« スズラン | トップページ | 晩柑 »

2013年4月22日 (月)

老人ホームの音楽事情

まつこです。

週末は日曜日に大阪の老人ホームの母を訪ねました。老人ホームにはときどきボランティアの方たちが来て、楽器の演奏や歌を聞かせてくれます。この日はバイオリン演奏会。

Dsc01992
[老人ホームの音楽会]

ボランティアでいらっしゃるのは、必ずしも技術的に高い方ばかりではありません。アマチュアで一生懸命練習している人が発表会をかねていらっしゃることもあります。

この日のバイオリンの方たちも、人前で演奏した経験がほとんどないそうで、50人ほどの聴衆を前にコチコチに緊張しておられる様子が微笑ましかったです。

高齢者の聴衆の皆さんのために、良く知られているアイルランド民謡やヨハン・シュトラウスのポルカなどを弾いてくれました。でも老人たちに一番ウケるのは何と言っても小学唱歌です。『春の小川』、『春が来た』、『花(春のうららの隅田川)』などが流れると、自然と「はーるがきーた、はーるがきーた、どこにきた〜」とおばあちゃん達が声を合わせ始めます。

そしてこういう音楽関連のイベントのたび、最後の曲はほぼ決まって『ふるさと』。「うさぎおーいし、かのやーまー、こぶなつーりし、かのかーわー」

高齢者の方達が少し震える声と少し外れた音程で声を合わせてこの歌を歌っているのを聞くと、いつもちょっとウルっときます。ほとんどの人が戦前戦中の少年少女。その多くが日本各地の田園風景の中で育ったことでしょう。都会でも風景ははるかにのどかだったはず。それから70年、あるいは80年を経て、すっかり変わった日本の景色の中の四角いビルの一つで最後の日々を過ごしている。「夢は今もめぐりて」と歌いながら、この老人たちはどんな風景を思い浮かべているのかしら・・・。

演奏会の後、私と同世代の介護職員の方とおしゃべりをしました。「やっぱり小学唱歌が一番ウケますね。でも私たちが老人になった時は、小学唱歌じゃないわよね。30年後の老人ホームではどんな歌を歌うのかしらね?」と私が言うと、その職員の方は「そりゃ、聖子ちゃんとかじゃないですか。みんなで『赤いスイートピー』とか歌うんでしょう」と笑っていました。「I will follow you...」と声を張り上げながら、「あーあ、あの頃は景気も良かったし、オシャレも楽しかったなあ〜」と回想をめぐらせるのかもしれません。

でもその前に、まずは団塊の世代が老人ホームに大量入居。あっちこっちの老人ホームでビートルズやタイガースの歌が聞かれる時代が来るんでしょうね。

« スズラン | トップページ | 晩柑 »

コメント

まつこさま

じゃあ今の若者たちはヒップホップとか歌うのでしょうかね・・・(笑)。

映画「カルテット」もそういう意味では面白そう。GW中にでも行こうかしら、と思っています。もうご覧になりましたか?

欧米だとこれが聖歌になるのでしょうか。そう思うと、日本の小学校の音楽教育はたいしたものですね。だから日本人は歌がうまいんだと、夫がいつも感心しています。たしかに、やたらと歌わされましたもんね~。家族旅行の車の中でも。私は、やっぱり童謡とかアニメソングを歌いそうです。あとは宝塚か・・・(今も歌える→ドヤ顔)。

ぽにょさん、コメントありがとうございます。

うーんと長生きしてヒップホップ世代と老人ホームで一緒になったら大変そう。無理して話を合わせるのも疲れそうだし、「ああ、あなたたちゆとり世代だった人たちね」とか嫌み言っちゃいそうだし。

「カルテット」ってマギー・スミスの出ている老人映画ですね。まだ観ていません。イギリスのおじいさん、おばあさんの演技は味があるので楽しみです。

Pukiさん、コメントありがとうございます。

イギリスの場合、聖歌隊に入っていてめちゃくちゃうまい男の子と、「音楽? そんなガーリーなこと嫌だよ」という両極端に間に、幅広く広がっているような気がしますね。日本は、学習指導要領にのっとった全国一律の音楽教育。「あーきのゆうひーに」と誰かが歌い始めれば、すぐに二重唱ができる。画一教育の成果ですね。

今度、Pukiちゃんの「愛あればこそ」、ぜひ聞かせてください!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 老人ホームの音楽事情:

« スズラン | トップページ | 晩柑 »