名優コズモ:『人生はビギナーズ』
まつこです。
数日前の会話
まつ:「ねえねえ、何か軽いコメディでも観たいね」
うめ:「ゲイだとわかって親子がもめる映画の予告編あったよね。あれ観たいな」
まつ:「ああ、あれね。了解、TSUTAYAで借りとくわ」
そして今日
まつ:「あの映画のDVD届いたわよ」
うめ:「じゃ、さっそく観よう」
しかし映画が始まってみると、あれ・・・これ・・・違うんじゃない???
私たち二人が観ようと思っていたのは『あしたのパスタはアルデンテ』というイタリア映画です。「笑って泣けるとびきりの感動作」とのこと。息子がゲイと知って頑固おやじが激怒して・・・という騒動を映画いたコメディのはず。
ところが私がうっかり間違えて注文したのはアメリカ映画『人生はビギナーズ』でした。こちら75歳の父親が、実はゲイだったと告白する映画。心の痛みや家族愛を静かに描いた映画でした。
[間違えて頼んだDVDだけど面白かった『人生はビギナーズ』]
父と母との関係、父の闘病と死など、複雑な家族を背負ったために極端に内省的になって、女性と継続的な関係を築くことができない主人公。その30代後半の男性主人公を、ユアン・マクレガーが抑制のきいた演技でうまく表現しています。過去のフラッシュ・バックと現在が交錯しながら、心理の断片が少しずつ明らかにされる叙情詩のような映画でした。
主人公のユアン・マクレガーだけではなく、父親役でアカデミー・助演俳優賞を獲得したクリストファー・プラマーなど、どの役者も細やかな演技で、大人がじっくり楽しめる完成度の高い映画です。
そしてこの映画の忘れてはいけない名脇役は・・・
生きることに不器用な人間達をそっと見守ってくれる犬のアーサーです。コズモという名前のワンちゃん俳優で、すでにハリウッドでの出演作もいくつかあるようです。この映画でもほのぼのした表情で見る人の心をぐっとつかむ名優ぶりを発揮しています。
ユアン・マクレガーファンの人のみならず、犬好きな人にもぜひお勧めしたい映画でした。
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