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2010年1月 3日 (日)

今年のテーマ

ひさびさにうめぞうです。

昨年後半はついついブログへの書き込みがおろそかになった。振り返ってみるに、まつこには介護を中心に、グルメや旅行など継続してとりあげてきた話題があった。だから今年はうめぞうも、いくつかのテーマにそってブログを書いていくことにしよう。しばらくは、哲学者にまつわるこぼれ話などを紹介していくつもりだ。

そもそも哲学者にとって作品と生活はどのように関係してきたのだろうか。

言行不一致が信用失墜のもととなるのは世のならい。とくに政治家や政党の約束不履行については、それなりに品位のある説明が求められる。

民主党はかつて政権交代の暁には「官房機密費の流用を厳格に制限し、使途は厳正な公開基準の下で一定期間後に公表する」などと公言していた。ところが政権についたとたんに官房長官みずからが「官房機密費?そんなものがあるんですか?」などとすっとぼける始末。これなどは、あまりにも主権者を愚弄する言辞で、批判を受けて当然だろう。

ところがこの言行不一致も、言語芸術や哲学などの分野になると、なかなか一筋縄ではいかない。純愛小説の作家が希代の漁色家だったり、貧困問題の専門家が貪欲な利殖家だったりすることは十分にありうる。またそのこと自体、とくに批判する必要もない。それは政治家の公約とは別の次元にある。作品はもともと作家の個人生活についての約束を含んではいないからだ。そこに創造行為の自由もある。ただそうはいっても、愛読者ともなれば、先に挙げたような事実を知らされれば、やはり少しがっかりすることだろう。

Photo[ジャン=ジャック・ルソー。女性にもてそうなイケメンです(matsuko)。肖像画はBritannica Online Encyclpediaより]

たとえばルソーの教育論を紹介すると、ほとんどの学生たちはその考え方に共鳴する。ところが、このルソーが自分の子供数人をことごとく孤児院に入れたと聞かされると、これまたほとんどが失望する。時には、そんな人の教育論など嘘くさいと反発する。

そこでうめぞうは2つのことを説明する。ひとつは、自分たちの意識や感覚を異なる時代や地域に投影するときには、よほど慎重にならなければならないこと。この場合でいえば、子供を孤児院に預けるという行為が、当時のフランス社会でどのような意味を持つ行為だったかは、よく調べてみる必要があるということだ。もうひとつは、作家の生活と作品は、たがいに密接に関係はしているが、けっして一体のものではないということだ。あまりにその一体性を求める道徳主義は、作品の自律性と創造行為の自由をおびやかす。

かといって作品をまったく作者や時代から切り離して受容する態度にも落とし穴はある。今年は何人かの哲学者の生活こぼれ話を紹介しながら、こんなテーマを少しとりあげてみることにしよう。

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コメント

うめぞう様

お久しぶりです。ご登場心待ちにしておりました。
うめぞう様の日記に画像が入ったのは、もしや初めてではないでしょうか?
今年も楽しみにしています。よろしくお願い致します。

実はこの画像、まつこが気を利かせて入れてくれました。
お恥ずかしいことに、まだ自分では画像を取り込む方法を知りません。なんでもまつこ任せというのをやめて、今年は少し自立しないと、と思っているところです。
どうぞよろしくお願いします。
しょうさんも良いお年を。

こんにちは

昨年夏、ロンドンではほんの短い時間でしたが、楽しい時間を過ごさせていただきました。遅ればせながら、ありがとうございました。

哲学者のこぼれ話、面白く拝読しています。普段思考することを忘れてしまったような生活をしていますが、うめぞう様のお話を伺いながら、脳の活性化をめざそうと思います。

ショウガネコさん
うめぞうブログを読む人は、世界で3人くらいしかいないので、ありがたいお言葉です。
せいぜい、楽しめるような記事を書けるよう精進します。
これからもよろしくお願いします。

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