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2015年2月

2015年2月27日 (金)

ロンドンの日本人クリニック

まつこです。

昨日はロンドンのクリニックまで出かけました。しばらく前から気になっていた耳鳴りが少し悪くなったので受信。耳の中に炎症ができていたようです

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[リバプール・ストリートの駅のそば、便利な場所にある日本人向けクリニック。立派な建物のワンフロアを使っていて、内装もきれい。医師のみならず、受付、看護師、薬剤師、すべて日本人でした。1990年頃、シティで働く日本人ビジネスマン御用達のクリニックとして始まったようです]

日本を出発する前に加入しておいた旅行者保険でカバーしてもらうことになりました。「健康には自信があるから保険なんて『お守り』みたいなものよ!」と豪語していたのですが、やはり年のせいでしょうか・・・。

朝、ヘルプラインに電話をすると、たいへん丁重な対応。すぐにロンドンの日本人向けクリニックに予約を入れてくれました。その日のうちに受信。指定の病院なのでキャッシュレス。翌日には、症状の改善や再診の予定などを確認するフォローアップの電話までもらいました。

この至れり尽くせりの対応はプライベートな保険による私費治療だから。イギリスのNHSは総選挙前に最大の争点になっていますが、日本の公的健康保険制度も、保険金未納者が10%もいるそうで多くの問題を抱えています。私費治療のクリニックで快適な経験をしながらも、互助組織としての公的保険制度の重要さを忘れてはいけないと、改めて思いました。

2015年2月24日 (火)

ケンブリッジでカフェ・ランチ

まつこです。

私の短い一人暮らしも終わりました。昨日から再び、うめぞうがケンブリッジ生活に合流です。

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[ケンブリッジでは比較的おしゃれなカフェ、Fitzbilliesでランチ]

一人の時にはほとんど外食していなかったので、今日はうめぞうを誘ってカフェでランチ。

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[Welsh Rarebit]

なぜそう呼ばれるのかわかりませんが、Welsh Rarebitです。チーズにマスタードをまぜたチーズトーストみたいなもの。うめぞうはステーキサンド。両方ともまあまあのお味でした。

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[日差しは春めいていますが、冷たい強風が吹いている日でした]

昨日夕刻、ヒースローからケンブリッジに向かう最中は、ワイパーもきかないほどの豪雨と強風。うめぞうは「あ〜、イギリスの天気だね・・・」とため息をつきましたが、一夜明けると、お天気はすっかり良くなりました。

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[冷たい風の中、可憐な花が咲いています]

風は冷たい一日でしたが、でもいろんなところで小さな花がどんどん咲き始めています。ケンブリッジでの生活も残りあと1ヶ月です。

2015年2月21日 (土)

ジュリエット・スティーヴンソンのHappy Days

まつこです。

50代で下半身が麻痺して動けなくなったら・・・。70代で首から下が一切動かせなくなってしまったら・・・。そんな絶望的な状況におかれた女性は、夫とどのようなコミュニケーションを取るでしょうか。

サミュエル・ベケットの『幸せな日々』は、第1幕では「腰から下が砂に埋もれて動けない」、第2幕は「首まで砂に埋もれて動けない」というシュールな設定の劇です。でも今回のヤング・ヴィック劇場の上演は、哲学的で抽象的な問題ではなく、たくましさと痛々しさをあわせもつ生身の女性の切実なドラマとなっていました。ほぼ一人芝居のこの劇を演じたのはジュリエット・スティーヴンソン。

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[第1幕、腰まで埋まってもまだ若さと希望を失うまいとするウィニーを演じるジュリエット・スティーヴンソン]

自らの孤独やパニックを抑えるために、自分の話を聞いてほしいと夫に訴える。夫の気の利かなさにイラっときて、ついなじってしまう。容貌の衰えを気にして、しょっちゅう鏡をチェック。ハンカチやバッグは常にそばに持っていないと不安。若い頃の恋愛を懐かしく思い出す・・・。50代の女性なら誰にでもありうる心理でしょう。ジュリエット・スティーヴンソンは岩と砂に埋もれた状態で、上半身だけで50代女性の葛藤を、イギリス人女性らしい辛口のユーモアのセンスを交えて表現していました。

衝撃的なのは第2幕。土気色の顔だけが見えて、あとはすべて埋もれてしまったスティーヴンソンが、顔と声だけで絶望との戦いを表現します。見えない夫に向かって叫んでみても返事はなし。けれど時たま短い声が聞こえるだけで、「今日も幸せだわ」と笑顔を浮かべる。子供の頃の記憶に心を逃避させ、うつらうつらとまどろみ始めたところで、残酷な現実は彼女の意識を絶望へと引き戻す。その繰り返し。死は確実に近づいているのに、まだ執拗に現実がつきまとう70代。すべてが終わったとき、土気色の顔にわずかな微笑みが残っていました。

