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2011年7月 3日 (日)

真珠のネックレス

まつこです。

ネックレスやペンダントを、無意識のうちに指でもてあそぶ癖があります。ある日、レストランでおしゃべりしている間に、真珠のネックレスが切れてしまいました。バラリと真珠の粒がいくつか床に転がってしまいました。ずっと昔、学生時代に、母からもらったネックレスです。真珠のネックレスが切れたら、どこに修理に出せばいいのでしょう・・・。

Photo

[今年の春から初夏にかけて白いブラウスに合わせて使うことが多かった真珠のネックレス]

インターネットで調べてみると、アクセサリー修理のお店がいくつもありました。そこにドキリとすることが書かれていました。

「ご依頼いただいた品がイミテーションだと判明する事態が多々あります。お母様から譲り受けた大切なお品がイミテーションだとガッカリしますが、それはそれとして大切な思い出の品です」

遠い昔、母からこれをもらった日のことを思い出してみました。「衝動買いしちゃったわ。あまり使いそうにないからあげる」と、ポンと渡されました。あの気楽さから想像するに、それほど高価なものではなさそうです。もしかしてこれもイミテーションかもと思いながら、ネットで見つけた1軒のアクセサリー修理屋さんに持って行くことにしました。場所は、フム、御徒町ね・・・。

ウェッブ・ページでは洒落た工房のイメージだったのですが、駅から歩くこと数分、戦前の建物とおぼしきオンボロな雑居ビルの4階。エレベータのドアは錆びた蛇腹です。ボタンを押してもウンともスンとも動きません。やむなくきわめて狭い階段を上がっていくと、ランニングシャツ姿のおじさんが扇風機回しながら研磨の機械を動かしている工場のような部屋がいくつも見えます。どの部屋も小さなアクセサリー製造会社のようです。

このたび初めて知ったのですが、御徒町は「ジュエリータウン」と呼ばれる宝飾品の卸問屋街です。小さなパーツ屋さんや修理屋さんも無数にあるようです。私が電話で予約していたのはそのうちの1軒でした。

無愛想な職人のおじさんに「ああ、予約のお客さんね。真珠? 長いね、これ、高くなっちゃうよ」と言われ、オドオドと「あのー、イミテーションかどうか見てもらえますか。模造品なら修理代もったいないので」と応える私。おじさんは時計屋さんのようなレンズを目につけ、しばらく見たのち、「本物だよ。悪くない品物だよ」とぶっきらぼうに教えてくれました。

かくして予想以上の修理代はかかりましたが、母からもらったネックレスは、無事修理されて戻ってきました。

まだ学生だった私は、「こんな長い真珠のネックレスなんてオバサンっぽい。使わないかも」と思いながらも、もらえるものはもらっておこうと受け取ったネックレスです。「お母様から譲り受けた大切な品」と言うより、「母の衝動買いの下取り」みたいな感じでした。それでも母が老いた今、若かった日の母の思い出と結びつく大切な品のひとつです。

思えばあの日の母の年齢を、私は超えています。若かった私にはオバサン用に見えた真珠のロングネックレスも、十分に使いこなせる貫禄の年齢。母はあまり使わないからとくれたネックレスですが、その分、私がこれからせっせと使うことにしましょう。

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コメント

上官殿

御徒町らしいですねぇ。ジュエリー・タウンの存在、存じておりましたが、行ったことはありませんでした。アメ横センタービル地下のアジア食品街には、ちょうど一週間前に行ってきましたが(これはこれですごかった・・・)。

wombyさん、コメントありがとうございます。

御徒町、なかなかディープな街ですね。Wombyさんが求めたアジア食品はやはりインド系でしょうか?

御徒町駅そばの中国在住朝鮮族の中華料理屋さんに行ったことがあります。同じメニューでも日によって辛さが違っていて、辛味が穏やかな日は極めて美味、辛味がきつい日は目が涙でうるむ・・・このアジア的混沌が魅力でしょうか。アクセサリー屋さんのおじさんも甘辛な複雑な味、出していました。

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