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2010年8月29日 (日)

カンタベリー

まつこです。

昨晩、短いパンツをはいて寝ていたら、夜中にふとももを蚊にさされました。「あ~、ジャージ島にも蚊がいるんだな・・・ムニャムニャ」と夢の中で思った瞬間、目が覚めました。新潟の子供の時から使っているベッドの上でした。脳がまだヴァカンス気分から通常モードに切り替えられていないようです。

ヴァカンス気分が抜けないうちに、旅の追記を書きます。

うめぞうがロンドンで合流した週末、私の友人ゴーギャンと、うめぞうの友人Oさんを誘って、カンタベリーまで出かけました。ロンドンから電車で1時間ほどのところです。

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[カンタベリーの大聖堂。このろうそくの燃えているところでトマス・ベケットが暗殺されました。写真撮影はOさん]

カンタベリーはローマ教皇の指示でアウグスティヌスが布教を始めたところで、イギリスにおけるキリスト教の拠点です。12世紀には国王と対立した大司教トマス・ベケットが暗殺され、カンタベリーは殉教の地となり、多くの巡礼が訪れるようになりました。16世紀の宗教改革以来、英国国教会の総本山となっています・・・。

というようなことを大学の講義で話すことは何度もありましたが、実は私、思い切って告白しますが、「今までカンタベリーに行ったことがなかった」のです。これは日本史の先生が、奈良の法隆寺を訪ねたことがないまま、仏教伝来や聖徳太子について語るようなものです。上記のような概説をしながら、内心、「まずいな・・・」と思い続けて、教師生活数十年。

で、ようやく行きました。次回からは心のわだかまりなく、講義ができます。やれやれ。

カンタベリーの大聖堂を作った石灰岩はノルマンディーから海路運んだそうです。それを街の中にさらに運ぶために水路を利用しました。カンタベリーの町ではその水路を、パントと呼ばれる浅い箱型に乗って遊覧することができます。

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[水路からは美しい古い街並みが眺められます。写真撮影はOさん]

カンタベリーの大聖堂に向かう参道で、この船遊びの業者が宣伝をしていました。二つの業者と話してみて、料金の安い方を選びました。ところがこの二つの業者は、昔から営業していたA社と、最近参入した新興のB社で、はげしく対立していたことが後から判明しました。

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[パントの上のゴーギャンとOさん。船上からはいろんなものが見えます。可愛いカモの親子も見えましたし、水上にはり出した枝からラズベリーの実をとって食べることもできました]

B社のパントに乗り、一通りの遊覧を終えて、発着所に戻った私たち。ところが発着所にはA社のボートが横付けされたままで、私たちが下船できません。狭い水路でにらみ合うA社とB社の船。それぞれの関係者が激しく口論をしています。やがて警察が呼ばれ、A社がいったんは退いて、ようやく私たちは船を降りることができました。

ヒートアップした口論でしたが、両者とも内容はなかなか理路整然としいました。どちらの言い分に法的根拠があるのか、乗客の安全は優先すべきである、発言は録音して裁判の証拠とする・・・などなど。田舎町の遊覧船業者でも、議論をする際には、論理的言語を使うなんて、いかにもイギリスらしいなどと感心しました。

このパント遊びのあとは、アウグスティヌスの建てた修道院跡を見学。

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[6世紀から14世紀まで増築され続けていた修道院が、ヘンリー八世によって解散され、今は廃墟となっています]

古代ブリタニアのキリスト教の歴史から、現代ツーリズムにおける地元業者の縄張り争いまで見学でき、面白くてためになる一日でした。

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コメント

まつこさま

旅の回想、楽しいですよね。水路の写真、水面に緑が映ってとってもきれい!
カンタベリ、一度だけ行ったことがありますが、バスツアーだったのでほんの数時間の滞在でした。Christopher Marlowe の生地でしたっけ。

パント業者の抗争、はた迷惑なと思う反面、印象的な旅の一コマでもありますね。

知り合いの大学英文科教授氏、そもそも「英国に行ったことがない」という豪傑です。

ショウガネコさん、コメントありがとうございます。

そうそう、Marloweの出身地でMarlowe Theatreというのもありますが、今、新劇場へと建て直し中みたいでした。

「英国に行ったことのない英文学者」、昔ならたくさんいたでしょうね。でもそういう方は書物から得た知識の蓄積が盤石なんでしょう。私の場合はそっちが弱いので、せめて「見たことある」というアリバイ作りが必要です。

私は昔むかしカンタベリーに行ったことがあります。
大聖堂の床はロンドンのセントポール大聖堂やウェストミンスター寺院のように平らにはなっておらず、磨り減ってデコボコしていたのを思い出します。
堂内に、だれの物とも知れない墓石があって、つまづかないようにロープが張ってありました。
水路の遊覧の話はとても面白いですね。

fujigorouさん、コメントありがとうございます。

カンタベリー大聖堂では、数多くの巡礼の人々がひざまずいて上るため、石段がすり減ったという解説を聞きました。堅牢な石の建物は長い時間を経てもほんのわずかしか変わりませんね。カンタベリーの街の様子もfujigorouさんがおいでになった時と、おそらくあまり変わってはいないと思います。

涼しい季節の到来で、東京も街歩きが楽しめる時候になりました。近所ですので、またどうぞおいでください。

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