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2012年6月22日 (金)

宇宙の真理

まつこです。

仕事で読まなければいけない本や書類がある時ほど、何か別のものが読みたくなったりするものです。最近、読んで面白かった本はこれです。

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[果てしなく壮大な物語]

村山斉さんの『宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)』。2011年に「新書大賞」を受けています。素粒子物理学によって宇宙の始まりや終わりを解明する、と聞いただけで難しそうですが、この本の魅力は先端的な研究が取り組んでいることを、ごく易しい語り口で解きあかしてくれている点です。

難しい概念や複雑な事象を説明するさいに、その本質をずばりととらえ平易な言葉で語れるというのが知性の証しと言えます。逆に生半可な理解しかない場合に、難しい専門用語をちりばめてごまかしがちです。村山斉さんの柔らかな語り口は、「不確定性関係」とか「対称性の破れ」といった難しい理論もやさしくときあかし、「なんだかわかったような気がする」という気分にさせてくれます。

それでもわからないものはわからなくて、時々、「これが何を意味しているかはもうおわかりですね」というような読者への問いかけがなされると、戸惑いながら10ページくらい戻って再読してみるのですが、それでもさっぱりわからない・・・。でもいいんです。この本の最大のメッセージは「わからない、ということがわかる」ことの重要性なのです。

長いあいだ、「万物は原子からできている」と思われていましたが、実は原子は宇宙の4パーセントでしかなくて、残り96%ほどはまだ未解明のダーク・マターとかダーク・エネルギーと呼ばれるもので構成されているのだそうです。それがわかったのは2003年。20世紀の終わりから21世紀にかけて、つまりつい最近になって、宇宙にはまだまだ謎があるということがわかった、というのが現在の物理学の革命的な成果なのだそうです。

未解明(ダーク)なものが存在することを認め、その未解明なものの解明に勇気をもって立ち向かっていく。それこそが科学のロマンの神髄だということを教えてくれる本です。そのメッセージを、村山斉さんが声で伝えているTEDxTokyoのビデオも面白いです。わかりやすい英語で若者たちに向けてメッセージを発してくれています。

私が興奮気味に、「ねえ、うめぞう、知ってる? 宇宙の96%はダーク・マターとダーク・エネルギーなんだって。原子はたった4%なんだって!」と言ったら、うめぞう曰く、「じゃあ、君はこの家のダーク・マターだな。ボクはアトム(原子)だ。」

ちなみに上のTEDのビデオの中で村山斉さんは奥さんのことを「神の声」(Voice of God)と呼んでいます。壮大な宇宙を支配する至高の権威は。それは宇宙のどこでも通用する真理のようです。

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