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2012年11月

2012年11月29日 (木)

夫の留守に食べるもの

まつこです。

今日はうめぞうが飲み会だったので、一人ご飯。そんな今日の夕食は、牡蠣のグラタン。

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[寒い夜に熱々グラタンをフーフーしながら食べる・・・最高です]

グツグツと音をたてている熱々のグラタン。美味しかったです。

自分一人のためにグラタンを作るなんて、ちょっと手間だと思うかもしれませんが、ハインツの小袋に分かれたホワイト・ソースを使ったので簡単。玉ねぎとほうれん草とペンネを入れました。(本当はホワイト・ソースも自家製の方が断然おいしいんだけど。)

実はうめぞうは数年前から牡蠣アレルギーになってしまいました。もともと好物だったのに食べられなくなってしまったのです。牡蠣は私も好物ですが、うらやましそうに見ているうめぞうの視線を感じながら食べるのは、ちょっと居心地悪い。

そのため、冬になると、うめぞうのいない日に牡蠣を食べるようにしています。留守番主婦の密かな楽しみです。うめぞうのスケジュールを眺めて、次に牡蠣が食べられる日を楽しみにしています。

2012年11月27日 (火)

朝の光

まつこです。

寒くなってきました。あわただしい朝の通勤時に、ふと足をとめたくなる美しい景色に出会える季節でもあります。

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[駅へと急ぐ途中で・・・]

通勤時に東大農学部の中を通り抜けさせてもらっています。シーンと静まりかえった早朝のキャンパス。たまに犬を散歩させている人がいるくらいで、誰もいません。

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[色づいた葉を通して射し込む朝の光が美しい]

真っ青な空に、鮮やかな黄色の銀杏の木々。一瞬、足を止め、深呼吸。さあ、今日も一日、がんばろう、という気持ちになります。

晩秋から初冬にかけて、東京の街が美しくなる季節ですね。

2012年11月24日 (土)

ホリデー・シーズン

まつこです。

今日は大阪の母を訪ねてきました。今日の東海道新幹線は大混雑。3連休に京都観光を楽しむ人が多いようです。私もたまには一泊して京都のお寺の庭でもゆっくり眺めてみたいとちょっと思いながら、今日もとんぼ返り。「行ったり来たり、あなたも忙しいわね〜」と言いながら母は手を振って見送ってくれました。

老人ホームでは職員の方たちがクリスマスの飾り付けを始めていました。アメリカでも感謝祭が終わって、ホリデー・シーズン。私も、帰宅後、クリスマス・ツリーを出しました。

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[例年通りの飾り付け]

クリスマス・ツリーの飾り付け作業をしながら流していた音楽はスーザン・ボイルの新アルバム、Standing Ovation 。数日前にBBCのインタビュー番組に出て、新アルバムの宣伝をしていました。3年前に突然、世界中の注目を浴びた頃に比べればずいぶんマスコミ慣れしたようですが、学習障害でいじめられた経験や、母の思い出の残る小さな家に一人で暮らす生活を、問われるがままに訛りの強い素朴な口調で話しているのを聞いたら、ちょっと切ない感じがしました。

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[スーザン・ボイル4枚目のアルバム、Standing Ovation]

Standing Ovationはよく知られたミュージカル・ナンバーを集めたアルバムです。大ファンだったというダニー・オズモンドとデュエットもしています。名声と富を得ても純朴なままのスーザンですが、インタビューの終わりで、彼女を世に出したサイモン・コーウェルをどう思うかと問われ、「答え方に気をつけなくちゃ。彼は頭が良くて抜け目のない人ね」(clever and shrewd)と答えていました。この巧みな返答を聞いたら、隠れた才能を発掘しては食い物にする残酷なショービジネス界の中で、スーザンも成長したんだなあと思いました。

素直な伸びやかな声で歌うミュージカル名曲集は、ホリデー・シーズンにちょうど良い一枚です。クリスマス・ツリーのイルミネーションとちょっとセンチメンタルなポップ・ミュージックと甘いお菓子があれば、冬の長い夜も楽しくなります。

2012年11月23日 (金)

どら焼き

まつこです。

明日は祝日。今週もがんばった私にご褒美・・・

と言っても、洋服でもワインでもなくー

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[たねやのどら焼き]

今週のご褒美は「どらやき」。

実はどら焼きが好物。今日は「たねや」のどら焼き。皮がフワフワでおいしい!紅葉の模様の塗りのお皿にのせて、どら焼きにも季節感を演出してみました。

どら焼きとほうじ茶でしみじみと秋の夜を過ごしています。

2012年11月21日 (水)

