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2014年4月

2014年4月29日 (火)

花の村

まつこです。

せっかくパリまで来たのだからと、足を伸ばしてやってきたのは・・・

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[半年ぶりの光景を感慨深く眺めるうめぞう]

昨夏、休暇を過ごしてとても気に入ったロワールの小さな村、モンソローです。

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[小さな村の小さな城]

ロワール地方というと多くの観光客はシュノンソーやシャンポールなど有名な古城に行くことが多いのですが、小さな村でのんびり滞在するのも良いものです。

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[花でいっぱいの村]

夏はイギリス人やベルギー人などの観光客である程度にぎやかだったモンソロー村ですが、この季節にはまだひっそりしています。

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[白い壁に藤の花]

静かな村を散歩するといたるところに花が咲いています。この村は「花の街コンテスト」でも星3つ獲得しています。どの家も庭や塀や壁に美しく花を咲かせています。

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[あふれるほどに咲いているクレマチス]

今の季節に目立つのはアイリスです。フランス人は「イリス」と発音するようです。

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[至る所に咲いているイリスの花]

 

私もうめぞうも花の名前に疎くて、「なんていう花だろうね?」「きれいだねえ」としか言いようがありません。田舎で過ごすとき動植物についての知識がもう少しあれば、もっと楽しいのにと残念です。

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[これはなんという花かしら?]

名前なんて花の美しさや香りには関係ない、という考え方もありますが、やっぱり知っていた方が印象も深く思い出に残ると思います。

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[これも知らない花]

ケンブリッジでもいろんな花が咲いていますから、今年は少し花に関心を持つようにしたいと思います。

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[これはバラとアイリス]

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[いろんな色のバラを見かけました。八重咲き、一重咲き、花の大きさもさまざま]

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[アイリスにもいろんな色があるようです]

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[昔も今も変わらない空の色、川の色]

バルザックが『谷間の百合』を書いた時代も今も、ロワール渓谷の美しい風景はおそらくそれほど変わっていないでしょう。貴族も農民もこの景色を見たんだなあと思いながら、悠々と流れるロワール川を眺めています。

2014年4月27日 (日)

コメディー・フランセーズ

まつこです。

学会のイベントのひとつでコメディ・フランセーズのバック・ステージ・ツアーがあったので参加しました。

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[パレ・ロワイヤルに隣接する劇場]

元女優さんかなと思われるきれいな女性が身振り手振り大きく説明してくれたのですが、17世紀の歴史から語り出し、これが長いの長くないのって・・・。楽屋の入り口にある18世紀の俳優タルマの像の説明ですでに30分経過。

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[この彫像の説明だけで30分]

フランスではこういうガイドつきのツアーに参加すると、どうも説明がやや冗長な気がします。18世紀までで1時間かかると、革命、ナポレオン、世界大戦と続く歴史にはたっぷり3時間はかかってしまいます。「時間がゆっくり流れ話が長い」というのがフランス文化のひとつの側面なのでしょうか?

11時に終わるツアーの予定が、実際に終わったのは13時。別会場で行われていた日本から来ていた研究者仲間の発表を聞きそびれてしまいました。このあたりの時間感覚は、日頃、いつでもセカセカしている日本人は少し見習ってもいいのかもしれませんが、フランス人ももうちょっと時間に正確になった方がよろしいでしょう。

別の日の夜には、このコメディー・フランセーズの第二劇場のヴィユ・コロンビエ劇場に『オセロー』を見に行きました。

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[フランス語の『オセロー』]

すっきりしたデザインの舞台に役者が立ち、あまりアクションがなくてひたすらしゃべるという舞台でした。(イアゴーだけはちょこまか動き回っていましたが。)古典的伝統を守るだけでなく、改革もしているとツアーでは説明されましたが、静止したタブローとして完成している舞台で、延々と言葉が流れ続けるというスタイルは、伝統とはそんなに容易には変わらないものだということの証左のように思えました。

ここ2、3日、パリは雨まじりのお天気です。

街角で見かけた雨具着てキックボードしていた少年が何か指差しています。

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[ほら、見て!]

そちらを見ると、大きな虹がかかっていました。

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[パリの空の虹]

灰色に曇ったパリ、雨のパリ、虹のかかるパリ・・・喧噪の巷をパリの空は時代を超えて見下ろし続けているのだな、と感じた瞬間でした。

2014年4月26日 (土)

パリでヘアカット

まつこです。

パリでは買い物を楽しむ人も多いと思いますが、今年はケンブリッジ在住のため、物欲が低下しています(田舎なのでおしゃれの甲斐がない)。去年の夏、ガラスに張り付くようにして眺めていたサンローランのバッグにも今年は無関心。

せっかくのパリなのに・・・

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[いちど試してみたかったパリのヘアサロンでのカット]

ということで、ヘア・カットをすることにしました。

宿泊しているアパートのすぐそばのJean-Louis Deforgesというサロンに行ってみました。「英語をしゃべるのは僕だけなんで・・・」という優しそうな男性スタイリストが丁寧にカットしてくれたあと、 この美容院と付属アカデミーの創始者Jean-Louis Deforgesの息子アルノー・デフォルジュさん(注:とてもカッコいい!)が最後の仕上げをしてくれました。

かなり大胆にバシバシ切るのですが、あっというまに髪型に自然なニュアンスが加わって、いい感じになりました。大満足!ぐっと気分があがったパリの午後でした。

2014年4月25日 (金)

ヨーロッパのシェイクスピア

まつこです。

パリではシェイクスピア生誕450年に合わせて、シェイクスピアにちなんだ特別展やオペラも企画されています。学会に参加するとそれらの入場券も少し安くしてもらえます。

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[ドラクロワ美術館はルーブルに併設されている小さな美術館です]