こんなふうに書くと、後味の悪い劇だと思われるかもしれませんが、終演後は劇中の女性ウィニーと、それを演じたスティーブンソンの、気概と奮闘をあっぱれと賞賛する気持ちが残ります。「こんな絶望的な状況を生き延びられるのは女だけだ」とベケットは言ったそうです。昨日は友人のCherryさんと一緒に観に行きましたが、二人とも感動で絶句してしまいました。

ジュリエット・スティーヴンソンは、実はうめぞうのお気に入りの女優さんなのですけれど、気の弱いうめぞうには直視できないドラマでしょう。日本ではあまり知られていない女優さんなので、紹介のためいくつかyouTubeの動画を貼り付けておきます。シェイクスピアのソネット116番の朗読、RADAのインタービュー、BBCのインタビューです。他にもオースティンやフォースターの小説のCDなどがあり、知性を感じさせる心地良い朗読が楽しめます。

2015年2月19日 (木)

BBCドラマ:ウルフ・ホール

まつこです。

BBCのドラマ『ウルフ・ホール』(Wolf Hall)の第1回目は、この10年で最高の視聴率を獲得したそうです。新聞、雑誌のレビューもおしなべて大絶賛。

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[ヒラリー・マンテルの小説『ウルフ・ホール』『罪人を召し出せ』をドラマ化。6回シリーズで見せる権謀術数の歴史]

ところが6回シリーズのこのドラマ、第2回目以降は、ガクリと視聴率が低下してしまいました。「チューダー朝をリアルに再現してるため、ろうそくの灯りが薄暗くて何が起きているのかよくわからない」、「不眠症の処方箋にしたら良い。見れば退屈で眠くなる」などという手厳しい声も上がっています。

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[マーク・ライランスの演じるクロムウェル]

1000ページもの大部の原作を6時間のドラマに濃縮する際に、脚本家が使った手法はミニマリズム。権力の中枢での欲望、思惑、屈託、愛憎といった複雑な心理や、歴史の転換点で生き延びていくための駆け引きのスリルが、最小限に抑えられたセリフを通して表現されています。見る側の知的な理解力をかなり求めるスタイルなので、「よくわからん」「退屈」という感想が聞こえてくるのも仕方ないところかもしれません。

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[ジョナサン・プライス演じる枢機卿ウルジー]

この抑制されたスタイルのドラマに、深みのある緊張感を与えているのはイギリスの誇る名優たちです。クロムウェルはマーク・ライランス、ウルジーはジョナサン・プライス、トマス・モアはアントン・レッサー。いずれも舞台での経験豊かな演技派です。言葉に陰影を与える声だけでなく、目の動きや頬の歪みといったわずかな表情の変化で、心の微妙な動きを表現していて、見入ってしまいます。(ヘンリー八世のダミアン・ルイスも悪くないのですが、おじさん世代の役者にばかり注目してしまうのは、こちらの年齢のせいかもしれません。)

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[アントン・レッサー演じるトマス・モア]

放送が終わればDVDが発売されるはず。こういうドラマは繰り返し見ても見応えがあります。イギリス好き、歴史好きの人には、ぜひ見ていただきたいドラマです。

2015年2月15日 (日)

マイセルフ・バレンタイン?

まつこです。

ケンブリッジに住む日本通のイギリス人の知人が、「こんなのを見つけたわ。これ、本当なの?」と見せてくれたのは、"Women take their protest all the way to the chocolate shop"という記事。

女性スタッフがお金を出し合って男性上司のために義理チョコを買うという習慣に憤慨している日本女性は、腹いせに自分のための高級チョコレートを買いに行くという内容でした。記事によれば、自分のためのご褒美チョコを「マイセルフ・バレンタイン」と呼ぶのだとか。これは「新しい販売戦略のために、いつもメチャクチャな英語を使う」日本の広告会社の作ったスローガンだそうです。

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[マイセルフ・バレンタイン、やってみました。こんな感じかしら?]

ふむ、「マイセルフ・バレンタイン」ねえ・・・。聞いたことなかったけれど、本当に使われているのでしょうか。よくわからないから、自分で実践しちゃおう!

