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2009年10月

2009年10月31日 (土)

菊づくし

まつこです。

今日の新潟は快晴。ウメマツ二人は母を連れて紅葉を観に出かけました。ローカル線を乗り継いで降りたったのは弥彦駅。駅舎が神社を模した造りになっています。

Photo[派手かわいい駅舎です]

Photo_2[越後平野もかすんでいます]

弥彦は越後平野に突如そびえている高さ600メートルくらいの山です。ロープウェーで山頂まで登れます。山頂から佐渡が見えることを期待して出かけたのですが、残念ながら今日は気温が高すぎたのか、霞んでいて見えませんでした。

Photo_3[頂上で記念撮影]

紅葉はちょうど見頃を迎えていました。母は久しぶりの外出です。「お天気が良くていいわねー」と何度も繰り返します。こういうポジティブな内容の発言なら、100回連続で繰り返されても、聞く方はイライラはしません。

Photo_4[佐渡が見えず残念。でも紅葉はきれいです]

Photo_5[これが回転展望塔]

頂上には「展望レストラン」「360度のパノラマが眺められる回転展望塔」「お土産屋さん」などがあります。回転展望塔に乗ってみましたが、中でヘンテコな演歌と民謡の間みたいな音楽が流れ続けていました。昭和の匂いの残る観光地という感じです。こんなのないほうが自然の景観をじっくり楽しめる気がするのですが・・・。ちなみに料金は一人1000円。

Photo_6[杉の森の中はひんやりとした空気ですがすがしい気分になります]

山を降りると深山幽谷。深い森です。その森の中に弥彦神社があります。万葉集でも歌われている古い神社だそうです。なかなか堂々とした構えの神社です。

Photo_7[このピンクのラビット・ファーのベスト。10年くらい前にロンドンのJosephで買ったものです。わたしは気に入っているのですが、うめぞうからはマタギ・スタイルと呼ばれています]

Photo_8[菊祭りの準備が整った境内]

弥彦神社では明日から恒例の菊祭りだそうです。今日はすでに準備が整っていて、色とりどり、多様な形に仕立てられたたくさんの美しい菊を鑑賞することができました。

Photo_9[ずらりと並んだ菊]

Photo_10[盆栽の菊は可愛らしくて繊細な芸術作品のようでした]

Photo_11[菊の和えもの]

神社の周りには温泉街が広がっています。その中の一軒の料理屋さんでお昼ごはんを食べました。最初に出てきた和えものも「菊」でした。シャリシャリとした歯ごたえでおいしかったです。

この日帰り小旅行を提案してくれたのはうめぞうです。私は実はちょっとめんどくさくて、ためらっていました。「三人で出かける機会はあまりないよ。良い思い出になるよ」と言ってくれたのですが、わたしは「良い思い出っていったって、本人はきっと忘れちゃうよ。『思い出作り』って介護者の思い入れという面が強いからねー。なんてったって認知症なんだから、思い出作りは難しい・・・」とかなんとかグズグズ言っていたら、「そういう発想はマルクスかウェーバーだ!」と言われてしまいました。なんだかよくわからないけど、婿殿の優しさを唯物論的に否定するのは良くないと思い、しぶしぶ重い腰をあげて出かけることにしました。

いつも家にいるのが一番いいわ、あまり出かけたいとは思わないと言っていた母が、今日は「あー、よい一日だったわねー、出かけてよかったわ」と、何度も何度も言っています。しばらくすると弥彦に紅葉を見に行ったなんてことは忘れてしまうかもしれませんが、それでも楽しかったと、今この瞬間に思うことが貴いのだと、改めて思いなおしました。記憶は色あせ、消えていきます。残される記憶の量の集積ではなく、それぞれの瞬間の幸福感をこそ尊ぶべきなのでしょう。そのことに気づかせてもらった一日でした。

2009年10月30日 (金)

