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2011年12月30日 (金)

ベルリンの『魔笛』

まつこです。

街を歩いていたら、『第九』演奏会のポスターが目に入りました。ベートーヴェンの『第九交響曲』とチャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲』というおなじみの曲の組み合わせです。コンシェルジュに切符を取ってもらい出かけました。

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[豪華絢爛なコンツェルト・ハウスの内部]

何の予備知識もなく出かけたら、予想外に素晴らしい音楽会でした。到着した晩にクリスマス・マーケットを見に行ったジャンダルメン・マルクトにあるコンツェルト・ハウスは19世紀前半に設計された建物です。豪華な内装で、残響が長めで、たっぷりと音を楽しむことができました。

以前、ヴェニスで「イ・ムジチ」の演奏会だと思って行ったら、「ヴェニス・イ・ムジチ」という観光客相手のアマチュアみたいな楽団で、うめぞうと大笑いしたことがあります。今回はBrandenburgisches Staatsorchester Frankfurtとポスターに書いてありました。「フランクフルトなの? ブランデンブルクなの? よくわかんないオーケストラだね」と私は、ヴェニス・イ・ムジチみたいなものを覚悟していました。

うめぞうに聞いたところ、ドイツ東部のブランデンブルク州にもフランクフルト・アン・デア・オーデルという小さな町があり、国際空港のある大都市フランクフルトとは別なのだそうです。

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[客席のうめぞう]

この小さな町のオーケストラ、柔らかな音色でぴったりと息のあった演奏を聞かせてくれました。指揮者はハワード・グリフィス。協奏曲のヴァイオリンは、3代続くヴァイオリニスト一家のドミトリ・コーガン。観光客相手の余興どころではなく、ちゃんとした音楽会でした。

当日にふらりと出かけ、水準の高い音楽を楽しめるなんて、ベルリンの底力です。一方、翌日は、3か月前から楽しみにしていたオペラに出かけました。こちらも予想通り、素晴らしい経験でした。

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[ウンター・デン・リンデンのオペラ・ハウスは改修中]

「いつかベルリンのシュターツ・オパーで『魔笛』を観てみたいな~」と、私が日頃から繰り返し言っていたのが、今回の旅のきっかけです。うめぞうが9月のある日、突然、「12月29日のベルリンの『魔笛』のチケット買ったよ」と言い出しました。日頃、威張られる一方なので、たまには妻を驚かせようというびっくり企画です。

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[シュターツ・オペラは現在はこちらのシラー劇場を拠点にしています]

ウンター・デン・リンデンのオペラ・ハウスは修復中で、シラー劇場での公演です。昼の回だったので、子供たちがたくさん来ています。でも子供用の軽い演奏などではなく、どの歌手も艶のある歌声で正確かつ表情豊か。演技もうまい。堪能しました。

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[開演前の舞台。艶のある黒い床の前舞台もうまく演出に取り込んでいました]

演出は大がかりで、衣装も豪華。古代の神殿や岩山などの装置で光と闇のファンタジーの世界を作り出します。恐怖や憎悪を勇気と秩序で超越する精神性が表現される一方、娯楽性もたっぷりの演出です。巨大なワニやカバやライオンが魔法の笛の音を聞いて可愛らしくダンスをする場面は、客席に笑いがあふれます。

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[3ヶ月間、待ち続けていた『魔笛』の公演のあと、大満足のまつこ]

しかし今回、ウメマツが特に心奪われたのはザラストロ役のアレクサンドル・ヴィノグラードフです。それほど大きくはない体躯から、太く低い歌声が流れだすと、すべてのものが安らぎに包まれます。顔も整った美形。最前列で聞いていた私たちの目の前で、この美形からこの美声で柔らかなメロディが流れてきたときには、ウメマツはあのカバやワニと同じように魔法にかかった気分になりました。

さてベルリン滞在も残すところあと一日です。最終日にも大きな楽しみが待っています・・・。

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コメント

まつこさま

音楽三昧の一日、お話を伺うだけで極楽です。ふらりと行っても大当たりなんて、さすがドイツ。それにシュターツ・オーパーで『魔笛』なんて、切符取るの大変だったんではないでしょうか。うめぞう様様ですね。

身も心もリフレッシュして、新しい年をお迎えください。

ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

元旦の朝、帰国しました。時差ボケが解消しきらないうちに、帰国して、また時差ボケです。今年は寝正月です。

『魔笛』は3カ月前だったので、チケットは難なく取れたようです。あの方のHamletやMuch Adoみたいな騒ぎじゃなかったようですよ。

今年もたくさん芝居や音楽に触れる年にしたいです。またご一緒しましょう!

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