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2016年1月

2016年1月31日 (日)

食べまっし、買いまっし

まつこです。

先週末の金沢出張、土曜日午後からの仕事にもかかわらず、金曜日から金沢に行ったのはお買い物目当て。欲しかったのは九谷焼のお銚子です。

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[一合ぴったり入る小さなお銚子。ガラスの箸置きは大森康子さんという金沢を拠点にしているガラス工芸家の作品]

いくつかお店の覗いてみてもなかなか欲しいものが見つからず、諦めかけたのですが、夕刻、武家屋敷街で見つけました。雪のちらつく夕刻、静かな武家屋敷界隈でひとつついていた灯りに誘われて行ってみると、「本田屋食器店」というお店でした。

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[雪のちらつく武家屋敷界隈。シーンと静まりかえっていて趣たっぷりでした]

女性が経営している「本田屋食器店」は、古い伝統的なデザインを生かしながら、現代の住空間で普段使いできる食器を職人さんに発注して売っているそうです。欲しいものはいくつかあったのですが、「旅のお土産は少ない方が印象に残る」と思っているので、お銚子を一本だけ。

目的の買い物を果たしたら、もうひとつの楽しみは金沢の食。

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[軽くスモークしたブリや白子がおいしい]

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[カブのすり流し]

友人のプリンちゃんのご主人、ミスタープリンは金沢に単身赴任中。情報通、食通のミスタープリンから教えてもらって行ったのはカウンター8席だけの和食のお店「一献」。

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[残ったお赤飯をお土産のおにぎりにしてもらってうれしいうめぞう]

お料理がおいしく美しいことに加え、こちらは女将さんが美人。うめぞう、大喜びでした。

街歩きをしていて良いお店を見つけるのも旅の楽しみ。今回私が出くわした楽しいお店は2軒。

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[保存食のStoock]

Stoockは、地元産の素材で作ったピクルス、ジャム、ハム、ソーセージなどなど、和洋様々な「保存食」のお店です。

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[棒茶、ウメジャム、ミント入りのオレンジ・マーマーレード]

ジャムの種類がものすごく多くて楽しいお店でした。こちらではジャム2種類と「加賀の棒茶」を買いました。

旅先で和食が続くと朝食はやっぱりパンが食べたくなります。ホテルの近くでおいしいパン屋さんを見つけ、二日続けて行きました。

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[暴風雪の中を10分歩いて朝食を食べに行ったひらみぱん]

中はおしゃれなカフェになっています。

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[クロックマダムで朝ごはん]

太い梁の古い鉄工所を改装したお店です。石油ストーブの上でポットがシュンシュン音をたて、暖かいひざ掛けを貸しくれます。外は猛吹雪でしたが、ぬくぬくと居心地が良いお店でした。

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[東京に持ち帰ったパン]

パンはしっかりと小麦の味と酵母の香りがしてとてもおいしいです。翌朝の分まで買って東京に持ち帰りました。

最後の買い物は金沢駅の駅弁。グランクラスにはお弁当がついていたので、これはこの日の夕食に。

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[のどぐろの炙り寿司とカニ寿司]

金沢に古くからある「芝寿司」の押し寿司です。そのほかにも名店街で買った金沢名物を並べれば立派なお夕飯。

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[ごりの佃煮とくるみの佃煮]
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[かぶら寿司]

武家屋敷で見つけたお銚子にお酒を入れて、かぶら寿司などつまめば旅の余韻がたっぷり。

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[うめぞうが手にしているお猪口も数年前の金沢出張でたった一個だけ買った九谷]

金沢弁では「〜しなさい」というのを「〜まっし」と言います。金沢にはおいしいものや伝統工芸がたくさんあります。「食べまっしぃ〜」、「買いまっしぃ〜」とのんびりした口調に誘われ、ついついあれこれ欲しくなる旅でした。

2016年1月28日 (木)

うめぞう故郷で風邪をひく

まつこです。

「雪景色もいいね〜」などと、到着当日は言っていたものの、金沢滞在三日目の朝、起きてみるとこんな景色。

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[吹雪でほとんど何も見えない・・・]

暴風雪です。もともと風邪気味だったうめぞう、もはや故郷を探索する気力もなく、「早めに帰ろうか?」と聞くと、コクリとうなずきます。

小松空港発の飛行機も欠航が続出、金沢駅では切符売り場に長蛇の列ができていました。持っていた指定席を払い戻しし、できるだけ早い列車に変えたいと頼むと、駅員さんは「グランクラスならあります」とのこと。「グランクラスってなに・・・?」と思ったものの、後ろにも長蛇の列。顔を赤くして熱っぽいうめぞうを見て、なんでもいいから早く東京に戻ろうと、値段を聞いて一瞬ひるみながも、「じゃあ、それでいいです」と言ってしまいました。

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[まあ、豪華な車内!]

