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2011年8月26日 (金)

『ローゼンクランツ』『リチャード三世』

まつこです。

今年のイギリスの夏は寒すぎます。「4月に2週間程度の夏があったがそれで終わった」と言っている人もいます。今週はブーツとコートといういでたちの女性もめずらしくありません。あまりの寒さに私もコートを買ってしまいました。

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[イギリスといえばこのブランド]

今週、フィレンツェは40度ほどの暑さだそうです。一方、ロンドンの最高気温はなかなか20度に達しません。トスカーナ用に持ってきた夏用の服はすべて役に立たず、黒いタートルネックのセーターに黒いコートという、地味すぎる姿で寒さに耐えています。

うめぞうは「晴れ男」で、うめぞうがいる間は割合晴れていたんですが、このところ毎日、雨まじりのお天気です。

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[ショウガネコさんと3人で芝居を見に行く前に、ナショナル・ポートレイト・ギャラリーの最上階のレストランで食事。ビッグベンやトラファルガー広場のネルソンの像など、ロンドンのスカイラインを見渡せます]

うめぞうがいる間に、あと2本の芝居を見ました。トレバー・ナン演出の『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』とサム・メンデス演出の『リチャード三世』です。どちらも手堅い演出でした。

『ローゼンスターン・・・』のほうは若手の俳優二人が実にうまく、ストッパードの複雑なセリフを緩急自在に操ります。時にコミカルに、時に陰鬱に、息の合わせ方も、外し方もぴったり。まさに超絶技巧の言語ゲームでした。

むき出しの舞台に一本の木だけという冒頭シーンから、ベケットの『ゴドーを待ちながら』を意識した演出です。死を予感させるセリフを強調して、不確実なものについての不安に満ちた世界を描いているのですが、安定感たっぷりのうまい演技を見たという印象のほうが強く残りました。

『リチャード三世』のほうはハリウッド俳優のケヴィン・スペイシーが主演です。アメリカ英語で語る韻文が一本調子で、やや力が入りすぎ。ボズワースの戦いで倒れたリチャード三世が宙づりにされて芝居が終わるなど、全体に主役を目立たせようとする意図が見えすぎて、ちょっと違和感がありました。

劇評はどれも好意的で、劇場でも観客はスタンディング・オべイションで拍手喝采を送っていましたが、私はどうも不満。芝居の見巧者のショウガネコさんも同意見だったみたいなのでそれに力を得て、終演後は食事をしながら、あの場面がヘンだった、このセリフがおかしかったと、さんざん文句を言いました。終演後のこういう芝居談義が観劇の楽しみの一つです。

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コメント

まつこさま

ロンドンも寒いのですね。すかさずおしゃれなコートを買ってしまうなんて、精神衛生上、絶対に正解です。北ウェールズも寒いです。ホテルはしっかりヒーターが入ってました。でもおしゃれなお店はありません。

今度ご一緒する芝居は、文句ではなくて絶賛三昧といきたいですね! レイフだし。

ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

「コート買うとお天気が好転する」というような皮肉な事態にはならず、二日続けてコートは活躍しています。今日は雷鳴とどろく大雨の時間帯もありました。

レイフ・ファインズ、日曜の夜のBBCドラマにも出ます。マイケル・ギャンボンとビル・ナイーとレイチェル・ワイズも共演。アパートのテレビが小さくて残念です。

まつこさま

いつも楽しく拝読させて頂いていますが、
コメントするのは実は初めてです(照)。
トスカーナとロンドンのお天気の絶妙なコントラストには
笑ってしまいました(すみません・・・)。
同じヨーロッパでも南と北では随分違うものですね。
夏にイギリスに行く時は、いつもどの服を持っていこうか悩みますが、今度はぜひこのブログを参考にします。

pukiさん、コメントありがとうございます。二日間ほどロンドンを離れていたため、返事が遅くなり申し訳ありません。

トスカーナとロンドンはお天気だけでなく、それに連動して人々の表情や来ているものの形や色彩がずいぶん違います。トスカーナにいる間は肌の露出の多い、鮮やかな色のものを着ていると、周囲の景色になじみますが、ロンドンでは灰色の空の下、黒いコートに、無愛想な表情で、スタスタ歩るいている人が圧倒的に多くいます。イギリス人がイタリアに行きたがる理由はわかるけれど、「イタリア人がイギリスに来るのはなぜだ?」と雨に濡れてしょんぼりしてるイタリア人観光客を見て思うのでした。

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