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2013年3月14日 (木)

女将

まつこです。

旅館『蓬莱』といえば女将の古谷青游さんの高い美意識に支えられた宿として有名でした。先日、宿泊した別館のヴィラ・デル・ソルのインテリアも、アンティークの家具をひとつずつ女将が買いそろえたのだそうです。

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[マントルピースには大輪のユリの花がたっぷりと活けられていました]

経営が星野リゾートに移り、宿の名前も『蓬莱』から『星野リゾート界熱海』に変わったので、もう女将もいらっしゃらないのかと思っていましたが、二日目にお目にかかりました。「あちらにあるラリックの花瓶、持ってきてちょうだい」という声の主を見ると、紬の羽織を着た女性が凛とした表情で従業員に指示をしていました。見た瞬間、「ああ、この人があの有名な女将さんね」と確信しました。もう70代も半ばでいらっしゃるはずですが、老舗旅館の女将にふさわしいオーラを発しておられました。

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[百合の花の匂いで一時的に花粉症になったうめぞう。重厚な雰囲気をぶちこわすくしゃみ。背後にはマティスの絵]

重厚なラウンジには幾枚ものマティスの素描画が飾られています。「マティスは飽きがこなくていいわ」とおっしゃっていました。

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[私たちが泊まった部屋の家具は修理中のため仮のものが置かれていました。それでも十分に雰囲気ありました]

パブリック・スペースだけでなく、客室に備えられた浴衣やお風呂に行くための草履まで、すっきりしたデザインのセンスの良いものがそろっています。部屋のオーディオも古いけれどバング・アンド・オルフセンのものでした。

星野リゾートに経営を移譲し、『蓬莱』の名を失う過程では、いろいろ葛藤もあったのでしょうが、毅然とした表情で百合の大輪を活ける古谷青游さんの姿は、この宿にふさわしい威厳がありました。70代のハンサム・ウーマンに敬意を感じた旅でした。

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