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2010年6月27日 (日)

涙腺刺激

まつこです。

このところあれこれ用事が入り、実家への帰省は毎週1泊だけという週が続いていました。母は家の中に花を飾り、いつも通りの生活を続けています。

Photo[これは先々週の玄関の花]

それでもやはり徐々に記憶障害が進んでいるのは明らかです。先週、うめぞうの実家に新潟名物の笹団子を送りたいというので、手配をしてあげました。その数日後、うめぞうのお母さんからお礼の電話があったのですが、とっさに誰からの電話かわからず、「どなた? お団子? なんのことでしょう?」という感じだったそうです。

気になることを、何回も何回も繰り返し話すという傾向もさらにはっきりしています。今週末の気になることは参議院選挙。「私、行かないでいいかしら?」「私、行きたくないわ」「私、どう投票したらいいかわからないわ」――。そのたびに「いいよ、いいよ、参議院だから。芸能人みたいな人が立候補しているしね。行かなくていいよ。」一泊二日の間にこのやり取りが何十回も繰り返されます。

正直、辟易し、ほうほうの体で逃げ出すような気分で実家を後にします。帰路の新幹線の車中では、どうしても気分が落ち込みがち・・・。

いかん、いかん、と気分を変えるために、iPodに入っている一番ノーテンキな音楽でも聞こうと選んだのは映画『マンマ・ミーア』のサウンドトラック。「ダンシング・クィーン」など明るくポップなヒット・メドレーを聞けば、気分は70年代。

・・・と思ったのですが、意外な盲点がありました。メリル・ストリープが情感たっぷりに歌い上げるSlipping Through My Fingersを聞いている間にポロポロ涙が出てきてしまいました。成長した娘が自分の手元から離れていく、母親の感じる子離れの寂しさを歌っています。

さりげない日常の中で、一緒に笑いあう母娘。けれど娘は成長し、別の世界を持ち、やがて自分の元から去っていく。この幸せな日々をとどめ置こうとしても、時は指の間をすり抜けるように流れていく・・・。

聞いている間に、若くて元気だった頃の母の表情が次々と脳裏に浮かんできました。笑顔ではつらつとしていて、背が高くて、スーツ着て、いつもスタスタ歩くのが早かった母。

Photo_2[今夜は新幹線の車窓の景色がにじんで見えました]

幸い新幹線は空いていたので、一人で音楽を聞いて泣いている変なおばさんに気付いた人はいなかったと思います。しかしSlipping Through My Fingersは涙腺刺激が強すぎるので、介護帰省の新幹線で聞くのは危険です。次回からは車中では別の音楽にします。

Schoolbag in hand, she leaves home in the early morning
Waving goodbye with an absent-minded smile
I watch her go with a surge of that well known sadness
And I have to sit down for a while
The feeling that I'm losing her forever
And without really entering her world
I'm glad whenever I can share her laughter
That funny little girl

Slipping through my fingers all the time
I try to capture every minute
The feeling in it
Slipping through my fingers all the time
Do I really see what's in her mind
Each time I think I'm close to knowing
She keeps on growing
Slipping through my fingers all the time

通学鞄を抱えて朝早く出かける娘
いつも通りの笑顔で手を振りながら
お馴染みの寂しさが胸にあふれてくる
しばらく座って心を落ち着ける
私の手元から離れていく娘
あの子の世界は私とは別
一緒に笑うことが喜び
明るくて可愛い私の娘

時は指の間をすり抜けていく
心の中にとどめおこうとしても
時は指の間をすり抜けていく
娘の心には追いつけない
分かりかけたと思っても
娘はどんどん成長していく
時は指の間をすり抜けていく

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コメント

まつこさん

想像だにしなかった親の変わり様を日々目の当たりにすることが、認知症の介護の中で最も辛く哀しいですね。
病気だからと頭で分かっていても、気持ちが折れそうになりますよね。

たまには泣いた方が良いのではないでしょうか。
泣いても状況は少しも変わらないけれど、涙と共に自分の心の澱が流されるような気がします。
私はそうでした。

母親の病気は、娘の私達に何かを伝えようとしている、何かを学ばせようとしている、そんな風に思っていくしかないのかもしれませんね。頑張らずに、元気を出してまいりましょう!

翡翠さん、コメントありがとうございます。

涙って脳内のストレス物質を排出する効果があるんだそうです。特に映画を見たり、音楽聞いたりして流す涙は、副交感神経系の刺激で出るのだそうで、ストレス解消効果が高いとか。よく泣き、よく笑い、自然な感情を抑えつけないことが大切なんでしょうね。

私は幼いころ、母によく「今泣いたカラスがもう笑った」と言われました。母はお尻を叩くのが良いしつけの方法だと信じていたようで、幼児の頃、なんか悪さをするとパンツ下げられてピシャリッとやられたものです。でもパンツを下げられると条件反射で、「ママがパンツ下げたからおしっこ行きたくなった~」とワーワー泣きながら、トイレに走り込み、出てきたときにはニコニコ笑っているんだそうです。それを見ると、怒る気が消えうせたと言っていました。

ポロポロ涙流して、そのあとはスッキリ気分。母の介護もこの調子でのりきっていきたいと思っています。

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