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2009年6月 2日 (火)

年を取ると幸せになる!

うめぞうです。

われわれ2人は一回り違いの丑年で、うめぞうはもう一ヶ月ほどして、アメリカの独立記念日がやってくると、還暦と相成る。それに比べれば48歳などというのは、まさに女盛り、年齢のことなどまったく気にする必要はないように思うのだが、まつこ自身は最近とみに体力と容色の衰えを感じるようで、アンチエイジングのために、日夜ひそかに奮闘努力しているらしい。

年を取るつらさは、ほとんど文明の始まりとともにあったようで紀元前2500年にすでにエジプトの賢者プタホテップが、老人の日々の衰えを嘆いている。

しかし、うめぞうは、みずからの経験に即して断言する。この先のことは知らないが、少なくともこれまでのところ、年齢とともに幸福感は増してきた。年を取るにつれ、人間は自分自身と自分の環境により深く満足するようになる。心が安定する。人生全般に対して肯定的な見方ができるようになる。他人の業績や幸運をうらやんだり、ねたんだりしなくなる。自分のできることがごくわずかしかないことに、心から納得できるようになる。だから競争のために何かをしようとは思わなくなる。すべては、あくまで自分の楽しみのためにおこなう。

また、葛藤に悩む度合いも減っていく。たとえばわれわれの前に、Aという選択肢とBという選択肢があったとしよう。若いうちは、どちらかの選択肢を思い切って捨てる勇気がない。だから両方の選択肢を中途半端に追っかけてしまう。その結果、たえず葛藤に悩み、結局は両方ともを失ってしまう。無理にAをとれば、Bを取るべきだったかと後悔する。ついには、複数の選択肢の前に立たされること自体から逃げようとする。

年を取ると、自分に合わない選択肢は比較的容易に捨てられるようになる。ものごとにプライオリティがつけられるようになるのだ。それができるようになると、かえって多様な選択肢の前に立たされることが苦痛ではなくなる。むしろそれを楽しむことができる。あれか、これかと若いときに悩んでいたことが、とりあえずは、あれをやろうと思い切ったとたんに、これのほうも案外できるようになる、という具合だ。

運動能力も、筋肉も、言葉も、訓練さえすれば、何歳になってもそれなりに向上する。だから年を取ることを、まったく怖れる必要はない。むしろおおいに楽しみにしてほしいものだ。うめぞうの父親はやはり丑年で、今年96歳になる。本人によれば、その年になって良いことは、死をまったく怖れなくなることだと言う。死を怖れなければ、基本的にこの世に怖いものはない。年齢とともに、人は自由になる。ある意味で大胆になる。失うものがどんどん少なくなり、怖れるべきもの、守らなければならないものが次第になくなれば、自由自在、思い通りに生きていけばいい。

ウルズラ・シュタウディンガーというドイツのエイジング研究者の最近の研究でも、加齢はより満足感にあふれた人生をもたらすということが確認されている。フロイデ!みんなで、年を取ることをもっと楽しもうではないか。

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コメント

うめぞう様

私は、40を過ぎた頃から、急に年を取ることが不安になりました。
子孫を残さない私は、この先何の為に生きていくのだろうと思いました。体力も技術も衰えていく一方なのに、この先何を目指すのだろう…って、悶々と考えた日々がありました。
そんなとき、母が認知症になり、とにかく日々生きるしかない状況に追い込まれ、ある意味ホッとしました。
でもまた10年も経てば、同じような不安を持つのではないか、と思っているのですが、うめぞうさんの言葉で、ちょっと光が見えてきたような気がします。

しょうさん、お久しぶりです。
お元気でしたか。私は木曜日が一番忙しい日で、その準備に追われてお返事が遅れてしまいました。
年を取ることへの不安。思い返せば、たしかに私にもかつてはありました。
そして今、はっきりわかったことがあります。その不安こそが若さの証明だったということ。何かを成し遂げなければならないというあせり、他の人がみんな偉く見える気後れ、自分自身への叱咤激励。みんな若さのエネルギーの所産だったということ。
次第にその力がなくなり、欲望がなくなり、能力がなくなり、かつてもっていたものを一つ一つ失っていくと、その不安もまた軽くなっていきます。そして不安もまた人間の能力だったのだということに気づくようになります。そして同時に、若いときにもっていて、今もっていないものは、それほど人生にとって不可欠なものでもなかったことに気づきます。その瞬間に、人は自由に、幸福になります。そしてまた逆説的ながら、その幸福感のなかで、自分の好きなことをやっていれば、人間の能力はそれなりに向上するものです。
今や、新緑の季節。生命力があちこちにあふれていますね。でも、夏になり、秋になり、一つ一つ木の葉を落としていくと、やがて透明な冬の空気にすっくと立つ枯木になる。これはこれでなかなか、かっこいいんじゃないかと、今は老後を楽しみにしています。


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