今日も柿、Day 5

まつこです。

優等生主婦のみすぷりんさんから「柿の入った酢の物がおいしい」とアドヴァイスいただいたので、さっそく作ってみました。

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[柿と大根のなます]

柿の甘みと酢があいます。色がちょっとお正月風です。

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[今日の夕飯]

今日のメニューは、このなますの他に、キノコ入り鴨南蛮そば、プチトマトとキクラゲ入り炒り卵(塩麹風味)、ほうれん草のおひたしです。

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[キノコ入り鴨南蛮そば]

鴨南蛮のお出汁に入れるネギは、焼いてから入れる方が甘みが出ておいしいような気がします。

柿を使ったお料理はまだまだいろいろあるようです。新潟の実家の裏庭では、柿の木にまだまだたくさん実がついていました。日本海側の冬の空は灰色ですが、葉が落ちて実だけが残った柿の木が、その灰色の空を背に立っている・・・。柿の実を見ると、そんな風景を思い出します。

厳しい冬が近づいていますが、寒さの中で粘り強く律儀に暮らす北国の人々に声援を送りたい気持ちになりました。


2012年11月20日 (火)

今日も柿、Day 4

まつこです。

今日は昨日、ネットで見つけたマーサ・スチュワートのレシピで、柿のサラダを作ってみました。Watercress Salad with Persimmons and Hazelnutsです。

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[柿とクレソンのサラダ]

レシピではヘーゼルナッツを使うことになっていますが、ないのでクルミで代用。赤いチコリもないので、普通の白いチコリに代用。ヘーゼルナッツ・オイルもないので、オリーブ・オイルで代用。でもおいしくできました。

柿、クレソン、チコリ、ヤギのチーズ、ローストしたクルミが入っています。ドレッシングはみじん切りのエシャロットと、オレンジの絞り汁、ワイン・ヴィネガー、オリーブオイル、蜂蜜、塩、胡椒。甘み、酸味、苦みがとても良いバランスでした。ヤギのチーズのクセも甘みとうまく組み合わせられています。さすがカリスマ主婦マーサ・スチュワート!

赤ワインがほしくなる味ですが、食後に明日の仕事の準備をしなければならないので、ぐっと我慢。ちょっと残念でした。あまり重くない赤ワインと合いそうです。今度、休日前にまた作ってみます。

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[ブロッコリーとトマトソースのパスタ]

ちなみにもう一品はパスタ。「ジリ」という名前の変わった形のショートパスタです。「ジリ」(Giglio)は百合という意味だそうです。フィレンツェのシンボルですね。でもうめぞうは、ビラビラとした奇妙な形を見て「タコの足みたい」と言っていました。

2012年11月19日 (月)

今日も柿、Day 3

まつこです。

新潟から持ち帰った柿。今日も朝晩いただきました。

朝食はうめぞうが担当。いつものリンゴ & にんじんジュースに柿も加えたそうです。

夕食は私の担当。「柿とリンゴのサラダ」を作りました。先日の「柿とカブのサラダ」「柿と春菊の白和え」に続き、夕食の柿料理3日目です。

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[柿とリンゴのサラダ]

レモン汁、マヨネーズ、ヨーグルトを適量混ぜ合わせてドレッシングにして和え、イタリアンパセリを散らしただけ。簡単だけど美味しかったです。

ちなみに今日のメニューはこのサラダと、ジャガイモ入りのイタリアンオムレツ(ちょっと焦げた)、ペンネのトマトソース、ブロッコリー。ベジタリアン・ディナーでした。

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[今日の夕食]

柿は英語で"persimmon" 。インターネットで"persimmon, receipes"で検索したら、予想外にたくさんのレシピが出てきました。マーサ・スチュワートの「焼き柿」なんてのもありました。(
Martha Stewart Living, Persimmon Recipes)

いろいろ調べて試してみようと思います。

2012年11月18日 (日)

柿、柿、柿

まつこです。

新潟から東京に戻りました。たいして荷物がないので、軽いはずのキャリーケースが妙に重い・・・。

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[数えたら30個ありました]

帰宅して開けてみると、ケースいっぱいに大量の柿が入っていました。

今日の新潟は冬の嵐。北西の冷たい風に雨がまじって横なぐりに吹き付けていました。その悪天候の中、うめぞうはレインコートを着て「柿を取ってくる」と外に出て行きました。

それにしてもこんなにたくさん詰め込むなんて!