ドラクロワの住んでいた家をそのまま使ったドラクロワ美術館は、サン・ジェルマンの一角にあります。小さな美術館で、ドラクロワが使ったアトリエがそのまま展示室になっています。

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[ロミオとジュリエット]

ドラクロワはハムレットを題材にしたリトグラフをたくさん作っていて、今回はそれらをまとめて見ることができました。物語性のある動的な場面の連作で、いかにもロマン派的な印象を与えます。

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[ひっそりとした中庭]

サン・ジェルマン・デプレ教会のすぐ裏で周囲はにぎやかな地域ですが、中庭に入るとひっそりとしていて、外の喧噪が嘘のようです。

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[カプレーティとモンテッキ]

バスティーユのオペラ座では『ロミオとジュリエット』を題材にしたベッリーニのオペラ『カプレーティとモンテッキ』をやっています。

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[現代的な建物のバスティーユのオペラ座。観客の服装も比較的カジュアル]

悲劇なのですが、イタリアらしいきれいなメロディーの明快な曲が続くオペラでした。このオペラではロミオがメゾ・ソプラノの女性歌手によって演じられます。名門両家が対立する大人の世界は男性たち、若い二人の純愛は女性同士というふうに、物語の世代間断絶を音楽でもわかりやすく分けています。

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[カーテンコールで写真を撮っている人が多いので、私もつられて撮ってみました]

フランスでの学会なので、学会でも独仏を中心にヨーロッパでのシェイクスピア受容の話が比較的多いという特徴があります。映画、オペラ、絵画など、ヨーロッパで様々に変容したシェイクスピアにいろいろ触れる機会になりました。

2014年4月23日 (水)

マロニエの花

まつこです。

パリは今、マロニエの花が満開です。街のいたるところで、白やピンクの花が咲いています。

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[リュクサンブール公園]

学会は5区、6区のいくつかの場所を会場に行われています。会場が一カ所ではないので運営がちょっと大変そうです。主催しているのがフランスですから、かなり鷹揚というか、適当です。プログラムの最終版がギリギリにならないと届かなかったり、定刻に始まらなかったり、予定が変更されたりということがたびたび。

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[1日目の夜、セーヌ川クルーズしながらディナー]

昼の学会のあとも夜にいろいろな社交やエンターテインメント用のプログラムが用意されています。クルーズは直前に出発の場所と時間が変更になり、比較的時間に律儀な英米独あたりの研究者があわてて集合すると、延々1時間近く出帆が遅れたりというようなぐあいです。これもお国柄でしょう。

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[2日目の夜は、サイレント映画の『ハムレット』]

シェイクスピアの生誕450年を記念する学会ですが、うめぞうも少しだけ参加しています。1920年代のベルリンで制作されたサイレント映画『ハムレット』についての講演や、その映写会(ドイツ語字幕つき)など、うめぞうも楽しめたようです。

このサイレント映画『ハムレット』の主人公はアスタ・ニールセンというデンマークの女優です。王位継承の安定のため、生まれた時に男子誕生と国民に告げてしまい、女であることをかくしている王子ハムレットという設定です。『リボンの騎士』みたいな感じ。

ハムレットは密かにホレーショに恋をし、ホレーショはオフィーリアに恋をし、オフィーリアはハムレットに恋をするという、『十二夜』のような人物配置になっています。肉感のない体型の女優ニールセンのハムレットは、中性的で軽快でした。2時間近いサイレイント映画ですが、生演奏の音楽つきでの上演で楽しめました。

観光と出張を併せた盛りだくさんの日々が続きます。

2014年4月20日 (日)

パリのアパルトマン

まつこです。

うめぞうの投稿記事をちょっと修正。「休暇旅行」じゃなくて、いちおう私は「学会出張」でパリに来ています。(実際は私は発表もしないし、ケンブリッジからなら乗り換え1回ですぐ来れるからというので気軽に来ちゃっているので、せいぜい「学会見物」ですが。)

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[いつものサン・ジェルマン・デプレ教会]

よく女性雑誌に「暮らすようにパリに滞在」とか、「アパルトマンの屋根裏部屋インテリア」とか、ロマンティックなイメージをかきたてる記事がありますが、私もついついそういうのに憧れて、今回はネットで短期滞在者用のアパートを借りました。

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["Writer's Hideaway"(物書きの隠れ家)というキャッチワードに惹かれたものの・・・]

写真を見て、「わー、屋根裏部屋みたいでステキ〜」と思っていたのですが、実際、屋根裏部屋みたいなものでした。(最上階ではない。まだ上階がある。)日本式でいう4階まで、細くて歪んだ階段をのぼらなければなりません。

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[こんな階段を延々と・・・]

私は小さな荷物ひとつで来ているからいいのですが、今日、日本からスーツケース持って到着するうめぞうは、果たしてこの階段をのぼりきれるでしょうか。

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[ようやくたどり着く頃には息が切れている]

そういえば前のときも、その前の時も、乙女チックなプチホテルに泊まらされて、「次回は機能重視のアメリカ資本のホテルにしてくれ。ヒルトンでもホリデー・インでもいいじゃないか」と、うめぞうは言っていました。

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[キッチンはちゃんとしている。ネットの速さもシャワーの湯量も問題なし]

でもまあ、いったんたどり着いてしまえば、表通りに面していないので静かだし、場所はサン・ジェルマン・デプレのすぐそばなので便利です。しかし、あの階段、ワイン飲んでよっぱらっていたら踏み外しそうです・・・。

狭くて高いと不評のパリのホテル、今後も模索はまだ続きそうです。

2014年4月19日 (土)