はじめの一歩

まつこです。

昨晩からうめぞうと一緒に新潟に来ています。11月1日は母の誕生日。昨晩は少し早めにバースデー・プレゼントをあげました。今年のプレゼントはエプロンと本です。エプロンはまだ「まだできる家事はあるから、がんばってやってね」という期待をこめました。本は辰巳芳子さんの『庭の時間』と京都に住むイギリス人のベニシアさんの『ベニシアの京都里山暮らし ―大原に安住の地を求めて Venetia's Kyoto Country Living』。自然の変化をいつくしみながら日々を大切に生きるお二人の生活のような、静かな安らぎが母の生活にも満たされるようにという祈りをこめてこの2冊を選びました。

Photo[写真がきれいなので母は喜んで見ています]

母は大喜び。昨晩はさっそく新しいエプロンをつけ、2冊の本の美しい写真を眺めながら、今日はすごくいい日にだったわ!」と何度も繰り返し言っていました。今週は大好きな婿殿のうめぞうがやってくるというので、水曜日には美容院にも行ってきていました。なかなか好調です。

この母の上機嫌ぶりを見て、私はほっと一安心。実は今日は母の初めての介護認定の調査だったのです。あらかじめ「介護認定」と伝えると母が抵抗感を抱きそうだったので、「市役所の職員の方が健康状態の調査に来てくれる」という、やんわりとした表現で説明。安心して、警戒心を持たないようにしてもらうため、バースデー・プレゼントも数日早めにあげて楽しい気分になってもらおうという「作戦」でした。

Photo_2[婿殿うめぞうが一緒だと母もご機嫌。プレゼントされたエプロンを着て記念撮影]

調査員の方との面接は無事にすみました。母はそつなく答えていましたが、簡単な記憶テストにも答えられず、言葉がなかなか出てこないということも多かったため、症状は調査員の方にもよくわかってもらえたようです。帰り際に私にこっそりと、「プライドの高い方ですね。記憶できていないことや、わからなくなっていることをすごく上手にカバーしながら答えていらっしゃいました」と、印象を伝えてくださいました。さすがプロです。身の回りの世話などはまだできているので、あまり高い介護度には判定されないだろうが、利用できるサービスはあるとのことでした。

これでいよいよ本格的な介護に向けて、一歩踏み出しました。私自身も、ある一線を越えるような不安感を「介護認定」に関して抱いていたのだと思います。家族の中でできることには限界もあります。まして遠距離。これからは公的サービスや民間サービスの利用も取り入れながら、母にとっても私にとっても、できるだけ良い方法を模索していきたいと考えています。本格介護に向けて、はじめの一歩の一日でした。

2009年10月23日 (金)

錦秋

まつこです。

昨夕、授業の後、同僚のゴーギャンに上野駅まで車で送ってもらい、新潟に帰省しました。事務職員の方にも、「これからご実家に帰省ですか? お気をつけて」と声をかけてもらいました。同僚たちの協力や理解は、気分がせっぱつまっているときに、非常にありがたいものです。

Photo_2[秋の青空は気持ちがいいです]

今朝の新潟は一片の雲もない秋の晴天。たいへん気持のよい一日です。鉄錆び色、濃い赤、オレンジ、黄色・・・庭の木々の葉の色が、青空に映えてきれいです。母の調子は、明らかにお天気に左右されます。こんな快晴の朝は、「この調子なら認知症とは気付かない」というレベルにまで、言動がしっかりとします。

Photo[母も青空と紅葉を見上げています]

そうなるとママ・スイッチがオンになるので、発言が妙に冴えます。母のお使いで銀行に出かけようとしていた私に、母が声をかけました。

ママ:あなたも大変ねぇ。こんなふうに東京とここを往復して、仕事と親の世話ばかりに明け暮れていたら、あなたがボケちゃうわよ。

思わず一瞬絶句した後、私は笑いが止まらなくなってしまいました。いやー、まことにその通り。母も自分の言ったことの可笑しさに苦笑いしていました。

ママ:ボケるっていうのは、つまりね、こんな田舎で刺激のない生活をしていると感覚が鈍くなるっていうことなのよ。え?海外に旅行に行きたい?そうそう、どんどん出かけたほうがいいわよ。本だけ読んでいたって吸収できるものは限られているんだから、学生に与えられるものも少なくなるわ。体が動くうちにどんどん行動しなさい。

Photo_3[庭の掃除をする母]

