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2010年11月14日 (日)

赤い色を残して

まつこです。

新潟に来ています。今週の母は、2週間前よりもしっかりしています。しかしあれこれビミョーです。

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[今週の玄関。紅葉が枯れかけています。翌日、スプレー・バラを買ってきて活け直してもらいました]

到着したら、まず玄関でいつも通り「花チェック」をします。うーん、ちょっとビミョー。私の帰省の間が空いたので、その間、新しい花を買うことができなかった母は、庭の紅葉や小菊をカスミソウにまぜて適当に活けていました。紅葉が干からびかけていますが、母なりにあれこれ工夫した感じが出ています。

私ひとりで行くと直前に伝えておいたのですが、やはり忘れてしまい、「あら、あの人は来なかったの」と残念そう。「うめぞう」という名前が出てきません。しかしうめぞうのお茶わんや湯呑を用意し、「白菜をミルクで煮て、さらに卵でとじる」という料理も作って待っていました。これも相当ビミョーな出来あがりですが、母なりに精いっぱいの工夫をした創作料理です。

家のあっちこっちに、こういう努力の跡が見えます。宅配のお弁当の空き容器には今回も手紙が入っていました。1行だけの短いメッセージ。

庭の木の葉が一枚、また一枚と、赤い色を残して去っていくようです

うーん、これまたビミョーです。「葉は散るが赤い色は残る」と言っているのですから、論理性を欠いています。しかし「葉は散っても紅葉の鮮やかな色彩の印象はいつまでも残る」という詩的表現と受け取れなくもありません。

Photo_2

[確かに赤い色が残像のように心に残る鮮やかな紅葉です]

ヘルパーさんや訪問看護師さんから聞いたところでは、母は毎日、こうして空き容器にメッセージを入れているのだそうです。こんな詩みたいなお礼の言葉が毎日入っている容器を回収する人も、戸惑っておられることでしょう。

この短いメッセージを書くために、母はたいそう苦労するらしく、先回2冊買ってきてあげた一筆箋はすでに1冊なくなっていました。書き損じては書き直して・・・というのを繰り返しているようです。その努力する姿を想像すると涙ぐましいものがあります。

こうして少しずつ機能を失いながらも、精一杯の努力をして生活している母。弟と私は老人ホームへの母の入居を真剣に検討しています。このまま老いていっていろんなことがわからなくなっても、心穏やかで、安全な暮らしをしてもらいたい、それだけを強く願う晩秋の日々です。

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コメント

まつこさん、こんばんは
(午後書き込みしたのですが、何故かアップされていないことを今発見しました^^;;;)

お礼の言葉を一生懸命書こうとするお母様の努力、胸を打たれますね。
うちの母は買い物に行っていた近所のお店への道順を、何度も何度も紙に書いていたり、その他いろんなことをメモして、そのメモがあっちこっちに散らばっているのをみると本当に切なかったのですが、段々と様々なことが分からなくなっていくことを分かっている本人が一番辛く苦しかったと思います。
うめぞうさんのために作った白菜のお料理、母も辛いものが好きな私の夫のため?七味唐辛子をいっぱいふりかけた料理(もちろん食べられませんが)を作っていました。
まつこさんのお母様のご様子を伺うと、つい母の当時のいろんな出来事を思い出してしまいます>ごめんなさいね。

お母様が安心して安全に暮らせるような、まつこさん達ご家族が安心してお母様をお願いできるような、良い場所が見つかりますように。

翡翠さん、コメントありがとうございます。

障害情報は出ていないのですが、ココログの側の問題かもしれません。再度のコメント、ありがとうございます。

母は私にはあまり弱音をはかないのですが、姉(私の伯母)には「どうしたらいいのかわからない」というような本音をもらしているようです。私に対して気丈にふるまっていてくれる分、私もあまりセンチメンタルにならずに、可能な範囲で最善な対応を選ぼうとできるだけ現実的に行動するよう努めています。(それでも悲しいですけど・・・。)

できなくなること、分からなくなることについては、これはもうあきらめるしかないので、「母が安らかな気分で過ごせること」、目標はここにしぼりこんでいます。そのためにも家族ができるだけ頻繁に訪ねていける老人ホームに入ってもらいたいと思っているのですが、母が同意してくれるかどうかが、目下最大の問題です。

白菜のミルク煮は、私はがんばって食べましたが、母は「塩が強すぎる」と言って残しました。

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