乗ってびっくり。電動でリクライニングする革張りの座席、足元も広々、スリッパもついています。ひと昔前のJALのビジネスクラスより立派かも。

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[もたもた・・・]

車内の豪華さにびっくりし、テーブルの引き出し方がわからずもたつくうめぞう。

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[あせあせ・・・]

ガタガタ、押したり引いたり、四苦八苦。

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[やっとできた!]

グランクラスがどんなものかも知らなかった私たちが、あっちこっちのボタンを押したり引いたりしている間に、周囲の人たちはなにやらメニューなど見ています。

グランクラスは、飲み物と軽食サービスつきでした。

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[おしぼり、飲み物、軽食、おつまみ、お菓子がサービスされました]

そんなこととはつゆ知らず、「一等車に乗るならお弁当買って中で食べよう!」と、あれこれ買い込んできてしまいました。お弁当はそのままこの日、東京に戻ってからの夕食になりました。

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[小ぶりのお弁当。なかなか美味しかったです]

お弁当は金沢、ワインは長野、おかきは新潟と組み合わせているのは、沿線各県への配慮でしょうか。

「けっこうおいしいね」とパクパクお弁当を食べる頃には、気分もすっかりグランクラスのうめぞう。やがて私の耳元でこっそり、「ねえ、グランクラスのスチュワーデスさんって、美人ぞろいだね」とささやく頃には、どうやら風邪も治りかけている気配です。

外は猛吹雪。糸魚川では車体の下についた雪をかき落とす作業がありました。それでもわずか数分の遅れで東京に到着。うめぞうは金沢、私は新潟と、二人とも雪国育ちなのに、真っ青な東京の空を見てホッとしました。「裏日本」という言葉を久しぶりに思い出しながら、その厳しい環境の中で、粘り強く伝統と文化をはぐくみ続けている人々への敬意を感じた週末でした。

2016年1月26日 (火)

うめぞうの百万石自慢

まつこです。

「いらっし見まっし寄るまっし・・・」と、調子の良いお囃子をうめぞうが歌い始めました。小学校で習った「百万石節」だそうです。昔はこういうご当地音頭を、小学校の運動会で踊らされました。

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[後ろに見えるのは石川門]

小学校での郷土愛教育というのは、深層心理に刻みこまれるもののようです。「僕は親の仕事の都合で金沢にいただけだから、「ふるさと」っていうような特別な思い入れはないなあ・・・」と、クールを装っていたうめぞうですが、「加賀百万石」には、まるで自分がお殿様であるかのような誇りを感じている気配があります。「白山より立山が高い?でも富山は分家やがねぇ」と、富山県に対してかすかな優越感を抱いているようです。おそるべし初等教育の効果!

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[夏になると蛍が出る小道、白鳥路というそうです]

うめぞうは日頃はひどい方向音痴です。旅先では私の後ろをついてくるだけ。ところがさすがに金沢では、久しぶりにも関わらず、スタスタ間違えずに歩いて行きます。「あー、大通りじゃなくても、こっちの道から行けるよ。この道には蛍がいたんだよ」と言いながら細い遊歩道を懐かしそうに歩いていました。

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[金沢出身の文人といえば、泉鏡花、徳田秋声、室生犀星・・・うめぞう]

「ふるさと」というのは年取ってからだんだんと懐かしくなるものなのかもしれません。日頃、標準語で話している人も、年とともにお国言葉のイントネーションが次第に強く出てきたりします。金沢弁では、「もらえる」という意味で「あたる」という言葉を使うようです。朝、出勤前に、「今日は家で夕飯あたるの?」とうめぞうは聞きます。このように我が家ではうめぞうが金沢弁を使う頻度が次第に上がってきています。

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[浅野川はよそ者にはイントネーションがむずかしく、母語話者はアサノガワの「サ」の部分に強勢をおいて発音します]

お天気に恵まれた土曜日の午前中、雪がキラキラと輝くまぶしい街を、ときおり金沢弁を話しながら、うめぞうは楽しそうに散策していました。

2016年1月24日 (日)

うめぞう故郷に帰る

まつこです。

この週末は、私が地方出張。「うめぞう、一緒に来る?」と聞いたら、「行く!」とのこと。出かけた先は金沢です。

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[東京ー金沢間を二時間半で結ぶ新幹線]

