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2013年1月 3日 (木)

母の幼なじみ

まつこです。

今日は大阪の母を訪ねました。

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[新幹線から富士山がよく見えました]

新幹線の車中で母の友人の男性からのメールを受け取りました。母に代わって年賀状を書き、母のことを心配してくださっているので、安心してもらうために最近の母の写真も一緒に添えて送っておいた、そのお礼のメールでした。母の写真を見て、「年甲斐もなく涙ぐんでしまった」とありました。

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[老人ホームのお正月。老人ホームでもおせち料理が出たり、松飾りが飾られたりします。入居者を訪ねてきた家族の方が、「うちよりよっぽどお正月らしいわ〜」と苦笑いしていました]

母とこの男性は同い年。家もすぐ近所で、まるで双子の兄妹のように一緒に成長したようです。この男性のご家庭はお父様が戦争に行っておられる留守を、お母様と子供たちが力を合わせて守っておられたそうで、両親が教員をしていて比較的余裕のあった母の家庭が、若干の支援をしていたというような関係だったようです。

大人になっても母はこの方を「エイスケ」(仮名)と親しげに呼び捨てにし、この方は母のことを「ユキコさん」(仮名)と、常に礼儀正しく「さん」付けで呼んでいました。母が認知症になったと知ると心を痛めて、「残念でなりません・・・」という心のこもったお手紙やメールを娘の私宛にくださいました。いつも折り目正しい文面と、端整な文字のお手紙に、誠実さがあふれています。

母に「〇〇さん(名字)からご連絡いただいたわよ。よろしく言ってくださいって書いてあったわよ」と伝えても、母は「誰?知らないわ」とキョトンとしています。「ほら、あのエイスケだよ」と呼び捨てにしたら、母の記憶がよみがえり、「ああ、エイスケね」とニッコリ笑っていました。

二人の間では、子供時代の大切な思い出が共有されているようです。のびのびとお嬢さんふうに育った「ユキコさん」と、苦学ののちに東京で出世した「エイスケ」。この二人の間には、ひょっとして『嵐が丘』みたいな物語があったのかも・・・と娘の私は勝手な空想を繰り広げています。でも、たとえ血がつながった娘でも踏み込むことのできない母の思い出の世界。遠くでそっとしておきましょう。

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コメント

お母様と幼なじみの方の美しくて優しい交流に、せつないけれども心あたたまりました。まつこさまの勝手な空想も微笑ましい限り。文学者の性(さが)ですもの、こればっかりは好きにさせてもらいましょう。私の方は大阪のホテルに家族一同集まり、賑やかなお正月を過ごしてきました。うめまつ日記、今年も楽しみに愛読します。

Pukiさん、コメントありがとうございます。

母たちの世代は戦中に子供時代を過ごし、戦後の変化の中で青春期を過ごし、いろんな思いを共有しているようです。人間関係が淡白になったその後の世代は、こんなふうに涙し合うことはないだろう、と思うと少しうらやましくすら感じます。

ホテルでのお正月なんていいですね〜。私も一度温泉かホテルでお正月やってみたいです。

今年もどうぞよろしくお願いします。

まつこさま

昨年は大変お世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今冬は大変な寒さですが、皆様ご健康にお過ごしください。

たびたび姪っ子の話で恐縮ですが、2歳というのは人生の基盤を作るとても大事な時期なんだそうです。自分と自分の外の世界との区別が出来始め、言葉などを使ってそれに対処するようになります。この時期、「世界は楽しい!」ということが刻み込まれるのと、「世界は恐ろしい」ということが刻み込まれるのでは、まるで違った人生になるということですね。
子供時代が人間を作るというのは、本当なんでしょう。(子供がどういう段階で言葉を身につけてゆくか、観察していると本当に面白い!)

良い一年になりますように。


ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

姪御さん、もう2歳ですか。よその子供は早く大きくなると言いますが、本当ですね。おじいちゃん、おばあちゃん、おばちゃんに、愛情をたっぷり注がれ、楽しさ一杯のお正月を過ごされたことでしょう。2歳の時の経験は記憶に残らなくても、人格の中に刻みこまれるんでしょうね。

大学1年生の時の担任(女性)が、変形生成文法の専門家だったのですが、子供がちょうど2、3歳で、授業の時に「今日、子供が初めて否定語を使いました。『ワンワン、いない』って言いました」とうれしそうに言っていたのを思い出しました。

今年もよろしくお願いします。

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