« The Shoemaker's Holiday | トップページ | 初雪 »

2015年1月16日 (金)

空の深さ

まつこです。

大学の講義と同時期に、絵画教室の授業も再開されました。前の学期は鉛筆デッサンが主でしたが、せっかくの機会なので、今学期は水彩画をやってみたいと先生にお願いしました。先生は前と同じイラン人のジャズミ先生です。

小学校や中学校でやったきり、絵筆や絵の具に触ったこともほとんどなかったので、ほぼゼロからの出発です。新しいことを習うと意外な驚きを経験することができます。

Dsc02396
[まだヘタなので、ごく小さくお見せします]

いつも見慣れた風景を描こうと、あれこれ苦心していると、先生がこんなことを教えてくれましたーー

「写真に写っている青空は平板だけれど、人間の目にはもっと深みがあるように見える。カメラでは写せないものが人間の目には見える。写真では表現できないその深みは、絵ならば表せる。

よく空を見てみると、頭上の青空と、地面に近い青空では、色が違う。それは青にピンクの絵の具をわずかに混ぜるとそれを表せる。」

これを聞いて、非常に納得しました。

Windows_phone_20150115_10_14_48_pro
[写真よりも、人間の目では空はもっと深く見える。今日のケンブリッジは快晴]

もうひとつ、枝がはびこった茂みを書きあぐねているのを見て、先生がおっしゃったのはーー

「枝をそうやって一本づつ描くのはうまくいかない。人間が作るものは数えられるけれど、葉も草も枝も、自然は数えられないように作る

筆の先だけではなく、筆の腹を使ってみるといい。」

これも納得。人間の知覚や自然のあり方についての深い洞察に加え、それを表現するための技術の初歩を教えてもらったように思います。理念だけ語るのではなく、方法論だけ伝えるのではなく、その両方が結びついているのが素晴らしい。

これ以降、見慣れた空や茂みの風景も少し違って見えてきたような気がします。大げさにいえば、新しい世界に目を開かれた気がします。学ぶことの楽しさを実感しました。

しかし・・・

Windows_phone_20150115_10_22_38_pro
[来週の課題はこんな風景。空と地面だけ。色使いでいかに遠近感を表現するかが問題です]

来週は、雲も木もない、「空と大地だけの風景」を描くようにと言われましたして。色だけでいかに空の深みを表現できるかを身につける練習です。難しそう・・・。

« The Shoemaker's Holiday | トップページ | 初雪 »

コメント

まつこさま、何でも上手ですね~。もうホント感心します。目に見えるものを書くのが具象画で、目に見えないものを書くのが抽象画と言いますが、その「目に見えるもの」というのがいかに複雑か。昨年は、印象派の美術展をじっくり見る機会があり、その斬新さが少しわかったような気がしました。

Pukiさん、コメントありがとうございます。

知り合いの医学部眼科の教授が「目が見ているのではない。脳が見ているんだ」と言っていました。光学的な部分はカメラでも模倣できても、脳がその情報をどのように認識し解釈するかは芸術の領域ということなのでしょうかね。

絵は実物のスケッチブックを見ると、小学生っぽいですよ。私の場合、なんでも初歩だけ好きで、そのあと長続きしないのがダメなところなんですよね・・・。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 空の深さ:

« The Shoemaker's Holiday | トップページ | 初雪 »