ISDのあやうさ

うめぞうです。

明日から、フランスでまつことひさびさの休暇旅行。最近はスカイプでテレビ電話ができるので、互いの近況はだいたいわかってはいるが、やはり、再会は楽しみだ。
しかし、近年はどこに行ってもグローバル化の影響を強く感じる。フランスやイタリアの片田舎でも英語は通じるし、食事の種類も似たり寄ったりだ。うめぞうはイギリスに行くと、「ぼくはなにか典型的なイギリス料理を食べてみたい。西洋わさびとミントソースのかかったローストビーフとか、ヨークシャー・プディングなるもの、油や塩にまみれていない美味しいフィッシュ&チップス、昔風のパブランチ、Ploughman's Lunchとかいうのも食べてみたい」という。すると、うーん、そういう、ずれてるおじさん教養的なリクエストが一番難しいんだよね、とまつこはいう。なにしろ、最初にまつこにイギリスに連れて行ってもらったとき、どこ行きたい、といわれて、とっさに出てきた言葉が、ワーズワースの湖水地方と、トマス・モアが処刑されたロンドン塔。しかし、現実には、どんどんうめぞうの頭のなかの固定観念とグローバル時代との格差が拡大しているようだ。

そんな昨今、気になるのはTPP。みんな牛肉や豚肉の関税に気をとられているようだが、うめぞうがずっと気にしているのは、貿易協定になにげに書き込まれる可能性のあるISD条項。投資家(Investor)と国家(State)が紛争(Dispute)になったときの解決(Settlement)のルールを定めた取り決めだ。

2001年にアルゼンチンで財政危機が起こったとき、燃料費の高騰を抑えるために、政府は燃料価格の凍結を行った。アメリカのCMSエナジーやフランスのスエズ、ヴィヴェンディなどの多国籍企業がISD条項を使って、この措置の損害賠償訴訟を国外で起こし、政府は1000億円以上の金を払わされた。とんでもないことだ。

カナダ、ケベック州では、水圧破砕でシェールガスを採掘すると環境破壊が生じる可能性があるので、禁止命令を出した。これに対して石油ガス企業が北米自由貿易協定(NAFTA)のISD条項を盾に、200億円を超える賠償請求をしている。

エルサルバドルやコスタリカで、鉱山の採掘が水資源を破壊するとして政府が採掘制限を法律で決めると、これがISDで訴えられている。ウルグアイやオーストラリアでタバコの害を少なくするため厳しい保険法を導入しようとすると、タバコ産業がISDを使って損害賠償をしようとする。エクアドルがオクシデンタル石油との契約を人権環境関連の法律をたてに破棄したといって、エクアドルの社会保障費の15年分にあたる1800億円を支払わされた。審理は国外の非公開法廷でおこなわれ、多国籍企業にやとわれた凄腕の弁護士たちのまたとない檜舞台になる。国内法でグローバル化を抑制する国民国家を、今やグローバル企業が国際的な投資仲裁を義務付けることによって逆抑制しようとしている。独立した司法制度と成熟した民主主義をもつ国家には独自に法を制定し、行使する能力が備わっているのだから、先進諸国間のとりきめに、こんな条項は不要だろう。

日本政府はTPPにこの条項を盛り込むことにはいちおう反対しているが、はたしてそれを貫けるか。牛肉や豚肉の妥協の取引材料として、これが使われる可能性がないか、これに目を光らせるべきだろう。

グッド・フライデー

まつこです。

今日はGood Friday。今日から月曜日まで4連休です。

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[市街地の公園Christ's Pieces]

花が咲き乱れて、青空は出ていますが、今日は寒い一日でした。最高気温10度に達しませんでした。今日はお茶に呼ばれていて、初めてうかがうお宅だったので、久しぶりにスカートはいたら寒いのなんの・・・。

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[こちらも街の中にある公園Midsummer Commons]

ケンブリッジにいるととにかく良く歩きます。地下鉄はないし、バスも路線が限られています。タクシーも乗り場が限られていて、流しのタクシーはないので、歩かざるをえないのです。最近は3キロ程度までは「徒歩圏」と感じるようになってきました。昨日、体重計にのったら、体重はかなり減っていました。ケンブリッジ式ダイエットです。

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[このあたりは大学のボートハウスがたくさんあります]

今日は今まで行ったことのない住宅街に行きました。古い家が立ち並んでいる閑静な住宅街です。

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[ケム川のすぐそばの閑静な住宅街]

お茶に呼んでくださったのは日本好きのご夫婦です。イースターの伝統的なお菓子のホット・クロス・バン(hot-cross bun)をいただきました。上に十字架の模様が入っているレーズン入り菓子パンです。もともと四分割して四季を表すものだったのに、キリスト教がその十字の印に宗教的な意味を付すようになったのだと教えてもらいました。「仏教も同じように神道の意匠をいろいろ利用しているでしょう?」と言われ、あいまいにうなづいてしまいました。(汗)

このまま日本の歴史とか宗教の話になったらまずいな・・・とハラハラしていたら、「日本の鰻はおいしいね。僕たちは大好きなんだ」と食の話になったので安堵しました。「パリにおいでになれば老舗の野田岩がありますよ」とか「最近は日本でも鰻は高くて」とか「関東と関西では鰻の料理の仕方が違って」とか、鰻の話でまずはことなきをえて楽しいお茶の時間を過ごしました。

2014年4月18日 (金)

別居ダイエット

まつこです。

私がイギリスに来て以来、うめぞうは食生活に気をつけ、チーズとパンとジャムを減らしたら、血圧も体重も下がったそうです。

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[デパートのジョン・ルイスで買った体重計(bathroom scale)]

この数ヶ月でうめぞうはお腹周りがふくらんで、持っているズボンが全部きつくなり、「ひょっとして全部買い替えか!」という危機的状況だったのですが、とりあえずその危険は回避されたもよう。

二人で生活していると、「おいしいものを作って食事を楽しもう」とか「これはうめぞうが好きなチーズだから買ってあげよう」とか、ついついお互いに甘くなってしまうのですが、別居していると自分の健康管理だけを考えて食事ができるので、ダイエットには効果的です。

