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2010年8月21日 (土)

ジャージー島の犬かきトラック

まつこです。

今日のジャージー島は薄曇り。島の中心地のセント・ヘリアという町まで出かけてみました。ジャージー島は租税回避地、いわゆるタックス・ヘイブンです。セント・ヘリアは古いヨーロッパの町に最新の金融センターが共存しているような町でした。

Photo_4[海に浮かぶ石造りの要塞、エリザベス城]

そのセント・ヘリアの真正面の海に石造りの城が浮かんでいます。干潮の時には地続きになるようですが、それ以外の時には海に浮かんでいます。このエリザベス城に行くには定期的に運行している水陸両用車に乗ります。

水陸両用車というとなんだか最新鋭の乗り物のようですが、実際はポンコツトラックの後部に水中エンジンを搭載したような乗り物でした。砂の上は力強く走りますが、いったん水中に入ると、まるで犬かきをしているように、えっちらおっちら、左右に揺れながらゆっくり進みます。「ポンコツ犬かきトラック」という感じです。本当にこんな乗り物で無事に海を渡れるんだろうかと、かすかに不安を感じます。

Photo_5[こんなボロいトラックで本当に海を渡れるのでしょうか?]

このポンコツ犬かきトラックが動き始めると、車内に007のテーマソングが流れます。これには思わず笑ってしまいました。確かに船と車を合体させた最新鋭の水陸両用車であれば、ジェイムズ・ボンドが危機一髪の脱出の際に用いそうです。しかしこの息を切らせるようにあえぎあえぎ進むポンコツ・トラックに007のテーマソングはいかにも不釣合い。もしかしたら乗客を笑わせて、不安を忘れさせる方策かもしれません。

エリザベス城は石造りの堅牢な要塞で、ジャージー島がいかにヨーロッパの戦いに巻き込まれ続けたか、その歴史を刻みこんだ建物でした。もともとは16世紀末にウォルター・ローリーがエリザベス女王のために築いた要塞です。清教徒革命の時にはチャールズ二世がいったん拠点としました。18世紀英仏戦争の際にも、英国の重要な軍事拠点でした。20世紀にはドイツ軍が、ロシア人の戦争捕虜を労働力として使って頑丈な要塞へと強化しました。

そんな戦いの歴史に思いをはせた後、再びポンコツ犬かきトラックに乗ってセント・ヘリアに戻りました。再び007のテーマソングを聞きながら、平和な時代を実感しました。

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コメント

まつこさま

まつこさまのレポートを拝読して、行ってみたくなりました、ジャージー島。
ローリーが作ったという城、いいですねぇ。
ドーヴァー城も歴史を実感させてくれる城でしたが、イギリスの海峡側は大陸との長い歴史的関係を浮き彫りにする遺跡がとりわけたくさんありますね。
「犬かきトラック」、楽しそうじゃないですか。スパイの親玉だったエリザベス1世にふさわしいかもしれませんよ。うふ。

ショウガネコさん、コメントありがとうございます。

子供の頃は「お城」という言葉に、無条件に憧れを感じましたが、実際行ってみると、血に塗られた歴史のしみ込んだ建物が多くて、こんなところに住むのは絶対いやっ、と思うことが多いですよね。見学するだけなら、その歴史が面白いんですけど。

ジャージー島にいらしたら、犬かきトラックにぜひお乗りください。優雅に帆走するヨットを避けながら、えっちらおっちら・・・。笑えます。

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