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2015年2月10日 (火)

マイケル・ペニントン

まつこです。

今日は1コマ授業を受講したあとロンドンまでお出かけ。

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[Thamesの風景はやっぱりいいわ〜]

いつものナショナル・シアターですが、今日は観劇ではなく、俳優マイケル・ペニントンのトークとサイン会です。最近、Let Me Play the Lion Too: How To Be an Actorという、若い役者へのメッセージに自伝をまじえた本を出版したので、その本の宣伝を兼ねた行事です。

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[これが新刊。若い俳優たちに暖かい声援を送りながら、自らの俳優人生の光と影の部分を率直に語った本です]

ペニントン、好きな俳優ではあるけれど、芝居なら見に行くものの、サイン会のためにわざわざロンドンまで行くのもねえ・・・と、ためらっていました。でも数日前にSweet WilliamというDVDを観たらあまりに素晴らしいので、これはやっぱり出かけようと決めました。

Sweet Williamはシェイクスピアの伝記と自分の役者人生を交えて語りながらそこにシェイクスピアの戯曲のセリフをちりばめていくという趣向のペニントンのワンマン・ショーのDVDです。流暢な語りが、いつのまにかセリフに変わり、そのたびに劇中人物が深い感情のひだを刻みこんだ声で立ち上がってきます。必ずしも有名な名セリフばかりではなく、クイックリーとかシスビーとか、意外な人物のセリフの中の細かな心の揺らめきを、ペニントンが実にうまく引き出しています。(ペニントン、おばさん系の役のセリフがうまいことがよくわかりました。クレオパトラなんかずっと聞いていたくなります。)

今日のトークは新刊の一部を抜粋して語っていました。声はまだ艶があるけれど、ペニントンも71歳、容貌はすっかりおじいさんです。イングリッシュ・シェイクスピア・カンパニーで日本に来ていた頃は40代。リチャード二世、ハル王子、ジャック・ケイドなど若々しい役での、リズム感のあるセリフと軽やかな動きが印象的でしたが。

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[トークのあと、すっかりきれいになったナショナル・シアターのブックショップでサイン会]

せっかく来たのだから私もサインもしてもらうことに。

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[ペニントンは一人一人と結構長く話をしながらサインをしてくれました]

まつこ:「東京から来ています。東京での公演はすべてどれもよく覚えています・・・」
ペニントン:「グローブ座のオープンの時だよね。あなた名前は?あなたの顔、覚えているような気がするんだけど。話をしたこと、なかったかな?」

そう言われて、一瞬、あせって絶句・・・。

まつこ:「お話ししたのは、一度だけ。東京の電車の中で、サインいただいたことあります」
ペニントン:「そんなことあったかなあ・・・ハハハ」

秋葉原で買い物したらしいペニントンに出会ったのは総武線の中。そのとき一緒にいた上司とともに、「キャー、ペニントンだわ〜」と興奮しながら、手持ちのノートにサインしてもらったことがありました。日本では知られていないはずと、無警戒だったペニントンはちょっとあっけにとられた様子で、でもにこやかにサインしてくれました。私の顔を覚えている、というのはたぶん人違いだと思うけれど、でも四半世紀前も、今回も、とても気さくに、ちゃんと顔を見て話をしてくれて、誠実な人柄がわかるような気がしました。

すっかり「老俳優」という雰囲気になったペニントンですが、こちらもしっかり「おばさんファン」。できればもう一度、舞台で観てみたいなあと思いながら、サインしてもらった本を大事に抱えて帰って来ました。

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コメント

懐かしい。あの時のことはよーく覚えています。ペニントンのことでお喋りしてたのよね。
で、私が「マイケル・ペニントンが・・・いるー!」と叫んで二人でそばに駆け寄ったのでした。サインしてもらおうにも適当な紙がなくて、私は出席簿の末尾のページにしてもらいましたっけ。

松岡さん、コメントありがとうございます。

そうそう、まるでドラマの一場面のようでしたね。松岡さんには会いたい人を引き寄せる神通力があるのかな、とあのとき本気で思いました。私も取り出したのは出席簿でした。当時は「教官手帳」と呼ばれていましたが。

ペニントン、いい感じで年を重ねている様子でした。マイケル・ギャンボンが舞台から引退することを寂しそうに語っていましたが、「役者には引き際も大事。周りに甘やかされて、引き際が見えなくならないように自分も注意しないと」と言っていました。でもペニントンとかデレク・ジャコビとか、まだまだ舞台で見てみたいものです。

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