イギリスの食事はカロリーが高いので、私も気をつけなければいけません。まずは体重計を買いました。単位がイギリス独特の「ストーン」だったら厄介だな、と危惧していたのですが、「キログラム」「ストーン」「パウンド」と切り替えられるものでほっとしました。

体重を計る3つの単位の換算は下記のとおり。
1 pound = 0.454 kg
1 stone = 14 pounds = 6.35 kg

ちなみに『ブリジット・ジョーンズ』のシリーズでは、第2作目(1999年)まではブリジットはストーンで体重を記録していますが、昨年出版された第3作目ではパウンドで計っていました。イギリス人の日常生活がアメリカ式になっているひとつの例と言えるでしょう。

で、私の体重は何ストーンか・・・ちょっと計算が難しいので、体重計の単位を切り替えて計ってみることにします。ここから先は機微な個人情報となりますので、今日はここまでということに。

2014年4月16日 (水)

通学路

まつこです。

新しいスマホのカメラを試してみるため、朝の通勤(通学?)風景を撮ってみました。

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[宿舎から裏の遊歩道に出たところ]

宿舎は街の西はずれにあるので、ひたすら朝日に向かって歩きます。

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[歩いて5分経過]

そしてひたすら緑の中を歩きます。西に向かって行く人はだいたい理科系の研究者。東に向かう人は私と同じ宿舎から街の中の施設に向かう人。数名の徒歩の人をのぞき、みんな自転車でビュンビュン飛ばします。自転車用と歩行者用に道が分かれているので安心です。

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[歩いて10分経過]

「トリニティ・オールド・フィールド」はトリニティ・カレッジのスポーツ施設。芝生が良く手入れされています。立派なジムもあります。これを眺めながら進み・・・

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[歩いて15分経過]

最後にうっそうとした遊歩道を抜けると・・・

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[緑の中に唐突に現れる図書館]

ここまで徒歩15〜20分ほど。ほとんど車の通らない道なので、のんびり歩けます。私も自転車買おうか迷ったのですが、しばらくはいろんな種類の鳥を眺めながら歩いてみようかと思っています。サングラスと日焼け止めは欠かせません。ハイヒールとは無縁な日々が続きます。

2014年4月15日 (火)

Ta Dah!

まつこです。

宿舎に引っ越して、ちょうど1週間ですが、なかなか生活環境の初期設定が終了しません。

金曜日に銀行のデビット・カードの暗証番号が郵送されてきたのに、カードが自宅に届かず、銀行に届いたとのことで、銀行まで行ってカードを受け取りました。その場ではすぐに使えるようにならず、電話かオンラインで初期手続きが必要とのこと。フムフム。

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[自宅に届いたSIM Card。Ta Dah!は「じゃーん!」みたいな意味の間投詞。ヴァージンはイメージ戦略で何でも口語を使うので、約款には「つまんない文章でごめんね」と書いてありました。今日からようやくこちらの電話が使えるようになりました]

自宅のネット接続は引っ越し当日、業者(ヴァージン・メディア)に来てもらって完了していたのですが、パッケージになっている携帯電話のSIM Cardは後日郵送。ようやくそれも土曜日に届いたので、そのSIM Cardを入れるハンドセットを買いに行きました。

ヴァージン・メディアのお店で若いお兄さんに、「たいして使わないから安いのでいい」と言ったら、ZTEというメーカーのを勧めてくれました。「聞いたことないメーカーだけど・・・。サムソンはどうなの?」と聞いたら、「ZTEは中国の新しく進出してきたメーカーだけど悪くないよ。同じ値段ならこっちの方がサムソンよりいい」とのこと。フムフム。

言われるがままに機種を1分で選び、お店が空いていたので、「SIM Card入れて起動してもらえないかしら?」と、おばちゃんの図々しさでお願い(命令)してしまいました。兄ちゃん、笑いながらやってくれました。ヤレヤレ。

1年間、研究目的でイギリスに滞在しているわけですが、図書館で本読んで研究する限りにおいては、日本にいようと、イギリスいようと、アメリカにいようと、それほど違いはありません。

一方、ヴァージン・メディアでブロードバンドと携帯電話をパッケージにして1年間契約したらどうなるか・・・といったことは、こりゃ来てみなければ経験できません。日本のauのお店ですら、若い店員さんの説明を聞いてもチンプンカンプンなのに、イギリス人の兄ちゃんの若者言葉でスマホの設定のしかた説明されても、ほとんどギリシア語。

無事、動き始めたスマホを手にしながら、これも在外研究の一環だよねえ、としみじみ思ったのでした。

2014年4月14日 (月)

トリニティ・カレッジ フェローズ・ガーデン

まつこです。

こちらに私が到着した直後は不機嫌そうな曇り空ばかり続いていたケンブリッジですが、いったん晴れるとこのうえなく美しい!ここしばらくは晴天が続いています。

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[これぞいかにもケンブリッジという風景]

今日は日頃公開していないトリニティ・カレッジのフェローズ・ガーデンに入れる日だったので行ってみました。おあつらえ向きの晴天の日曜日です。

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[トリニティ・カレッジの裏に広がる公園]

トリニティ・カレッジのフェローズ・ガーデンは、今日はチャリティのための特別公開だそうで、入り口のところで3ポンド50の入場料をとっていました。ガン治療を支援する慈善事業の一環とのこと。受付をしていたのが東洋人の男性だったのですが、話してみたら日本の方で、ずっと英国に住んでいて、この5年間フェローズ・ガーデンの管理をしていらっしゃるのだそうです。

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[フェローズ・ガーデンの広々とした芝生では夏になるとシェイクスピア劇の野外上演の会場になるそうです]