いやはや、こうなると絶好調です。これもお天気の良さのおかげでしょう。私が銀行から帰ると、せっせと庭の落ち葉を掃除していました。

あとひと月もすると、新潟は鉛色の雲に厚く覆われた冬になります。厳しい季節の前に、穏やかな秋の日のありがたさを、しみじみと実感した一日でした。今日の母の明るい笑顔と秋のきれいな青空を、しっかりと胸に刻んでおきたいと、心の中のシャッターもしっかりと切った錦秋の一日です。

Photo_4[昨晩は二人分のお弁当を買ってきて夕食にしました。お弁当の中にも紅葉がはいっています]

2009年10月21日 (水)

我が家の健康ブーム

まつこです。

食欲の秋を迎えました。おいしいものがたくさんありますが、ウメマツはこのところ健康志向を強めています。最近、二人続けて風邪をひいてしまい、ここは健康管理が大切と再認識しました。96歳(うめパパ)を筆頭として、84歳(うめママ)、73歳(まつママ)の3人の老人たちの介護はおそらくこれから本格化するでしょう。それを乗り切るには、まずは自分たちの心身の健康維持が必須条件です。

Photo[まずは有機野菜、無農薬野菜]

うめぞうは元来、健康には気を使うほうです。一方、私はワインだ、ケーキだ、ジャンク・フードだと野放図に飲み食いする欲望の奴隷。そんな私にうめぞうが、1冊の本をプレゼントしてくれました。最近、話題になっているエリカ・アンギャル著『世界一の美女になるダイエット』です。著者はミス・ユニバース世界第二位の知花くららの栄養指導をした人だそうです。タイトルはトンデモ本ですが、栄養学に基づいた健康な食生活を分かりやすく解説しています。この通りの食生活をすれば、知花くららのような健康美が実現できるのではないか・・・と素直な読者、あるいはおっちょこちょいの読者は、さっそく食生活の改善に取り組むわけです。で、私はその一人。

まず食材の宅配を、有機野菜や無農薬野菜を売り物にしているオイシックスに変更。ちょっとお値段が高めですが、確かに野菜は新鮮です。野菜以外の食材も豊富です。先日注文したカモのコンフィはおいしかったです。濃縮還元ではない果汁百パーセントのジュースもおいしいです。配達時間も指定できるのが何より助かります。(今までの宅配は曜日や時間は指定できませんでした。)

Photo_2[オーガニックのオリーブ・オイル、オーガニックのドイツパン、オーガニックのプルーン]

スーパーに行ってもオーガニックの食品を選んで買うようになりました。PEMA(ぺーマ)社のドイツパンは、ライ麦100%フォルコンブロートや、4種類の穀物をまぜたメーアコルンブロートなど、何種類かの黒パンがあります。トーストしても焦げずに、むしろしっとりモチモチした食感になります。香りもよくてとても美味しいです。クリームチーズやブルーチーズとよく合うので、我が家では朝食も夕食も、ここしばらくはずっとこの黒パンを食べています。

Photo_3[おやつだってオーガニック]

少し前にイギリスから一時帰国した友人のcherryがお土産に持ってきてくれたのは、Peter Rabbit Organics社のクッキーです。ピータ・ラビットの描かれたかわいい箱に入っています。お砂糖も人工甘味料も入っていなくて、ほのかな甘みがとても自然なおいしさです。

夏に南フランスで知り合ったKさんも、フェア・トレードのクッキーを送ってきてくれました。ネパールのオーガニックの材料でできている紅茶クッキーです。

Jocalatは『世界一の美女になるダイエット』で紹介されていたララバーというお菓子の一種です。オーガニックのカカオとナッツだけでできています。やはり砂糖不使用。かなり食べ応えがあって190キロカロリー。最近、時間がないときのランチはこれですますこともあります。アメリカのiHerbというサイトで直輸入できます。

Photo_4[究極の健康食品]