イギリスでは2月14日は奥さんやガールフレンドにカードやバラをプレゼントしたり、二人でピンクのシャンパン飲んだりしてロマンチック・ディナーを楽しむカップルも多いようです。バレンタインのカードは匿名で送るという習慣もあるとか。郵送されるカードは毎年一千万通ほど。この時期に売れるカードは二千万通だそうです。イギリス人夫婦の10組に1組は、この日に婚約しているそうです。

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[先日、ロイヤル・アカデミーに行った際に、ピカデリーのラ・メゾン・デュ・ショコラで買ったチョコ。日本では高いのでまず買わないけれど、ラグジュアリー感に欠けるケンブリッジ生活、ロンドンに行くとついラデュレやここに寄ってしまう・・・]

40%のほどの女性はカードが届くことを期待しているそうで、ひょっとして私のところにも匿名のカードが届いているかも!と思って郵便受けを見てみたけれど、ヴァージン・メディアの領収書しか届いていませんでした・・・。ラジオや新聞でも今日はバレンタイン関連の話題が多く、聞いている間になんとなくうらやましくなってきちゃったので、とっておきの「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」のチョコ、デザートにしてしまいました。

上述の記事によれば日本人女性の82%が自分のためにバレンタインのチョコレートを買うそうです。みなさん、チョコレート、あげた? もらった? それとも自分用に買った?

2015年2月13日 (金)

RAのルーベンス展

まつこです。

先週、ロンドンに行った際にロイヤル・アカデミーで開催されているルーベンス展(Rubens and His Legacy)を見に行きました。

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[ピカデリーのロイヤル・アカデミー。正式にはRoyal Academy of Artsですが、RAと略されることが多い]

ルーベンスと言えば『フランダースの犬』。ルーベンスの祭壇画の前で、パトラッシュを抱きかかえて死んでいたネロの物語の悲しい結末は、日本の少年少女の心に深く刻み込まれています。そのせいで、私などはケンブリッジのキングズ・カレッジの「三博士の礼拝」の絵を見ても「ああ、パトラッシュ・・・」と切なくなります。

という調子で、ルーベンスには特別に強い関心はこれまでなかったのですが、そんなド素人の私にもルーベンスの影響力がとてもよくわかる展示でした。編年的 にルーベンスの絵を並べるのではなく、「詩」「優美」「権力」「暴力」「欲望」・・・などテーマ別に部屋を分け、それぞれ風景画、肖像画、裸体画・・・と ジャンルごとにルーベンスの絵と、その影響がはっきりと出ている他の作家の絵を並べているのです。

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[無料のリーフレットにも十分な情報量が書かれています]

たとえば風景画ではコンスタブルやターナー、女性のヌードを描いた部屋ではルノアールやセザンヌなど、ルーベンスの影響が時代を超えて、どのようにそれぞれの作家の個性の中に吸収されていったかがわかるように配置されています。音声ガイドも非常に明快でわかりやすく、ただ漫然と見ているだけではわからないことを教えてくれます。

なかなか面白くて勉強になる展示でした。4月10日まで開催しているそうです。

2015年2月10日 (火)

マイケル・ペニントン

まつこです。

今日は1コマ授業を受講したあとロンドンまでお出かけ。

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[Thamesの風景はやっぱりいいわ〜]

いつものナショナル・シアターですが、今日は観劇ではなく、俳優マイケル・ペニントンのトークとサイン会です。最近、Let Me Play the Lion Too: How To Be an Actorという、若い役者へのメッセージに自伝をまじえた本を出版したので、その本の宣伝を兼ねた行事です。

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[これが新刊。若い俳優たちに暖かい声援を送りながら、自らの俳優人生の光と影の部分を率直に語った本です]

ペニントン、好きな俳優ではあるけれど、芝居なら見に行くものの、サイン会のためにわざわざロンドンまで行くのもねえ・・・と、ためらっていました。でも数日前にSweet WilliamというDVDを観たらあまりに素晴らしいので、これはやっぱり出かけようと決めました。

Sweet Williamはシェイクスピアの伝記と自分の役者人生を交えて語りながらそこにシェイクスピアの戯曲のセリフをちりばめていくという趣向のペニントンのワンマン・ショーのDVDです。流暢な語りが、いつのまにかセリフに変わり、そのたびに劇中人物が深い感情のひだを刻みこんだ声で立ち上がってきます。必ずしも有名な名セリフばかりではなく、クイックリーとかシスビーとか、意外な人物のセリフの中の細かな心の揺らめきを、ペニントンが実にうまく引き出しています。(ペニントン、おばさん系の役のセリフがうまいことがよくわかりました。クレオパトラなんかずっと聞いていたくなります。)

