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2014年8月

2014年8月31日 (日)

20年前の指輪、今年の指輪

まつこです。

1年間の英国滞在が終わる時には、記念になるものを一つ買おうかと思っていました。何か心引かれるものに出会えたらいいな・・・

と思っていたのですが、滞在期間1ヶ月ほどですでに記念品を買ってしまいました。

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[Fulham RoadのArgentaは小さな店ですが、SW3の洗練された顧客を誇っています]

チェルシーのフラム・ロードは閑静な住宅街の中に、洗練されたお店がいくつかある素敵な通りです。今から20年ほど前、その通りで指輪を買ったことがありました。カメオの小さな指輪なのですが、気に入っていて、今も普段使いで毎日使っています。

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[今から20年以上前、30代になったばかりの頃買ったカメオの指輪]

Argentaという小さなジュエリー店です。デンマーク出身のご主人がデザインをしたモダンなアクセサリーを売っています。いかにもチェルシーの洗練されたマダム御用達のお店です。どぎまぎしながら入り口のカギを開けてもらって店内に足を踏み入れた時の高揚感を今もよく覚えています。まだ若かった頃、お金もそんなになかったので、このカメオの小さな指輪が唯一私に買えるものでした。

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[50代になって買ったサファイアの指輪]

5月にこの店の前を通りかかったら「閉店セール」と書かれていました。その直前にパリの学会に参加していたとき、いつもサファイアの指輪をしている女性研究者がいて、もうかなりな高齢だと思うのですが、クールでかっこ良くて、「私もあんなおばあちゃんになりたいなあ・・・決めてはサファイアの指輪かな・・・」と思っていたところでした。そのイメージも残っているときに、この店のウィンドウにイメージ通りの指輪を見つけてしまったのです。1年間の在外研究の記念品はこの時、決まりました。

このArgentaは、ご主人が引退するので店を閉めるのだそうです。サイズ直してケンブリッジまで郵送してもらったのですが、「私の息子二人もケンブリッジ大学ですよ」と誇らしげに話してくれました。デンマークからロンドンにやってきてデザインの勉強をし、1960年代に開いたお店を成功させあとは悠々自適ですが、閉店はちょっと寂しそうでもありました。

20年前も、今回も、思い出に残る買い物になりました。20年後にもこのサファイアの指輪をして、さっそうとしたおばあちゃんとして、チェルシーやケンブリッジを訪れたいものだと思っています。

2014年8月25日 (月)

ヴェローナの二紳士

まつこです。

シェイクスピアの戯曲なら、すべて「名作」かというとそんなことはありません。「駆け出し作家の習作」、あるいは「これって駄作じゃない?」と、読んで思う作品もあります。『ヴェローナの二紳士』はそんな作品。

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[男同士の友情も恋の誓いも裏切られることがある。でも犬と人間の絆は固い!]

恋人も親友も裏切った男が、すべてバレた時に謝ったらぜんぶ許してもらえて、四方八方丸くおさまりハッピーエンド・・・という、超ご都合主義の筋書きに、言葉遊びや駄洒落が満載の台詞。

そんな戯曲も演出家のアイディアと役者の演技によって面白くなる、ということを証明して見せてくれたのが今回のRSCの『ヴェローナの二紳士』でした。

ヴェローナは明るく陽気なイタリアの田舎町。神父さんもおばちゃんたちも広場のカフェの顔なじみの常連。一方、ミラノは超スタイリッシュな都会。アルマーニ風のスーツで決めてナイト・クラブでおしゃれに遊ぶ。のどかなヴェローナから出て来たナイーブな青年が、超ボディコンのワンピースで踊る都会的で洗練された女性シルヴィアを見れば、「恋など興味ない」と豪語していたヴァランタイン君も、「ジュリア一筋」と誓っていたプロテュース君も、コロリと恋に落ちるのは必定。

二人の青年の唐突な心変わりも、この舞台設定ならピタリとあてはまります。結末もそのあまりの安直さを逆手に使って、こんなハッピー・エンドで本当にいいの・・・と暗い疑問の影が投げかけられるように演出されていました。

今回、ストラットフォードで見た『ヴェローナの二紳士』は、このような演出家の腕前と犬の名演技をおおいに楽しめる上演でした。

ちなみに先回のクイズの答えは下記のとおりです。
第1問:half-timbered
第2問:Prince Hal
第3問: Coriolanus

2014年8月21日 (木)

クイズ その2

まつこです。

さてここでクエスチョン。

このように漆喰の壁に木の骨組みが表れているイングランドのチューダー朝に多い建築様式をなんと呼ぶでしょうか?