そして極めつけが青汁です。『世界一の美女になるダイエット』では青汁と呼ばずに「グリーン・カクテル」と呼びます。「美女の朝は一杯のグリーンカクテルで始めるの」だそうです。手軽にビタミン補給でき、クロロフィル入りのものは抗酸化効果が高い、という、いかにも科学的な栄養学の情報と、グリーンカクテルという呼び名のようなおしゃれなイメージを結びつけたところが、この本が売れている理由でしょう。

昔、ビン入りの牛乳だと嫌がって、正四面体のテトラパックの牛乳ならば喜んで飲んだ、そんな記憶を持つ人はいないでしょうか?私はその一人。イメージ戦略に弱いタイプです。青汁は今まで一度も飲んだことがありませんでした。顔をしかめながら飲むうめぞうを見て、「まずいなら飲まなきゃいいじゃない」と突き放していた私。今では毎朝、グリーン・カクテルを飲んでいます。エリカ・アンギャルお勧めのProGreensを、やはりiHerbで直輸入しました。

出版社の幻冬舎の戦略にまんまと乗せられた感はありますが、でもなんだか体の調子いいような気もしています。もうしばらく、この健康志向の食生活を続けてみましょう。同書によれば「いま口にしたものが、10年後のあなたを決める」のだそうです。うーむ、現在48歳。10年後、還暦を目前にして、はたして世界一の美女に少しでも近づいているかどうか・・・これに関しては絶対に検証不可能ですけれど。

2009年10月19日 (月)

寿!

まつこです。

この週末は土曜日に仕事があり、新潟に帰省できませんでした。大阪に住む弟に、時間がとれたら母を訪ねてあげてほしいと頼んでおいたのですが、仕事が忙しいらしくダメでした。仕事も確かに忙しいらしいのですが、どうも弟は母の認知症が受け入れられないらしく、鬱気味らしいのです。男の子って弱虫ね!ま、仕方ありません。

私は土曜日の仕事のあと、久しぶりにうめぞうの実家で週末を過ごしました。うめぞうのお父さんが日曜日に誕生日を迎えるので、そのお祝いです。なんと96歳 

Photo[うめパパ96歳、うめママ84歳、うめぞう60歳の記念写真]

義父の健康の秘訣は、やはり規則正しい生活のようです。三度の食事(うち夕食は胃ろうによる栄養補給)、薬の服用、読書、数独、テレビ、運動(WiiFit)、入浴、睡眠。これらの生活プログラムがきっちりと組まれ、毎日、そのプログラム通りの日々を過ごしています。今日は気分がのらないからお風呂に入らないとか、今日は食欲がないから一食抜くとか、テレビを見る気にならない、というようなことがほとんどないのです。

こういう規則正しい生活ができる人は、情緒的にも安定しているようです。逆に生活に規則性がきちんとあれば、気持ちも落ち着くのでしょう。これはぜひとも見習いたいことです。

よしっ、私も毎晩、寝る前にストレッチ運動をすることにしよう! ストレッチ・ポール、ヨガ・マット、フレックス・クッション(つい最近購入)、筋トレ用DVD、ストレッチ用DVD、ヨガDVD、太極拳DVD・・・、自慢じゃありませんけれど、三日坊主で使わなくなった健康グッズなら各種そろっています。さっそくこの中からどれか選んで、始めましょう。

でも、できれば自宅でのエクササイズだって、それなりのウェアがあれば、もっとやる気になるでしょう。ちょっと洗練されたデザインの着心地の良い、白いシルク・ジャージーのルーム・ウェアなんかがあればいいなあ・・・。まずはスタイルから入らないとね。

いくつにになっても、おしゃれを楽しみ、たとえばラベンダー色の洒落たウェアでスポーツを楽しむ、そんなおばあちゃんに私はなりたいっ!そのためにも96歳の義父を見習い、今より少し規則正しい生活をさっそく始めてみましょう。

2009年10月14日 (水)

家訓

まつこです。

以前、NHKで放送していた『アリー・マクビール』というドラマで、主人公のアリーには考え込んだり、迷ったりすると、ネックレスのチャームをいじるという癖がありました。実は私も大昔から、同じ癖があります。

今朝も遅刻ギリギリ。職場であわてて授業の準備をしようと、PCの前で「えーと」と文書を整えながら、いつものように自然に指が喉元のネックレスをいじろうとしたそのとき、「えっ! ないっ!」。あるはずのネックレスが消えていました。

