年、ラベンダー色の人民服に身を包み、ひたひたと無表情なエアリエルを演じたビールは、解放された瞬間、プロスペローに唾を吐きかけました。支配者に対するエアリエルの隠されていた憎悪があらわになったその瞬間に、自分を被害者であり支配者だと思っていたプロスペローの自己欺瞞がむき出しになったのです。

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[1993年、無表情の下に憎悪を隠していたエアリエル]

23年後、その同じ役者がプロスペローを演じるとき、自分についての甘い幻想はもはや許されません。国を失い、娘を失い、時を失ったプロスペローは、それが自分の過誤だと認識しています。罪を犯された人ではなく、罪を犯した人の苦しみをプロスペローは背負っていました。

モーション・キャプチャーの技術を取り入れ、エアリエルが複数のアバターに分離して舞台を飛び回るというテクノロジーは確かに斬新なものでした。しかしプロスペローの苦しみをここまであらわにした解釈もまた、『テンペスト』の上演史に新しい足跡を残したと思います

2017年1月 1日 (日)

あけましておめでとうございます

ウメマツです。

あけましておめでとうございます。

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[ストラスブールのノートルダム大聖堂]

昨年、このブログにお立ち寄りくださった皆さん、どうもありがとうございました。2017年も考えたことや心に残ったことを、書き留め続けていきたいと思っています。

今年もどうぞよろしくお願いします。

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