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2010年5月

2010年5月25日 (火)

インターネットは幸福の秘訣か

まつこです。

最近、「インターネットは幸福の秘訣か?」("Is the Internet the Secret to Happiness")という記事を読みました。

Photo[コンピュータで幸福度が増す?仕事も増えるが・・・]

イギリスのIT系の学会(British Computer Society)が世界各地の35,000人以上の人を対象として調査したところ、インターネットの利用と幸福度の間に相関関係がみられたというのです。

中でも発展途上国の人々、低所得の人々など、弱い立場にある人たちほど、インターネット・アクセスから得られる恩恵が大きかったそうです。特に女性の方が男性よりも、ネットにつながることでより大きな満足度を手に入れていると特記されていました。

家庭の中にこもって孤立したり、社会的に抑圧されている女性が、ネット・アクセスによって自由を実感し、自己実現を果たす機会が増え、それが幸福感につながっているというのです。

私がこのブログを始めたのも、母の介護がきっかけです。多くの人々が介護の苦労や、様々な工夫、あるいは体験している喜怒哀楽をブログに書いていらっしゃるのを見て、ずいぶん参考になりましたし、勇気づけられました。

日々の雑感を記録することで、親の老いというハードルを乗り越えつつ、生活を積極的に楽しむ姿勢を忘れないようにしたいと思ってこのブログを始めました。ブログを通じて、同じ苦労を分かち合う人々や、さまざまに人生を謳歌している人々とつながることができたと実感しています。

この記事の結びでは、国内総生産などでは測りきれない社会の成熟度を示す指数として人々の幸福度を例とし、そうした人間的な側面に技術産業が貢献できる可能性を示唆しています。

確かに、アフガニスタン全土に情報スーパー・ハイウェイのインフラ整備をし、全家庭にパソコンを配布する方が、軍事費を使うより安上がりに、アフガンの平和を実現できるかもしれません。レディー・ガガの映像が各家庭にどんどん配信されたら、タリバーンも宗教的寛容を受け入れざるをえないのではないか・・・。

などと母の介護からアフガン女性の解放まで、パソコンの画面を見つめつつあれこれ考えています。

2010年5月22日 (土)

家庭菜園

まつこです。

今週も週末介護で新潟に来ています。

Photo[新潟も今日は初夏のような暑さ]

庭の木々が茂って藪のようになってきました。この庭の管理手入れも頭の痛いところですが、裏庭の家庭菜園も今年は問題です。昨年まで、母は楽しんで家庭菜園をやっていたのですが、このところ放置しています。何をどうやったら良いのか、だんだんわからなくなっているようです。毎年、母に野菜の作り方などを教えてくれていた農家のおばさんも高齢となり、もう頼りにできません。

Photo_2「『社会主義国家建設だ!』と掛け声をかけながら、へっぴり腰で鍬をふるううめぞう]

というわけでウメマツ農業に挑戦です。先週はうめぞうも一緒に来ていたので、ホームセンターまで出かけ、トウモロコシ、ズッキーニ、トマト、ハーブ、枝豆などの苗を買ってきました。物置にあった鍬を持ち出し、見よう見まねで畑づくりです。

Photo_3[『社会主義国家建設はもう古いよー。今はロハスだよ』と言いながら、植えたばかりの苗に水をやるまつこ]

これがなかなかむずかしい。畑の畝がなかなかまっすぐになりません。ちょっと動くと汗が噴き出ます。農業ってやっぱり大変なお仕事だと実感しました。

おいしい夏野菜を食べる日を思い浮かべながらがんばって、見栄えは悪いのですが、なんとか植えてみました。

母はムコ殿の植えた苗にせっせと水をあげていたようです。1週間後来てみたら、1本だけ枯れてなくなっていたのがありましたが、他のはスクスク大きくなっていました。

Photo_4[これがトウモロコシ。上の写真と同じものです]

トウモロコシなんて1週間で2倍くらいの大きさに成長していました。びっくり。

取りたての甘くて柔らかいトウモロコシに冷えたスパークリング・ワイン・・・。フ、フ、フ、楽しみです。

2010年5月21日 (金)

おさすり教?

まつこです。

「まさか・・・でもひょっとして・・・」と思い続けること数か月―。もしかしたら本当に効果があるのかも、と思って買ってしまいました、ゲルマニウム・ローラー。

Photo[心の隙間にふと魔がさした?]