近年、ケンブリッジではめったに日本人を見かけなくなりましたが、トリニティ・カレッジのガーデナーのお一人が日本人とはびっくりしました。

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[フェローズ・ガーデンの中のこじんまりとした可愛い庭]

とても優しそうな方で、ガーデニング好きらしいイギリス人のご婦人がいろんな植物について細かい質問をするのに、流暢な英語で丁寧に説明していらっしゃいました。

私には「とても良い庭ですよ。ゆっくりご覧になってください。この部分にはワイルド・フラワーがたくさん咲いていて・・・」と、自ら手塩にかけている庭をうれしそうに説明してくれました。さわやかな青年に出会って、ますます気持ちのよい日曜日でした。

2014年4月13日 (日)

サム・メンデスの『リア王』

まつこです。

昨日はロンドンまで芝居を見に行ってきました。

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[いつものロンドン・・・でもどんどんスカイラインが変わっている]

キングズ・クロスの駅に降りれば、交通渋滞と喧噪と人ごみのいつものロンドン。でもこのコスモポリスの混沌も悪くはない・・・と久しぶりに都会の汚い空気を吸って、それはそれで気分が落ち着きます。

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[言語障害が出て、認知症の兆しが見えている独裁者]

ナショナル・シアターで見たのはサム・メンデス演出、サイモン・ラッセル・ビール主演の『リア王』。軍事国家の独裁者も、あっけなく哀れな老後を迎えるというのが強調されていたテーマでした。リアの狂気は認知症と解釈され、野戦病院の医師に鎮静剤をうたれ看護師に拘禁服を着せられ、あやされるようにしてベッドに寝かしつけられます。

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[ここはどこ? あなたはもしかして私の子供? 野戦病院で覚醒したリアは哀れな老人]

超高齢化社会を背景に、『リア王』は老人問題として解釈されることが多く、狂気の中に人間の理性の果てを見極めるというような崇高なる悲劇性は、なかなか表現しにくい時代になっているようです。今回の演出でもケントは巨漢の用心棒、グロスターは気の弱い善人、エドガーは飲んだくれのチンピラみたいな感じで、従来なら善人とされた登場人物にもあまり共感ができないように演出されています。

最後は誰もいなくなっただだっ広い舞台で、チンピラあんちゃん風のエドガーが「これから先もあんまりいいことないぜ。おれたちゃ、あんなに長生きしないだろうけどさ・・・」みたいな若者言葉で締めくくります。未来にもあまり希望が持てないハードボイルドな悲劇でした。

芝居の後はアーセナルのサポーターたちの赤いユニフォームが目立つ混んだ列車でケンブリッジまで帰ってきました。エドガーと同じようなしゃべり方する兄ちゃんたちがいっぱい乗っていました。 

2014年4月11日 (金)

書類と食器

まつこです。

引っ越しをすると何かと諸手続きが煩雑です。チェックインの時に渡された記入および提出が必要な書類、あるいは電話連絡するように言われた電気配給会社などなど。全部すますのにたっぷり半日以上かかってしまいました。

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[書類だけでもこんなに…]

まだ少し手続きが残っているけれど、とりあえずは食事ができるようにしたい。2週間以上、ほぼずっと外食だったので、身体が疲れてきている感じがします。とにかく自分で作って食べれるよう、必要なものを買いに出かけました。

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[とりあえずこれだけあればなんとかなります]

若いときだったら、こういうめんどくさいことも好奇心でむしろ楽しくやれたのだろうなあ・・・と、書類の束を見ながら、若干弱気になりかけて、「いかん、いかん、ここは強気に!」と思い返し、午後はデパートで買物。新しいお鍋やナイフを選んでいる間に、新生活スタートの気分が高まり、元気になって帰ってきました。

2014年4月10日 (木)

宿舎公開

まつこです。

宿舎、公開します。

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[入居したてのガランとした状態]

今回、借りたのは1ベッドルームの家具つきの部屋。このキャンパスの中の宿舎は子供同伴でも住める3ベッドルームの住居もあり、保育園も付設されています。1年以上、最長で2年まで入居と決められています。家具の配置は変えられます。退居するときに現状復帰が求められているので、記憶のために写真に残しておきました。

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[広くて使いやすそうなキッチン]

キッチンは電子レンジとフリーザーと食洗機がないのですが、広々して使いやすそうです。ただし食器やお鍋などはいっさいないので、全部買いそろえないといけません。ケンブリッジ滞在が終わった人がmoving salesの広告を出すサイトもあるので、私もよくチェックしていたのですが、何人かにコンタクトしたけれど、どれもすでに売れちゃっていて、今回は新品を買いそろえることになります。

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[こちらがベッドルーム]

ベッドはマットレスを新しくしてくれていました。あと全体の壁と天井の塗装も新しくなっていて、気持ちがいいです。この他に小さな三畳間ほどの玄関ホールと、シャワーブースとトイレがついています。洗濯機は階下に共同のコインランドリーがあります。

イギリス人の生活をかいま見ていると、衣食住のうち「住」についての要求水準が他に比べてずっと高いように思います。ケンブリッジみたいな小さな街でもインテリアに関するお店が目立ちますし、品揃えが洗練されています。

この空間で快適なお一人様生活(ときどきうめぞうが来ますが)ができるよう、どうアレンジしようか・・・と、いろいろ思案をめぐらせているところです。

2014年4月 9日 (水)

引っ越し

まつこです。

古き良きケンブリッジからのレポートを楽しみにしてくださっている方の期待を裏切ってしまいますが・・・

じゃーん

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[突然、ポストモダン]

