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2011年12月29日 (木)

東独ノスタルジー

まつこです。

旅行6日目、うめぞうの風邪もなおり、ベルリンのお天気もようやく良くなりました。そこで二人で街歩きをすることにしました。

まずはポツダム広場の高層ビル最上階の展望台からベルリンを一望します。

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[こちらが西]

かつての西ベルリンの方向にはティア・ガルテンが広がっています。

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[こちらが東]

こうして比べてみると、東の方向が灰色っぽい古びた街であることがはっきりします。

けれど今、街歩きをすると圧倒的におもしろいのは旧東ベルリンのエリアのようです。開発から取り残された建物がたくさん残っていた東側のエリアが、統一後、その古さをうまく利用しておしゃれな街へと変貌したのです。

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[ハッケンシャー・マルクト駅。この駅舎もレトロでおもしろい]

そういう東側のおしゃれなエリア、シュパンダウ・フォアシュタットに出かけてみました。かつての「国境の駅」で地下鉄を乗り継ぎハッケンシャー・マルクト駅で降ります。

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[タイルを使って装飾をほどこしたホーフ]

ここではホーフという集合住宅の中庭を使って個性ある街が作り出されています。いくつもの中庭をつなげて、そこを素敵なカフェやブティックやギャラリーなどとして使っています。すごくかわいいお店や洗練されたインテリアのお店が続いています。

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[こちらはアクセサリーのお店]

ベルリン発の頭角を現したデザイナーのブティックなどが入っているようです。

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[こじんまりした居心地のいい中庭です]

表参道にあった同潤会アパートにもちょっと似た雰囲気です。「古めかしいものがおしゃれでかわいい!」という発想で街が再生しています。懐かしい気分がホーフに漂っています。「東独ノスタルジー」とでも呼びたくなる雰囲気です。

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[アンペルマンの真似をするうめぞう]

「東独ノスタルジー」の代表がアンペルマンでしょう。アンペルとはシグナルの意味だそうです。アンペルマンは東ドイツの交通信号です。シンプルでかわいいデザインです。ショップには様々なアンペルマン・グッズが売られていました。

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[スーパーの袋をぶら下げて灰色の街を歩くアノラック姿のうめぞうは、東ドイツの中堅公務員にも見えます。背後にテレビ塔が見えます]

「東独ノスタルジー」のもう一つの象徴はテレビ塔。どこを歩いてもこの塔が見え、過ぎ去った東ドイツの時代を思い出させます。

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[テレビ塔はユダヤ人墓地も見下ろしています]

この界隈は中世以来ユダヤ人の居住区だったところだそうです。ここにあるベルリン最古のユダヤ人墓地はナチスによって破壊されたそうで、今はぽっかりと何もない静かな空間になっています。

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[新シナゴーグ。ここで写真を撮ったらすぐに警察官が寄ってきました]

再建された新しいシナゴーグもあります。ネオ・ナチの襲撃を警戒してか、立ち入りが制限され警察官が警備していました。

ベルリンでは今、東ドイツの国家評議会が開かれていた共和国宮殿跡にプロイセン王宮を再建しようという計画もあるそうです。この再建計画に関しては、プロイセン軍国主義を連想させるという理由で反対の声もあるようです。

東ドイツも、その前の時代も、歴史の流れの中で遠景化された時に初めてノスタルジックな回想の対象となりえます。現在が豊かで平和な時代だからこそ、暗い過去の時代の遺産を復活させたり保存ししたりしようという機運が出てくるのだろうなあ、と旧東ベルリンを歩きながら思いました。

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コメント

まつこさま

うめぞうさまの復調、おめでとうございます!

旧東ベルリンお散歩の様子、とても興味深く拝見しました。本当にレトロな雰囲気。東西での違いはあるでしょうけれど、それぞれが特徴的な雰囲気を作り出すことに成功しているのは、やはりそこに暮らす人々の統一した美意識が底にないと難しいですよね。クリーム色の壁に濃緑の枠。いいなぁ。私も行ってみたくなりました。

ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

西ベルリンでは、60年代、70年代に建てられた鉄筋コンクリートの四角いビルもかなり多く、日本の地方都市と似たようなエリアもあります。統一後、90年代以降の再開発地域や公的機関の建物は、ポスト・モダンの建築デザインの展覧会のようです。戦争で壊滅状態になった街ですが、地下鉄の駅は焼け残ったのか、内装のタイルが残っていておしなべてレトロ・・・。ベルリンの街をカメラ持って歩いたら、古いヨーロッパの街とは違う面白さがあると思いますよ。ぜひ、暖かい季節を選んでください!

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