洗面所にあるのをうめぞうが見つけて、「これ何? え! これで顔のしわが取れる? ゲルマニウムだって? ゲルマニウムって放射性物質じゃないでしょ。磁気帯びているわけでもないじゃない。効くわけないよ~。」

冷静になればその通り。仕事がすごく忙しくて、職場からの帰路を小走りで急いでいたところ、コスメショップの前でキャンペーンやっているところが目に入りました。考えている時間はない、迷っているヒマもない、買っちゃえ~、というわけで衝動的に購入してしまったのです。

原子番号32、原子記号Ge。ウィキペディアには「ゲルマニウムを使った様々な健康器具類が販売されているが、ゲルマニウムが人体への健康効果を持つ科学的根拠は確認されていない」と記されていました。

「うーん、同僚の自称手塚理美も持っているって聞いたし、アンジュもほしいって言ってたから・・・」と、友人たちを引き合いに出して力なく反論する私に、うめぞうは「まあ、『おさすり教』だな。信じてそれで顔をさすっていれば皺がなくなった気になるかもね」と、さらに嘲笑を浴びせかけるのでした。

現在、このゲルマニウム・ローラーは仕事部屋の机の上にあります。パソコンに向かって仕事をして肩が凝ったとき、これでポンポン肩たたきしています。重さがちょうど良い・・・。購入3日目にしてすでに「肩たたき」と化した美容器具。みなさん、私の事例をもって他山の石としてください。

2010年5月16日 (日)

里山散策

まつこです。

うめぞうと一緒に新潟に帰省しています。今週末は母の介護認定更新(ひきつづき要介護1)にともない、ケア・マネージャーさんや訪問看護の担当看護師さんと、これからの介護計画を立てるミーティングを行いました。

Photo[いろいろ悩みはあるけれど、新緑の山を見ればその美しさに心洗われます]

認知症の症状が進むほどに、母は自尊心と警戒心が強まっているようで、「食事宅配サービス? いりません、自分で作れますから」「デイ・サービス? 私、大勢の人と交わるのは昔から好きじゃないの」「ヘルパー? 私、困っていることはありません」という感じで、何を提案してもけんもほろろ。

毎週一度来て様子を見てくださっている看護師さんにも、「お忙しいでしょうから、私のところへはこんなにしょっちゅう来てくださらなくていいのよ」と、上から目線の発言。このプライドの高さは、長年教師をしていたせいか、はたまた元来の性格か。もうちょっと素直に公的な支援を受けてくれると、娘の私の負担が心身ともに軽くなるのですが、娘以外の人には頼りたくないという気持ちのようです。いやー、なかなか手ごわい・・・。この先が思いやられます。

Photo_2[春の紅葉もこんなに鮮やかな赤]

というわけで金曜日は、母のかたくなな態度に接し、私もかなりめげてしまいました。でも土曜日は晴天。うめぞうと二人で里山の方の集落にウォーキングに出かけました。いたるとこに様々な花が咲き、新緑が目にも鮮やかなすがすがしい景色を眺めたら、まあいいや、なんとかなるだろうという明るい気分になってきました。

Photo_3[真中あたりにモンシロチョウがいます]

「老い」や「病い」は強い負の磁場のようなもので、そこに近づくとついついその負のエネルギーに巻き込まれてしまいそうになります。でも、これからますます厄介なことは増えるでしょうが、娘の私が努力すればすべて解決するというわけでもありません。老いていく人を支えながらも、次の世代の私たちが自分自身を消耗させてしまわないことも大切だと思います。5月の新緑の豊かな生命力をたぷりと吸い込むように、美しい山の景色を見ながら深呼吸しました。

2010年5月11日 (火)

私のお気に入り

まつこです。

文房具へのこだわりを持つ人はたくさんいると思います。今日は私のお気に入りを紹介します。

Photo[いつもバッグの中に入っている三点セット]

バッグの中にはA5判の大きさの薄手のノートをいつも入れています。スケジュール帳とは別に、気がついたこと、思いついたこと、覚えておきたいこと、本を読んだメモなど、いつでもどこでもこれに書きこみます。

