« ご近所B級グルメ | トップページ | この花の名は? »

2009年4月11日 (土)

古いロンドン土産

まつこです。

今週末はウメマツ二人で新潟に来ています。今日は母の薬をもらいにお医者さんに行って来ました。

仕事をしていない高齢者にとって、大切な書類と言えば、預金通帳、年金手帳、健康保険証といったところでしょう。母はそろそろ書類の管理能力がややあやしくなっているののを自覚しています。お医者さんの診察券と保険証はひときわ大切に、革製の小物入れに入れて、バッグの中の定位置に必ず置くようにしています。

Photo[この小物入れの中に保険証が入っています]

この小物入れは、私が初めてイギリスに行った時のお土産で、アクア・スキュータム製のものです。もう四半世紀も前のことです。先週渡した紅茶のことなどすっかり忘れていますが、昔のことはよく覚えていて、保険証を取り出すたびに、くたびれたピンクの皮の袋を眺めて、「これはあなたが初めてイギリスで買ってきてくれたものよね」と必ず言います。

1980年代、ポンドはまだ300円近くて、ボンド・ストリートにはロンドンの老舗が並んでいました。チョコレートのCharbonnelとか煙草のBenson & Hedgesなど、いかにもイギリスらしい重々しい雰囲気のお店には、「王室御用達」の紋章が掲げられていました。町のいたるところに、ダイアナの顔写真がプリントされた品があふれていた頃です。

そんなイギリスの老舗では、日本から来た女子学生が一人で店に入ってきても、堂々とした風格のあるおじいさんの店員が極めて丁重な口調で、"Madam, how can I help you?"と応対してくれました。おずおずと気遅れしながらも、精一杯の英語を駆使して、この皮の小袋を母のために買い求めたのを覚えています。

今年も同じボンド・ストリートを歩いてみましたが、トウキョウもパリもロンドンも同じ顔ぶれのブランドが並らび、同じ商品が、同じようなインテリアの店内に陳列されています。どこのお店も若くておしゃれな男女の店員が配されており、昔のように老紳士が重厚な英語で応対するお店はなくなったようです。なんだか少し残念な気がする、と古いロンドン土産を眺めながら思いました。

« ご近所B級グルメ | トップページ | この花の名は? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 古いロンドン土産:

« ご近所B級グルメ | トップページ | この花の名は? »