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2012年6月 5日 (火)

寡黙な男たち:『裏切りのサーカス』

まつこです。

うめぞうが見たいというので、映画『裏切りのサーカス』(Tinker, Taylor, Soldier, Spy)を見に行きました。エンディング・クレジットが流れ出したとたん、うめぞうが耳元でささやきました。「難しくてわからなかった・・・。」

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[初老の諜報部員スマイリーを渋く演じたゲイリー・オールドマン]

味方を欺き、敵を騙し、嘘と秘密を抱え込んで生きる諜報部員たちを描いた映画です。その中の二重スパイは誰か・・・。虚と実が、現在と過去が、複雑に交錯する迷路の中に、観客も迷い込んでしまうように作られています。

それでも面白い。わからなくても面白い、そんな映画です。

大きな魅力の一つは、初老のスパイの孤独の深さをじっくりと描いているところでしょう。翳りのある主人公スマイリーをゲイリー・オールドマンがいぶし銀の演技で演じていました。タフでハードな世界で生きてきた男は、多くを語らず、密やかに、真相を探っていく。あ〜、かっこいい〜。

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[こちらも『ロシアハウス』で渋い演技を見せたショーン・コネリー]

この映画の原作Tinker, Taylor, Soldier, Spyと同じく、ジョン・ル・カレの小説を原作とする映画『ロシア・ハウス』でも、ショーン・コネリーが、東西冷戦の情報戦に巻き込まれて、重要な秘密を抱える寡黙な男を演じていました。女性にモテモテのジェイムズ・ボンドもいいけれど、この初老のアマチュア・スパイを演じたショーン・コネリーもとても素敵です。

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[こちらはよくしゃべる男うめぞう。スパイには絶対になれないタイプ]

やっぱり男は無口に限る・・・と思いながら余韻にひたっていると、「やっぱりボクには難しすぎるね、この映画。君は全部、わかったの?ボク、わからないところだらけだったよー」と、ペラペラと正直に告白するうめぞう。まあ、夫にするなら、嘘のつけない、秘密のない男のほうが良いかもしれません。

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[COVAのデザート。リンゴのタルトとモンブラン。お上品な味でしたが、大きさ(小ささ)もお上品]

映画の後は、有楽町のCOVAでランチを食べながら、あの場面が良かった、あの台詞の意味がわからなかった、あの人物とこの人物はどういう関係か、など話題はつきません。あの小さな写真に写っていた男性は・・・、あの後ろ姿しか見せない女性は・・・、と細部にこめられた意味を解き明かす面白さのある映画でした。

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コメント

まつこさま

Tinker, Tailor, Soldier, Spy!!
面白いですよね〜、分からなくっても。
Gary Oldman の声が好きです、私は。
スパイものは、ハマりだすととめどなくなるので困ります。不謹慎ですが、WW2は英国にとって尽きせぬスパイもののネタ宝庫ですよね。先週は Robert Harris のEnigmaを読みました。今は Ken Follett の Eye of the Needle を読んでます。Enigma の方はなんと Stoppard の脚本で映画化されていると知ってこれも購入。。うう。泥沼です。

ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

「悪貨は良貨を駆逐する」のThomas Greshamもスパイだったとか、Christopher Marloweもケンブリッジ大学に在籍しながらスパイ活動をしていたとか、イギリスのスパイの伝統は奥が深そうですね。

Enigma,さっそく見てみます!『ロシアハウス』の脚本もStoppardですが、Stoppardは同じ名前の人物を自作のHapgoodにも登場させています。これもダブルスパイもので、よく読んでもわからないけどおもしろいです。こんなのばっかり読んで泥沼にはまりきって暮らしたい〜。

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