うめぞうは高校卒業まで金沢で育ちました。でもうめぞうが大学に進学した年、両親も名古屋に転居したため、金沢に帰省することもなく、親戚もいません。うめぞう、久々の金沢です。

しかし、金沢駅でタクシーに乗ったとたん、運転手さんと完璧な金沢弁で会話を始めました。気分はすっかり金沢育ちの子供です。まずは卒業した小学校に行ってみましょう。

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[フローリアン・クラール、アリーナのためのクランクフェルト]

童心に戻って校庭の遊具で遊ぶうめぞう・・・のように見えますが、こちらは「金沢21世紀美術館」。うめぞうの通った小中学校がかつてあった跡地に、この美術館が建てられました。

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[ヤン・ファーブル、雲を測る男]

井上有一という現代書家の特別展も見ましたが、初めて来館した私たちは恒久展示作品が面白かったです。ついつい子供心を刺激されてしまいます。

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[レアンドロ・エルリッヒ、スイミング・プール]

私はプールの中、上からうめぞうが写真を撮りました。

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[館内のカフェ]

遊びくたびれたら館内のカフェで一休み。雪に白く覆われた芝生を見ながら、うめぞうは小学校の校庭を思い出しています。

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[兼六園は美術館のすぐそば]

美術館のあとはすぐそばの兼六園へ。「昔は入場無料だったんだよ。今は有料になったらしいねえ。残念だなあ・・・」と言いながら、兼六園へ向かったのですが、「65歳以上は無料」とのことで、うめぞうはタダ。

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[雪つりが美しい冬の兼六園]

団体で来ている観光客は多く、雪が降って寒いけれど、それでもやっぱり美しい兼六園。「子供の頃、兼六園なんて興味なかったけど、新雪で誰もいない兼六園をたまたま通りかかったら、あんまりきれいなんで子供でも感動した・・・」と思い出を語るうめぞう。

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[手前は青梅、後ろは紅梅]

梅林では雪の中でも梅が咲き始めていました。

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[夕暮れの犀川を眺めて感慨にふけるうめぞう]

金沢は犀川と浅野川の二つの川が流れる町です。うめぞうは毎日、この犀川を渡って学校に通っていました。「子供の頃はこの橋から学校まで結構遠いと思っていたけど・・・こんなに近かったのか・・・」と、うめぞうは戸惑っていました。

新幹線が通り、観光客で賑わう金沢。いろいろ大きく変わっているところも多いけれど、半世紀以上を経ても、川の流れは変わりません。少年のうめぞうが毎日通った橋の上で、しばしたたずんだ冬の夕暮れでした。

2016年1月15日 (金)

7日間で幸せになる方法

まつこです。

「ストレス」は万病のもと。自分はストレスに弱いと思っているみなさんに、 カリフォルニア大学バークレー校とBBCが選んだ「7日間で幸せになる方法」(A 7-day guide to the pursuit of happiness)をお伝えします。いずれも心理学や行動科学の分野で科学的な調査がなされた結果だそうです。

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[我が家のささやかな幸せは窓辺のヒヤシンスが咲いたこと]

月曜日:嫌な気持ちは日記で吐き出そう!
わずか15分かけて気持ちを言葉で表現するだけで、鬱や不安の症状が減り、免疫力が上がり、仕事の効率が上がるそうです。

火曜日:小さな親切を実行に移そう!
1週間に1日だけでいいので、他者に対する親切な行為を5つ行う、それを6週間続けると人生に対する満足度が上がるという調査結果があるそうです。

水曜日:感謝の気持ちを思い出そう!
親友やパートナーなど、大切な人がもしいなくなったら・・・と、想像してみる。するとそばにいるのが当たり前になっている人がいかに大切かが再認識できます。「もしも**が(私の場合はうめぞう)いなくなったら・・・」という想像(mental subtraction)をすると、そのあとで気分が上昇するそうです。

木曜日:思い出の写真を眺めよう!
古い写真を見ると自分の人生を過去から現在へと続く長い時間の流れの中で捉え直すことができます。そうすると自分の人生の有意義に感じられて、嫌なことや不安に対する抵抗力が高まるそうです。

金曜日:偉大なるものへの畏怖を思い出そう!
仰ぎ見る満天の星空、教会での祈りの時間、宇宙から見た地球のビデオ・・・自分よりはるかに大きなものへの畏怖の念(awe)を抱くことによって、おおらかで安らかな気持ちになる。その効果の大きさは科学的にも検証されているそうです。

