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2016年8月15日 (月)

アフリカの『ハムレット』

まつこです。

「めっちゃ、おもしろかったっすっ! おれ、シェイクスピア、はまったかも。先生もぜったい見に行ってくさだいよ」と学生に言われたのが、今回の『ハムレット』。いまどきの若者はどういうシェイクスピア上演を面白がるのだろう、それが知りたくてストラットフォードまで日帰りで出かけました。

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[アフリカン・アートみたいなハムレット]

キャストはほとんどが黒人、鮮烈な色彩と弾けるリズム。ガーナあたりに設定された、アフリカンな『ハムレット』でした。

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[カメレオンのように表情がくるくると変わる複雑なハムレット]

主人公を演じたPaapa Essieduがうまい。ウィッテンバーグ大学で学位授与式に出たところで、突然、故国から悲報が届き、急遽、帰国したハムレット。ヨーロッパで自由な大学生活を送っていた若者は、軍事独裁政権化で国王暗殺が起きた故国で強烈な異文化体験をすることになります。戸惑い、怒り、愛憎、皮肉・・・と、複雑な思いがさまざまに混じり合う主人公を軽妙に演じていました。

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[アフリカンの『ハムレット』は極彩色の世界]

この濃厚な異文化の世界に呼ばれた学友は、男女の白人二人。ヒースロー空港の売店で買ったようなショートブレッドと紅茶をお土産に、お気楽にやってきた二人は、異国情緒を楽しもうとする上から目線の観光客気分まるだし。

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[アフリカっぽいファッションも楽しむ観光客気分のお二人様]

ギルデンスターンを女性にし、いかにも如才なく立ち回ろうとする小狡さをうまく演出していました。イングランドで殺されちゃったという知らせを聞いても、ぜんぜん同情する気になれません。黒人に対する白人のぬぐいがたい優越感をうまく利用した演出です。

という具合で、大胆な設定がほぼうまくいった演出なのですが、セリフの中に「デンマーク」という言葉が出てくるたびに、やっぱり違和感があるのはいたしかたなし。そんなズレを無視して、激しいリズムと極彩色のエキサイティングな空気に素直に身を委ねるのが、いまどきの若者の感性なのかもしれません。

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