あるページには"Spanish Armada--130 ships, 8,000 seamen, 19,000 soldiers, 2,431 cannons"と書いてあります。授業の準備をした時のメモです。

あるページには「牽強付会」という四字熟語が2回繰り返し書かれています。これは漢字の練習です。(しかしこの難しい「牽」という漢字は2回くらい書いただけでは覚えられなかった。)

あるページには「黒ジャケット+ストライプ・パンツ+黒タートル」「ラベンダー・セーター+デニム」などいくつかの洋服のコーディネートが書いてあります。新学期が始まる前に服装計画を立てたのです。

このなんでも帳は旅行先などで見つけた、デザインのかわいいものを使います。Cath Kidstonのペンケースも、つい数日前に、かわいさにつられて買いました。他の持ち物や洋服はあっさりデザインのものが多いので、小物だけはかわいいものがときどき無性に欲しくなるのです。この女の子のパンツが並んでいるデザインの表紙のノートの中に、1588年のスペイン無敵艦隊の大砲の数がメモられているわけです。

しかしこの写真の中で、私のとっておきのお気に入りは、実は左端の地味なシャープ・ペンシルです。ぺんてるの「TUFF0.7」という商品名のものです。軸が太めで握り部分にすべり止めがついています。回転式でニョキニョキと出てくる消しゴムはかなり長さがあり、消しゴムとしての実用に耐えます。(スペアの消しゴムも売っています。)ヘビー・ユーザー向けのシャープ・ペンシルです。

0.7ミリという太めの芯は2Bのごく柔らかいものです。これが実に書きやすいのです。鉛筆のような柔らかさですが、シャープ・ペンシルなので太くなりすぎず、小さな文字も書けます。私はこのシャープ・ペンシルを自宅の仕事部屋に1本、バッグの中に1本、職場のデスクに1本、新潟の実家に1本、行く先々に備えています。これがないと仕事のノリが悪くなります。

ある日、職場のデスクの1本が見当たらなくなりました。数日後、別の部屋の若い同僚のところに行ったら、同じシャープ・ペンシルを使っています。「それ使いやすいでしょ?私も同じの使っているんだけど1本見当たらなくなっちゃった」と言ったら、彼は「これ、実は先日、私の机の上に誰かが忘れて置いていったものなのですが、使ってみたらあまりに使いやすく、ここ数日使い続けていました。まつこ先生のだったんですね。申し訳ありません・・・。」人のデスクの上に置き忘れた私が悪いんですが、無事、戻ってきてうれしかったです。

このエピソードでも、ぺんてるTUFF0.7の使いやすさが実証されています。高価なブランド品のボールペンでお蔵入りしているものもありますが、この350円くらいのシャープ・ペンシルには、太鼓判を押します。文字を書く機会の多い人、ぜひお試しください。

2010年5月 9日 (日)

エキナカの誘惑

まつこです。

帰省介護のたびに新幹線に乗ります。その時間を有効に使い仕事をする・・・というような勤勉さは持ち合わせていないので、ついつい雑誌や小説を読んでのんびり過ごすことが多くなります。

Photo[両方とも新幹線改札内の本屋で買いました]

私の場合、エキナカの本屋では「なんとか整理術」とか「すっきり片付け」と題された本を買ってしまう傾向があります。「介護帰省」→「忙しい」→「部屋を簡単に整理したい」という心理が働くのかもしれません。

最近買ってしまったのは、リズ・ダベンポートの『机の上はいらないモノが95%』と、ヘザー・ブラッキン・村井の『英国流スッキリ!持たない暮らし』の2冊。前者は仕事部屋も職場の研究室も本や書類でごちゃごちゃなのをなんとかしたくて、タイトルに惹かれるままに買ってしまいました。しかし要は広いスペースと整理をする習慣がないとダメということがわかっただけ。実践はほぼ不可能。

後者は筆者が森瑤子の娘さんだというのと、イラストの可愛らしさにつられて買いましたが、そもそも狭い都心のマンション暮らし、この本を読むまでもなく持っている物が少ないので、実用性という面ではあまり参考になる情報はありませんでした。おまけにイラストが可愛い分、読む部分はごく少なく、上野駅を出た新幹線が大宮駅に着く前に終わってしまいました。