柿を使ったデザート、柿を使ったお料理など、柿のおいしい食べ方をご存知の方がいたら教えてください。

2012年11月17日 (土)

ブリ大根と燗酒

まつこです。

今日は曇天。

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[そろそろ冬景色]

ふもとの里山は鉄さび色に紅葉していますが、高い山はうっすら雪化粧していました。

そろそろお燗をしたお酒がおいしい季節です。この季節、燗酒に合うものといえば、ブリ大根!昨日煮て一日おき、じっくり味をしみ込ませた大根がおいしい!

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[今日のお夕飯]

ブリ大根の他に、地元の漁港にあがったカワハギのお刺身、柿と春菊の白和え、ネギとシイタケのグリル、カブと大葉のサラダなど。それに母の友人が持ってきてくださった五目おこわ。冷たい雨の中、ほかほか温かい蒸したてのおこわを持ってきてくださいました。

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[ぬるめにお燗をしたお酒は吉乃川]

今日もおいしいものを食べ、のんびりした週末を過ごしています。

2012年11月16日 (金)

晩秋

まつこです。

雷鳴を聞きながら就寝したのですが、朝起きてみると雨はあがっていました。雨にぬれた紅葉が色鮮やかです。
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[晩秋の庭に残っている紅葉]

冬がすぐそこまで来ている新潟ですが、わずかに秋のなごりが庭に残っています。菊の花が冷たい雨にうたれても健気に咲き残っていました。
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[薄紫色の菊の花]

でもこの人の場合は、花より団子・・・。
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[たわわに実った柿の実]

裏庭の柿の木にはたくさんの実がついていました。うめぞうがうれしそうに収穫しています。
夕食ではこの柿を使ってサラダを作ってみました。
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[柿のサラダ]
柿、カブ、春菊を合わせたサラダです。柿とカブの薄切りを、オリーブオイル、ワインビネガー、塩、胡椒のドレッシングで和えしばらくおきます。春菊はパリッとしたままにしたかったので、食べる直前に加えます。柿の甘味と春菊の苦みの組み合わせが意外にもあって、なかなかおいしいサラダになりました。
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[越後牛のステーキ]

メインは新潟産の和牛のステーキ。付け合わせも新潟産にこだわって、ブロッコリー、マイタケ、シイタケ。
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[ご満悦のうめぞう]

この時期になると裏日本は雨模様の日が多くなります。今日はめずらしい晴天でした。美しい晩秋を満喫した一日でした。

2012年11月15日 (木)

ボジョレー

まつこです。

今日はボジョレー解禁日。買う気はなかったのに、駅ナカの紀ノ国屋に人が集まっているのをみたらついつい参加してしまいました。

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[新幹線の中、ボジョレーとサンドイッチでお夕飯]

・・・というわけで、新幹線の中でボジョレーで乾杯。

先ほど、新潟に到着しました。見上げると満天を埋め尽くす星空!思わず歓声をあげてしまいました。うめぞうは「あれがカシオペア、あちらがオリオン座・・・」と、その昔の科学少年の知識を披歴しています。

ところが、少し前からゴロゴロと雷鳴が聞こえています。日本海側はもう冬です。今晩は冬の嵐になるかもしれません。

2012年11月11日 (日)

ブリジットが帰ってくる!

まつこです。

日本でも人気を集めた『ブリジット・ジョーンズの日記』の原型となるコラムが日刊紙『インデペンデント』に掲載され始めたのは1995年のこと。それが翌年に単行本化されると、各国語に次々と翻訳され、世界的ミリオン・セラーとなり、映画化、ミュージカル化、さらに1998年には続編も出版されました。

体重の増減、タバコの本数、ワインの量、留守電のメッセージ数、そしてセックスの回数を、日記に記録する独身ワーキング・ウーマン。その本音満載の日記に共感する女性たちの間で、「ブリジョン」は一大現象でした。

そのブリジッド・ジョーンズの日記の第3作目が、来年、出版されるそうです。

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[ヘレン・フィールディング近影。チャーミングなインテリ女性という印象は10年前と変わりませんが、しかし顔には確かに過ぎて行った10余年の年月が刻まれています。「ああ、あなたもいろいろあったのね〜」、と思わず声をかけたくなりました]

作者ヘレン・フィールディング(Helen Fielding)は1958年生まれ。オックスフォード大学を卒業後、BBCやテムズTVで働いた後、インデペンデント紙やテレグラフ紙にコラムや記事を書くジャーナリストとなりました。『ブリジッド・ジョーンズ』第1作が映画化される頃からロサンジェルスに移り住み、『シンプソンズ』のプロデューサーと結婚し、二児の母となりました。(注:大学時代は同じオックスフォード大のリチャード・カーティスと付き合っていたとか。)

