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2013年9月 8日 (日)

サーチ・ギャラリー

まつこです。

帰国してからほぼ1週間なのですが、いまだ時差ぼけが完全に抜けきれません。「年のせいだ・・・」と、うめぞうに繰り返し言われています。

1週間前の日曜日は夕刻の飛行機に乗る前に、チェルシーのサーチ・ギャラリー(Saatchi Gallery)に行っていました。現代アート専門のギャラリーです。今回は「紙」をテーマにした展覧会をやっていました。

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[スローン・スクエアの近くのサーチ・ギャラリー。写真を撮ろうとしたらキックボードに乗った少女が急いでカメラの前に表れポーズをとってくれました]

サーチ・ギャラリーはもともとチャールズ・サーチの個人的なコレクションを展示するために開設されました。何回か場所を移動したあと、2008年にチェルシーに移ってきました。

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[1979年の選挙戦ポスター]

チャールズ・サーチと言えば、富裕なイラク系ユダヤ人の息子で、兄とともに創設した広告会社サーチ&サーチは、1979年"Labour isn't working"というキャンペーンを繰り広げ、マーガレット・サッチャー政権成立を実現した・・・

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[お騒がせカップルのチャールズ・サーチとナイジェラ・ローソン。写真はThe Timesより]

というようなことよりも、最近ではセクシー系セレブ料理人ナイジェラ・ローソンとの離婚騒動でイギリスのタブロイドをにぎわした人です。メイフェアの高級シーフード・レストランで喧嘩して、チャールズがナイジェラの首を手で締めているように見える写真で物議をかもしました。

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[ふむ・・・確かにそんなふうに見えるかも。写真はMirrorより]

いずれにせよ、このチャールズ・サーチは、1980年代以降、イギリスの現代アート・シーンの活性化させた大立て者であることは確かです。

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[ギャラリーの外観。元は19世紀の陸軍兵舎]


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[ギャラリーの内部]

すっきりとした空間に、ゆったりと作品が配されていて、1ポンドでもらえる解説パンフレットもとてもわかりやすいです。(入場料は無料。)

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[小さな袋の中の樹]

今回は"Paper"というテーマの特別展示でした。「あら、繊細!」と目をひかれたのがこちら。小さな袋をのぞきこむと、小さな、けれど堂々とした枝振りの樹木が見えます。

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[これはディオールのショッピングバッグ]

外から見るとブティックでもらうショッピング・バッグです。

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[マックの袋も、中を覗き込むと・・・]

マクドナルドの紙袋もあります。

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[やっぱり樹が立っている]

一枚の袋から繊細な木を切り出して、小さな空間の中に物語を作り出しています。ちょっと手法が寄席の「紙切り」にも似ているな、と思って作者を見てみたら日本人アーティストでした。Yuken Teruyaさん。帰宅後、改めて調べたら照屋勇賢さん、沖縄出身でニューヨークをベースにしておられるそうです。

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[壁一列に並んでいます]

解説を読むと「紙袋という消費生活の象徴から、紙の原料である樹木へと時間を逆流し、環境問題への芸術家の鋭敏な意識を反映させた作品」とのことです。そこまで意味がわからなくても、すごく繊細で、覗き込む楽しさがあって、きれいに並んだ清潔感も爽快で、気持ちの良い作品でした。

現代アートというと、なんだか難しそう、という気がしてしまいますが、ちょっと好奇心を持ってみて見ると新しい発見がいっぱい。こちらのギャラリーは観光客も少なくて、だいたいいつも空いていますから、のんびり現代アートが体験できます。

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コメント

まつこさま こんにちは

サーチ氏、しばらくニュースを賑やかにしてくれましたよねー。ギャラリーがチェルシーにあるとは知りませんでした。

さすがチェルシーにあるだけあって、おしゃれな空間! 展示もレベル高そうですね。
こういうギャラリーを無料で解放できる資産家が、英国(あるいはロンドン)にどれだけいるのか知りませんし、彼らの本当の思惑が何なのかも分かりませんが(税金対策?)、ロンドンのあちこちにあるであろうこういう穴場、探したくなりますね。

ショウガネコさん、コメントありがとうございます。

サーチ・ギャラリーは、一昨年ショウガネコさんがお買い物したキングズ・ロードのプティ・バトーの向かい側あたりです。広々したDuke of York Squareに面していて、こじゃれたカフェ/レストランもついていますし、のんびり楽しめますよ。

チャールズ・サーチはコレクションを全部、国に寄付したみたいですね。大英博物館だってもとはハンス・スローンの個人コレクションですから、イギリスには伝統的にそういう思想があるんでしょうかね。いろいろ毀誉褒貶もあるサーチ氏ですが、ダミアン・ハーストなど、イギリス発のクールなアート・シーンを盛り上げてくれた功績は大きいですね。

ドキュメンタリー映画「「ハーブ&ドロシー」を見て、個人収集家の情熱と心意気に心を打たれました。conceptual artはやはり見る者にいろいろ考えさせてくれるところに良さがあるのでしょうね。時差ボケ、私はだいたい10日かかりますよ。「年のせい」ということに異論はありません。

Pukiさん、コメントありがとうございます。

「ハーブ&ドロシー」、私は残念ながら見ていないのですが、そんなふうに情熱を傾けられるものがあればいいだろうなあ、と思います。今後、老後にむけての課題の一つです。

「時差ぼけ」×「ヴァカンスぼけ」かもしれません。仕事の仕方を忘れかけているような気が・・・。シャキッとせねば、と自らを叱咤激励しています。

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