結局、2冊とも、狭い我が家のごちゃごちゃした仕事部屋に、もう再読することのない本が増えただけ。こういう本をさっさと処分すること、いや、それ以前に、新幹線に乗る前にやたらと本やおやつを買いこんでホームに向かうのはやめなさい!という教訓は残りました。

それにしてもエキナカのショップというのは、買いたい気持ちが通常より強まります。駅という場所にはかすかな昂揚感を呼び起こす雰囲気があります。こうやって反省していても、次週もまた雑誌とドーナツなんかをエキナカで買いこんで新幹線に乗りそうです。

2010年5月 8日 (土)

目には青葉

まつこです。

昨晩から新潟の実家に来ています。半月ぶりの帰省だったので、母の様子が不安でした。でも玄関に入ってホッとしました。花が活けてありました。

Photo[チューリップ]

以前にも書いたように、この玄関の花は母の病状のインデックスです。ここにしおれたままの花が入っていたり、枯れた枝だけが活けてあったりするのは、不調のしるしです。

今回は裏庭に咲いていたチューリップを切ってきて活けてありました。これは家の中をきちんとしておこうという気持の表れで、こういうときは記憶力も含めて好調です。

昨晩、一つだけ元気のなかった花は、今朝私が起きたときには、新しい花に入れ替えられていました。ますます好調のしるしです。朝ごはんにも卵焼きとお味噌汁を作ってくれました。

長かった冬が去り、気候の不安定な四月が終わり、ようやくさわやかな若葉の季節がやってきたのが良い影響を与えているように思います。手入れのしていない荒れた庭ですが、いっせいに若葉がめぶき、花が咲き乱れ、うぐいすなどいろんな鳥がやってきています。何よりも澄んだ青空と柔らかな陽光が、心身の調子を上げてくれているようです。

私も窓をあけてさわやかな空気を胸一杯に吸い込んでいる五月晴れの朝です。

2010年5月 5日 (水)

松本散策ととうじそば

まつこです。

連休もとうとう今日で最終日。母のところには大阪に住む弟が訪ねてくれたので、私は二週連続で介護帰省を免除してもらい、29日から今日まで一週間丸ごとお休みしました。長野に二泊三日した以外は、買い物に出かけたり、スポーツジムで汗を流したり、近所を散策したり、あとはこうしてブログを書いたり、たまった仕事を片付けたり(全部終わらなかったけど)。すっかりのんびりした気分になりました。

Photo[松本はこの白壁の蔵の街並みが魅力です]

信州旅行の最終日は松本に立ち寄ってから帰京しました。一昨年、去年と二年連続で、諏訪に住む友人夫婦が夏のサイトウキネン・フェスティバルに誘ってくれたので、松本の街にはなじんでいる気がします。

松本城も旧開智学校も旧制高等学校記念館も前に見ているので、今回はどこを見ようかと、うめぞうが駅でもらった観光地図を検討しています。

その地図でうめぞうが見つけたのが湧水めぐり。「市街地の中の路地を歩くといたるところに湧水があるそうだよ。」「ふーん、じゃ行ってみよう。」しかし・・・

Photo_2[歩きまわってやって見つけた井戸]

狭い路地をぐるぐる歩いてもなかなか湧水らしいものには出会いません。ところどころ灰色のビニールパイプから水が側溝に流れ出ているけれど、もしかしてこれが湧水?

松本はこの日も晴天!乾燥して澄んだ空気のため、強い日ざしが容赦なく照りつけます。その中を歩き回ること30分。ようやく井戸を見つけました。

Photo_3[松本のアイリッシュ・パブ]

名水らしいのですが、せっかく飲むのなら冷えたビールのほうがいい、と思ってさらに歩いていると、見つけました、ギネスの看板! 入ってみると雰囲気たっぷりのアイリッシュ・パブです。

Old Rockというお店です。ギネスやキルケニーもありますが、喉がからからに乾いているので、ここは軽いラーガーをいただくことにしました。

Photo_4[カンパーイ]

ビールで喉をうるおしたら、お腹がすいてきました。信州といえばやはりお蕎麦でしょう。

このパブと同じ通りにモダンな内装のお蕎麦屋さんがあります。そばきり みよ田。駅でもらったグルメ・マップを見たら「ちょい呑みにぴったりのお店」だそうです。

Photo_5[とうじそばセット]

このお店にはちょい呑みのためのセット・メニューがありました。

蕎麦味噌、わさびの葉の和え物、生湯葉、馬刺し・・・いずれも日本酒にぴったりの味です。お店の名前をつけた「みよ田」という小布施のお酒と、信州池田の「大雪渓」をいただきました。

ところでこの「とうじそばセット」の「とうじそば」って何?