8月にスローン・スクェアのLinks of Londonで買った、小さなクロスのネックレスです。もしかしてつけ忘れたのかと思い、あわてて自宅にいるうめぞうに電話し、置き忘れてないかと聞いてみました。いつもは私のアクセサリーなど気にもとめていないうめぞうが、「今朝、君が玄関を出ていくとき、確かにそのネックレスをしていたよ。僕は確かに見た」と確信を持って言い切ります。すると無くしたのは通勤途中・・・。もう絶対に見つかりっこありません。

がっかりしている私にうめぞうは言いました。「無くさなければ新しいものは買えないよ」。そうです! そうでした! これが我が家で代々、祖母から母へ、母から私へと伝えられた家訓なのです。

戦時中、極端に物資のないときに、小学校でハンカチを無くした母がしょんぼりしていると、祖母があっさりと「無くさなければ新しいものが買えないわ」と言ったのだそうです。その話を母は繰り返し繰り返し語り、私は500回くらい、うめぞうも50回くらい聞いています。いったん無くしてしまったものを、くよくよと悔やんでいても仕方がないという楽天的メッセージがそこにはこもっています。

先々週、うめぞうが我が家で愛用していたクリーマー(ミルクピッチャー?)を落として割ってしまった時も、私は「食器なんか割れなければ、新しいものが買えないわ」とこの家訓で慰めました。

そうだ、そうだ、そのとおり。ネックレスは無くしたら買えばよいのです。失恋したら次の恋です(ちょっと違うかな?)。

すっきりと気分を切り替えたそのとき、だだっ広い講師室のパソコンが並ぶデスクの下に小さな光るものが・・・。おおー、クロスのチャームが見つかりました! 奇跡です。

Photo[これ、ごく小さなチャームです。よく見つかりました]

チェーンは残念ながら見つかりませんでした。Links of Londonのチェーンは留め金のところが洒落ているのですが、留めにくく、たぶん家を出るときからちゃんと留まっていなかったのだと思います。念のため、個人研究室まで行って、厳重に鍵をかけてから、着ていたセーターを脱いでひっくり返し、胸元の下着の中まで点検してみましたが、チェーンはひっかかっていませんでした。ま、チャームが見つかっただけで良しとしましょう。

無くさなければ新しいものは手に入らない――。そしてさっぱりとあきらめた目でこそ見つけられるものがある――。これが本日の教訓です。ハンカチでも、ネックレスでも、あるいは恋のお相手でも、無くしてしまったときは、このメッセージを思いだしてみてください。

2009年10月10日 (土)

秋の夜

まつこです。

うめぞうと一緒に新潟に来ました。先週、仕事と風邪でこれなかったので、中11日あけての帰省でした。新潟はもう肌寒く、庭の木の葉も紅葉し始めています。寒がりのうめぞうは、そろそろ暖房がほしいと言っています。

Photo[庭の木の葉も赤く色づき始めています]

10日以上来ないと、その間に火災保険の更新手続き、年金の振込通知、各種振替通知などの郵便物が届いています。いつもは数日以内に私が来て、必要な手続きがあればしてしまうのですが、しばらく来なかったので、母は自力で処理しようと試みたようです。

しかしだんだん書いてある内容が理解できなくなっているらしく、お金が振り込まれたという通知を持って銀行に行き、払込の手続きをしかけてしまったようです。整理してしまっておいた通帳やら証書やらもあれこれ出してごちゃごちゃにしてしまいました。

2年前に初めて認知症の診断を受けたときに、「火とお金の管理にまずは気をつけてください」とお医者さんに言われました。火の方は、暖房をオイルヒーターにしたり、自動消火装置つきのガス台にしたり、急ぎ対策を講じたのですが、お金の管理の方はなかなか難しいです。親の介護を経験した人たちから、「通帳は本人から頼まれるまで取り上げないほうがよい」と聞いています。良かれと思って管理してあげようとしても、老いた親は子供に通帳を取られたと思ってしまうというのです。