土曜日:好きなものをちょっと我慢しよう!
チョコレートにせよワインにせよ、大好きなものも続けていると普通の日常になってしまいます。1週間だけ我慢すると再び喜びを新鮮に感じることができます。また我慢している間に、別の喜びに出会える可能性も高まるそうです。

日曜日:自分に甘くなろう!
過去の失敗や罪の意識を心の中で反芻すると逆効果で、かえって将来、過ちを犯す可能性が高くなるそうです。あえて自分を褒めてあげる数分間を持つことで、幸福感や意志力が高まるそうです。

いかがでしょうか。やろうと思えばやれることばかり。さっそくやってみましょう。

2016年1月11日 (月)

キャメロンのジョーク 2

まつこです。

キャメロンの当意即妙については以前にも書いたことがありますが(キャメロンのジョーク)、今年も年明けからその冴え具合を披露しました。

1月6日(水)のイギリス国会での首相への質問時間(Prime Minister's Questions)でのことです。ストラットフォード出身の保守党議員が今年はシェイクスピア没後400年、議員もみんな団結しましょうというような発言をし、労働党党首ジェレミー・コービンが党を超えて水害対策にあたるべきときに政府の対応がもたもたしていると批判したのを受け、キャメロンはこう切り出しました。

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[党運営の混迷ぶりを笑われ、苦い顔の労働党フロント・ベンチの人たち]

「どんな時にも、その時にぴったりな言葉をシェイクスピアは残してくれています。目下の状況はどうでしょう。」(I find that Shakespeare provides language for every moment -- just consider what we are thinking at the moment.)

「目下の状況」とは、労働党の内紛です。シリア空爆や核兵器トライデントの配備をめぐって足並みが乱れた労働党。党首コービンが影の内閣から意見の合わない人を外す人事をしようとしたところ、「復讐人事だ!」という激しい反発があり、影の大臣が次々と辞任するという騒ぎになってしまいました。

その騒ぎをキャメロンは、シェイクスピアのコメディのタイトルを次々と並べて、こうからかいました。

「労働党の影の内閣の改造が『十二夜』までかかりそうでしたね。復讐人事ですから『お気に召すまま』になると思っていましたよ。でも結論としては『間違いの喜劇』か『から騒ぎ』でしょうか。これからも『恋の骨折り損』で悩みはつきませんね。」(There was a moment when it looked like this reshuffle could go into its Twelfth Night. It was a revenge reshuffle so it was going to be As You Like It. I think though we can conclude it's turned into something of a Comedy of Error, perhaps Much Ado About Nothing? There will be those who worry Love's Labour's Lost."

最後は労働党(Labour)のドタバタぶりを「骨折り損」(Labour's Lost)と語呂合わせして、議場は笑いの渦に包まれました。労働党フロント・ベンチの苦り切った表情と、キャメロンのお得意そうな表情が対象的です。

中東情勢、EUとの関係、住宅不足問題、医療保険改革、移民問題などなど、山積みの問題は笑っていられる状況ではないのですが・・・。でもそれとこれとは別問題で、言葉のセンスの良さを重要な政治家の資質の一つとして認めているあたりが、イギリスがシェイクスピアの国たるところなのでしょう。

2016年1月 9日 (土)

帰宅とリモワ修理

まつこです。

昨日、帰国。10日ほどの短い旅ですが、一人旅だったせいもあり、一枚も自分の写真がないことに気がつきました。(あのセルフィー棒はちょっと恥ずかしい。)

で、帰宅した瞬間に玄関の鏡で一枚。

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[誰もいない家の玄関で「ただいま〜」]

この写真で身につけているセーターとバッグは、今回の旅行の自分へのお土産。Carolina Herreraのセカンド・ラインCHのものです。私は知らなかったのですが、ニューヨークをベースにしているベネズエラの母娘デザイナーのブランドだそうです。今回はHarvey NicholsでもJosephでも欲しいものがなく(「円安のせいで買えるものがなく」という方が正確)、何も買わずに帰るつもりだったのですが、Slone AvenueのJosephの斜め前のCHのお店でようやく欲しい(かつ買える)ものに出会いました。

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[皮が柔らかで、鎖が長いので斜めがけもできるセカンド・バッグ]

セーターとポンチョの真ん中みたいなニットはセールでほぼ半額。バッグはセールにはならないとのこと。でもいわゆるハイ・ブランドのバッグに比べれば、ずっとリーズナブルなお値段です。免税手続きで見せろと言われる場合もあるので、身につけて帰って来ました。お店の人に聞いたら、銀座と大阪にも店舗があるそうです。