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[Shakespeare Hotel]

第2問。

19世紀末に作られたストラットフォードのシェイクスピア・メモリアル。シェイクスピアを4方向から取り囲む彫像は、ハムレット、マクベス夫人、フォールスタッフと、あともう一人は誰?

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[この王冠を掲げた人物は誰?]

そして第3問。

今日のお土産はこの2枚のコースター。一枚は『十二夜』の幕開けの台詞"If music be the food of love, play on." もう一枚に使われている台詞は"Have we no wine here?" これは誰の台詞でしょう?

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[食べ物、飲み物に関する台詞が書かれたコースター。この2枚の他にもまだまだいろんな種類があります]

6月に私が一人でストラットフォード・アポン・エイヴォンに来て芝居を見たブログを読み、「僕も行きたい」とうめぞうが言ったので、今回は二人でやってきました。

観劇のリポートはまた後日、書きたいと思います。クイズの答えもその時に。

2014年8月20日 (水)

縁結びの神様

まつこです。

今日はウメマツともに大変お世話になった方がロンドンにいらしたので、会いにうかがいました。

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[縁結びの神様]

この方はウメマツが出会う前から、「二人は相性が良い」と予言しておられました。「あなたと合う人よ」と言われてからほぼ1年ほどして、わたしは実物のうめぞうに出会いました。

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[ご利益を受けた二人]

人を見る目のある人(←ここ大切)の意見というのは、下手に自分で自分のことを考えるよりずっと正確です。この縁結びの神様の予知能力のおかげで、私たちは毎日、夫婦漫才のように楽しい日々を過ごせています。あらためてありがとうございます、と言いながらリージェンツ・パークのそばのパブでランチをいただきました。

ちなみにこのパブはQueen's Head and Artichokeといって、16世紀のエリザベス女王の時代から続いている店だとか。リージェンツ・パークは、ヘンリー八世が修道院を解散し没収してから、王室所有のお狩り場になりました。もともとはそのえ狩猟場のロッジだったのだそうです。

何も知らずに入ったパブですが、お料理もおいしく、サービスも良くて、なかなか素敵なガストロ・パブでした。これも縁結びの神様の強運を引きつける力のご利益だったのかもしれません。

2014年8月18日 (月)

サンデー・ロースト

まつこです。

日曜日、たまにはパブでサンデー・ローストを食べてみようということになり、隣村のコウトンへ。

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[村でただ1軒のパブ、ザ・プラウ]

家族連れでパブはにぎわっていました。

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[うめぞうはポークのロースト]

私たちはラーガーを半パイントずつ飲みました。

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[私はビーフのロースト]

お腹がいっぱいになったらウォーキング。コウトンからケンブリッジのニューナムまで麦畑や牧草地の中にあるフットパスを歩きます。

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[こんなフットパスをどんどん歩きます]

手にしているのは、普通の家の前に「1本40ペンス」と書かれて置かれていたトウモロコシ。おそらく裏庭で収穫したものでしょう。

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[農園もあります]

このあたりは広々とした麦畑が広がっていますが、ほとんど刈り取られたあとでした。

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[収穫の終わった麦畑]

8月のイギリスはハーベストの季節です。

途中で道を間違えてしまったため、遠回りになり、たぶん今日一日で歩いたのは10キロメートルくらい。サンデー・ローストの付け合わせの高カロリーのヨークシャー・プディング分くらいは消費できたでしょう。

途中でいろんな動物も見ました。

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[宿舎の裏の池には白鳥がいました]

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[これ何の動物かしら?]

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[これはヤギ]

ケンブリッジは街の中心から20〜30分ほど歩けば、こんな風景になります。たっぷり食べて、たっぷり歩いて、のんびり過ごした日曜日でした。

2014年8月16日 (土)

パブ・イーグル亭

まつこです。

昨日、夕刻、街の中心で買い物をしている最中に雨。傘をさしていてもぬれてしまうような激しい雨だったため、急遽、パブに入って雨宿り。17世紀からやっているザ・イーグルというパブです。

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[背後の光のあたっているところに"Dicovery of DNA"と刻まれた金色のプレートが飾られています]

このパブのそばにはかつてキャベンディッシュ研究所があり、科学者たちがよくお昼ご飯を食べに来ていたそうです。1953年2月28日、フランシス・クリックとジェイムズ・ワトソンがこのパブにやってきて、「生命の秘密を発見した!」と昼ご飯を食べている研究者仲間に向かって宣言をしました。遺伝子の二重らせんの構造を見いだした時のことでした。

