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2012年5月17日 (木)

ぎっくり腰闘病記

まつこです。

日曜日の朝、京都駅のコインロッカーに小型スーツケースを入れようとしたその瞬間、「あっ!・・・」。やってしまいました、ぎっくり腰。

東京に戻って、そのままベッドへ。もともとひいてた風邪も重なり、月曜、火曜と、ひたすら安静、爆睡。ほとんど動けません。トイレだけは必死の思いでなんとか自力で行きましたが、ソロソロとすり足で歩く様子を見て、「曾呂利新左衛門殿のおなり〜」とゲラゲラ笑ううめぞう。つられて笑おうものなら、激痛が走ります。

3日目、4日目になると、寝返りがうてるようになり、ほっと一息。この二日間はずっと、ベッドで読書三昧です。重い本は持てないので、軽いペーパーバック。頭もぼーっとしているので、内容も軽いもの。こういう軽い読書って楽しい!歩けないから仕事にも行けないし、家事もできないし、時間はたっぷりあるので、どんどん読めちゃう。

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[イザベル・ウルフのThe Very Picture of You]

まずはイザベル・ウルフ(Isabel Wolff)のVery Picture of You。いわゆるChick Lit.ユーモアとペーソスにあふれるロマンティック・コメディ小説です。ウルフはこれが第9作目になりますが、いずれも働く女性、それもペットのトレーナーとか、クイズ番組の問題制作者とか、ちょっと個性的な仕事についている30代くらいの女性が主人公という設定です。彼女たちの仕事を通して、その仕事の顧客や同僚たちの人生も浮かび上がらせて、物語の広がりを作るというのがウルフのお得意の手法です。

今回のヒロインは肖像画専門の画家。ヒロインの恋愛の行方はやや単純過ぎて面白みに欠けるものでしたが、肖像画に描かれる脇役たちの過去が浮かび上がってくるエピソードが絡み合うところはいつもながらの手堅い面白さです。特にヒロインの母親の肖像画に秘められた意味が明らかになるところがクライマックス。この作家、おそらく40代後半です。そろそろ恋愛心理よりも母娘の葛藤のほうが、生々しく描ける年代なのでしょう。もし恋愛を描きたいなら、40代の働くママの恋愛にした方がいいわよ、と助言してあげたいところです。

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[久々に読んだ漫画はヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』]

次は映画化で大きな話題になっているヤマザキマリのテルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX) 。漫画はあまり読まないので、こわごわ第1巻と第2巻だけ買ったのですが、止まらなくなって第4巻まで急遽取り寄せました。

ローマ帝国と現代の日本を「お風呂」という共通点で結びつけ、主人公を二つの世界の間を行き来させる—。この奇想天外さと、ローマ帝国史についてのしっかりとした知識が共存しているところが面白さです。読んでいる間に、どうしてもお風呂に入りたくなってしまい、おそるおそる、時々痛みにギャッと悲鳴を上げながら、三日ぶりのシャワーを浴びました。

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[ノーラ・エフロンのI Feel Bad About My Neckはアメリカではベスト・セラーになったそうです]

イザベル・ウルフは自分より若い女性を描くことにやや苦戦している様子でしたが、逆に開きなおって「私60代ですけど、それが何か?離婚2回に結婚3回ですけど、それが何か?」という堂々たる態度で女性のエイジングをめぐるエッセイを書いて大成功したのがノーラ・エフロン(Nora Ephron)のI Feel Bad About My Neck: And Other Thoughts On Being a Woman (Vintage)

ノーラ・エフロンは映画『恋人たちの予感』、『めぐり逢えたら』、最近では『ジュリー&ジュリア』の監督や脚本をやっています。めちゃくちゃサクセスフルな女性です。

でもどんなに大きな成功をおさめようと、加齢との戦いぶりは、私たちとまるで一緒。どうせ効かないと思いながら新製品の化粧品をあれこれ買ってしまい、老眼鏡はいくつあってもすぐに見当たらなくなり、エクササイズをすればぎっくり腰になり、さぼれば太る。どうがんばってみてものど元の皮膚のたるみはごまかしようがない・・・。そんなリアルな中年女のあがきが知的なユーモアたっぷりに語られています。

実はこの本、職場で私のことを毎週、見かけているアメリカ人女性が、「あの人にこの本を薦めて」とひとづてに推薦してきてくれたものです。本の後半、こんな名言が出てくるからです。

You can't own too many black turtleneck sweaters. (黒のタートルネックのセーターは何枚あってもいい。)

実は私、黒いタートルネックの服がやたらと多いんです。冬ともなれば、ほぼ毎日、黒タートル。実はいろんな種類を持っているのですが、よく見なければ、ドローワーもユニクロも同じように見えます。でもいいんです。首もとが暖かいし、加齢とともにどんどん貧弱になる胸元をカバーしてくれるし、いろんなジャケットとの相性もいいし。

いつ見ても黒タートルの私を見て彼女は、「あの黒タートル女ならノーラ・エフロンに共感するに違いない!」と思ったそうです。大当たりでした。ときどきくすっと吹き出しそうになり、腰に痛みが走りながらも、一気読みしてしまいました。ネックラインやフェイスラインに自信がなくなってきた世代に送るエールがつまった一冊です。

というわけで読書三昧のぎっくり腰闘病記でした。

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コメント

まつこさーん、

ブログが書けるぐらいに復活したのですね~。よかったです。心配していましたの。ここしばらくお見かけしなくて、鬼たちの間でののはひとりさみしゅうございます。

ぎっくり腰が習慣になるってほんとなんですねぇ。確か前回も去年の今頃では・・・???

ののちゃん、コメントありがとうございます。

鬼との孤軍奮闘、お疲れさまでした。来週からは私も参戦します。

去年は確か7月。ジムで背筋運動を始めたらギクッときたのでした。なんとかして体質改善、肉体改造を計らねばなりません。ストレッチング、ウォーキング、筋力運動などいろいろやってはいるんですけどね〜。次の一手はストレスを感じない精神力の獲得・・・というかストレスになりそうなことはやらないイージーな性格に変わることでしょうね。

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