これが今日、引っ越した宿舎です。手前はイングランド東部の起業の拠点とされるハウザー・フォーラム。その奥が私の入居した宿舎です。

ケンブリッジ大学のキャベンディッシュ研究所は核物理学やDNAの発見など基礎科学で大きな業績をあげてきていましたが、1970年代から産学連携の重要性を主張していたのだそうです。そこでトリニティ・カレッジが広大な土地を提供し、バークレイ銀行が出資し、世界のハイテク企業やベンチャー企業が周辺に集まり、巨大なサイエンス・パークが作られました。

その中に、大学院生や研究者の宿舎も建てられました。そこに今回引っ越したわけです。

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[ハウザー・フォーラムはケンブリッジ発の起業家で最も成功したハーマン・ハウザーが寄付した建物だそうです。建物の裏側はこんな感じ]

今回、住居選びはケンブリッジ大学を通したのですが、ちょうど4月に空く住居があると言われたのですが、送られてきた写真やGoogle Mapのストリート・ビュー見たら、「ケンブリッジ」のイメージとはまるで違うので、ちょっとためらいました。「もうちょっと古い趣のあるところに住みたい」とグズグズ言っていたら、うめぞうに「観光じゃなくて仕事で行くんだから大学の宿舎でいいじゃないか」と一蹴されてしまいました。

今朝までいたアーツ・アンド・クラフトのB&Bはケンブリッジ市から"Building of Local Interest"(市の重要文化財)に認定されている建物でしたが、ここから一気にCenter of Global Interstに移動した感じです。

しかしわずか徒歩20分しか離れていないのです。このポストモダン風の建物の裏に広がる景色は・・・

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[どこまでも緑、緑、緑]

見渡す限り草原が続いています。この景色を眺めながら遊歩道を歩くと図書館や英文科まで徒歩20分です。(歩くの嫌なら大学バスもあります。でも多くの人は自転車でビュンビュン飛ばしながら通っています。)

というわけで、ダイナミックな変貌を遂げているウェスト・ケンブリッジ・サイトでの生活をこれからしばらくお伝えします。

2014年4月 7日 (月)

ザ・ボート・レース

まつこです。

下宿に帰ったら家主のトムが、「今日はボート・レースだよ。テレビで中継するよ。水位の関係で今年はスタートが遅くて6時くらいにレースが始まるから」と声をかけてくれました。オックスフォードとケンブリッジのボート・レースだそうです。

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[The Boat Race. ニューヨーク・メロン銀行がスポンサーなので、いたるところにBNY Mellonという広告が目立ち、いちおうThe BNY Boat Raceというのが正式名らしいけれど、みんな単にThe Boat Raceと呼んでいる]

あんまり関心ないけどなあ・・・と思っていたら、5時過ぎに、トムが部屋までやってきて「僕が思っていたのよりスタートが早い。もう両方のボートとも川に出ている。早くテレビをつけろ」と教えてくれました。

そんなに大事なレースなのかねえと思いながら、テレビをつけてレースが始まったら、ついつい「ケンブリッジがんばれ〜」みたいな感じで応援してしまいました。結果は大差で負けちゃったけど。

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[スタートしてしばらくしたら、オールの接触があってバランスを崩して大敗。おつかれさまでした]

このレース、英国では単にThe Boat Raceと呼ばれているようです。チーム名もいちいち大学名で呼ばず、The Dark Blueといえばオックスフォード、The Light Blueがケンブリッジ。トムが「興味ないかもしれないけどinstitutionalだから見たほうがいいよ」と言っていましたが、「年中行事だから」みたいな感じですね。お正月の箱根駅伝のようなもの。冷たい雨風の中、テムズ川には1万人もの見物人が集まったそうです。

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[Which Blue Are You? オックスフォードはオリンピック代表選手など経験豊かな選手が多く、レース前から下馬評が高く、結果もそのとおり。屈強な大男に囲まれているちびっ子はコックス]

選手の紹介をしているのを見ていたら、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、ニュジーランド人の選手がずいぶん多くいました。ケンブリッジのチームでは、イギリス人は9人のうち2人。オックスブリッジは研究者だけではなく、アスリートも世界のトップエリートを集めているようです。

2014年4月 6日 (日)

ケンブリッジ・リテラリー・フェスティバル2

まつこです。

寒さの中で咲いていたケンブリッジの桜もそろそろ散り始めています。

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[セルウィン・カレッジの桜。お天気の良かった4月1日が見頃でした]

今日もケンブリッジ・リテラリー・フェスティバルで二つのトークを聞きました。一人目はハニフ・クレイシ。日本では映画『マイ・ビューティフル・ローンドレット』の作者として知られていますが、舞台の戯曲も小説も書く、インド系イギリス人の作家です。

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[ハニフ・クレイシ]

最新作The Last Wordについての話でしたが、インド系の作家が主人公の小説なので、小説家とはどのような職業かというテーマが焦点になりました。「これで一生食べているかどうか心配しながらやる仕事だよ。コミカルだろ?」みたいな感じで、文学とか作家ということに幻想を持たなず、ちょっとブラックなユーモアを感じさせる話でした。

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[ジャーメイン・グリア]

もうひとつ夜にジャーメイン・グリアの話を聞きに行きました。戦闘的なフェミニストで知られる人ですが、今回は故郷のオーストラリアで森の再生に取り組んでいる話でした。エコ・フェミニストと自己紹介していました。「スティーブン・ホーキングは地球は核などで人間がダメにしたせいで2000年後には住めなくなるから宇宙を植民地開発すべきだと言っているけどとんでもないわ」とか、「リチャード・ドーキンズは『利己的遺伝子』って言うけど発想がマッチョだわ。生き物は闘争するんじゃなくて、もっと利他的なものよ」とか、著名な男性研究者をばっさり切って捨てる話し振りはかつての迫力を偲ばせるものでしたが、「私も75歳。職業病である鬱病にならずにすんでいるのは森に救われているから。私が森を救っているのじゃない。森に救われているんだ」と最後に語ったときは、なんだか戦いすんで森に帰っていった元女戦士という感じでした。