今日のトークは新刊の一部を抜粋して語っていました。声はまだ艶があるけれど、ペニントンも71歳、容貌はすっかりおじいさんです。イングリッシュ・シェイクスピア・カンパニーで日本に来ていた頃は40代。リチャード二世、ハル王子、ジャック・ケイドなど若々しい役での、リズム感のあるセリフと軽やかな動きが印象的でしたが。

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[トークのあと、すっかりきれいになったナショナル・シアターのブックショップでサイン会]

せっかく来たのだから私もサインもしてもらうことに。

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[ペニントンは一人一人と結構長く話をしながらサインをしてくれました]

まつこ:「東京から来ています。東京での公演はすべてどれもよく覚えています・・・」
ペニントン:「グローブ座のオープンの時だよね。あなた名前は?あなたの顔、覚えているような気がするんだけど。話をしたこと、なかったかな?」

そう言われて、一瞬、あせって絶句・・・。

まつこ:「お話ししたのは、一度だけ。東京の電車の中で、サインいただいたことあります」
ペニントン:「そんなことあったかなあ・・・ハハハ」

秋葉原で買い物したらしいペニントンに出会ったのは総武線の中。そのとき一緒にいた上司とともに、「キャー、ペニントンだわ〜」と興奮しながら、手持ちのノートにサインしてもらったことがありました。日本では知られていないはずと、無警戒だったペニントンはちょっとあっけにとられた様子で、でもにこやかにサインしてくれました。私の顔を覚えている、というのはたぶん人違いだと思うけれど、でも四半世紀前も、今回も、とても気さくに、ちゃんと顔を見て話をしてくれて、誠実な人柄がわかるような気がしました。

すっかり「老俳優」という雰囲気になったペニントンですが、こちらもしっかり「おばさんファン」。できればもう一度、舞台で観てみたいなあと思いながら、サインしてもらった本を大事に抱えて帰って来ました。

2015年2月 8日 (日)

春の気配

まつこです。

晴れ渡った日曜日。暖かな陽射しに誘われ、スポーツをする人、散歩をする人、人々の表情も晴れやかです。

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[セント・ジョンズ・カレッジのスポーツ・グラウンドでホッケーをしていた学生たち。快活な笑い声がいかにも青春まっただ中]

私もトコトコと散歩に出かけたら、いろんなところで小さな花を見つけました。

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[スノードロップ]

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[黄色くて可愛い花だけれど、トリカブトの一種で有毒らしいです。今、いろんなカレッジの庭に咲いています] 

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[柔らかな土から顔を出したクロッカス]

いつものカッスル・ヒルまで歩き、ケンブリッジの街を見下ろすと、温かな空気で少し風景がかすんでいました。春の気配を実感する日曜日です。

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[お天気の良い日曜日は散歩をしている人がたくさん]

丘を下りてさらにトコトコ・・・

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[もうじきバレンタイン・デーなのでハートがたくさん]

お店のウィンドウにも春の気配。

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[OFF SALEの文字につられて・・・]

なんとなくウキウキした気分で、ついつい買い物などしてしまった日曜日でした。

2015年2月 5日 (木)

白鳥のいる景色

まつこです。

今日の最高気温は0度。寒いです。

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[ジーザス・グリーンの白鳥]

寒いけど、きれい!

自転車に乗って公園を通り抜ける時、あまりに風景がきれいだったので、思わず自転車を降りてスマホで写真を撮りました。広々とした公園では、朝日を浴びながら、犬が生き生きと走り回っています。

普通の生活圏の景観の良さがケンブリッジの魅力。通勤通学、買い物、散歩・・・日々の平凡な営みが、川と緑の美しい風景の中にあります。暗くて、悪天候の日が続いていても、ひとたび晴れれば、がぜん魅力を発揮する風景。うらやましいなあ、とこの街で暮らす人たちのことを思った寒い朝でした。

2015年2月 3日 (火)

スノーマン

まつこです。

今朝起きたら、宿舎の後ろにこんなのができていました。

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[Snowman!]

昨晩、降った雪。朝にはやんでいましたが、誰かが夜中か早朝に作ったようです。

日本では雪だるまは球を二つ重ねたのが多いと思いますが、こちらではこのように三つ重ねたものをよく見かけます。人種によるスタイルの差かな・・・。

雪景色を眺めながらせっせと自転車をこいで、私は絵画教室へ。先週、風邪でお休みしてしまったので、寒くてもがんばって行きました。

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[まだまだこの大きさでお見せするのが精一杯]

うーん、難しい!まあ、老後にむけての息の長いプロジェクトということで、粘り強く頑張ります。

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