スーツケースはいつものリモワですが、今回、旅の途中で車輪が一つ壊れてしまいました。3月に帰国するときにも車輪が一つ壊れました。堅牢なはずのドイツ製品ですが、10年以上使っていると仕方ないのかしら・・・。4つの車輪のうち一つでも壊れると、大きなスーツケースなので、移動のときにかなり厄介。

スーツケースの中身をざっと片付け、空になったケースを持って昨日のうちに表参道のリモワの直営店へ。その場で修理してくれました。所要時間5分。費用3,240円(税込)。

修理をしてくれた職人風のおじさんからのアドバイスは次のとおり。「空港で手荒に扱われてプラスチック部分にヒビが入ることが多い。そのまま引っ張るとヨーロッパの石畳などでは車輪が壊れる。ターンテーブルから受け取った時点で、車輪周辺部分にヒビがないか見て、ヒビがある場合は航空会社にその旨を伝えると修理保証をしてくれる。」皆さん、参考になさってください。

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[旅は出かけて良し、帰ってもまた良し]

夜は帰宅したうめぞうと、近所のお蕎麦屋「田奈部」へ。お屠蘇気分で、ちょっとだけ今年初めての日本酒も。あ〜、やっぱり日本もいいわ〜。

2016年1月 7日 (木)

1988年

まつこです。

1988年がどんな年だったか覚えていますか。日本はまだ昭和、東京ドームが完成した年。ソウルでオリンピックが開かれたのもこの年です。ロシアはまだソ連で、ゴルバチョフがペレストロイカを始めたたけれど、まさかこのあと地滑りのようにソ連の共産党体制が崩れ、東西冷戦が解消するとは思っていなかった頃です。

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[スイス・コテッジにこんな高層マンション群が建っていたとは知らなかった]

私はこの年はまだ大学院生。夏休みを利用してロンドンの北部に住む友人のIさんのお宅に泊めてもらって、ロンドンで芝居を見ていました。そのとき見た芝居のひとつがトム・ストッパードのHapgood。東西冷戦下、スパイ組織の女ボスであるハップグッドが、自分のチームの中の裏切り者を探し出すという内容です。

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[ハムステッド劇場の前でファーマーズ・マーケットをやっていました]

スパイなのか、ダブルスパイなのか、はたまたトリプルスパイなのか。一人の人物なのかそっくりな双子がいるのか。そもそも誰が裏切り者なのか。その謎解き に、量子力学の不確定原理のたとえが使われます。粒子の位置とエネルギーを正確に測定できないように、スパイたちの正体も捉えがたい。

自分が話についていけていないのか、それともそもそもすべてが不確定なのか、そのあたりが判然としない。だけどスリリング、という不思議な面白さのある劇です。

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[カッコいい女スパイのハップグッド。黒のスーツ、またはライダーズ・ジャケットに黒のピン・ヒール]

このHapgoodが30年近くを経て、Hampstead劇場で再演されているので見に行きました。スタイリッシュな舞台で繰り広げられる知的でスピーディなスパイ劇の面白さが楽しめます。かつてフェリシティ・ケンドールが演じた主役はリサ・ディロン。シングル・マザーの情報部のボスは、やっぱりカッコいい!

デスクの上にドーンと置かれたプッシュホン式の電話とか、トランシーバーみたいな通信機器とか、「時代」を感じさせる要素がいろいろあるのですが、ハップグッドのラグビー少年の息子の言葉使いがきちんとしていて丁寧というのが、いかにも一昔前のイギリスです。劇場の周りのスイス・コテッジ界隈の風景もすっかり変わりましたが、子供たちの服装や話し方も今では様変わり。こんなにお行儀の良いラグビー少年は、鉄のカーテンやベルリンの壁とともに消えていなくなったなあ・・・と、ハンサムな子役の少年を見ながら感慨にふけりました。

2016年1月 6日 (水)

ウエスト・エンド

まつこです。

昨日と今日は二晩続けてウエスト・エンドで観劇。今回は比較的ぎりぎりにイギリス滞在のスケジュールを決めたので、ジュディ・デンチの『冬物語』やドミニク・ウエストの『危険な関係』などはチケットが取れなくて残念だったのですが、それでもイギリスらしい芝居を十分に楽しめました。

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[古き良き時代の名残のヘイマーケット劇場]

昨日、見たのはMr. Foote's Other Leg。18世紀の劇作家、役者、劇場経営者サミュエル・フットという実在の人物の強烈な個性を、アメリカ独立、ジョージ三世の即位、奴隷の解放、シェイクスピア人気の盛り上がりなど、歴史背景に絡めながら描いています。

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[シェイクスピア俳優ギャリック、女優ペグ・ウォフィントン、近代外科学の父ジョン・ハンターなど周りも個性派ぞろい]