Photo_6[とうじそば]

卓上コンロが用意され、お鍋が運ばれてきました。中にはキノコ類や油揚げが入っています。

さらに運ばれてきたのがざるに入ったお蕎麦と、持ち柄のついたざる。

Photo_7[お蕎麦をしゃぶしゃぶみたいにしていただきます]

戸惑っていたらお店の人が食べ方を教えてくれました。具たっぷりの汁をふつふつと湧き立たせ、そこにこの柄付きのざるにお蕎麦を入れて、しゃぶしゃぶみたいにさっと温めていただくのです。

作りながら食べる面白さに加え、温めたばかりで伸びていないお蕎麦を熱々のお汁と一緒にいただけて、とてもおいしいです。

お蕎麦を食べ終わったら、ここに蕎麦の実を入れ、卵でとじて蕎麦の実雑炊にします。これがまたおいしい。

このほかにてんぷらとせいろ蕎麦と蕎麦の実アイスまでつきます。これで2,500円。日本酒とお蕎麦の好きな人にはたまりませんっ!

Photo_8[もう一度カンパーイ]

というわけで大いに笑い、大いに歩き、大いに食べた二泊三日。私はすっかりリフレッシュし、笑顔いっぱいで東京に戻りました。

2010年5月 4日 (火)

信州づくしのディナー

まつこです。

うめぞうの「疲れた妻の笑顔を復活させる大作戦!」は、上高地の雪でやや先行き不透明となりました。しかしホテルに戻って、北アルプスの雄大な景色を眺めながら露天のジャグジー温泉につかり、エステサロンでアロマオイルのマッサージと美肌パックをしてもらったら、すっかりご機嫌回復。「え、仕事?モリモリがんばるぞ!」「え、介護?なんとかなるでしょ!」と、強気の姿勢が完全復活です。

旅の楽しみの一つはなんといっても食事。今回、安曇野では二泊しました。うめぞうの職場が福利厚生施設として法人契約しているリゾート・ホテルです。こういうリゾート施設はどこも景気低迷で経営が苦しいところでしょうが、サービス精神と創意工夫で頑張っている気配が感じられるホテルでした。お料理にもその創意工夫がたっぷり。

Photo[前菜]

一日目の夕食は和食。畳の部屋ですが、低めの椅子とテーブルで食事をします。足を曲げて座るのが辛いお年寄りや外人さんに喜ばれそうです。懐石で一皿ずつ順番に出てきます。

Photo_2[お刺身]

どのお皿にも信州の食材を入れようとしているようです。前菜には岩魚の稚魚の佃煮が入っていました。お刺身には信州産サーモンだそうです。長野で鮭が取れるとは知りませんでした。

Photo_3[岩魚の塩焼き]

椀物や炊き合わせにも、信州の山菜やタケノコが使われていました。安曇野では岩魚の養殖も盛んなようです。隣のテーブルも中年のご夫婦で、お酒を飲んでご機嫌になったご夫君が、「この尻尾の塩だけで1合は飲めるね~」と嬉しそうに言っていました。このくつろいだ雰囲気が温泉リゾート!

このほかにも信州牛の陶板焼きや信州産野菜のてんぷらなど、地元の食材にこだわるコースでした。

Photo_4[桜肉のカルパッチョ]

地元食材へのこだわりは、二日目のフレンチのコースでもはっきりしていました。長野は馬肉を食べる文化があるようです。あまり食べたことのなかったので、私はちょっと抵抗感があったのですが、いただいてみるとさっぱりしていて、柔らかくて、おいしかったです。低カロリー、低コレステロール、高タンパクで、ビタミンなどの栄養たっぷりだとか。

Photo_5[魚料理]

スープは信州産チキンのコンソメ。ゆず風味でちょっと和風でした。こちらのレストランは味が薄めで、和洋折衷の試みがあれこれなされています。魚は伊豆からだそうですが、付け合わせのタケノコとキャベツは信州産。ソースの一つは梅肉で、これもおそらく信州産。

