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2009年8月 7日 (金)

夏の景色

まつこです。

うめぞうと一緒に新潟にやってきました。梅雨空のような曇天が続いていて、なかなか夏休み気分が盛り上がりませんが、青々と広がる水田を眺めると、日本の田舎の夏の景色だなあと実感します。

Photo[典型的な日本の田園風景です]

田舎の夏は野菜がおいしい!トマト、キュウリ、トウモロコシ、カボチャ、エダマメなどなど、近所の農家のおばあちゃんからもらったものや、母が裏庭の家庭菜園で育てたものなど、どれも野菜の甘味がしっかりとしています。母はがんばって、カボチャの煮物やキュウリと薄焼き卵のサラダなど作って待っていてくれました。

食事の際の話題はどうしても母の思い出話が多くなります。しかし、この思い出話がどうも最近あやふやになってきている気がします。認知症ですから最近のことはすぐに忘れてしまう、けれど昔のことは妙にクリアに覚えている。そういう時期がしばらく続いていました。しかしその時期から、昔の記憶も次第におぼろげになる段階に入りつつあるのかもしれません。

この季節だと戦時中の子供のころ、特に終戦の頃の話が多くなります。でも話にだんだん曖昧な部分が増えてきました。「終戦の時は、えーっと、私は4年生・・・いえ5年生・・・」「空襲?市内には爆弾は落ちなかった・・・いえ、工場が一度爆破されたわ」「玉音放送・・・聞いたような気がするんだけど、あまりはっきり聞こえなかったような気がする。よく覚えていないわ・・・」

記憶が消えていく――それは確かにとても悲しいことです。でも家族が悲嘆にばかりくれているわけにはいきません。悲しむことでエネルギーを消耗してしまってはいけません。母の記憶力の減退を嘆き悲しむよりも、むしろ今、母が安心や幸福を少しでも感じられるよう、そちらの方に精力は向けるべきです。

「このカボチャおいしいね」「作ってくれてありがとう」「トマトもきゅうりも採りたてだとおいしいね」「ママが家庭菜園やっていてくれるからおいしい野菜が食べられるね」などなど。虚ろな過去の記憶をなんとか手繰り寄せようとするのではなく、たった今の単純な喜びにあふれた言葉を母にはっきりと伝えることのほうが大切です。(でもそうすると、ついつい食べ物の話ばかりになってしまいがちですが。)

60数年前、おかっぱ髪の小学5年生の少女が終戦の日を迎えた時も、青々と水田が広がり、緑濃い山が遠くに見えていたはずです。その少女が成長し、やがて時を経て、老いていく。記憶は薄らぎ、心の中の様々な物語は消えていこうとしています。でも自然は何一つ変わることなく、季節を繰り返し、悠久の時が流れ続けています。老いも病もその大きな自然の一部です。そのことを受け入れて、今できるささやかなことをひとつずつ探していかなければと、あらためて思う夏の日です。

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コメント

新潟はお天気はいかがでしょうか?
今年は、冷夏?とも言われているので、米所のお天気が心配です。
でも、お野菜美味しそうですね^^

父も、昔話はとても多いですが、やはりディテイルはあやふやというか、話すたびに異なったりします。
いろんな話がまじってしまったり。
昔のことなんで、間違っていたって、別に今に影響するわけでなし、ちょっとくらい間違っていたって構わないという気持ちで聞いています。
母が、ときどき「終戦のときは、小学生だったわよ」とか訂正を入れてしまいますが(^^;

絵莉さん、コメントありがとうございます。

新潟は今日は一日中、雨降りでした。お米ちゃんとできるといいのですが。

昔話もだんだんとネタが減ってきて、おんなじ話ばかりなんですよねー。私も諦めがついてイライラはしませんが、退屈です!母と二人のときには、食事中もテレビをつけっぱなしにしています。その場限りでですぐ忘れるとしても、多少は新しい話題を共有できますから。でも最近は、「日本の政治はどうなっちゃうのかしらねー?」「投票日いつだったかしら?」「どんな人が候補者か私わかっていないんだけど大丈夫かしら?」と、こればかりです。

こんにちは。

田舎のお野菜は本当に美味しいですよね♪
冷蔵庫の野菜室にいっぱい野菜があると幸せを感じる私です(笑

思い出話があやふやになっていくのは悲しいですが、昔のことより今ですよね。
私は普通ならひいちゃう?ようなオヤジギャグとか、何でも良いのでとにかく母を笑わせること、母が楽しい気持になるように母の好きなことを繰り返し何度も(この点は本人が覚えていないので助かりましたが)話題にしていました。
まぁ、こちらが疲れている時などは話題を繰り返す気力が続かないこともありましたが。

本当に、大自然の前には人間の存在なんてごく小さな部分でしかありません。あれこれと思い悩みはつきませんが、無理せずに出来ることを一つ一つ・・・で行くしかないのでしょうね。

翡翠さん、コメントありがとうございます。

私はオヤジギャクは苦手なので、ギャグは本物のオヤジ(うめぞう)に任せています。でも笑いのネタを探すのは大切ですよね。なんでもいいから笑えば、こちらの気分も明るくなりますから。まあ、落語なんて同じ話を何回も何回も繰り返すのですから、同じ話題で何でも笑ったってぜんぜん構わないわけですよね。

私の場合、ちょいとお酒を飲むとどんなときでも気分が明るくなる方なんで、母の相手をしながらグラスに一杯、もう一杯・・・。茹でたてトウモロコシに冷えた白ワインなんて最高!

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