それにしても客席は満席で、会場に彼女が現れただけで拍手がわき起こり、ずいぶん人気があるのだなと驚きました。今もケンブリッジシャーに家を持ってオーストラリアと半々に住んでいるようなので、やはり地元意識を聴衆と共有しているのでしょう。

話を聞き終えて家に帰っても、トムとジュディが「ジャーメイン・グリアの話どうだった?」と聞いてきました。実は、この家はもともと1軒だった家を3分割していますが、数年前まで、隣はイアン・ドナルドソンという英文学者が住んでいたそうです。彼もオーストラリア人なのでジャーメイン・グリアと仲が良く、グリアは時々遊びに来ていたそうです。「あの人、隣に来るとよくオペラのアリアを歌っていたわね」と二人とも思い出して苦笑しています。

「森に救われた?その前に結婚しておけばよかったんだよ」とトム。「ま、救われたならよかったわ」とジュディ。やんちゃなフェミニストを、ややあきれながらも微笑ましく見守る、というところがイギリスの平均的な中流家庭の受け止め方なのだろうな、と思いました。

2014年4月 5日 (土)

ケンブリッジ・リテラリー・フェスティバル

まつこです。

霧がかかり日ざしのない寒い日でした。ウールのコートとロング・ブーツという冬のスタイルに逆戻り。ま、イギリスにいるのだから仕方ありません。

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[Cambrdige Literary Festivalの冊子]

先日から「ケンブリッジ・リテラリー・フェスティバル」が開催されています。

フェスティバルと言ってもそんなににぎやかなわけではなく、100人ほどの作家・詩人や出版関係者が街の中の数カ所の会場で1週間にわたってトークショーをするというものです。

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[メイン会場になったケンブリッジ・ユニオンの建物。長いテントにやがて聴衆の行列ができました]

今日は私も二つのトーク聞きに行ってきました。ひとつは昨年の夏読んでなかなかおもしろかった小説The Unlikely Pilgrimage of Harold Fryの作者レイチェル・ジョイスと、ジル・ドーソンがそれぞれ最新作について話すというもの。

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[もと女優のレイチェル・ジョイス。RSCにも出ていたそうです。今日は髪をアップにしていて、ほっそりしていてすごくきれいだった〜。私は今、彼女の最新作Perfectを読んでいます]

それぞれ作品のポイントを伝えながら(読んでない人もいるからネタばれになるあらすじは話さない)、個人的な体験と創作がどう結びつくかとか、作品の構造はどう決まるかとか、タイトルはどの程度意味を持つかなどを話します。二人の作家からバランスよく話を引き出す司会もうまかったのですが、二人とも実に話し方がうまくて感心しました。

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[ジル・ドーソンの最新作は心臓移植をしたケンブリッジの女好きの教授の話らしい。これもおもしろそう]

でもそれ以上に感心したのは、二人とも50代(たぶんレイチェル・ジョイスは52歳、ジル・ドーソンはちょっと上)なのに、若くてきれい!イギリス人女性の50代というと、おばあさんに一歩足を踏み出し始めているイメージがありましたが、最近は若々しくておしゃれ。(みんながみんなではないけど。)

子育てもし、作家としても活躍し、さらにおしゃれもし・・・とイギリスのアラフィフもがんばっているなあ、やっぱり女性の時代だ! と励まされた気分になりました。

今日もうひとつ聞いたトークはぐっとおじいちゃま。オックスフォードの英文学の名誉教授で書評家でもあるジョン・ケアリー。こちら老いてなお声には張りがあり、イギリスの階級制度に結びついた教育制度への批判や文芸批評のあり方について快気炎をあげていました。

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[ジョン・ケアリーはメモワールThe Unexpected Professor: An Oxford Life in Booksについて話しました]

観客をひきつける話しぶりはやはり見事で、「トールキンの講義を受けていたけれどちっとも聞こえないし、まったくわからなかった」とか、「50年代、60年代にパブリック・スクールからオックスフォードに来た学生でまったく勉強しない人がいた」とか、絶妙なタイミングで観客を笑わせながら、「文学における主観性」とか「批評における誠実さ]とか「養蜂(!)から学んだこと」とか骨太なメッセージをしっかり伝えていました。

2014年4月 4日 (金)

まつこです。

金沢では「弁当忘れても傘忘れるな」という格言があるそうです。イギリスでも、濡れたくなければ、傘は常時携帯しておいた方が安全(濡れながら歩いている人も多いけど)。

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[ルル・ギネスの傘。ボールペンとあまり変わらない長さ]

先日、冷たい雨の中で強風にあおられて日本から持ってきた傘が壊れてしまいました。上品なピンク色のYSLので気に入っていたのに残念。

イギリスというのは雨がよく降るわりに、売っている傘のデザインはあまり良くない気がします。これまでもイギリスで買った傘がいくつかありますが、どうもどれもイマイチ気に入らない。

デパートでも婦人物は5種類くらいのデザインしか並んでおらず、高島屋とか大丸に並んでいる色とりどりの傘を思い浮かべるとだいぶ差があります。

とりあえず必要に迫られて買ったのはルル・ギネスの折りたたみ傘。「わー、ちっちゃくて、これなら持ち運びに便利!」と思って買ったけれど、開いても極小でした(当たり前かしら)。顔に雨がかからずメークが落ちない、という程度の大きさです。

頼りない傘ですぐに壊れちゃいそうな感じ。この1年で、4、5本は買うことになるのかな・・・と思いながら、今日もポツポツ降ってきた雨の中、めんどくさいから傘をささずに濡れて歩きました。

2014年4月 3日 (木)

グランド・ブダペスト・ホテル

まつこです。

レイフ・ファインズとジュード・ロウが出ている映画であれば見ない訳にはいかないと思い、今日は『グランド・ブダペスト・ホテル』を見に行きました。

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[かつて華やかなりし日のグランド・ブダペスト・ホテル。(映画ポスター)]

なにしろ「レイフ・ファインズとジュード・ロウ」という名前にしか見ていなかったもので、東欧を舞台にしたロマンティックな映画だとばかり思っていったら、ウェス・アンダーソン監督のハチャメチャ・コメディでした。でもすごく面白かった!