ワトソンとクリックは、ケンブリッジ大学が創立800年記念で作ったマグカップのイラストにも使われています。

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[このイラストではフランクリン、クリック、ワトソンの3人が描かれています。フランクリンはケンブリッジ大学の女子カレッジ、ニューナム出身ですが、ロンドン大学のキングズ・カレッジでDNAの構造解析を研究していました]

このイラストでは、ワトソンとクリックだけではなく、ロザリンド・フランクリンも描かれています。フランクリンが進めていた研究のデータを、ワトソンとクリックが見たことが二重らせんの構造発見につながったのだそうです。ワトソンとクリックはやがて1962年にノーベル賞を受けますが、発見に大きな貢献をしたフランクリンはその数年前に30代の若さで亡くなっていました。

女性でユダヤ人だったフランクリンは、ワトソンのメモワール『二重らせん』ではあまり好意的に描かれていません。科学者としての正当な評価を受けなかった悲劇の女性研究者と見なされがちですが、大学の作ったマグカップにはちゃんとその姿が描かれています。

ビール片手にクリックと談笑するワトソンに背を向け、顕微鏡を覗き込んでいるフランクリンの姿はいかにも生真面目そうです。この絵を見るたびに、「がんばれ女性科学者たち!」と、自然科学の世界でがんばっている女性たちにエールを送りたくなります。

2014年8月14日 (木)

ロンドンの老舗

まつこです。

昨日は食事に招待されロンドンまで出かけました。ロンドン最古のレストランと言われるRule'sでお食事。

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[Rule'sはポーターのいるレストラン]

ルールズは18世紀の末にオイスターバーとして開店し、以降、200年以上にわたり、イギリスの伝統料理を出しているレストランです。ディケンズやサッカレーなどの作家、ローレンス・オリヴィエやチャップリンなどの俳優たちなどに愛されたレストランだそうです。

私たちはRule'sでの食事は初めてです。うめぞうは立派な制服のポーターを見て、「番兵が立っている!」とびっくり。壁一面に肖像画がかかったイギリスらしい内装の店内で、おいしいワインと食事をいただきました。

夕食前に立ち寄ったのはピカデリーのフォートナム&メイソン。ルールズもフォートナム& メイソンもロンドンの老舗中の老舗です。どちらも大繁盛しています。

しかし・・・サービスはどちらの店も、いかにも老舗らしい型通りの「慇懃さ」が、いささか鼻白むという印象は拭えません。

特にフォートナム&メイソン!確かに観光客でごった返していて、「ここはヒースローのターミナルか?」というような混雑ぶり。たぶん過半数が一度きりしかこの店に来ないお客さん。ちょっととりすました表情も、そういう観光客にとっては「老舗らしい風格」ともうつるかもしれませんが、まるで観光地のお土産物屋のような雰囲気を、お客だけでなく店員も醸し出しているように思えます。20年前、いや10年前でも、もう少し丁重な接客だったように思うのですが。「イギリスの伝統」は、外国人相手の文化記号。フォートナム&メイソンはそう割り切って、収益性を最大化したビジネス・モデルのようにも見えます。「次からはオンライン・ショップで買おう・・・」と思いながら、押すな押すなの混雑を後にしました。

(ちょっと悪口書いちゃいましたが、なんだかんだ言っても、我が家は紅茶はF&MのRoyal Blendと決めています。Rule'sもとっても美味しかったので、もしも機会があれば、また行ってみたいものです。)

2014年8月12日 (火)

Glorious Twelfth

まつこです。

フロリダ沖のハリケーンが大西洋を超えてイギリスにまで達し、日曜日は嵐でした。そのあとは台風一過の青空が広がっていますが、すでにひんやりとした秋風です。まさに風立ちぬ。

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[宿舎の裏の麦畑もすっかり収穫が終わりました。イギリスの8月は黄金色や茶色の目立つ季節です]

今日は8月12日。イギリスではGlorious Twelfthといって、ライチョウの狩猟の解禁日です。この日のためにGame Keeperと呼ばれる管理人はライチョウの数を確保すべく、天敵の猛禽を殺したり、環境の良いところにライチョウ小屋を移動させたりして、準備しているのだそうです。この日、撃ち落とされるライチョウの数たるや、かなりなものだとか。

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[イギリスではライチョウを撃ち落として食べるそうです。日本では天然記念物]