各種の売り込みや営業への対応も悩ましいところです。牛乳の宅配はすでにひとつお願いしているのに、しつこい売り込みに負けて、別のメーカーの乳製品の宅配を契約してしまいました。「ひとつは私のぶん、新しく取り始めた方はまつこの分」と母は言っています。牛乳やヨーグルトくらいなら良いのですが、最近は不動産業者が来ることもあるようです。「庭にアパートを建てないか」とか、「土地と家を売らないか」と聞かれたそうです。宗教の勧誘も厄介です。今のところ牛乳屋さん以外は、母は警戒心をむき出しにして対応して、事なきを得ていますが、これから不安ではあります。

今の母は、自分のお金は自分で管理するものだという自立心と、いろんなことがだんだんわからなくなってきたという不安の間にいるようです。それでも今日は娘と婿殿がやってくるというので、バスに乗って買い物に出かけました。婿殿によいところを見せようとしてか、新しいセーターなど自分用に買ってきていました。新潟産の甘エビなんかも買っておいてくれました。娘夫婦がやってくるのを楽しみに買い物に行くという気持ちがある間は、ぎりぎりまで「ママのお金はママのもの」という自尊心を傷つけないようにしながら、注意深く見守るしかないと思っています。

Photo_2[新潟の味、甘エビ。うめぞうが今日は殻むきを手伝ってくれました。鯛も地元のものです]

新潟の秋から冬へかけての味覚、甘エビ。もっちりとした舌触りと濃厚な味で美味しかったです。私のお気に入りの地酒「吉乃川」をぬるくお燗して飲むうちに、まあ、なんとかなるさ・・・と、ほろ酔い気分に、しばし不安は忘れた秋の夜でした。

2009年10月 8日 (木)

おひとりさまのファスト・フード

まつこです。

自慢するほどのことでもないのですが、私の自慢は「一人で立ち食いそば屋に入れること」です。立ち食いそば屋というのは、あまり連れだって入るものではないので、そもそも一人のお客が多いのですが、外食産業の中では女子率のきわめて低い部門です。「立ったまま食べるなんて行儀が悪い」というしつけの成果もあるでしょうが、「立ち食いそば=おじさんの店」という図式が、女性たちを遠のかせているものと思われます。しかし、外出時にお腹がすいて、しかし時間がないというときに、立ち食いそばはうってつけの軽食です。

Photo[私のお気に入りの立ち食いそば屋「はるな」。昨日も行きました]

ただしお店によってはそば粉などほとんど入っていない炭水化物そのままのお蕎麦がふにゃーとのびて、化学調味料の入った甘ったるいお出汁とともに出てくるようなところもあるので、要注意です。私が最近気に入っている立ち食いそば屋は、本郷二丁目にある「はるな」というお店です。注文してから茹でて(そうじゃないときもあるらしい)、しゃっきりとした歯ごたえと香りのするお蕎麦を、バランスのとれたお出汁で食べさせてくれます。

美容の大敵トランス脂肪酸の多いハンバーガーやドーナツに比べれば、お蕎麦にはルチンなどの栄養価も含まれています。カロリーもそれほど高くありません。500円玉一個あれば、おつりがきます。これをおじさんたちだけに独占させておく手はありません。忙しい女性のみなさん、おいしい立ち食い蕎麦屋を見つけて、ぜひ活用しましょう。

ちなみに私が「女一人でも入れるもん」というお店と、苦手なお店の区分は下記のとおり。

一人居酒屋:OKです。今まで一番よかったのは夜遅く着いた出張先の盛岡で、地酒「南部美人」を飲みながらさんまのお刺身や酢牡蠣を堪能した居酒屋さん。

一人鮨屋:OKです。近所の「癸生川」というお店に一人で入ったら、家族経営のお寿司屋さんで、皆さんで歓待してくださり、ちっとも一人にしてもらえなかったことがあります。

一人Bar:OKです。バーテンダーさんはたいてい適当に話しかけてくれたり、放っておいてくれたり、対応が上手な人が多いです。カウンターで隣にうるさく話しかけてくる人が座った時には、さっさと退散。