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[ジュード・ロウは1960年代あたりに生きる作家の役]

幾層にもなった入れ子細工の語りの構造になっていて、「創作とはどのようなものかを語る作家」→「本を読む少女」→「ホテルの歴史を聞く作家」→「かつて起きた出来事」と、入れ子の中に入るほど時代がさかのぼるという凝った構成です。

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[レイフ・ファインズは第二次世界大戦前のホテルのコンシェルジュ]

第一次世界大戦前のハプスブルク家の栄光を映し出すように豪華なホテルのコンシェルジュがレイフ・ファインズ。香水の匂いをぷんぷんさせている気障なコンシェルジュが、金持ちマダムのお相手をして、突然、遺産が転がりこみそうになる、というのが物語の発端。

それを阻もうとする遺族が殺し屋をやとって・・・というあたりからジェット・コースターのような猛スピードの笑劇が展開します。脱獄、追跡、変装、銃撃戦、なんでもありです。その目の回るようなコメディの渦の中で、レイフ・ファインズがあくまで高級ホテルのコンシェルジュらしく口調は格調高いのに、内容がめちゃくちゃ汚い言葉だったり、あの気取った表情のままアホくさいアクションを果敢に演じたり、その落差が笑いを引き起こします。

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[遺産が手に入ってお金持ちになるものの、最後はちょっと苦い結末が・・・]

でもただ面白おかしいだけではなく、移民のベル・ボーイとの師弟関係とか、二つの大戦間のヨーロッパ文化の翳りとか、失われた命への追憶など、様々な色合いが重ね合わされています。映画のエンド・クレジットで「ツヴァイクから影響を受けて作った作品」と書かれていたので、やはり古いヨーロッパの終焉というテーマが笑いの底を流れるテーマなのだと思います。

レイフ・ファインズはコメディもやれる!ということがよくわかりました。レイフ・ファインズのファンの方には、ロマンティックな幻想を打ち破る勇気を持って見てもらいたい作品です。

2014年4月 2日 (水)

フランク

まつこです。

下宿先では今、ロンドンの息子一家の犬を預かっています。名前はフランク。女主人のジュディが「Rescue dogなのよ」と言うので、「へえ、見た目は頼りなさそうなのに救助犬なのか」と驚いたのですが、"rescue dog"とは飼い主がいなくて処分されそうになっているところを引き受けた犬のことだそうです。

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[シャイなのでカメラを向けるとあっち向いちゃう]

イギリスは昔は子供と犬のしつけに厳しい国とされていましたが、どうもどちらも最近はあやしくなっているようです。「息子たちのしつけが悪い」とジュディと旦那さんのトムは、預かっている期間のうちになんとかフランクを良い子にしようと懸命の努力をしています。

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[カメラの方を向くようにトムが協力してくれました]

散歩のときやたらと引っ張るのでハーネスを買ってきたのですが、フランクはその箱を見ただけで不満そうな声を上げていました。「指示されるのが嫌な犬なのよ〜」とジュディは困った顔をしていました。

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[アップで見るとこんな感じ]

それでも孫と同様にかわいがられているフランクですが、先ほど怒られてしまいました。ジュディの「あら、いけないことしてるでしょ!逃げていくわ」という声がしたと思ったら、フランクは何やら口にくわえて庭に逃げ出していました。

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[何加えているのかな?]

見てみるとディズニー柄の可愛いパンティでした。トムとジュディは二人そろって申し訳なさそうな顔をして私を見ます。「え?私のじゃないわよ」と慌てて言ったら、ジュディは「私のでもないわ」、トムまで「僕のじゃないよ」・・・

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[あなた誰のパンティをくわえているの?]

あまりの可笑しさにトムとジュディも怒る気力をなくしていました。

ジュディは元学校の先生らしく、時に甘く、時に厳格に、"Frank!", "Frank, good boy!", "Frank, sit!"と一日中、フランクを教育しています。トムは次に預かるときには「しつけ教室」に入れると言っています。フランクは目下生後18ヶ月。まだまだ子供っぽいのですが、広い庭と犬好きの夫婦という理想的環境で、なんとかこのフランクくん、立派な青年犬に育ってほしいものです。

2014年4月 1日 (火)

郷に入っては

まつこです。

郷に入っては郷に従え・・・ということで、今年はニールズ・ヤード・レメディーズの基礎化粧品を使ってみることにしました。

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[シンプルにお手入れはこれだけ。とりあえずは]

もはやあれこれ迷う必要もなく、スキンタイプ"Signs of Aging"のシリーズを選択。日本で未発売のアンチエイジング・シリーズのFrankincense Intenseという新製品のクリームが出ていることをネットでチェック済みだったので、ケンブリッジに到着するやいなや買いに行きました。

1週間使ってみて感触はいいみたい。フフフ・・・。

でも肌の調子がいいのは果たしてニールズ・ヤード・レメディーズのおかげかどうかはわかりません。1)労働から解放されてストレス・フリーの状態。2)しょっちゅう雨が降って湿度が高く乾燥しない。3)ずっと曇っていて紫外線の影響が少ない。4)寒くて毛穴も縮みそう。5)時差ボケのおかげでしばらく早寝早起きだった。

などなど好条件がそろっているもので、化粧品の効果かどうかが特定できないのです。

でも信じるものは救われる。しばらくはイギリス発のオーガニック化粧品でお手入れしてみます。

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