最近では中国の富裕層をターゲットにして、スコットランドの貴族の館を執事やコック付きで貸し出し、そこで狩猟を楽しんでもらうというビジネスも流行っているそうです。

イギリスにはラディカルな動物保護団体もいますが、一方では"Hunting, Shooting, Fishing"をスポーツとして愛好する人たちもいます。いろんな議論はあるものの、このGlorious Twelfthに「季節の風物詩」という印象を抱いている人も多いようです。

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[動物大好きなうめぞうにはハンティングもシューティングも絶対に無理。嵐の去った後の青空は色が薄くなって、そろそろ秋の気配です]

とても優しそうなイギリス人の老婦人に、「撃ち落としたライチョウは食べるのですか?」と聞いたところ、「そうよ、おいしいのよ!」とうれしそうに言っていました。ライチョウは天然記念物と認識していた日本人にとってはやや違和感はあるものの、「おいしいのよ」と言ったときのその老婦人の笑顔を見ると、ちょっと食べてみたい気もしてきます。

2014年8月10日 (日)

バスク料理その2

まつこです。

毎日、満腹。毎日、満足。

そろそろ胃腸も疲れ気味・・・と思った頃、まるで家庭料理のような優しい味の食事をいただきました。

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[Chez Pabloはきわめて家庭的なレストラン]

バスクには独特の辛口シードルがあります。コルクを抜いたあとに空気が入る特別な栓をつけて、高いところからコップに注ぎ、泡をたてて飲みます。そのシードルを飲みながらいただいたのは、ハムのコロッケ、ピペラード入りのオムレツ、バスク料理盛り合わせ(イカの墨煮、エビ、魚など)、マグロのステーキ、そしてプリン。

バスク料理は塩気は少なめ、スパイスもきつくなく、野菜や魚の風味を損なわないようにする料理のようです。特にこのChez Pabloのお料理はまろやかな味で、これなら毎日食べても飽きないだろうと思います。

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[サン・セバスチャンは人口18万ほど。大西洋貿易、ナポレオンの占領、スペイン内乱などの歴史を経ていますが、古い壮麗な建物が並ぶ美しい街です]

国境を超えてスペイン・バスク。サン・セバスチャンは19世紀に始まった男性だけの美食クラブに端を発し、グルメの町として世界に知られるようになりました。ミシュランの星つきレストランがこの小さな町にいくつもあるのだそうです。

そのサン・セバスチャンでの2日目、私は車酔い+ピンチョスで二日酔いで、やや体調不良。しかし「せっかく美食の町なのにピンチョスだけじゃ残念だよ・・・ミシュランの星つきまでいかなくても、ちゃんとしたレストランに行ってみたい」と、うめぞうが言うので、2日目はちゃんとした食事をすることになりました。ただ8月の日曜日だったので、閉まっているレストランも多いので、ホテルのレセプションに頼んでお店を選んで予約してもらいました。景色の良いLa Perlaというレストランです。

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[目の前がコンチャ湾]

緑色のガスパチョ、フォアグラ、リゾット、魚料理、どれも洗練された味でした。バスク料理というより、フランス料理とスペイン料理の融合したもののようです。フォアグラについてきたチャツネの味わい深さや、魚介への火の通し方が、「美食の町」の名にふさわしいものでした。リオハ・ワインもとても美味しかったです。

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[ビアリッツの海岸。岩場の上のよく手入れされた公園]

再びフランスの戻り、旅の最後の夜。1週間で、うめぞうのお腹周りは目に見えてたっぷりしてきました。しかし、せっかくのバスク・・・ということで、最後の夜もごちそう。

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["Aux 3 B"という名前のビストロ。何と読むのかわからない・・・]

ビアリッツの町を散策しながら、良さそうな雰囲気のビストロが目についたので、そちらに予約していきました。

ピペラードや、サン・ジャン・ド・リュズやサールでよく見かけたひき肉料理、ガトー・バスクなど、典型的なバスク料理をおしゃれにアレンジした定食を私はいただきました。うめぞうはマグロのサラダと子牛のソテー。どれもおいしかったです。地元の力強いロゼ・ワイン、赤ワインもおいしくいただきました。

よくまあ、これだけ食べ続けたものだと、我ながらあきれるほどですが、帰宅して体重計に乗ってみると私はあまり変化無し。(うめぞうは怖がって計っていない。)野菜と魚介がたっぷり使われているお料理が多かったので、ひょっとしたらカロリーはそれほど高くなかったのかもしれません。