女装好きで、ゲイで、進取の気性に富む経営者、乗馬の事故で片足を切断してもなお舞台で乾いた笑いを呼び起こし続けた喜劇役者・・・こんな複雑な人物を演じたのはサイモン・ラッセル・ビールです。

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[インパクトの強いビールの女装]

ずんぐりとした体躯とギョロリとした目で登場するだけで滑稽なのですが、それが一瞬にして心の内側にある絶望をかいまみせる。狂気とすれすれの笑いがグロテスクな魅力になっています。

フットはヘイマーケット劇場の経営者でした。政治的な規制や社会的な批判をかわしながら劇場を経営し続けたフットのしたたかさを描くことで、この劇は芝居に対するオマージュにもなっています。

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[こちらはギャリック劇場のケネス・ブラナー率いるHarlequinade]

同じように演劇にとりつかれた男を演じたのがケネス・ブラナー。ギャリック劇場は今シーズンケネス・ブラナーが主演・演出をするケネス・ブラナー・シアター・カンパニーの拠点になっています。「芝居のことしか考えられない世間知らずの俳優兼マネージャー」が主役の笑劇テレンス・ラティガンのHarlequinadeを、この特別シーズンのレパートリーに入れたのは、ブラナーのサービス精神旺盛な遊び心でしょう。

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[何を言われても上の空。芝居のことしか考えられない役者バカを演じるブラナー]

 

中年俳優夫婦が若作りをして『ロミオとジュリエット』を上演しようとしているところに、主演俳優の娘だと名乗る女性が現れ、孫までいることが判明。自分が離婚したものとばかり思い込み、重婚の罪を犯していたことさえ気づかなかった役者バカ・・・

このように笑止千万な筋書きなのですが、こういう笑劇は戯曲の内容ではなく、役者の「芸」を見るもの。タイミングの巧みさ、笑わせる手加減など、ブラナーの喜劇役者としての勘の良さが引き立ちます。

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[All On Her Ownで中年女性の孤独を演じ、直後にダブル・ビルの笑劇でたっぷり笑わせてくれたゾーイ・ワナメイカー]

周りの役者もみなうまい。老女優役のゾーイ・ワナメイカーはHarlequinadeの前に、一人芝居のAll On Her Ownをやりました。死んだ夫に話しかける未亡人の役なのですが、誇り高い妻と北部出身の実直な夫というズレのある夫婦の対話をモノローグでやって、中年女のヒリヒリするような孤独を浮かび上がらせていました。

昔ながらの古い小さな劇場で、役者たちがカーテン・コールで手をつないで挨拶するのを見て、古き良き時代のイギリスに遡った気分になったひと時でした。

2016年1月 5日 (火)

ケンブリッジのお土産

まつこです。

トム&ジュディと共通の友人セアラにランチに呼ばれ、日帰りでケンブリッジに行ってきました。

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[雨のキングズ・パレード]

ご近所の友人同士なので、たとえ日本から来ている私がいても、盛り上がるのはもっぱら近所人のうわさ話。「Aさんの家の犬は器量は良いが頭が悪い」とか、「Bさんの好きな色はグレーだけど、呼ばれて行ったらクッションもソファーもグレー、紙ナプキンまでグレーだった。やり過ぎよね」とか。他愛もない話ばかりですが、こういうのを聞いているのは案外、リアルな生活がわかって楽しいです。

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[暖かいので緑は生き生きとしていますが、濡れそぼって寂しい印象の公園]

日本のこともたまに話題にしてくれるのですが、「テクノロジー」と「高物価」という一昔前のイメージが抜けないようで、イギリスの方が物価が高いと説明してもなかなか納得してもらえません。いったん定着したイメージはなかなか消しがたいもののようです。

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[トムからもらった石]

「日本はミステリアスでスピリチュアルな文化の国」というイメージも、中高年のイギリス人にはまだ深く根付いているようで、先日の大晦日のパーティでは「日本では石をペットにしている人がいる」という話が出ました。これが意外にも複数の人が聞いたことがあると言うのです。「なに、それ? そんなの聞いたことない。禅宗に入れこんでいるアメリカ人とかそんな人が言い出したんじゃないの?」とかわしておきましたが、「ペットの石」ってあるんでしょうか。

昨日、再会したトムは日本へのお土産にと白い小さな石をくれました。Tの文字がついているので、トムと名付け、ペットとして持ち帰ってほしいというジョークです。

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[ジュディの手作りサシェ]