学歴、キャリア、恋愛、結婚、出産、いずれにおいても「勝ち組」のヘレンでしたが、21世紀のサクセスフル・ウーマンは離婚、シングル・マザーという苦境も力強く乗り越えて行きます。2年ほど前に、子供をつれてロンドンに戻ってきて、子育てしながら現在、第三作目を鋭意執筆中とのことです。

BBCのインタビューでは第三作目の内容についてほんのちょっとヒントを語っていましたが、ブリジットは今でもダイエットと禁煙、節酒という目標に向け、相も変わらず苦闘中だそうです。「でも彼女も成長しているのよ」とのこと。最初に単行本化されたとき、夢中になって一夜にして読み切ってしまった同世代の元シングルトンとしては、その成長ぶりを読むのが今から楽しみです。

2012年11月10日 (土)

ニコライ堂

まつこです。

書道の稽古を40代になってから始めたのですが、母の遠距離介護のために止めてしまっていました。もう一度、再開しようと思って先生を捜していました。

最近、御茶ノ水に新しく教室ができたとネットで知り、先週、体験稽古に行ってみました。駅のそばの雑居ビルの中です。なんだか狭苦しいビルだな・・・と、やや気分がひけていたのですが、ドアを開けて教室に入ったとたん、「あ、ここに通おう!」と心が決まりました。

それは窓の外に、こんな景色が見えていたからです。

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[ニコライ堂は正式には「東京復活大聖堂」という名前だそうです。日本における正教会(オーソドックス・チャーチ)の本山です]

ニコライ堂を見たとたん、ああ、懐かしい・・・と感じました。私が初めて東京で暮らし始めたのは18歳の時。叔父の家に寄宿させてもらいながら、御茶ノ水の駿台予備校に大学受験のために通っていました。

以来、私の東京生活は御茶ノ水界隈といつも関わっていました。大学院時代のアルバイトも御茶ノ水。就職先の大学も御茶ノ水。今も非常勤の仕事で週に1度は御茶ノ水。

その30余年の間に、御茶ノ水の街の様子もすっかり変わりました。前は駅のところからすぐそばに見えていたニコライ堂は、いつのまにか立ち並ぶ背の高いビルに囲まれて見えなくなっていました。

このニコライ堂のドーム型の屋根を見たとたん、まだ古かった明治大学の校舎や、重々しいYWCAの建物、主婦の友社の本社ビルなど、30年前の御茶ノ水界隈の街の様子が鮮やかに思い出されてきたのです。

書道教室には今週から通い始めました。ただ文字を書くことだけに集中し、くたびれて筆を休めると、しばし窓の外のニコライ堂を眺めます。ふと時が止まったような静かなひとときです。

2012年11月 8日 (木)

ノヴェッロ

まつこです。

最近はボジョレー・ヌーボー解禁日もそれほど話題にならなくなりました。ヌーボー解禁日までまだ少しありますが、今年のイタリアの新酒は10月30日が解禁日だったのだそうです。

今日はそのノヴェッロを飲んでみました。

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[Conti Zeccaはイタリア南東部プーリア州のお酒らしいです]

新酒なので軽めのカジュアルに楽しめる味です。

お酒にあわせて食事もイタリア風に。

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[サラダ]

冷蔵庫にあるものを適当に混ぜ入れたサラダ。チキンとリンゴと赤玉ねぎと松の実など。

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[パスタ]

これも家にあった乾燥ポルチーニをもどして作ったパスタ。キノコのパスタと新酒で、ぐっと秋の気分になりました。

空が澄みわたり、空気がひんやりして、木の葉の色が変わり始めるこの季節。街の風景も美しく、食べ物もおいしく、一日一日が大切に感じられます。沈みきる前の夕日の茜色をぐっと濃くしたような赤ワインを口にふくみながら、晩秋の趣も一緒に味わう夜です。

2012年11月 2日 (金)