たっぷりと陽光を浴びて濃い味になった野菜のピペラードの味が、脳裏にしっかりと残っています。卵入りのピペラード、いつか自分でも作ってみようと思います。

2014年8月 9日 (土)

バスク料理その1

まつこです。

バスクは美食の地として知られています。1週間の旅行で、たっぷり堪能してきました。

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[市場のそばにあるChez Kako]

私たちは旅行先では宿の人にレストランを紹介してもらいます。ウェッブ上の情報より地元の人の意見の方が信頼できると思うからです。

サン・ジャン・ド・リュズでの初日の夕食はレストランのChez Kako。私はグリーンピースのスープとラングスティーヌのグリル。こんなにたっぷりラングスティーヌを食べたのは初めて。満足。

うめぞうのオードブルはパイナップル味のクレープみたいなので野菜のペーストが巻かれているもの。そのあとはヒラメのソテー。メインも美味しいのですが付け合わせの野菜の風味が力強く、いかにも南欧に来たと実感。

こちらのレストランは洗練されたお料理を出すので、デザートのガトーバスクもアイスクリームとフルーツできれいに飾られていました。

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[海岸近くの小路にあるLe Peita]

2日目はずっと素朴なスペイン風バスク料理の店Le Peita。

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[ここでは店員さんがフランス語とスペイン語しか話さず、今回、注文で一番苦労したお店。隣のテーブルのお客さんに助けてもらいました]

ホテルのレセプションのお兄さんに聞いたら、「ここではイカのグリルを食べてね。名物だから」とのこと。Chipironという小型のイカがこの地方の名物のようです。私がそのイカのグリルを頼みましたが、その量の多さといったら、食べても食べても食べても食べても・・・減らない。もうしばらくイカは食べなくていい、という気分になりました。(美味しかったけど。)

右上のはピペラードという、典型的なバスク料理のひとつで、ラタトゥイユ風のものに溶き卵を入れてまろやかにしてあります。やさしい味です。

うめぞうが食べたのはPiquillos morueという、これも典型的な地方料理で、赤ピーマンにタラのすり身が詰めてあるもの。メインは白身魚で、デザートはアイスクリームとメレンゲで巨大なキノコの形にっています。

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[ホテルのすぐ裏にあるChez Maya]

3日目、そろそろお肉が食べたくなりました。

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[こちらも伝統的なバスク料理のお店]

私はバスク名物の生ハムと魚のスープ。どちらもたっぷり堪能しました。うめぞうはオードブルに再びPiquillos morue。でもお店によってずいぶん味が違います。こちらのはだいぶ洗練された味。そのあとは巨大なステーキ。デザートはプリン。この地方、卵料理が美味しくて、プリンもおいしいのですが、たぶん卵そのものの味が濃くて美味しいのだと思います。

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[天井の人力扇風機]

夢中で食べていると、突然、頭上でバサバサと音がし始め、天井から吊るされていたのれんみたいなものが左右に揺れ始めました。涼しい風が店内を吹き抜けます。厨房から紐が伸びていて、どうやらそれを引っ張って動かしているようです。人力扇風機です。店内から喝采の声があがりました。

写真を見て思い出すだけで、お腹いっぱいになってきました。旅の後半に食べたものはまた改めて報告します。

2014年8月 8日 (金)

サン・ジャン・ド・リュズのホテル

まつこです。

夏休みは「女の人がピチピチしているところに行きたい」というのが、うめぞうの希望でした。その希望はかないました。今回はサン・ジャン・ド・リュズで泊まったホテルの女主人がとてもチャーミングな人で、うめぞうは大喜び。

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[こちらが泊まったホテル]

例年の夏休みは小さな村のシャンブル・ドットに泊まっていましたが、今回はにぎやかな中規模の町だったのでホテルにしてみました。Hotel la Marisaは、家族経営の親しみやすさとホテルの機能性が両方ともそろっていて、快適でした。

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[うめぞう、大喜び!]

