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2009年5月22日 (金)

通信簿の見方

うめぞうです。

今日は、うめぞうに通信簿が送られてきた。さいわい学力評価ではない。先日受診した人間ドックの成績表だ。項目ごとにA(問題なし)から順にEくらいまでランク付けがしてある。

コレステロール220、動脈の石灰化、胃の粘膜下腫瘍、逆流性食道炎、十二指腸ポリープ、腎臓囊胞、AFP(腫瘍マーカー、肝臓ガンや精巣ガンに反応する。標準値の上限は10)12.5、リューマチ反応(+)など、BやC(経過観察)という項目が結構あって、それほど成績優秀とはいえない。

でもうめぞうは、どれもこれもあまり気にしてはいない。手術すれば取れる悪性腫瘍が見つかれば手術はするが、ガンにならなければ心筋梗塞か、脳溢血、脳梗塞、腎不全、あるいは認知症、どれがどのような順序で生命維持の限界を超える直接原因になるかは、体質や偶然による。われわれの努力で多少順序を変えたり、何年か遅らせたりすることはできるかもしれないが、どんな順番でも基本的には天命としてありがたく受け入れたい。冷静に考えてみれば、認知症が増えている最大の原因は長寿化であり、介護の体制さえ社会的に整っていけば(これが絶望的なほど遅れている!)、本人にはもっとも苦痛の少ない自然な命の終わり方のようにさえ思えてくる。

ともあれ、もう1ヶ月半で還暦を迎えるうめぞうの健康診断結果などは、あまりたいした話題ではない。今日、書きたかったのは成績表や通信簿の正しい見方についてである。

医学的に見て本当に意味のあるデータは、標準的な平均値からの偏差、つまり他人との比較ではない。はるかに重要なのは私自身の去年、一昨年の結果との比較だ。たとえばコレステロールが220だとして、昨年の値が180であれば、やはり少し気になる。AFPも昨年が5であれば、今年12を超えていれば、少し何かあるな、と感じる。しかし、昨年、一昨年と同じ値であれば、あまり心配はいらない。他人との数値比較は、そもそも体質の違いがあるので、ほとんど意味をなさないのだ。

同じ事は、子供たちの学校成績についてもいえるのではないだろうか。人間の創った車ならば、同じ工場からは同じ品質の車が排出される。しかし自然はもっとずっと巧妙にできているから、種には必ず多様性が確保されている。数学の得意な子供、暗記が得意な子供、足が速い子供、人の気持ちがよくわかる子供、千差万別、あらゆる特徴について得手不得手がある。だから基本的に平均値や他者との比較はほとんど意味がない。それよりも、昨年、一昨年との比較が重要だ。それは時間や経験による学習過程の貴重な指標となる。

そこで具体的な提案がある。たとえば1学期の成績をそれぞれの生徒について基準点100とする。そして、2学期の成績はその基準点からの偏差で表現するのだ。1学期の数学の試験が、A君は80点、B君は40点だったとしよう。2学期にA君が72点を取り、B君が60点をとれば、A君の2学期の成績は90点、B君の成績は150点となる。3学期は、あらためて2学期の点数72点、60点をそれぞれ100とした時の点数で表現する。A君が1学期と同様、80点をとれば、3学期の成績は111点、B君が40点をとれば67点となる。

従来の成績一覧は、A君80-72-80、B君40-60-40。新制度による成績一覧は、A君80-90ー111 B君40ー150ー67

生徒たちには、「いつでも100点を超える」ことをめざそう、と発破をかける。この点数は何を意味しているかと言えば、もちろん正確ではないが、直近の過去と比べて、今学期その生徒がどれだけがんばったかを示している。通常の評価方法では、B君がA君を抜くことはほとんど不可能だ。しかしそんなことは、もともとコレステロールが低い体質(まつこは同じものを食べているのに160くらいしかない)と高い体質の人を比べているのと同じで、本人の努力とはほとんど関係がない。しかし、うめぞう評価システムなら、B君が100点を超すことはそれほど難しいわけではない。

ところでTOPIXという株価指標は、うめぞうが大学に入学した年の株価総額を100として決めている。だいたい平均株価の10分の1くらいになるのが普通だから、今なら800円くらいだとすると、うめぞうが大学に入ったときに比べて8倍になっているという計算だ。不景気、不景気と言うが、うめぞうが学生時代に比べて、株価総額が8倍になっているのなら、これはとてもつもない成長ではないか。こんなことも、この成績表の見方は教えてくれる。

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