ジュディからは庭のラベンダーで作った手作りサシェをもらいました。今は灰色の空のイギリスですが、春夏の輝かんばかりの美しさは忘れがたいものがあります。ジュディが毎日、せっせと世話をしている庭に花が咲き誇る様子が、このサシェのラベンダーの香りに包まれると目の奥によみがえってきます。

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[ヨークシャーから持ってきた手作りお菓子]

大晦日のパーティにヨークシャーから来て参加していたパムは、手作りのミンスパイやクリスマス・ケーキを持参していました。スコットランド系のお義母さんから伝授されたというクリスマス・ケーキはたっぷりとスコッチ・ウィスキーが使われているそうで、食べるとふんわりとお酒の匂いに包まれて酔っぱらいそうなほどです。ロンドンに持って帰って食べるようにと、余った分を元旦に持たされました。

先日のサファリ・サパーもこの日のランチも、そんなに高価なものが並ぶわけではないけれど、こうして生活を分かち合わせてもらえる経験が異邦人の私にとってはとても貴重です。こういう思い出と一緒にトムのいう名の白い小石とラベンダーの匂いのサシェをスーツケースに大切に入れて帰ります。

2016年1月 4日 (月)

ビスケットの缶

まつこです。

悪い天気に慣れきっているはずのイギリス人が、「ミゼラブル!」と嘆くほど雨が続いています。12月は記録破りの降水量、新年になってからも毎日雨が降り続いています。

雨のロンドン、どこを見ても灰色です。モンクレールの黒のダウンコートがちょうど良いです。日曜日の朝も散歩する気にもならないので、ご近所のV & Aへ。

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[ウェッジウッドかしら?]

工芸品がたくさんある博物館で、ふと目をひいたのがこちらの棚。ウェッジウッドの陶器製の宝石箱のように見えますが、じつはこれビスケットの缶。

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[こんな中国製の陶器のように見えるものも、ブリキ製のビスケットの缶]

19世紀の終盤、こうした凝った形のビスケット缶が作られるようになり、ミドルクラスの家庭で、ビスケットを食べ終えた後、飾り物として使ったのだそうです。

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[子供のためのかわいいビスケット缶]

第一次世界大戦でいったんは中断したものの、やがて子供たちが喜ぶデザインの缶が増えたのだそうです。こうして見ると、ビスケットの缶も歴史を反映した工芸品であることがよくわかります。

今もスーパーやデパートで売られているビスケットの缶はかわいいデザインのものが多く、ビスケットよりも缶の方が欲しくなることがあります。日本で留守番のうめぞうに、かわいい缶のビスケットでもお土産に買って帰ろうかな。

2016年1月 3日 (日)

『お気に召すまま』

まつこです。

元旦の夜に一人で芝居を見に行くなんて、これが最初で最後だろうなあと思いながら、サウスバンクのナショナル・シアターへ。

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[なんだかんだ言ってもやっぱり好きなこの風景]

その前夜に花火で盛り上がったテムズ河畔はまだお祭り気分が漂っていて、にぎやかに音楽が流れ、人々の歓声があがっていました。ビッグベンもロンドン・アイもカラフルにライトアップされていて、ロンドンは巨大な遊園地のようです。もう少し落ち着いた街だった頃のロンドンを懐かしく思うのは、こちらが年だからでしょう。

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[ロザリー・クレイグのロザリンド、ジョー・バニスターのオーランドー、パスティ・フェランのシーリア]

見に行ったのはポリー・フィンドレイ演出の『お気に召すまま』。宮廷から森への場面転換のコントラストがはっきりしている喜劇ですが、今回の演出ではその場面転換が息を飲む大スペクタクルに仕立てられていました。現代に舞台を設定していて公爵の宮廷は、社員が一丸となって働く現代的な企業のオフィスです。そのオフィスの無数の机や椅子がいっせいにワイヤーで引っ張り上げられ、天井から宙づりになって、不気味な森へと姿を変えます。

おおおーーー、と観客はみなあっけにとられて口をぽっかり開けて舞台を見つめます。

しかし・・・

この圧倒的なスペクタクルのせいで、かえってドラマの影が薄くなる印象です。役者はみんなうまくて、戯曲も程よくカットされて展開が速く、軽快な喜劇に仕上がっているのですが、あとになんにも残らない。物語まで装置の中に巧みに埋め込まれた感じで、生き生きとはじける若さや恋のせつなさが自然に立ち上がってこないのです。

ロンドンの夜景は色とりどりにライトアップされ遊園地のようですが、この『お気に召すまま』も遊園地のショーのようでした。もちろん楽しいんだけど。若者たちには楽しいだけじゃなくて、もうちょっと不格好な恋愛をしてもらいたい!と過ぎ去って行った遠い日々を思いながら小雨に濡れながら元旦の夜のテムズを眺めました。