女主人のカミーユさんは、いつもにこやかに気配りしてくれます。中庭で本を読んでいればコーヒーを入れてくれるし、お土産や食事もおすすめの店を紹介してくれます。

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[朝ご飯はパンとフルーツとヨーグルトとケーキ。少しずつ違うものを出してくれる]

朝ご飯は中庭と屋内ダイニングのどちらでも食べられます。毎日、フルーツやケーキを違うものに変えてくれました。

他の宿泊客たちも皆さんフレンドリーで朝食の時など和やかな会話ができます。こういういい雰囲気は、ホテルを経営する家族の人たちが作り出すものなのだと思います。こんな経験ができれば、高価で贅沢なホテルに泊まるのに劣らない、良い思い出になります。

サン・ジャン・ド・リュズのHotel la Marisa、おすすめです。

2014年8月 7日 (木)

エドワード七世通り

まつこです。

ビアリッツの目抜き通りは「エドワード七世通り」(Ave. Edouard VII)という名前です。市役所もエルメスもこの通りにあります。おしゃれなブティックが並んでいる通りです。

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[皇太子時代が長いこの二人。顔も似ている。Daily Mail(2009.11.3)より]

ヴィクトリア女王の息子エドワード七世は厳格すぎる帝王教育の反動で、数多くの女性と浮き名を流す奔放な遊び人になりました。その一方で、ヨーロッパの社交界で要人たちと親しい関係を築き、イギリスと各国の平和的な外交関係を維持するのに多いに貢献したそうです。

そのエドワード七世が愛したリゾート地がビアリッツでした。毎年、1ヶ月以上滞在し、アスキスはわざわざビアリッツまで国王を訪ねて、首相に任命してもらったそうです。

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[ココ・シャネルが1915年にお店を開いたのも、このエドワード七世通り]

ロシアから亡命してきた貴族のドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフとシャネルが出会ったのもビアリッツ。王冠を捨てた恋のエドワード八世、サラ・ベルナール、チャップリン、シナトラなどなど、数多くのセレブリティが、このリゾート地に集い、華やかな歴史を作ってきました。

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[ソミュールの貧困の中からはい上がって来たココと、ロマノフ王朝の血筋を引くドミトリー]

今はサーファーが波にのり、若者たちが明け方まで飲み騒ぎ、観光客がワイワイと集うリゾート地のひとつになっています。それでもアール・ヌーヴォーやアール・デコの様式で作られた建物には、古い時代の華やぎの記憶がかすかに染み込んでいるように感じられます。

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[エルメスで買物・・・はあきらめ、その隣のカシミア製品の店Repeatで買物]

そんなセピア色の記憶が漂うリゾート地では、ちょっと大人っぽい雰囲気のものを買いたい気分になり、スイス製カシミア製品の店Repeatでベージュのニット・アンサンブルを買いました。60歳過ぎても着れそうなスタンダードなデザインです。

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[ベージュのニット・アンサンブル]

おばあちゃんになってから、このニットを着て、秋口のビアリッツを再訪してみるのもいいな・・・などと、少しセンチメンタルでノスタルジックな気分を気取ってみたくなる、ビアリッツの街でした。

2014年8月 6日 (水)

ビアリッツ

まつこです。

ビアリッツは高級リゾート地ということは知っていましたが、訪ねるのはもちろん今回が初めて。初めて行ったところでは、とりあえず市内観光のバスかトラムに乗って解説を聞くと歴史や名所の概観がつかめます。

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[ビアリッツの街を走るミニトラム]

19世紀半ばから王侯貴族の保養地になったビアリッツは、ベルエポックの時代を思わせる豪勢な建物が並んでいます。それが潮風にさらされてやや古びている雰囲気はニースともちょっと似ています。

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[これがツーリスト・インフォーメーション!]

昔はさぞ美しかっただろうと思わせるゴージャスなおばあちゃん・・・という印象です。大きなカジノ、ギリシア正教の教会、アールヌーボ様式のインテリアのホテルなどなど。豪華な建物が並んでいて、かつてのヨーロッパ社交界の華やかさを、セピア色の写真にして見せているような感じです。

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[オテル・デュ・パレ。ここは今もなお豪勢]

かつてナポレオン三世の皇后が別荘として使っていたというホテルは、今もなおかつての華やぎを失っていません。ヴィクトリア女王、エドワード7世、シンプソン夫人と結婚したエドワード8世など、イギリスの王侯貴族にも愛されたホテルです。

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[ギャラリー・ラファイエットもあります]

街全体の街並みはやや古びてきているとはいうものの、今でも金持ちの集まるリゾート地なので、高級ブティックやセンスの良いセレクトショップがたくさん並んでいます。

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[エルメス、ディオール、トッズ・・・都会的なセンスのお店がたくさん]

街を歩くマダムたちもまたカッコいい。日に焼けた長い手足が、洗練されたおしゃれを引き立てます。

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[トラムで満足できるのはお子様。大人の欲望はもう少し大きくふくらむのが必定]

