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2014年8月16日 (土)

パブ・イーグル亭

まつこです。

昨日、夕刻、街の中心で買い物をしている最中に雨。傘をさしていてもぬれてしまうような激しい雨だったため、急遽、パブに入って雨宿り。17世紀からやっているザ・イーグルというパブです。

Photo
[背後の光のあたっているところに"Dicovery of DNA"と刻まれた金色のプレートが飾られています]

このパブのそばにはかつてキャベンディッシュ研究所があり、科学者たちがよくお昼ご飯を食べに来ていたそうです。1953年2月28日、フランシス・クリックとジェイムズ・ワトソンがこのパブにやってきて、「生命の秘密を発見した!」と昼ご飯を食べている研究者仲間に向かって宣言をしました。遺伝子の二重らせんの構造を見いだした時のことでした。

ワトソンとクリックは、ケンブリッジ大学が創立800年記念で作ったマグカップのイラストにも使われています。

Dsc01358
[このイラストではフランクリン、クリック、ワトソンの3人が描かれています。フランクリンはケンブリッジ大学の女子カレッジ、ニューナム出身ですが、ロンドン大学のキングズ・カレッジでDNAの構造解析を研究していました]

このイラストでは、ワトソンとクリックだけではなく、ロザリンド・フランクリンも描かれています。フランクリンが進めていた研究のデータを、ワトソンとクリックが見たことが二重らせんの構造発見につながったのだそうです。ワトソンとクリックはやがて1962年にノーベル賞を受けますが、発見に大きな貢献をしたフランクリンはその数年前に30代の若さで亡くなっていました。

女性でユダヤ人だったフランクリンは、ワトソンのメモワール『二重らせん』ではあまり好意的に描かれていません。科学者としての正当な評価を受けなかった悲劇の女性研究者と見なされがちですが、大学の作ったマグカップにはちゃんとその姿が描かれています。

ビール片手にクリックと談笑するワトソンに背を向け、顕微鏡を覗き込んでいるフランクリンの姿はいかにも生真面目そうです。この絵を見るたびに、「がんばれ女性科学者たち!」と、自然科学の世界でがんばっている女性たちにエールを送りたくなります。

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コメント

まつこさま こんにちは。お久しぶりです。

イーグル亭。以前見た英国のテレビ番組に登場していました。Genius of Britain という、Stephen Hawkins がホストの番組。確かそこでRichard Dawkins ともう一人女性進化生物学者がフランクリンの話しをしていたと思います。フランクリンはX線で撮影成功したクリスタルの写真を誰にも見せず隠していたのを、同僚のMaurice Wilkinsが同様の写真を撮影し、それから一歩踏み込んで螺旋の形を思いつき、それをケンブリッジの Watson と Crick に知らせた、、という具合の展開でした。フランクリンについては多分色々な見方があるのでしょうが、ケンブリッジ大で彼女の功績を Watson と Crick と並べているのは素晴らしいですね。

ケンブリッジ大の周辺、こういった世界レベルのエピソードが足の踏み場もないほど沢山あるでしょう。まつこさまたちからそのおこぼれを聞かせていただくだけで、私まで普段より脳みそが元気になりそうです。

ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

このマグカップのデザインを見ると、Franklin, Crick and Watsonという順番になっていて、この並び方にもメッセージがこもっているのかな・・・と思います。Wilkinsは出ていませんし。

800年記念のマグカップは、他にもリンゴを眺めるNewton、ウミガメに乗るDarwin...などシリーズになっています。科学者だけじゃなくて、ByronとかMiltonも使われています。Cambridgeなら「素材」に事欠かないわね・・・と納得します。

The Eagleは大雨になったので、あわてて飛び込んだパブです。しかもたまたま空いている席に座ったら後ろに"Discovery of DNA"のプレートがありました。「犬も歩けば棒に当たる」みたいなものですね。

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