Photo_7[ソルベ]

名前が聞き取れなかったのですが、なんとかという花を使ったソルベだそうです。レモンをかけると色が変わります。理科の実験みたいでした。面白い。

お料理と一緒にいただいたワインも信州ワイン。グラスワインのキャンペーンをやっていて、いろんな信州産ワインを少しずつ楽しめました。山辺ワイナリーの白2種類と井筒ワインの赤を飲みました。山辺のワインでメルローの白というのがありました。メルローはたいてい赤ワインですが、作り方を変えているのだとか。

Photo_6[肉料理]

信州産牛ヒレのステーキ。これも和洋折衷です。お肉の下に付け合わせでウドのソテーが隠れています。手前の黒っぽい付け合わせはフキノトウの和え物でした。このフキノトウを味わうと、やはり日本酒が飲みたくなります。「ああ、お猪口一杯でいいから日本酒がほしい」と言いながら、いただきました。

Photo_8[デザート]

創意工夫が行き過ぎたかなというのがデザートでした。ニンジンのクレーム・ブリュレ。やはり信州産なのか、力強いニンジンの香りがするクレーム・ブリュレに、塩味のミルク・シャーベットがのっていました。イチゴは甘味が強くておいしいのですが、全部合わせて食べるとちょっとビミョーな組み合わせです。ついていたミントの葉が、いかにも地元産らしく香りが強い。

最後はちょっと凝り過ぎの感もありますが、信州づくしのディナー、二日間とも大いに楽しみました。

2010年5月 3日 (月)

いわさきちひろ美術館

まつこです。

安曇野にはいくつか美術館があります。穂高駅近くの萩原碌山の美術館は教会のような静けさに包まれた小さな美術館です。こちらは以前、訪ねたことがあるので、今回は少し足をのばして松川村のいわさきちひろの美術館に行ってみることにしました。

Photo[山並みを背にした美術館]

アルプスの山並みを背にして、それと呼応するように三角屋根がデザインされた美術館です。建物の内部もすっきりとしたデザインの中に自然光と木のぬくもりが感じられます。開口部が大きくとってあって、外の庭にすぐに出られます。子供たちが遊ぶ空間も用意されていて、歓声や泣き声が響いてもうるさく感じません。

Photo_2[建物の裏にもこんなに広い芝生が広がります。手にしているのは美術館のリーフレット]

いわさきちひろは1974年没。その活躍の中心は1960年代。1960年代に子供時代を過ごした世代にとって、ちひろの絵というのはごく身近なところで、意識しないうちにしばしば接するおなじみの世界だったように思います。じっと考え事をする少女の表情はまるで鏡を見るようでしたし、集って遊ぶ子どもたちは自分たちの仲間で、虫取り網を手にした少年は同級生のように思えました。

小学校の国語の教科書の表紙や挿し絵にもなっていました。なかでも「白いぼうし」という物語は多くの人の心に残っていると思います。タクシーの運転手さんが道で見つけた白いぼうし、そっと取り上げてみると白い蝶が中から飛び立ちます。車に戻ると女の子が一人乗っていて菜の花の町まで連れて行ってと頼みます。町はずれの団地の近くの野原までくると女の子が消えていて、外には白い蝶が飛んでいる・・・。そんな内容だったと思います。

Photo_3[こちらの花畑も美術館の裏庭です。「白いぼうし」を思い出していたら花畑に蝶々が飛んでくるような気がしました]

いわさきちひろさんのすっきりとした挿し絵とともに、タクシーの中を満たしていた夏ミカンのさわやかな匂いや、座席にちょこんと座った女の子のひっそりとしたたたずまい、バックミラーからその姿が消えていたときの空白感、そんなものが心によみがえってきます。

ちひろの描いた昭和の子どもたちの世界を見ると、そのまますぅーっと、その世界の中に同化してしまう気がします。一方、ちょっと上の世代で心やさしいうめぞうは、ちひろが描いたかわいい赤ちゃんの絵を見ると胸が締めつけられるような切ない気分になるそうです。

Photo_4[地元のイチゴがたくさんのったタルトがおいしい。空気もおいしいカフェ]