トラムに乗って街を眺めるうちに、「あらステキ!」「あの人もステキ!」「わ〜、かっこいい!」「あれ、いいわね〜・・・」「あれ、ほしい!」「これもほしいなあ・・・」と次第に私の物欲が高まっていきます。

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[ビアリッツの夕日。海にはサーファーがたくさんいました]

大西洋に沈む夕日を眺めながら、私の頭の中では、明日のお買い物計画が着々と策定されていたのでした。(この続きはケンブリッジに戻ってから・・・)

2014年8月 5日 (火)

二つの国と三つの言語

まつこです。

昨日は、不覚にも体調を崩してしまいました・・・といっても半日ほどホテルのベッドで寝ていたら治りましたが。

サン・ジャン・ド・リュズからサン・セバスチャンまでのタクシーが、相当に荒っぽい運転で車酔いしてしまったことが一因。おまけに初めてのピンチョスで盛り上がり、おいしいスペイン・ワインを飲み過ぎてしまったことが第二の原因でしょう。

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[夕刻、元気が復活したところで、観光バスに乗りました。観光バスにもドノスティアとサン・セバスチャンという二つの地名が併記されています]

さらに、言葉がなかなか通じないので、若干、疲れが出てしまったのかもしれません。スペイン語は二人とも全然ダメ。そのうえサン・セバスチャンでは、さまざま表記でバスク語が優先されています。これが混乱に拍車をかけます。

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[今日はドノスティアのAmaraという駅から、まずはHendaiaまでEuskotrenという列車に乗ります]

地名などの固有名詞がすべて二言語併記になっているのですが、その二つの間にまったく共通性がありません。スペイン語ではサン・セバスチャン(San Sebastian)ですが、バスクの言葉ではドノスティア(Donostia)。そもそも言語そのものも、「バスク語」(Basque)とは言わず、「エウスカラ」(Euskara)と言いますす。

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[EuskotrenのHendaia駅で降りるとそこはフランス]

観光地なのでホテルやレストランでは英語を話す人が多いのですが、その英語がかなりなまっています。スペイン語で話しかけられていると思っていたら、よく聞いてみると英語だったり・・・。

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[目の前にSNCFのHendaye駅]

手振り身振りに英単語を交える会話になりがちなのですが、そうなるとうめぞうの方がかえってコミュニケーションがうまかったりします。

私もうめぞうもフランス語もからっきしダメなのですが、フランス側に戻ったら駅のアナウンスが若干は理解できるだけで、ずいぶん気分がラクになります。

アンダイエでフランス国鉄のローカル線に乗って向かうのは今回の旅の終着点です。ここで一泊して今回のバカンスは終わり。

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[エルメスのあるここはどこでしょう?]

フランスとスペインの二つの国、フランス語とスペイン語とバスク語の三つの言語の間で、たくさん面白い経験ができたバカンスでした。最後の一日も存分に楽しみます。

2014年8月 3日 (日)

サン・セバスチャン

まつこです。

サン・ジャン・ド・リュズから車で1時間ほど、途中で国境を越えてスペインに入ると・・・

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[コンチャ湾]

コンチャ湾沿いの町、サン・セバスチャンです。

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[美しく弧を描くビーチ]

「コンチャ」というのは貝殻という意味だそうです。貝殻のように美しい弧を描くビーチには、南欧の強い日ざしを浴びて、人々が夏の日を楽しんでいます。

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[旧市街の市庁舎と丘の上のキリスト像]

しかしこの町の魅力は美しいビーチだけではありません。

美食の町として名高いサン・セバスチャン。その活気と美味を経験するのには、バル巡りがいちばんです。

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[ピンチョスを並べたバルが軒をつられています]

ピンチョスと呼ばれるフィンガーフードとかカナッペに似た、小さなおつまみ風の料理がカウンターにところ狭しと並んでいます。

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[まずこのお店が1軒目]

午後6時過ぎ、地元の人たちにはまだ少し早く、お店の空いている時間帯に、「あの・・・初めてなんですけど・・・どうやって注文するのでしょうか?」とオズオズとスペインのバル、第1軒目に入ってみました。

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[初めて選んだピンチョス]

お皿をもらって好きなものを選んでのせ、飲みものと一緒にお会計します。

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[こちらは2軒目]

あまり長いせずに「はしご」するのが、ピンチョスの楽しみ方のようです。

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[二軒目で選んだピンチョス]

野菜、魚介、お肉、卵など、多彩な食材のピンチョスを少しずつたくさん頼むことができます。

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[店員さんもノリが良い!]

