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2011年4月17日 (日)

フライジン

まつこです。

原発事故の影響を恐れて、多くの外国人が関東や東北から去っていきました。西日本にいったん避難した人もいますが、故国に帰った人もたくさんいます。

東京に残った知り合いのイギリス人は、「そういうガイジンは"flyjin"(フライジン)って呼ばれているよ」と教えてくれました。「急いで逃げる」という意味の"fly"とガイジンを組み合わせた造語です。

Photo

[麻布十番のル・プティ・トノー。土曜の夜なのにガラガラ]

東京のフレンチ・クォーター神楽坂界隈でもフランス人たちの姿をすっかり見なくなりました。

いつもはフランス人のお客が多い麻布十番のビストロ、ル・プティ・トノーの前を通りかかったら、土曜日の夜なのに空っぽでした。フランス人のギャルソンが手持ちぶさたそうに立っていて、目があったら「ボン・ソワ―」とあいさつしてきました。なんだか気の毒になって、人気のないビストロで一人でお夕飯。

"flyjin"(フライジン)という言葉を教えてくれたイギリス人は、「今、東京に残っているガイジンは本当に日本が好きな人や、日本の技術を信頼している人だよ。こういうガイジンは税金や社会保険料もちゃんと払うガイジンだから大切にしてね」と言っていました。

私の友人たちの中にも、「母親が毎晩、アメリカから電話かけてきて、帰れ、帰れってうるさくってたまんないわ」と苦笑いしているアメリカ人女性や、「東京を離れた英会話教師の代役の仕事が増えて毎日やたらと忙しい」とうれしそうに笑っているアメリカ人男性がいます。

この危機的状況に際しても"flyjin"(フライジン)にならなかった彼らは、しっかりと東京に根をはって暮らしている東京人です。「この粋なギャルソンも、フライジンじゃなくてトウキョウジンなんだな・・・」と思いながら、閑古鳥鳴くフレンチ・ビストロでお一人様ディナーを味わった土曜日でした。

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コメント

まつこさま

21日のTelegraph にflyjin の記事が出ていましたよ。

http://www.telegraph.co.uk/finance/globalbusiness/8466207/Rebuilding-Japan-Special-scorn-for-flyjin-foreigners-who-fled-country.html

記事に対して大量のコメントがついています。
「日本文化をよく知りもしない、腰掛け記者はこういう記事を書くから困る」といった、東京を離れなかったトウキョウジンのコメントや、「出稼ぎに来た外国人がいるのは日本だけじゃないんだ」、「日本人だって逃げ出してるじゃないか」などなど。

うちの職場でも伊・仏人が帰国しました。一人は妊娠中なのでいずれ帰国しようと考えていた人、もう一人は生後3週間の赤ちゃんを抱え、震災直後の都内から育児物資が払底してしまったので仕方なく、という人。あいてしまったコマを埋めるのにてんてこ舞いをしましたが、だからといって今後外国人を敬遠するという気持ちは(「外国人だから」という理由では、少なくとも)ありません。英国人の職員は「まだ逃げ出さないよ〜」と言ってゲラゲラ笑ってました。色々な文化的背景が透けて見えるようで、少々不謹慎かもしれませんが、興味深く観察しています。


ショウガネコさま、コメントありがとうございます。

リンクしていただいた記事読みました。でも今回のような事故が外国で起きたなら、日本人の多くはきっと即座に帰国するんじゃないでしょうかね。海外で災害や事故があると決まって「日本人の犠牲者は・・・」という報道がされますが、どんな大惨事でもまずは同胞の安全を最優先するという意識の表れのようで、いつも微かな違和感を感じます。

うちの職場でも20日から授業が始まりましたが、英独仏語の先生たちの中に帰国した方たちがいて、対応に追われています。アメリカ人の一人が、「今ほしいのは"stability"だ、揺れない地面がほしい!」と言ったのには笑ってしまいました。


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