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2010年9月 3日 (金)

古いヨーロッパ

まつこです。

今回、パリではセーヌ川左岸のサン・ジェルマンのプチ・ホテルに泊まりました。サン・ジェルマン・デ・プレ教会のすぐそばです。

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[旅の最終日、パリは澄み切った青空が広がっていました]

春にあるファッション雑誌をパラパラとめくっていて、趣のある素敵なプチ・ホテルが紹介されている記事を読みました。文化人を気取って、サン・ジェルマンに泊まってみるのもいいかななどと考えて予約したのですが、ちょっと趣があり過ぎました。

ガタガタと音をたてて動くすごく小さいエレベータ。うめぞうは止まりそうで嫌だと言って階段を使います。その階段は厚い絨毯のひかれたらせん階段。狭い空間を使ったらせん階段なので、4階まで上り下りすると目が回りそう。

部屋はきれいです。ペパーミント・グリーンに壁が塗られていて、家具調度は白。花柄のカーテンに、天蓋つきのベッド・・・。こういう可愛い部屋に泊まりたい乙女には夢のような空間かもしれません。

しかし中高年夫婦のウメマツは、ちと居心地が悪い。そうです、なんだかラデュレのお菓子の箱に入れられたような気分なのです。

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[朝食は地下のセラーのような空間でいただきます。これも雰囲気があると言えばある。演出過剰と言えばそうも言える]

「君らしくもない選択だな~。次からはもっと機能的なホテルを選んでくれ」とうめぞうは言います。「古いヨーロッパはもう十分味わった。次はアメリカ資本でもなんでもいい。新しくて、広くて、エレベータが大きくて、ネットの通信速度が速いところを選んでくれ。」

ホテルの名誉のために書き添えますが、こちらのホテルのインターネット・アクセス(無料)はパリにしては比較的速くて安定していました。バス・ルームも改装されていてピカピカです。お湯もジャンジャン出ます。宿泊予定日が近づくと迎えの車が必要かどうかを訊ねるメールまで届きます。「古き良きロマンティックなパリ」の雰囲気を求める人にはお勧めです!どこのホテルか?ヒントは「セルジュ・ゲンズブールの家の前」です。

このようなホテル選びのちぐはぐさはありましたが、今回こちらに宿泊したため、サン・ジェルマンからモンパルナス界隈の散策をたっぷりとすることができました。

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[朝の散歩のとき何気なく撮った一枚ですが、後から見たら「サルトル―ボーヴォワール広場」という標識が入っていました。そんな名前の広場があるとは知りませんでした]

最終日は夕刻の飛行機出発の時間まで、リュクサンブール公園を散歩したり、カフェで昼食を食べたり、ジャコブ通りの小さなお店をのぞいたりして、のんびり過ごしました。

最後にデパートのボン・マルシェで買い物して、そろそろホテルに戻ろうとしたところ、うっかり道を間違えてしまいました。ちょっと急いでいたので、近くにいる人に道を聞きました。英語で訊ねます。すると非常に愛想よく教えてくれます。しかしその通りに行っても目的地に到達しません。再度別の人に訊ねると、同じように愛想よく教えてくれます。

ここで気がつきました。みなさんすごくうれしそうに英語を話すのです。今回、何度かそんな印象を強く持ちましたが、パリでは「英語を使うのがかっこいい」らしいのです。お礼を言うと"You are welcome!"と満面の笑顔が返ってきます。でもその道案内の内容が、「この道をずっと行くと着く」というような具合でおおざっぱ極まりない。どうやら英語力に自信のある人が、自信を持って間違えたことを教えてくれるようです。

フランスというと、母語に大きな誇りを持っていて、英語の流入を抑える政策を取っていると聞いていましたが、もはやそんな堤防を乗り越えて、実質的共通語としての英語の波が押し寄せているようです。英語で話しかけるとニコリともせずフランス語で答えを返す人は珍しくなり、みんなニコニコとした笑顔で英語で応えてくれます。

ロンドンに比べるとはるかに古いヨーロッパの面影を残しているパリの街並みですが、当然ながらどんどん変化しています。「古いヨーロッパはもう十分味わった」と言いながらも、やはりどこか古いヨーロッパの雰囲気を求めて人々はパリにやってくるのでしょう。ホテルの設備は最新で、でも街には古き良きヨーロッパの気分を求める。そんな観光客のわがままな要望を、3年後、5年後のパリはかなえてくれるでしょうか。あまり遠くない日に、またパリに来てみたいと思いながら、今回の旅を終えました。

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[旅の最終日。リュクサンブール公園で]

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コメント

まつこさま

またまた失礼いたします。

いやぁ、パリと言えばプチ・ホテルですよねぇ。私は一度も泊まったことありませんが。
うめぞうさまをはじめ、日本男性には少々面映いであろうことは容易に想像がつきますが、女性としてはおしゃれ度満点のホテルには憧れますよね。英国でも城やらマナーハウスをホテルに改造しているところがじゃんじゃん出来ていて、一度くらいは、と思うのですが、おばさん一人で泊まっても仕方ない。。

私もこの間3月に行った時、特に若い人は誰でもニコニコ英語で答えてくれたのが印象的でした。ビジネス面でも、英語ができるというのはやはり武器なようです。英語しかできない身としてはありがたいですが、仏頂面で「フランス語喋れ!」と言うフランス人にもちょっと憧れます。

緑のリュクサンブール公園、美しい良い写真ですね。満喫された旅の思い出、共有させていただいてありがとうございました。

ショウガネコさま、コメントありがとうございます!

パリのプチ・ホテル、私も今回が初めてでした。朝食時に観察したところでは、「インテリ風イギリス人中年女性数名」「美形男とわがまま女のカップル1組」が泊っていました。いかにもサン・ジェルマンのプチ・ホテルのお客っぽく見えました(そう思ってみるせいか・・・。)

うめぞうはイギリスでも「花柄のカーペットに花柄のカーテンに花柄のベッド・カバーのところはもういい」と言っています。そのためうめぞう同伴のときは、最近リノヴェーションしたホテルを選んでいます。ロンドンもモダンでシンプルな内装のホテルも少しずつ増えているようですね。私もやっぱりさっぱり系の方が落ち着きます。

ボン・マルシェの食品売り場で品のいいフランス人のおばあちゃまに、「ムニュムニュムニュはどこにあるのかしら」と尋ねられ、「ごめんなさい、フランス語できないんです」としか答えられませんでした。今回の滞在で「ああ、フランス語できたらよかったのに」と思ったのはこの瞬間だけでした。

私などは幼児フランス語で話しかけても、ニコニコ英語で応えられました・・・。

wombyさん、コメントありがとうございます。

パリ在住の友人夫妻は流ちょうなフランス語を話していましたが、英語で応えられていました。

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