ワインも美味しいし、おつまみも美味しいので、ついついお酒が進みます。それにワイワイした雰囲気が断然楽しい。

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[この日の三軒目]

結局この日は3軒、はしごして、ワインは白1杯と赤2杯、ピンチョスはたぶん20種類ちかく食べて、ほろ酔いで満腹。

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[夕暮れの海。魚釣りをしている人がたくさんいました。アジみたいなお魚が釣れていました]

夕暮れの海沿いを散歩しながらホテルに戻りました。

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[宵闇の中のコンチャ湾]

夜のコンチャ湾も、灯りを映して美しい。たっぷりと楽しんだサン・セバスティアンの1日でした。

2014年8月 2日 (土)

サン・ジャン・ド・リュズの市場

まつこです。

サン・ジャン・ド・リュズには屋根付きの市場がありますが、金曜日にはその市場の周りに屋外のマルシェも広がります。ものすごい活気です。

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[うめぞう、市場の活気に気圧されています]

お肉、お魚、野菜、チーズ、パン、お菓子、スパイス類などなど、あふれんばかりの食材が並べられて、そこに次々と人々がやってきて、行列をしながらどっさりと買物をしています。

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[お惣菜いろいろ]

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[野菜や果物は生き生きとした鮮やかな色]

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「うずらや若鶏など形そのままのがずらりと並んでいます]

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[ハムやソーセージなど加工肉も種類が無数にあります]

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[お魚もいろんな種類がありました]

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[タイ、マグロなどなど]

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[エビや蟹など甲殻類もたくさん]

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[イカもピチピチ]

とにかく多様な食材と、それを求める人々の熱気に圧倒されました。

野菜は太陽の光をたっぷり浴びて力強く、魚は新鮮で種類豊富。お肉は生のものあり、ハムやサラミなど加工されたものあり・・・。

バスクは美食の地とされますが、この豊かな食材を見ると、この地に暮らした人々が自然の力を存分に活かして美食の歴史を育んできたことがよくわかります。

4日間、私たち二人もサン・ジャン・ド・リュズの美味しいものをたっぷりと堪能しました。その報告はまた後日改めて!

2014年8月 1日 (金)

リューヌ山とサール村

まつこです。

フランスとスペインの国境はピレネー山脈。今日はその端っこのリューヌ山の頂上まで登山鉄道に乗って行ってみました。

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[1924年に開通した登山列車。当時と車両のデザインは変わっていないそうです]

サン・ジャン・ド・リュズの駅前からバスに乗り、サン・イグナス峠で降りて登山鉄道に乗り継ぎます。海辺の町から8キロほど内陸に入ったところです。

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[観光客でいっぱいの登山鉄道]

バカンスシーズンの真っ最中なので、家族連れでごった返し、道路も大渋滞。そのほとんどがフランス人のようで、英語の話す人はほとんどいません。登山鉄道の職員の人も私たち二人だけをわざわざ別にして、英語で列車の時刻や乗り方などを説明してくれました。

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[最初はこんな風景ですが、やがて勾配がきつくなり、800メートルほどの標高差を30分ほどで上りきります]

車窓から半野生の馬や羊、徒歩で登山する人などを眺められます。やがて眼下にサン・ジャン・ドリュズ、ビアリッツの町やビスケー湾の海岸線が見えてきます。

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[こちらに見えるのはフランス側の海岸線]

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[頂上にも馬がいた!]

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[背後はスペイン方面]

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[ピレネー山脈の端]

壮大な風景を眺めたあとは、また列車で峠まで下りました。列車を使わず、徒歩で登り下りしている人もずいぶんたくさんいました。

そこから数キロ歩くと「フランスの美しい村」に認定されているサール村に行けます。

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[山道を抜けて開けたところに村が見えてきます]

 

山間の道を抜けると牧場や農地が広がり、その向こうにようやく村が見えてきました。

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[フランスの美しい村に認定されていることを示す看板]

 

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[サール村でもバスクの典型的な白い壁と赤い窓の家が並んでいます。真ん中に見えるのが教会]

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[ピレネーの山々に囲まれた村です]

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[カフェも白と赤のバスクの建物]

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[バスク地方の建物では、窓の色として赤以外では、緑が許されているそうです]

この村にはサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの巡礼者の病院もあったそうです。この村で教会や村の広場や学校を見て、カフェで冷えたビールを飲んでから、バスでサン・ジャン・ドリュズに戻りました。

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[大西洋に沈む夕日。手前に見えるのはバスクの旗]

山と村と海と、今日もたっぷりバスクの風景を堪能した一日でした。

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