われ、それ風とならんかな

ひさびさにうめぞうです。

夏休みころまではユーロ圏の行く末を心配していたのが、ここにきて東アジア情勢が気がかりなことになってきた。
直接の引き金は東京都知事の尖閣購入発言とその後の国有化。伏線は民主党政権による「島への国内法の適用」と「棚上げ合意の否定」。ただでさえ薄氷を踏むような日中関係を、実効支配している側からわざわざ突き崩すという愚策を、この時点でなぜ日本政府が選択したのか。うめぞうの目を引くのは、都知事発言が米国のヘリテージ財団で飛び出したという事実だ。一連の動きの背後には、もう少し大きな力が働いていると見るべきだろう。
東西のイデオロギー対立が終わった後、産軍複合体は新たな緊張の火種を探してきた。着目したのは、宗教対立と民族対立だった。冷戦に勝利を収めた資本主義は金融化とグローバル化によって貧富の格差を拡大した。各国政府は金融部門の富に動かされ、この趨勢に抵抗するよりも、むしろ適応する道を選んだ。こうして採られた新自由主義政策が雇用や生活を不安定化させた。
排除された人々はグローバル化に反感を抱き、情緒的一体感を与えてくれる宗教共同体や民族共同体に希望を託すだろう。政府の形式主義や官僚主義に失望した彼らはカリスマ的指導者の権威に服従しようとするだろう。それはやがて宗教対立と民族対立の火種となっていく。金融部門と産軍複合体部門は、このようにして互いの利益を支えあっている。
次の選挙の主役となる日本の政治家たちは、今いっせいに憲法改正を主張している。戦争放棄を宣言した画期的憲法のもとで、半世紀以上にわたってただ一人の戦死者も出さず、軍需産業に依存しない経済を作り上げてきたこの国の平和主義に、彼らはなぜ誇りを持てないのか。これこそ世界に誇れる文明史上の一大功績にあらずや。
日清日露戦争が起こる以前、中江兆民の『三酔人経綸問答』に登場する洋学紳士君はこう述べていた。
「民主、平等の制度を確立して、人々の身体を人々に返し、要塞をつぶし、軍艦を撤廃して、他国にたいして殺人を犯す意志がないことを示し、また、他国もそのような意志を持つものではないと信じることを示し、国全体を道徳の花園とし、学問の畑とするのです。」
「試みにこのアジアの小国を、民主、平等、道徳、学問の実験室としたいものです。ひょっとすると、私たちは世界のもっとも尊い、もっとも愛すべき、天下太平、万民幸福という化合物を蒸留することができるかもしれないのです。」
今日こんなことを言えば、豪傑君ならずとも、そんな甘っちょろい理想を一方的に掲げても、それにつけこんで敵が攻め込んできたらどうするのか、と問いつめることだろう。洋学紳士君はこんなふうに答える。
「もし彼らが頑迷凶悪で、心に恥じ入らないだけでなく、こちらが軍備を撤廃したのにつけこんで、たけだけしくも侵略して来たとして、こちらが身に寸鉄を帯びず、一発の弾丸をも持たずに、礼儀正しく迎えたならば、彼らはいったいどうするでしょうか。剣をふるって風を斬れば、剣がいかに鋭くても、ふうわりとした風はどうにもならない。我れ其れ風と為らん哉」
ちなみに、この戦法は、まつこの攻撃に対するうめぞうの戦法としてすでに20年近く実証済みである。かつて一度たりとも喧嘩なく、うめぞうが数多くの失策を重ねてなお、一度たりともまつこの鋭い剣先がわが心身に傷痕を残したことがない。
家族関係、職場関係に悩む諸氏もぜひ、この戦法を試して見られたい。
「われ、それ風とならんかな」。

2012年11月 1日 (木)

喜寿

まつこです。

今日から11月。東京も空が澄み渡って、早朝には朝焼けがきれいです。

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[朝6時過ぎくらいの東の空]

今日は母の誕生日。77歳です。朝から何度か電話をかけてはみるものの、母は受話器を取りません。最近、ベッドで眠っている時間が長くなり、電話の呼び出し音にも反応しなくなってしまいました。

仕方がない・・・と思いながら、少し寂しい気持ちで秋の空を眺めていると、午後になって義妹からメールが届きました。「おかあさんの誕生日ですね」というタイトルで、写真が添付されていました。

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[義妹がケーキを持って母を訪ねてくれました]

メールを見てすぐに電話をしてみると、義妹はまだ母の居室にいてくれて、電話を取り次いでくれました。

まつこ:「今日はママの誕生日だよ。77歳だよ。おめでとう。」
母:「え、私の誕生日? ちっとも知らなかったわ。」
まつこ:「77歳だよ。元気で誕生日を迎えられてよかったね。」
母:「そう、子供の頃は病弱だったのにね。」
まつこ:「誕生日のお祝いしてもらってよかったね。」
母:「え? 誕生日? 知らなかったわ。」(会話冒頭部分に戻る。以下同文。)

たったこれだけの内容の会話ですが、誕生日に声が聞けて良かったです。ささやかな喜びですが、いちおう「喜寿」。「ママ、77歳だよ。おめでとう!」を5分程度の長さの電話で、10回くらい繰り返した誕生日でした。

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