« 帰宅とリモワ修理 | トップページ | 7日間で幸せになる方法 »

2016年1月11日 (月)

キャメロンのジョーク 2

まつこです。

キャメロンの当意即妙については以前にも書いたことがありますが(キャメロンのジョーク)、今年も年明けからその冴え具合を披露しました。

1月6日(水)のイギリス国会での首相への質問時間(Prime Minister's Questions)でのことです。ストラットフォード出身の保守党議員が今年はシェイクスピア没後400年、議員もみんな団結しましょうというような発言をし、労働党党首ジェレミー・コービンが党を超えて水害対策にあたるべきときに政府の対応がもたもたしていると批判したのを受け、キャメロンはこう切り出しました。

Pmqs_gv_3542563b
[党運営の混迷ぶりを笑われ、苦い顔の労働党フロント・ベンチの人たち]

「どんな時にも、その時にぴったりな言葉をシェイクスピアは残してくれています。目下の状況はどうでしょう。」(I find that Shakespeare provides language for every moment -- just consider what we are thinking at the moment.)

「目下の状況」とは、労働党の内紛です。シリア空爆や核兵器トライデントの配備をめぐって足並みが乱れた労働党。党首コービンが影の内閣から意見の合わない人を外す人事をしようとしたところ、「復讐人事だ!」という激しい反発があり、影の大臣が次々と辞任するという騒ぎになってしまいました。

その騒ぎをキャメロンは、シェイクスピアのコメディのタイトルを次々と並べて、こうからかいました。

「労働党の影の内閣の改造が『十二夜』までかかりそうでしたね。復讐人事ですから『お気に召すまま』になると思っていましたよ。でも結論としては『間違いの喜劇』か『から騒ぎ』でしょうか。これからも『恋の骨折り損』で悩みはつきませんね。」(There was a moment when it looked like this reshuffle could go into its Twelfth Night. It was a revenge reshuffle so it was going to be As You Like It. I think though we can conclude it's turned into something of a Comedy of Error, perhaps Much Ado About Nothing? There will be those who worry Love's Labour's Lost."

最後は労働党(Labour)のドタバタぶりを「骨折り損」(Labour's Lost)と語呂合わせして、議場は笑いの渦に包まれました。労働党フロント・ベンチの苦り切った表情と、キャメロンのお得意そうな表情が対象的です。

中東情勢、EUとの関係、住宅不足問題、医療保険改革、移民問題などなど、山積みの問題は笑っていられる状況ではないのですが・・・。でもそれとこれとは別問題で、言葉のセンスの良さを重要な政治家の資質の一つとして認めているあたりが、イギリスがシェイクスピアの国たるところなのでしょう。

« 帰宅とリモワ修理 | トップページ | 7日間で幸せになる方法 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: キャメロンのジョーク 2:

« 帰宅とリモワ修理 | トップページ | 7日間で幸せになる方法 »