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2013年8月31日 (土)

Relatively Speaking

まつこです。

今晩はウェスト・エンドの劇場でアラン・エイクボーンの喜劇Relatively Speakingを見ました。ちょっと意地悪な言葉遊びや辛辣な笑いにあふれた、いかにもイギリスらしい軽妙な喜劇です。

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[Relatively Speakingのプログラム]

良く手入れされた庭のある郊外の家の中年夫婦のところに、ちん入してきた若い男女。誤解や思い違いや嘘が交錯して、話が混乱するうちに、夫の浮気や、それに気づいていた妻の意地が浮かび上がってくるという物語です。

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[フェリシティ・ケンドールは今回はこんな奥さんの役ですが]

妻の役をやったのはフェリシティ・ケンドールという、イギリスのベテラン女優です。2度の結婚と、妻のいる劇作家トム・ストッパードとのおおっぴらな恋愛関係で、人生を奔放に生きる女性としても知られています。(ちなみにストッパードとの関係が収束したあと、二人目の夫のところに戻ったそうです。演技だけではなく、恋愛も実力派です。)

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[今年66歳。自分の恋愛遍歴を隠さず語るタイプの女優さんです]

このケンドールが、随所で確実に観客の笑いを誘います。亭主関白な夫ととの長年の夫婦生活の中で、澱のように沈殿している複雑な気持ちを、コミカルに表現していました。とぼけたり、戸惑ったり、ぐっと堪えたり、しっかり反撃したり。自分が浮気をしていながら、妻の恋愛なんて受け入れられないという、保守系の中年男性の欺瞞を表現する相手役のジョナサン・コイも、顔を真っ赤にして怒るほどに、観客の笑いも高まります。

一見、お行儀の良い家庭にひそむ夫婦関係の影の部分を笑いの中にあぶり出す喜劇ですが、1960年代に設定されています。21世紀の今日では、夫婦の間の秘密も嘘も、すぐにむき出しになってしまうので、これほど面白い喜劇にはならないかもしれません。

『ゴールド・フィンガー』や『ティファニーで朝食を』のポスターが貼られたロンドンの若い恋人が同棲するフラットや、マリー・クワント風のミニ・ドレス。郊外の家の白いテーブルクロスや、花柄のコーヒー・セット。開幕前には「1960年代の設定です。携帯電話はなかった時代です。鳴らないように気をつけてください」とアナウンスが流れました。イギリスがイギリスらしかった時代のイギリスらしい喜劇。古き良き1960年代に思いをはせて、ちょっとノスタルジックな気分になった一夜でした。

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コメント

まつこさま 昨夜はお疲れさまでした。

楽しい芝居でしたね〜!
これ、エイクボーンが26歳の時の作品のようです。
観客がそれぞれの年齢や立場から4人いずれかの心理に共感できるような、良く書けた芝居でした。それが26歳の作品とは。。。並外れた人間観察力と描写力の持ち主と、改めて感心しました。
こうい芝居はいくらでも見たいものです。

ショウガネコさん、コメントありがとうございます。

昨日もご一緒していただきありがとうございました。

エイクボーンは自身も何回か結婚、離婚しているようですが、両親も別居・再婚とかいろいろあって複雑な環境で育ったようです。結婚生活を辛口な笑いで描くのは、そのあたりの事情が関係しているのかもしれませんね。

74歳になった今年も新作を発表したとか。まだまだがんばってますね〜。

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