一人ラーメン屋:たぶん1回だけ。あまり気が進まない。

一人焼き肉屋:未経験です。

一人学食:未経験です。えっ?実は私は学生食堂が苦手・・・。30年近く大学に通い続けていますが、一人で学食で食事をしたことがありません。友人と一緒の食事を数えても、たぶん10回未満。

2009年10月 6日 (火)

新旧交代

まつこです。

ちょっと間があいてしまいました。先週末は仕事があり、帰省しなかったのですが、隙間の金曜日に半日ほど暇がある・・・と思ったとたん、そこで風邪をひいてしまいました。疲れがたまっていたところに、気の緩みですね。金曜、土曜と完全休養し、週明けから完全復帰しています。介護は介護者の健康を損なわない範囲でやるというのが鉄則だと、改めて思いました。

Photo[こちらが先代の洗濯機]

さてその間、我が家は洗濯物が、文字通り山のようにたまっていました。10年近く使い続けた洗濯機がとうとう壊れてしまったのです。これは日本製のドラム式洗濯機が出始めたころ買ったものです。見た目がすっきりしているので、気に入って使っていたのですが、ときどき故障して、修理に来てもらうたび○万円かかっていました。3回目の修理の時だったと思いますが、「なんでこんなにしょっちゅう故障するんですか?」と聞いたところ、日本のメーカーが売っているけれど、実はヨーロッパのメーカーがイタリアの工場で作ったと説明を受けました。

えっ! イタリア工場・・・それじゃあ、よく壊れるわけです。以来、ルックスだけ良くて金のかかるジゴロみたいなやつだとあきらめてつきあい続けていました。最近、お洗濯するたびにエラー・メッセージが出るようになったので、とうとうこの老いたジゴロとはおさらばすることにしました。次こそは、品質管理の行き届いた日本製の洗濯機を買おう!

そう思って秋葉原のヨドバシに出かけて売場でびっくり。日本の洗濯機ってどのメーカーのもまるで昔のSFで描かれたタイム・カプセルみたいなデザインなんですね。大きくカーブした外形、人間がすっぽり入りそうな丸い扉、メタリックな部品を配し、ピカピカ瞬くボタンがたくさんついています。

こういうデザインが好きな人もいるのかもしれない・・・が、しかしなぜ競合する各社とも同じような横並びデザインなんでしょう。ナノテクだ、ヒート・ポンプだ、エコだと先端技術を様々競っているようですが、見た目は驚くほど似ています。私がほしいすっきりしたごく普通のデザインのドラム式なんて一台も売っていません。日本の家電メーカーにデザインのセンスはないのかっ!テクノ・オタクが作った洗濯機なんかいらないっ!

Photo_2[こっちが新しい洗濯機]

これだから日本には技術はあっても文化がないんだ。日本の道具にもかつては伝統的な美意識はあったはずなのにどこへ消えた? などなど大げさにプンプン怒りながらヤマギワへ。そこで売っていたエレクトロラックス社の洗濯機を見て、あっさりとそれに決めました。機能は基本的なものがあれば十分。デザインはシンプル。洗濯機はこれでいいのだ。

しかし・・・数日後に配達されたエレクトロラックスの洗濯機。配送業者の方が試運転したときから不調でした。初期不良です。日を改めて別のものに取り換えてもらうことになりました。その間、小山のようだった洗濯物は大山となり、うめぞうなどは「もうはくパンツがないよー」と言い出す始末。

私が風邪でフラフラしていた先週金曜日にようやく新しい洗濯機が再配送され、無事設置されました。引き出し式の洗剤の投入口は力を入れなければ引っぱり出せず、ドアは閉めるたびにガッチャンと大きな音がします。日本製なら初期不良などなく、引き出しもドアもスムーズに音もなく開閉するんだろうなあ、と想像しています。うーむ。

それでもあのタイム・マシーンみたいな見た目の洗濯機はイヤ。そういう感覚の人はもっとたくさんいるはずです。でも各社横並びの販売戦略のせいで、消費者の選択肢がせばめられているのではないでしょうか?デザイン家電などと大げさなものではなく、ごく普通に売っている、ごく普通の道具のデザインに、もう少し多様性と洗練がほしいところです。

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