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2012年1月10日 (火)

ユーロ危機

うめぞうです。

皆様、あらためて新年おめでとうございます。

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[メルコジは同床異夢?それとも呉越同舟?]

まつこは今年も、介護ブログの看板の陰にファッション・グルメ・旅行情報をたっぷり仕込んで、忙しい皆さんにささやかな息抜きの時間をお届する魂胆のようだ。そこでうめぞうも、その間をかいくぐって、迷惑にならぬ程度に世界を語っていきたい。

目下、うめぞうの頭を占拠しているのは昨年来のユーロ危機だ。おかげでまつこは食事のたびにメルケル政権の経済政策の過ちについて演説を聞かされる。

今、ドイツの大衆はおよそこんなふうに考えている。「産業競争力のないギリシャが分不相応な過剰消費をして膨大な借金をこさえた。その間、ドイツ人は賃金を抑制しながら勤勉に働いた。なぜそのドイツ人が怠け者の借金の肩代わりをしなければならないのか。競争力のない南欧諸国がユーロ圏にとどまりたいなら、まずは徹底的な節約(シュパーレン)をしろ。シュパーレン!シュパーレン!シュパーレン!その成果が見えるまでは安定化基金の拡大もユーロ債の発行もまかりならん。」

まあ、ドイツの一般庶民がそんな気分になるのは、ある程度理解できる。しかしこのような誤解を正して、事の真相を説明するのが政治家の任務だ。それを現政権は全く果たしていない。

真相についてのうめぞうの理解はこうだ。

たしかにアメリカも南欧諸国も、借金をしながら分不相応な消費をした。しかしそこで何を買ったのか。実は、抑えられた給料で懸命に働いたドイツ人や日本人や中国人の作った製品を買ったのだ。これらの黒字国の輸出競争力は、ほかならぬ赤字国の過剰消費に支えられていた。しかし今、アメリカにも南欧諸国にもその余裕はなくなった。シュパーレン、シュパーレン、シュパーレン。

ではいったい、これから黒字国の輸出産品は誰が買うのか。答えは一つ。黒字国の大衆自身が買うほかない。ところが過去20年間の統計を見ると、日本ほどではないが、ドイツも先進国の中では労働分配率が目立って低い。未曽有の貿易黒字をため込んでいるドイツは大幅な賃上げをして需要を喚起しなければ、日本の二の舞になる。

黒字国の人件費抑制策は、需要不足と輸出依存と通貨高を招くだけで、経済を疲弊させる。この需要不足のもとでインフレなど生じようがない。せっかく日本が痛みをもって証明したこの事実から、ドイツはまったく学んでいない。なぜ学ばずにいられたかといえば、ひとつはドイツの輸出競争力に見合ったユーロ切り上げが生じなかったからだ。ドイツがもし南欧諸国と別々の通貨を使うようになれば、その通貨は日本円やスイスフランと同様に、たちどころに切りあがり、中国・北米市場で日本相手に苦戦することになるだろう。

つまり、ゆるゆるの南欧と運命共同体になったことで、最大の利益を得てきた国は、ほかならぬドイツなのだ。それをちゃんと国民に説明し、これ以上、上から目線で南欧諸国にシュパーレンを喚呼することをやめる。そしてギリシャを太っ腹に救済し、国内の労働分配率を上げて需要を喚起する。これこそ正しい政策だ。ドイツがその意志と政策を明確にすれば、イタリアやスペインの国債利率はすぐに下がるだろう。

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