2016年1月 2日 (土)

サファリ・サパー

まつこです。

大晦日から元旦にかけてケンブリッジのトム&ジュディの家に泊まりに行ってきました。

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[常に変わらぬこの景色]

今回の旅行の目的のひとつはトム&ジュディに再会すること。年の離れた妹のように私を可愛がってくれたトム&ジュディ。夏休みには私の体調不良で再会がかなわず残念に思っていました。

秋が深まった頃、「また今年も大晦日のパーティに参加できないか」とトムからメールが届きました。昨年も年越しパーティはトムたちと一緒。今年もほぼ同じメンバー。まるでデジャブのようでしたが、違いは2015年は「インフルエンザと風邪の猛威」とともに明けたこと。昨年はこのパーティの最中にジュディの具合が悪くなり、パーティ終了後は私も含め、参加者全員が次々とインフルエンザや風邪の症状が出ました。

今年は去年のその苦い思い出を払拭すべく、趣向を変えて「サファリ・サパー(Safari supper)」にするとのこと。「サファリ・サパー」はイギリス独特の言い方のようですが、持ち寄りパーティの変形です。まずSR夫妻の家でスターターを食べ、SC夫妻の家でメインを食べ、最後はトムとジュディの家でプディングを食べ新年を迎える、という計画。こういうふうに移動しながらフルコースを食べることをサファリ・サパーと呼ぶようです。

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[最後はトムとジュディの家でプディング、チーズ、ポート・ワイン。トライフル、ミンス・パイ、クリスマス・ケーキ・・・と甘いものが並ぶなか、私が日本から持って行ったウェストのリーフ・パイが大好評]

食事の間にコートを着込んで移動するのは、寒いけれど、お腹もほどよくこなれて気持ちがよかったです。大晦日の真夜中、今年のケンブリッジは晴れ渡っていて、空には満点の星。冬のきりりと冷えた空気の中、びっしりと星で埋め尽くされた夜空を眺めると、「ああ、はるばるここまで来てよかったなあ」という気分になりました。

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[テレビを見ながら新年の到来を待っているところ]

食事が終わったら新年のカウント・ダウン。ロンドンのド派手な花火が生中継されるのを見ながら、みんなで手をつないでAuld Lang Syneを歌います。 5組の夫婦+私の全部で11人。にぎやかに大晦日の夜は更けていったのでした。

追加
今回、パーティの席で皆が次々と「日本のラグビーはがんばったねえ」と言いました。その後の会話の展開が・・・

「次は日本でワールド・カップだ」
「日本に行ってみたいわ」
「みんなで行かないか?」
「いいねえ」
「東京はホテルが高そうだ」
「まつこに良いB&Bを探しておいてもらおう」
「私は着物がほしい」
「富士山見たい」
「日本の普通の家に泊まりたい」
「KyotoとTokyoはどれだけ離れているの」
「まつこにKyotoを案内してもらおう」
「一軒家を借りれば10人でも泊まれるんじゃない」
「東京は高いから地方のゲームを見に行こう」
「東京で買物したいわ、ラグビーは見なくていいわ」
・・・

どうやら次のラグビー・ワールド・カップの時はこの人たちが全員でやってくるようです。お達者なマリーゴールド・クラブ様ご一行の来日です。覚悟を決めて、早めに準備しておいた方が良さそうです。

2016年1月 1日 (金)

あけましておめでとうございます

ウメマツです。

あけましておめでとうございます。

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[3月に行ったハイデルベルクでの写真です]

昨年に引き続き、今年もウメマツはイギリスと日本に別れて新年を迎えています。自由に行動しながら、離れているときの方がメールやスカイプで互いをいたわるのは、長年一緒にいる中年夫婦だからだなあと自覚します。

二人ともそれぞれに身体の不具合も出てき始めていますし、老いた親たちへの気遣いもますます必要になってきています。この世代になれば、元気で明るいことばかりではない日々になるのも当然。いたわり合いながら、人生の後半を丁寧に生きていければと願っています。

友人や知り合いたちも年を重ねてきています。そんな同世代の仲間と支え合いながら、できれば若い人たちとも繋がりをなくさないようにして、ネットワークをしっかり作っていきたいというのが新年の決意です。将来の展望があまり明るくない時代にあっては、社会に対する批判精神を持ち続けることとともに、身近な人との連携が大切だとあらためて思っています。

みなさんにとっても新しい年が良い年でありますように!

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