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2016年8月25日 (木)

エレン・テリーとスモールハイス

まつこです。

昨日から一泊二日で出かけていました。今日、行ったのはケントのスモールハイス(Smallhythe)という小さな村です。

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[Ellen Terryの愛したコテッジ]

ここにあるSmallhythe Placeと呼ばれる15世紀に建てられた家に、19世紀の大女優エレン・テリーが晩年を送った家があります。今はナショナル・トラストが管理していて、エレン・テリーの博物館にもなっています。

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[Ellen Terry16歳の時のポートレート]

エレン・テリーはヴィクトリア朝の大女優。でも建築家エドワード・ゴドウィンやシェイクスピア俳優ヘンリー・アーヴィングとのパートナー関係、2人の婚外子、3度の結婚(3度目は30歳以上年下のアメリカ人)、バーナード・ショーとの交友など、とにかく人間関係がど派手。

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[最初の夫ワットが描いた15歳のEllen Terry]

そんなエレン・テリーが成功の頂点でこのコテッジを購入し、30年近く住み、ここで亡くなりました。華やかな女優と、古い小さなコテッジのイメージが結びつかず気になっていて、前から行ってみたかったのです。

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[左の納屋は今は小さな劇場になっています。現地のボランティアさんが案内してくれるツアーに参加しました]

ガイドさんに案内されてよくわかりました。小さなコテッジじゃなくて、広大な自然に囲まれた広い敷地に納屋や小屋など6つの建物が点在。リンゴやナッツの果樹園、緑濃い池など、古い井戸など、自然の中で動植物と一体化する暮らしだったようです。

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[びっしりと藻が広がる池。でも地下で川につながっていて水はきれいなのだそうです。いろんな動物が住んでいます]

エレン・テリーはたいへん寛容な人で、この村に引っ越してくる前は、もう少し海岸沿いのウィンチェルシーに住んでいたそうですが、貧しい村で靴を満足に買えない子供がたくさんいるのを見て、村の子供全員に靴を買ってあげたそうです。何人目かの夫のには愛人がいて、その愛人や子供にもお金の提供を惜しまなかったそうです。

「太っ腹で、楽天家で、生命力が強い。」

これがスキャンダルにも関わらず、ヴィクトリア朝のスター女優として人気を博し、数々の男性を惹きつけた魅力のようです。ロンドンの石造りの街には収まりきらず、大空のもと、風の音と、太陽の光と、緑の匂いと、四季の折々の花々に囲まれ、その自然の力を吸収するような女性だったのでしょう。

付き合う男が、女ったらしだったり、生活破綻者だったり、アル中だったり、次々とダメな男ばかりだったのも、有り余る生命力のゆえかもね・・・と思いながら、気持ちの良い木陰で、「あっぱれ、エレン・テリー!」と内心喝采をあげました。

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コメント

美しいコテージですね。哀愁漂うポートレイトとは異なるエレン・テリーの素顔が素敵です。お天気も申し分ないようですね!あっぱれと言えば、↓のうめぞうさんの記事。やせ我慢も含めて(笑)、立派です。

知らなかった。私も行ってみたいです。いろいろお話を聞かせてください。ご帰国はいつですか?

Pukiさん、コメントありがとうございます。

ここのガイドさんの話がうまくて、伝記を読むより、エレン・テリーの人柄が生き生き伝わってきました。やわらかな声でゆったりとよどみなく話続けるのに耳を傾けていると、物語の朗読を聞いているようでした。

うめぞうのやせ我慢、見え見えなところが笑えますよね。

松岡さん、コメントありがとうございます。

衣装や芝居のポスターなど、いろんな展示品があるのですが、それよりこの豊かにあふれる自然美が女優の人柄を彷彿とさせるような気がしました。帰国は9月9日の予定です。松岡さんはこの夏はいらっしゃらないのですか。

やっぱりバレバレですか・・・・・

お帰りになったら是非お目にかかりたいです。私は7月29日から8月6日までロンドンとストラットフォードに行ってきました。シェイクスピア・コングレスのラウンドテーブルに出るのと、「芸術新潮」の取材のため。足掛け10日の滞在なのに芝居は2本しか見なかったという、稀に見るスケジュールでした。

松岡さん、コメントありがとうございます。

そうでしたね、コングレスに参加されたのでしたね。帰ったら連絡いたします。学期が始まる前にぜひお目にかかりたいと思っています。

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