この美術館の中にはカフェもあり、地元でとれたイチゴをふんだんに使ったタルトときな粉風味のシフォンケーキをいただきました。晴れわたった青空と白く輝く北アルプスを眺めながらのんびりしたティー・タイムを過ごしました。

上記の「白いぼうし」はあまんきみこさんの童話「車の色は空の色」シリーズの一編です。空色タクシーの運転手さん松井さんがいろんな不思議なお客さんを乗せるお話です。今回、私たちが安曇野で乗ったタクシーの運転手さんは、「今度、いわさきちひろさんの息子さん、松本猛さんが県知事選に立候補するんですよ。みんな期待してるんです」と嬉しそうに話してくれました。安曇野市が条例によって建物の高さや看板の制限をして景観を守る努力をしていることも話してくれました。タクシーの運転手さんも北アルプスの麓の安曇野の美しさを誇りしているのがよくわかりました。

2010年5月 2日 (日)

雪の上高地

まつこです。

仕事や介護で疲れがたまり、急激に容色衰えつつある妻を見て、うめぞうは危機感を抱きました。そこでうめぞうは「心身リセット大計画」をたてました。買い物+旅行+エステの三連打で妻の笑顔を取り戻そう!という計画です。連休前半、出かけた先は・・・

Photo[安曇野の田園地帯を見下ろすホテル]

大糸線の穂高で迎えのバスに乗り、やってきたのは安曇野のリゾートホテルです。ここでのんびり温泉、エステを楽しもうという計画です。二日目には上高地のハイキングに行くことにしました。

Photo_2[お天気に恵まれました。北アルプスにも遅い春がやってきました]

青空が広がり絶好のハイキング日和です。ホテル主催する上高地散策のバスツアーに、私たち以外にも10数名の参加者がありました。早朝出発ですが、みなさわやかな表情をしています。

しかし・・・

Photo_4[帝国ホテルの前でバスを降り歩き始めようとしましたが…寒い~]

新緑も目に鮮やかな早春の上高地を想像してやってきましたが、景色はまだ冬でした。4月27日に開山したばかり。下界は青空が広がっていましたが、上高地は冷たい雲の中でした。

Photo_6[雪が降り始めた!」

うめぞうは「きっとこれから晴れるよ」と楽天的予測を口にします。しかし無理に楽観的になろうとするその態度を大自然はあざ笑うように、白いものが降りだしました。雪です。

Photo_7「空模様より妻の機嫌の方が心配なうめぞう]

最初は「やっぱり上高地、寒いね~」「こんな季節に雪降るんだね~」「晴れたらきれいだろうね~」などとおしゃべりしながら歩いていましたが、次第に二人とも無口に・・・。

Photo_8[白く煙る幻想的な池の景色]

黙々と歩くこと1時間半、目的地の明神池にたどり着きました。池は白い雪に煙る幻想的な景色でした。

Photo_9[まるで自然の作りだした日本庭園]

きれいはきれいですが、立ち止まってじっと眺めていると体が冷えてきます。うめぞうは「ここでお弁当食べようか!」とカラ元気を出しますが、私は「寒いから戻ってバスの中で食べる」と冷静な一言。また黙々と歩きだします。

Photo_10[日ざしが出てうめぞうも笑顔に]

帰り途は少しだけ日ざしが出てきました。水や木々がいっせいにきらきらと輝き出してきれいです。

Photo_11[おにぎり弁当]

河童橋の近くでホテルを出るときに渡されたお弁当を食べました。素朴なおにぎり弁当です。こういう山の中ではやっぱりおにぎりがおいしい。

Photo_12[上高地名物?]

バス・ターミナルではこんなものを見つけました。「河童焼き」です。焼きたてのホンワカ温かい河童焼き。あんこの甘味で元気でてきます。裏面には「上高地」と焼き印が押されています。

バスでホテルに戻ったら、さっきまでの雪景色が嘘のような青空でした。バスのガイドさんが「天気悪くて残念でした・・・また来てください」と何度も言っていました。

お天気良い時に、ぜひ再訪したいものです。でもお天気悪かったけれど、こういう経験も思い出に強く残って良いものです。冷えた体を温めてくれた河童焼きのひょうきんな表情とともに、雪の上高地の幻想的な景色はずっと思い出に残りそうです。

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