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2014年4月 5日 (土)

ケンブリッジ・リテラリー・フェスティバル

まつこです。

霧がかかり日ざしのない寒い日でした。ウールのコートとロング・ブーツという冬のスタイルに逆戻り。ま、イギリスにいるのだから仕方ありません。

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[Cambrdige Literary Festivalの冊子]

先日から「ケンブリッジ・リテラリー・フェスティバル」が開催されています。

フェスティバルと言ってもそんなににぎやかなわけではなく、100人ほどの作家・詩人や出版関係者が街の中の数カ所の会場で1週間にわたってトークショーをするというものです。

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[メイン会場になったケンブリッジ・ユニオンの建物。長いテントにやがて聴衆の行列ができました]

今日は私も二つのトーク聞きに行ってきました。ひとつは昨年の夏読んでなかなかおもしろかった小説The Unlikely Pilgrimage of Harold Fryの作者レイチェル・ジョイスと、ジル・ドーソンがそれぞれ最新作について話すというもの。

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[もと女優のレイチェル・ジョイス。RSCにも出ていたそうです。今日は髪をアップにしていて、ほっそりしていてすごくきれいだった〜。私は今、彼女の最新作Perfectを読んでいます]

それぞれ作品のポイントを伝えながら(読んでない人もいるからネタばれになるあらすじは話さない)、個人的な体験と創作がどう結びつくかとか、作品の構造はどう決まるかとか、タイトルはどの程度意味を持つかなどを話します。二人の作家からバランスよく話を引き出す司会もうまかったのですが、二人とも実に話し方がうまくて感心しました。

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[ジル・ドーソンの最新作は心臓移植をしたケンブリッジの女好きの教授の話らしい。これもおもしろそう]

でもそれ以上に感心したのは、二人とも50代(たぶんレイチェル・ジョイスは52歳、ジル・ドーソンはちょっと上)なのに、若くてきれい!イギリス人女性の50代というと、おばあさんに一歩足を踏み出し始めているイメージがありましたが、最近は若々しくておしゃれ。(みんながみんなではないけど。)

子育てもし、作家としても活躍し、さらにおしゃれもし・・・とイギリスのアラフィフもがんばっているなあ、やっぱり女性の時代だ! と励まされた気分になりました。

今日もうひとつ聞いたトークはぐっとおじいちゃま。オックスフォードの英文学の名誉教授で書評家でもあるジョン・ケアリー。こちら老いてなお声には張りがあり、イギリスの階級制度に結びついた教育制度への批判や文芸批評のあり方について快気炎をあげていました。

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[ジョン・ケアリーはメモワールThe Unexpected Professor: An Oxford Life in Booksについて話しました]

観客をひきつける話しぶりはやはり見事で、「トールキンの講義を受けていたけれどちっとも聞こえないし、まったくわからなかった」とか、「50年代、60年代にパブリック・スクールからオックスフォードに来た学生でまったく勉強しない人がいた」とか、絶妙なタイミングで観客を笑わせながら、「文学における主観性」とか「批評における誠実さ]とか「養蜂(!)から学んだこと」とか骨太なメッセージをしっかり伝えていました。

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コメント

ジョン・ケアリー先生の変わらぬ姿にじ~んと来ました。留学時代彼の講義に出ましたが、いつも黒い革ジャンを着て、肩手をポケットに入れ、滔々とした語り口で講義なさっていました。それはそれは格好よく、女性ファンが多かったです。

良いタイミングで、そんな催しに参加できて良かったですな。50代に限らず、やはり女性の時代です。しかし、われらオールドパワーが頑固一徹に批判的立場を貫くのも大事です。岩盤が厚くないと、若い方々も岩盤崩しを通じて成長するということが、できなくなりますから。

ところでレイチェルもジルも、「目」が挑発的です。なにか語りかけている目の表情、これが日本女性には、総じて足らない。伏目がちな憂いを含んだ表情が女性美と結び付けられてきたからかもしれません。そろそろ日本の女性たちも、こんな目になるといいですな。

Pukiさん、コメントありがとうございます。

ジョン・ケアリー教授、今もチャーミングでしたよ。男性の聴衆もいましたが、やはり年配の方が圧倒的に多かったですね。「書評をするにはノートをとりながら丹念に読まなくてはいけない。結構たいへんな仕事だ。適当に読んで、クレバーに書く書評はダメだ」と筋の通ったことをおっしゃっていました。

うめぞう、コメントありがとう。

どうも最近のイギリスの女性の作家は、フォトジェニックであることも大事な要素らしい。会場で質問した人の中でも、「私も作家志望なのですが・・・」とか「第1作を書いたところですが・・・」と言う人たちは、「私は知性と美貌を兼ね備えているのよ」というオーラを発していました。そういう自信がこの視線に表れているのじゃないかしらねえ。みんながこんな目つきになったら、日本男子はけっこう生きにくいかも。

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